2020年第3四半期台湾医療器具産業の振り返り<ワイズ機械業界ジャーナル12月第1週号発行>

リリース情報提供元: プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES
2020年12月03日(木)
威志企管顧問股イ分有限公司(ワイズコンサルティンググループ)
~台湾機械業界の動向が分かる~

ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の12月第1週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、医療器具業界、電気機械メーカーの亜力電機(AEC)、機械設備産業のデジタル化について紹介します。



<201203号内容案内>



●今週号の記事を一部紹介します。
<台湾医療器具産業の振り返り—2020年第3四半期>
 新型コロナウイルス感染症が世界的に流行した影響で、防疫関連製品の需要が大きく伸びた一方、非緊急医療器具の需要は減少した。とくに台湾医療器具産業の主要輸出製品である▽コンタクトレンズ▽血糖値測定器▽シニアカーの輸出額が予測を下回ったことから、2020年第3四半期の台湾当産業の生産額は前期比7.7%減、前年同期比8.7%増の322億9,000万台湾元となった。

一、カテゴリー別概況
1.診断・測定用医療器材

 診断・測定用医療器材は主に▽生理検査用器材▽生体情報器材▽医療用画像機械の三つに分けられる。
このうち、生理検査用器材は体温計、血圧計及び聴診器が主要輸出製品だ。血圧計の対米国輸出額が大きく伸びたことから、2020年第3四半期の輸出額は前年同期比151.5%増と大幅成長した。また、体温計は20年第2四半期の輸出額が高かったことから、第3四半期の輸出額の成長幅は緩やかになったが、前年同期比では800%弱の成長率となった。
 生体情報器材は心電計とその他電気診断器材が主要輸出製品である。新型コロナウイルス感染症の影響で、患者生体状況のモニタリング装置を含む関連製品の需要が増加したため、その他電気診断器材の2020年第3四半期の輸出額は前年比87%増、前年同期比303.5%増と大きく成長した。
 医療用画像機械は超音波検査用装置を主要輸出製品としている。長年の研究開発を経て、台湾メーカーはプローブなどの関連部品だけではなく、超音波検査用装置の完成品も生産できるようになった。海外市場の開拓に力を入れているが、新型コロナウイルス感染症の影響で主要輸出相手国からの需要が減少したため、2020年第3四半期の輸出額は前年同期比49.4%減と大きく減少した。

2.手術・治療用医療器材
 2020年第3四半期の手術・治療用医療器材の生産額は前年比18.4%減、前年同期比16.2%減の56億台湾元だった。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、呼吸器製品のうち、その他呼吸器とその他医療用呼吸器の輸出額はそれぞれ前年同期比19.4%増、同4.8%増と成長した。また、台湾の呼吸器メーカー、雃博(APEX)は新型コロナウイルス感染症向けの呼吸器製品を新たに開発し、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)の緊急使用製造許可を取得した。今後、同社の海外市場開拓に好材料となるだろう。
 動力手術器材はその他眼科用手術・医療器材を主要輸出製品としている。新型コロナウイルス感染症の影響で非緊急診察の需要が減少したことから、輸出額は前年同期比70.6%減となった。なお、歯科用その他医療器材・部品の輸出額は同20.7%減だった。


3.補助・補填用医療器材
 2020年第3四半期の補助・補填用医療器材の生産額は前期比13.8%減、前年同期比34.2%減の59億7,000万台湾元だった。
 コンタクトレンズは台湾医療器具産業で最も大きい割合を占める製品で、台湾当産業を支える柱である。しかし、市場競争の激化と新型コロナウイルス感染症の流行で受注が減少し、2020年第3四半期の輸出額は前年同期比15.1%減となった。
 身体機能補助器具は、新型コロナウイルス感染症の流行により、病院が非緊急手術の実施を減少させたため、主要輸出品目である人工関節の2020年第3四半期の輸出額は前年同期比0.7%減となった。このほか、整形外科の輸出額は同37%減、人工骨やボルトなどの部品の輸出額は同20.3%減といずれも減少傾向を示した。
福祉用具は電気車いす、シニアカー及びその部品などを含み、2020年第3四半期の輸出額はいずれも減少した。

4.体外診断用医療器材
 2020年第3四半期の体外診断用医療器材の生産額は前期比0.3%増、前年同期比1.7減の55億1,000万台湾元だった。
 体外診断用医療器材は血糖値測定製品や血糖試験紙などを主要輸出製品とし、血糖値測定器の輸出額が全体の15.4%を占める。新型コロナウイルス感染症の影響で、主要輸出相手国への輸出額が減少したため、血糖値測定器の2020年第3四半期の輸出額は前年同期比11.5%減となった。血糖試験紙の輸出額は全体の39.1%を占め、新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、糖尿病検査の需要は一定の水準を維持しているため、血糖試験紙の20年第3四半期の輸出額は同1.7%増とわずかに成長した。

5.その他医療器材
 その他医療器材の多くは病院が定期的に調達する消耗品である。新型コロナウイルス感染症の影響で、マスクや医療用ガウンなどの医療器材の需要が大幅増加したことから、2020年第3四半期のその他医療器材の生産額は前期比5.7%増、前年同期比55.6%増の98億6,000万台湾元となった。
 ビニール製医療器材は病院の消耗品で、その他医療器材の中で最も大きい割合を占める。新型コロナウイルス感染症の影響で、ビニール製カーテン及び衛生・医療用器材の生産額は前年同期比45%増となった。
 また、絆創膏は台湾当産業メーカーが積極的に新製品を研究開発している製品で、自社ブランドのハイエンド製品を海外市場で販売している。新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年第3四半期の輸出額は前年同期比35.6%減となったが、長期的に見ると大きな潜在商機を有する分野だ。

二、まとめ
 新型コロナウイルス感染症の影響で非緊急医療器具の需要は減少したことから、台湾医療器具の主要輸出品目の▽コンタクトレンズ▽血糖値測定器▽シニアカーなどの輸出額はいずれも減少した。しかし▽体温計▽その他診断用医療器材▽その他医療用呼吸器▽試験紙など防疫物資の輸出額が成長して減少分を相殺しているため、2020年通年の生産額は前年比4.5%増の1,230億台湾元となると予測される。

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