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実は広告主が損をしているコンペのさせ方」 からご覧ください。
広告主が広告代理店やクリエイティブファームに提案をさせる時、特に競合プレゼンテーションをさせる場合において、多くの広告主が決して上手なやり方をしていないケースが多い。それでも、CMなどのマス広告の提案の場合は、長年の経験値から広告主も代理店側も了解事項がかなり出来上がっているので、そうでもないが、問題はWebサイトやそのクリエイティブ、デジタル/ソーシャルのコンテンツ提案の場合だ。
この領域の提案を求める時、特にコンペにする場合の広告主の提案のさせ方は、あまり上手ではなく、かえって本当に良いプランを得られていない場合が非常に多い。
Webの制作費はピンキリで、ページあたり本当に安い単価でつくるところもある。(そもそもページ単価というのもどうなんだ?) ただただ安いのがいいのなら、それでいいのだが、クオリティの高いクリエイティブを買いたいのなら、それなりの知見が要る。
広告主側に経験値が少ないと、クオリティの認識(つくり手のどんなノウハウに価値があるか)とそのコスト感覚が出来ていない。求める期待値とコスト感覚が折り合っていないのだ。大手代理店に依頼するCMなどであれば、この辺が出来上がっている。しかし、Web/デジタル領域だと、どこに本当のクオリティの価値があって、どこをケチってはいけないかがまだ分からないというところだろう。「安物買いの金失い」にならないようにしないといけない。
意外にもWebクリエイティブのオリエンでは予算を明確にしないケースが多く、しかも期待値をうまくオリエンできていないので、提案する方もオーバースペックになったり、的外れなものになりがちだ。
しかも非常に短時間での提案要求が多い。コンペなので、競合させるところに平等な条件を与えるのはいいが、提案側にもベストなプランを出せるタイミングというものがある。比較的タイトなスケジュールでも一生懸命対応する姿勢があるかどうかを選抜の判断材料にしようという意図もあるかもしれないが、それはあまり的を射ていない。
本来ならアクセス解析ツールがあれば、アカウントを一時渡して分析させた上での処方箋を出させるべきだろう。その辺りは従来のマスクリエイティブ提案とは少し違うと認識した方がよい。全く同じ感覚でやると、本当に損をするのは実は広告主自身だということを認識しないといけないだろう。
やはり広告フォーマットがあるものはつくる側もそれを選ぶ側も基準があって、比較的楽に提案と採用が成立していたが、ノン広告フォーマットの企画提案にはまだまだ採用する側も提案する側も技術が確立していない。
これをうまくやらないと損をしているのは基本「買う」側である。