「交通事故死者数は年々減少」から何を読み取るか [週刊IFWA 2013/1/7] | Insight for WebAnalytics

Insight for WebAnalytics - 2013年1月7日(月) 08:00
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■ 「交通事故死者数は年々減少」から何を読み取るか

交通事故死は12年連続減少が続いているというニュースを年始早々に見かけた方が多かったのではないでしょうか。死者日報なんていうのもあるのには私もびっくりしました。日本はこういう統計はきちんと取りますね。
http://www.itarda.or.jp/dairy_data.php?d=2012-12-31

まあ人口は減っている訳なので、諸手を上げて喜んでいいかどうかは、12年連続減少という事実だけからは判断しない方がよいと考えられるかどうかがポイントでしょう。またこのデータをどう役立てるかが大事です。

Yahoo!ニュースなどでは、減少傾向について警察庁は「飲酒運転など悪質で危険な運転が減った影響ではないか」とか「65歳以上が51%にのぼり、過去最高となった」「愛知県が最も多い」などの原因や細かい事実について言及しています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130104-00000020-mai-soci

皆さんはこの解説に納得しましたか?やはり厳罰化は効果があるとか予防の側面などに思いが至りましたでしょうか。私の場合はいつもの手法ですが、トレンドで見ることとセグメントを切ってみることの二つを組み合わせることをまず考えてから、それをどう役立てるかを考えます。

社会実情データ図録という素晴らしいサイトがあります。ここで交通事故死者数に関する長期的なトレンドデータを見ることができます。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/index.html
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6820.html

ここに掲載されている図を見ると、サイト運営者のセグメント軸や関連する情報との比較の意図を読み解くことができます。絶対値だけではなく、割合、関連しそうな車両台数などとの関係を見たり、年齢層別、状態別(歩行中なのか自動車乗車中なのかといった分類)、高齢者の状態別などのセグメント軸によって、原因や対策を探る試みが見て取れます。

これ以外にも規制や罰則といった社会的背景や、そもそも総人口などとの比較もなければ精緻な分析はできませんので、答えをここで出そうとは試みませんが、「何故」を何回も繰り返す、まずはここから始めましょう。

厳罰化に関して言えば、他殺による死亡者数も実は年々減っているようです。ニュース報道を見ていると犯罪の凶悪化・悪質化がクローズアップされ、被害者の厳罰を望む声が強調されているようにも思いますが、冷静に数字と向き合うと、また新しい発見があるかもしれません。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776.html

取り上げたデータはあまり楽しいものではありませんでしたが、死亡者が減り続ける傾向は続いて欲しいものです。皆さんも本年よい年でありますように、お祈り申し上げます。
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