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「PayPay請求書払い」が通販に対応。第1弾は「キューサイ」「やずや」「わかさ生活」など

6 years 2ヶ月 ago

PayPayは1月17日から、「PayPay請求書払い」が通信販売の請求書(払込票)に対応すると発表した。対象となるのは「キューサイ」「さくらの森」「長寿の里」「やずや」「わかさ生活」など27社の通信販売。

2020年1月中には約80社の民間企業による商品やサービスの通信販売に対応する予定。「PayPay請求書払い」で支払った利用者には支払額の0.5%のPayPayボーナスを付与する。

PayPay請求書払い PayPay ペイペイ 通信販売

「PayPay請求書払い」は電気やガス、水道料金などの公共料金や通信販売の請求書(払込票)に記載されたバーコードをPayPayアプリで読み取り、その場で支払うことができるサービス。

PayPay請求書払い PayPay ペイペイ 通信販売 バーコード読み取り
「PayPay請求書払い」利用の流れ。現金を引き出したりする時間や手間、手数料の節約にもつながるとのこと

「PayPay請求書払い」は2019年9月、旧「Yahoo!マネー」の公共料金支払機能を受け継ぐ形でスタートした。現在、307の地方公共団体や事業者(自治体・水道局)と、19の電力・ガス事業者の公共料金などの請求書に対応している。

スマホ決済サービスでは「LINE Pay」が請求書払いに対応。公共料金、自治体による公金、通販のほか、ネットプロテクションズが提供する後払いサービス「NP後払い」「atone」にも対応している。

藤田遙
藤田遙

中川政七商店の緒方氏が語る「ECと店舗の役割」「ブランディング」「自社ECのこと」 | 通販新聞ダイジェスト

6 years 2ヶ月 ago

生活雑貨を扱う中川政七商店。同社ではブランディングを重視し、こだわりのEC戦略を展開している。店と連携してブランド価値を高め、仮想モールからの退店や細部まで考え抜いた自社ECのUI構築など、大胆な取り組みを進めている。ブランド価値向上、自社ECの存在意義、店舗とEC相互の融合や使い分けなどさまざま面で独自のあり方を進める中川政七商店の戦略について、同社取締役でコミュニケーション本部本部長の緒方恵氏にロングインタビューを行った。

ECは店舗接客の打率を上げるためのデータベース

中川政七商店 通販新聞 日本市 遊中川
取締役兼コミュニケーション本部部長の緒方恵氏

──自社ECを開設した時期はいつでしょうか。

私が会社にジョインしたのは3年前の2016年の8月になりますが、ECを始めたのは12年前頃のようです。

──仮想モールの出店状況はどのような感じですか。

具体的なタイミングは分かりませんが、自社ECの後に「楽天市場」に出店しました。ただ、「楽天市場」は昨年8月に退店しています。

──MD展開において、店とECでの違いはどのような点でしょうか。

大きく2つあり、1つは規模の問題です。当社の場合、小さな店舗であれば30坪で、大きいところでは130坪になります。そのお店の中でカテゴリーは同じですが、SKUは棚に応じて異なります。一方、ECではおよそ5000点の商品を扱っています。

もう1つとしては、当社は3つのブランドを運営しています

まず「遊 中川(ゆう なかがわ)」は、“日本の布ぬの”をコンセプトにしたテキスタイルブランドです。アパレルやストール、バッグなどを扱っています。当社は300年麻織物を扱い続けています。知見が一番生きるのがテキスタイルや織物文脈なので、会社の立ち上げに紐づいているブランドです。

中川政七商店 通販新聞 遊中川
遊 中川(ゆう なかがわ)実店舗の様子
 (中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

次に「日本市(にっぽんいち)」というブランドは、全国の観光地にお土産がありますが、お土産はその土地の歴史を踏まえてそこで作られるべきだという課題感があります。土地の土産物を自分たちで再構築して、商品を制作販売するというコンセプチュアルなブランドです。

中川政七商店 通販新聞 日本市
日本市(にっぽんいち)実店舗の様子
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

そして「中川政七商店」がブランドの規模としては一番大きいです。工芸技術を生かした生活雑貨を総合的に扱っています。工芸の本質は、日々の生活を便利にしたり心地よくしたりする技術、日本の歴史と気候に合わせた技術の集積体なので、アップデートをかければ今の生活においてもとても有効な雑貨をご提供できるはずだという考えのもと、商品を展開しています。

中川政七商店 通販新聞
11月1日にオープンした渋谷店内の様子
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

以上の3ブランドを展開していますが、ECであれば全ブランドを買えるのが、ECの特徴になります。

──店とECで売れ筋や顧客の反応は違いますか?

