通販企業がキュレーションメディアで商品PRする際の法的問題点とは | 健康・美容業界の今を知る! | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2017年1月17日(火) 10:15
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まだまだ終わりを見せないDeNA「WELQ」をはじめとする「キュレーションサイト問題」ですが、薬機法や景表法等の視点から考えてみましょう。そしてこれは、キュレーションメディアを通販企業が利用する場合の注意点ともいえます。

「キュレーションサイトでは何を書いてもいい」は間違い

「キュレーションサイト問題」の問題の発端はDeNAが運営する「WELQ」において、素人が医療に関する記事を作成し、医師の監修もつけずに掲載している……というサイトそのものモラル問題でした(法律云々ではなく、あくまでもモラル的な問題。また、信憑性の低い情報が上位に出てしまうことにより、誤情報を鵜呑みにしたユーザーが健康被害を訴える事例もあり)。

その後、記事や掲載写真が無承認使用で著作権的に問題があり、かつ、DeNAのマニュアルにおいてもそれを推奨するかのような記載があった……ということが発覚して、より一層報道が白熱し、DeNAはもちろんのこと、同様のキュレーションサイトおよびその運営者に対し非難が多数浴びせられました。

そんな矢先、

健食や化粧品の紹介においては購入に繋がっており、内容が薬機法的に問題である可能性が浮上。東京都がDeNAに対し聴取を行う予定。更に、「情報サイト」をうたって特定の製品を宣伝するサイトが他にもあるとみて調査する方針。

というニュースが入ってきました(2016年12月1日毎日新聞、同年12月7日読売新聞の報道より)。

キュレーションを構成する情報の中は、ざっくり

  • 商品が全く絡まないもの
  • 最終的に商品へ誘導するもの

の2つに分かれます。

ここで問題となるのは後者の「最終的に商品へ誘導するもの」です。特定商品名があげられているのであれば、“広告”と判断されてしまう可能性があるためです。

※薬機法、健康増進法で言う所の広告は、「特定食品等の商品名が明らかにされていること」の他にも「顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること」「一般人が認知できる状態であること」を満たす必要があります。

キュレーションサイト本体および記事作成者(ライター)と商品販売元である企業間に利害関係が一切無いのであれば、「顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること」に該当しないものと考える事ができますが、通常は何らかの金銭を伴うやりとりが行われていると判断するのが妥当と考えますので、どちらの項目も、満たす=“広告”とみなしています。

また、景表法においても事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に関する事項について行う「広告その他の表示」が該当しますので、この面から考えても“広告”と認識すべきと考えています。

広告である以上、キュレーションに差し込まれてくる“商品に絡む記事”は、法律に基づく解釈上の“記事”ではなく、“広告”になるという認識の下、健康食品であれば、少なくとも薬機法・健康増進法・景品表示法、化粧品であれば、薬機法・景品表示法を考慮した内容作りをしなければなりません。

厳しいようですが、キュレーションサイトという場所だから、普段、広告で言えないことが伝えられるという認識は間違いです。

薬機法視点の場合には「何人(なんぴと)も」が対象者で、広告を行っている企業はもちろんのこと、キュレーションサイト運営社にも責任が発生します。景表法視点では「広告主体者」が対象なので、広告を行うと判断した側(企業側)のみに法的責任が発生します。

(健康増進法視点の場合には同じ「何人(なんぴと)も」が対象者であり、広告を行っている企業は責任を負います。しかし健康増進法の考え方は、虚偽誇大広告について第一義的に規制の対象となるのは健康食品の製造業者、販売業者であるから、直ちに、広告媒体事業者等に対して健康増進法を適用されません(しかしながら、当該表示の内容が虚偽誇大なものであることを予見し、または、容易に予見し得た場合など特別な事情がある場合には、同法の適用があり得るとされています)。

繰り返しになりますが、通販企業がキュレーションメディアを利用する際、薬機法・健康増進法・景品表示法全てが絡んでくるものと踏まえ、内容の決定をするようにしましょう。

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オリジナル記事:通販企業がキュレーションメディアで商品PRする際の法的問題点とは | 健康・美容業界の今を知る!
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稲留 万希子
薬事法広告研究所 副代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

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