不幸な国の幸福論 | イケダノリユキのCommunitainment Blog

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正月休みに少しだけ本を読んだのでご紹介。


●加賀乙彦著「不幸な国の幸福論」集英社新書


Fukounakuni


珍しく本屋で手に取った同著、80歳の著者とは思えない柔軟な語り口に非常に納得させられました。


著者は、『人はときどき、何が自分を幸福にするかについて間違った理論を作り上げ、それにもとづいて欲望を形成した結果、「ミスウォンティング(欲求ミス)」をおかすことになる』と書いています。


親の期待、所属している集団の価値観や常識、時代の空気や流行、身近な誰かの成功や失敗など、他者を意識しすぎる不幸などについても考察していて、ふむふむ、そうだよね、と。


正月早々暗い話ですが、日本の年間自殺者は3万人以上です。でもこれ、諸外国と計算の仕方が違うみたいで、他の国と同じく変死者の半分を自殺者数に組み込むやり方で計算し直すと、日本は何と自殺率世界一のリトアニアを軽く抜き去る数になるそうです。WHOが集計している101カ国でワースト1ですよ。これは異常です。


僕たちはいま、経済的な豊かさと精神的な幸福が反比例する時代に生きています。これは、戦後の日本が歩んできた「成長を前提とした社会」の限界を示しているように思えます。


昔イタリアに旅行に行ったとき、日曜日はほとんど商店がお休みしていました。一方、日本では元旦からお店を開いています。


少しでも多く売上を伸ばすために、年中無休で働く。そして、僕たちは年中無休で消費する。でも、経済的成長もきつくなってきたし、それにともなって経済的豊かさすら危うくなってきている。そして、小学生の10人に1人が「うつ病の傾向あり」なんて時代なわけです。


僕たちにとって、シアワセとは何なのか。当たり前ですが、本書の中でその解は記されてはいません。でも、自分にとってのシアワセとは何なのか、考えるキッカケにはなるはずです。


負け惜しみでもなく、他者と比べるでもない、自分にとってのシアワセとは何か。あなたは自信をもって、「これが自分のシアワセだ!」と応えることができるでしょうか(僕のシアワセ論は内緒です。酔っ払うと話します)。


自分のシアワセを明文化できていない人に、社会の空気を読んだプランニングをすることはできないと思います。マーケターならば、まず自分のシアワセがきちっと説明できる状態にあり、さらに社会に生きる人々の「迷走する幸福論」を理解しなければいけません。


ということで、正月休みにピッタリの本でした。興味がある方はぜひ。

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