店頭でさわって態度変容が起きやすい商材と、買ってからでないと体験しづらい商品があります。例えば靴下の履き心地、ストールのふかふか感、フキンの吸水力など、ECだと「想像」はできますが「実感」は持ちづらいです。店舗であれば実際にさわることができます。さわった上でこういう工芸技術が注ぎ込まれて、こういう職人技が入っているという品質の裏打ちやモノの背景をお伝えし、それによって価格のハードルを乗り越えるコンテクストデザインを行うのが店舗活動です。

ECでもストールのふかふか感やフキンの吸水性を伝えるような画像を掲載することはできますが、お客様は想像しかできません。一方、土鍋の場合、釉薬(ゆうやく)のさわり心地のような触感の部分もありますが、サイト上でぐつぐつと煮立っている様子を動画で見せることができます。とはいえ、私たちは鍋が売りたいわけではなく、おいしい鍋を作って家庭がハッピーになる時間を提供したいというのが本質です。商品のスペックを説明するよりも、「この商品があるからどういうことが起きるか」というのが本質です。そのために歴史に紐づいた技術や使う喜びを、接客やウェブの記事でお伝えしているのです

中川政七商店 通販新聞 土鍋
商品ページに掲載された商品紹介動画
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

当社の定番商品の「花ふきん」は1枚が700円しますが、一般的な感覚からすると割高になります。ただ、店舗でさわってくれさえすれば絶対に良さが伝わるという自負があります。そこは私どもがメーカーからSPAに事業転換した本質でもあります。品質を直接伝えることさえできればすべてが解決するのに、メーカーという立場になると卸問屋があり、仲卸があり、さらに小売店があってお客様に届くという経路になります。となると、お客様がどう喜んでいるかを、私たちは知ることができません。加えて職人の手仕事なので、価格が上がってしまうところに中間業者が入ると余計に高くなってしまい、適正な価格ではなくなるという問題もありました

そこを、最近では「DtoC」という言い方になるのかもしれませんが、メーカーが直接販売する「SPA」で展開することによって、適正な価格を保持しながら職人にも適正なお金を払うことができる状況をしっかり作るのが大事になります

これまでは「工芸品が大量生産品に比べてなぜ高いのか? その理由は?」ということをお客様が知る機会が少なかった。工芸は本来的には日本の気候や風習の中で生活する上で歴史を積み上げながら、利便性をより高くより心地良くするための技術の集積体であり、使われてこそ価値があります。私たちとしては、直接伝えることができれば態度変容を促せるということが結論ですので、店舗で直接語りかけて、直接さわってもらうというのが事業の根幹であり、出発地点です

──店舗に比べると、EC側で工芸の良さや歴史を伝えたり、さわり心地をアピールするのは非常に難しいのではないでしょうか?

リアル店舗の強みとしては、「実物をさわれる」「その場で質問ができる」「比較検討がしやすい」「店内回遊が容易」「理由が明確ではない入店がある」「商品をすぐに持ち帰ることができる」といった点になりますが、これがECになると全部逆になります。つまり「実物をさわれない」「回遊しようとすると都度クリックや検索が必要」「理由がないと来店しない」などです。

一方で、店舗は「展示SKUに限界がある」や、旅先の買い物などで「再来訪が困難な場合がある」といった弱みがありますが、「ECサイトは再来訪が容易」です。UX的には店舗は「レジ待ち」が問題となりますが、ECではレジ待ちは発生しません。店舗で鍋を使って湯気が出る瞬間をお見せすることはできません。つまり「実際の利用シーンを見せるのは困難」というハンディが店舗にはありますが、ECであれば動画でお伝えすることができます

ECと店舗の役割分担で言うと、店では見せられない利用シーンのコンテンツをEC側で用意しておけば、店舗でストーリーテリングをして触感を説明している際に、スタッフがECの動画を見せて「こんな感じになります」と案内することができます。つまり、ECというのは店舗の接客の打率を上げるためのデータベースであり、これがとても重要な要素だと思います

このほかにはECであれば接客はサーバーが対応する限り可能ですし、ECは情報伝達量に限界がないというのも特徴です。このあたりの強みと弱みは相互補完的なので、ECと店舗で片方のチャネルしか機能していない状態というのは弱みをさらしたままでお客様に向き合っていることになります。ということは利便性をお渡しできていないということです。それはおもてなしに欠けています

今の生活に合わせてアップデートしないとすべての物事は陳腐化します。今のお客様の動きに合わせるというのが前提で、お客様の期待の延長線上のまま期待を超えるというのが企業活動だと思います。その前提を踏まえて会社のカルチャーに柔軟性を持たせておく。変化に対して柔軟である、変化を恐れない、ということをカルチャーとして落とし込むというのがこれからの時代にますます重要になるという気がします。

