コロナ禍でEC加速、3人に1人が「10万円以上の高額商品」でもECで購入【グーグル調べ】

2020年10月~12月におけるEC利用者1人あたりの購入金額は、半年前と比べ1.4倍増加した。

グーグルは、コロナ禍で拡大するEC市場の現状について、調査・分析した結果を同社公式ブログ「Think with Google」で発表した。ECの利用率の変化、高額商品の購入の経験、決済方法などについて、複数の調査結果から分析を行っている。

高額な商品でもオンライン購入でOK、20代男性で増加

2021年1月時点での調査によると、ECの利用率は83%。ただし2020年2月以前と比較すると、2020年2月以降のEC利用率は3ポイントの増加と、それほど大きくは増加していなかった。そのため、市場拡大の要因は、「新規利用者数の増加」でなく「既存利用者の購買行動の活性化」と推察されている。

 

また2021年3月時点に、「単価10万円以上の商品をオンラインで買った経験があるか」を聞くと、34.8%が「ある」と回答した。そのうち4.5%は、「2020年3月以降に、初めてECで10万円以上の買い物をした」と回答しており、コロナ禍をきっかけにECで高額商品を購入したと考えられる。性年代別で見ると、中心は20代・40代の男性で、特に20代男性の高額購入が進んだ模様だ。

 

半年ごとにECでの購入金額を比較すると、2019年10月~12月は1人あたり37,882円、2020年3月~5月は39,682円とやや微増していたが、2020年10月~12月には55,575円と大幅な増加を見せている。「具体的に購入した品目」ではテレワーク拡大もあり、「PC・スマートフォン」14.7%、「家具・インテリア」7.9%が上位だが、「ワイン・ウイスキー等の酒類」4.9%が3位に入った。外食機会の減少で、アルコールを嗜む層が家飲みを楽しんでいると考えられる。また「オンラインで購入を検討しても良い/実際に検討している価格が高い商品」でも、PC・スマートフォン、家具・インテリア、TV・オーディオ、カメラを中心とするTV・オーディオ、高級お取り寄せグルメ、高級食材、酒類などが上位となっている。

 

 

また決済手段においても、「代引」「ATM支払」「コンビニ支払」といった現金主義に基づくこれまでの決済手段について、「以前より使わなくなった」と回答した人が4~5割にのぼるなど変化が現れている。接触回避といった理由から、「クレカ」「電子マネー」の利用が拡大していることも背景にあると考えられる。

 

調査概要「コロナ禍でのECにおける買い物動向に関する調査」

  • 【調査対象】全国の男女18歳~64歳
  • 【調査会社】インテージ
  • 【調査期間】2021年1月8日~12日
  • 【調査人数】32,367人

調査概要「買い物に関するアンケート」

  • 【調査対象】全国の男女18~70歳のマクロミルモニタ会員で、2020年3月~5月にECを利用した人
  • 【調査委託先】マクロミル
  • 【調査期間】2021年3月5日~8日
  • 【有効回答数】1,015サンプル

調査概要「EC購入者1人あたりの購入金額の比較」

  • 【調査対象】全国の男女15~69歳のマクロミルモニタOnline Purchase Reportパネルで、2017年1月~2019年9月にECを利用した人
  • 【分析期間】(1)2020年10月~12月(2)2020年3月~5月(3)2019年10月~12月
  • 【有効回答数】5,835サンプル
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