映画『秘密結社 鷹の爪』のプロダクトプレイスメント | ネットPR.JP

ネットPR.JP - 2010年12月13日(月) 10:00
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前回ご紹介した「プロダクトプレイスメント」は、優れた手法ではありますが、問題もあります。


しかし、こうした手法は、コンテンツの持っているテイストやコンテクストを損ねてしまう危険性もあります。広告と同じ狙いの手法であることが消費者にばれてしまうととたんに興ざめになるわけです。


企業ロゴを背負ったヒーロー誕生!「TIGER&BUNNY」 : ネットPR.JP - netpr.jp -



つまり、スポンサーとなる企業の商品・サービス・ロゴなどが挿入されることによって、その作品世界が損なわれる危険があることです。


たとえばハイソサエティの生活を描写しているのにチープなブランドの商品が使われたりしていると、観客・視聴者から「えー。そこでその商品使うのー」とブーイングが起きます。


しかし商品が使われていることに気がつかないと、今度はプロダクトプレイスメントの意味がなくなってしまうわけです。


このような「プロダクトプレイスメントが抱える矛盾」を逆手に取り効果を出している例として、アニメ『秘密結社 鷹の爪』シリーズがあります。
アニメーションはFlashにより少数のスタッフで短期間のうちに制作され、また監督のFROGMAN氏が声優としてほとんどの登場人物を演じているという異色づくめのこの作品は、テレビシリーズ2回、映画は現在第三作まで公開されている大ヒット作でもあります。


映画で使用されている「バジェットゲージ」について鷹の爪団員、吉田君のご説明をお聞きください。



この「バジェットゲージ」は劇中かなり激しく上下します。
予算が足らなくなってくると下降し、絵がだんだん雑になってきます。そこでスポンサーの商品やロゴが唐突に登場し、ゲージは再び上昇、絵も元に戻り、客席は爆笑の渦になり、ブランドもすんなり認知されてしまうという具合です。いわば「意図的なネタバレ」手法です。


プロダクトプレイスメントにより作品が壊れるどころか、ブランドが作品世界の中に取り込まれてしまうのです。


矛盾を逆手に取った面白い手法であり、また、こうした独自性のある手法自体が一つのPRネタになっているところが非常に興味深いです。


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