EC上で商品情報をリッチにしておくと、接客でしかインプットできなかったコンテンツをお客様が自分で選んで見に行けます。つまり接客と同じ品質の情報が入ってくるという状況をECで作ることはできます。これによる副次的な効果は、スタッフのマニュアルになるということです。教育機構として機能するというのはECの役割としてはすごく大きいです。入社が内定した人に「ECの全ページを読み込んできて」とするだけで教育コストがすごく下がります

ECと店舗の部隊がそれぞれ会社で違う動き方をして連携がなされないことがあります。接客の品質となるデータベースの基準がそろっていれば、ECと店舗でコミュニケーションの矛盾が発生しなくなります。つまりお客様の反応として「店ではこんなこと教えてくれなかったけど、ネットには書いてあるじゃないか」や、あるいは逆もしかりですが、こうした事態を発生させないために従業員みんなの拠り所となる情報をすべてECにそろえ、ECと店舗の品質を統一させる役割もあります

お客様接点を持っている人間こそがブランド

──ECが果たす役割は非常に大きくなりますね。社内的なコンセンサスやサービス品質の均一化という意味でもECがまず指標になると?

お客様からすると、「ブランドの顔」=「店舗スタッフ」です。ECを使うお客様からすると、「ECのページ」であり、もっと言うと「梱包するスタッフ」=「ブランドの顔」になります。経営層が考えていることよりも、ブランドの入口となるスタッフ、お客様接点を持っている人間こそがブランドなので、そこをどのように統一するかが大事になってきます。

──ECは教育ツールや品質統一化の手段として非常に重要だと思いますが、他社ではそうした点にKPIが置かれず、売り上げだけを見ている気がします。

会社全体をグロスで考えた場合、店で売れているのかECで売れているかは大きな問題ではありません。しかし、事業ごとにKPIを分けると、そこはコンフリクト(衝突)します。これは会社の設計の問題です。

当社の場合、組織を大きく「つくる」「伝える」「支える」の3つのチームに分けています。「つくる」というのは商品企画のチームで、「伝える」はフィジカルの(物理的な)意味でも情報という意味でも、お客様との接点を持つ人たちで組織立てています。店舗も卸もECも伝え手チームにまとめたことで、どこで売れても構わないという設計になります。

課題というものは基本的には会社の都合で発生することが多いです。その時に柔軟性をもって変革できるかがすごく大事になります。組織図を変えるということで言うと、組織を柔軟に変革することができなければ課題を置き去りにしていることと同じ、くらいに考えています。

当社でも2016年以降3回大きく組織を変えていますが、要するに「何かを解決・改善するために最速でそれを行える組織編成に変えている」ということです。解決したら次の課題を解決するためにそれを最速で行える組織にまた変える。基本的にはこの繰り返しです。組織図に合わせて課題が発生してくれるわけではないので、課題に合わせて組織を変えなければ適切な解決法を選択している事にならないのです。

お客様が損をすると最終的にブランドが毀損する

──お話をうかがっていますと組織図を見直すというのは重要ですね。

そこにメスを入れないとECが持つさまざまな文脈の強みが最大化しないのです。最大化しないとお客様の利便性が下がるという現象が起きます。一般論としては、例えば店舗に行ってキッチン用品が気に入ったけど、奥さんの許可をとらないと買えないとします。お客様が「妻と相談します」と言って帰ることは結構あります。そのお客様がECを知らないと仮定して、店舗スタッフが「ECでも同じものが買えますので、よろしければそちらでどうぞ」と一言伝えれば、ECの存在を認知してもらい、店に再来訪せずとも意思決定ができるということをお客様に情報として渡せます。

KPIが縦割りであれば、店舗スタッフはその一言をなかなか言わない。それはお客様からすると利便性を欠いている状況になります。ECを知っていれば店に再来訪する必要がなかったわけですから。会社の組織体が原因でそうした状況が生まれる。結果、損をするのはお客様です。お客様が損をすると、最終的にブランドが毀損しますので、真綿で自分たちの首を絞めることになります。そういう構造を見直すには組織図を変えなければいけないと思っています。組織図が変わらないということは課題が変わっていないということですので、前進していないということだという風に捉えています

──店のスタッフの評価制度も工夫していますか?

はい。店舗スタッフの評価は店の売り上げに連動しますが、当社ではそれだけで評価をしていません。「より良い伝え方をしたか」というものを測る指標をいくつか設定しています。ほかにもお店のファンの数の可視化をしていて、お店の「LINE@」の友だち数をKPIとして、「あなたの店の情報がほしい」もしくは「あなたの接客が良かったので、あなたからの発信がほしい」という反応をLINE@で見ています。売り上げだけで判断はしていません。最近はDtoCブランドが増えて、店舗に在庫を持っていないという世界もあるので、お店の売り上げで評価するという概念が陳腐化しつつあります。私たちもそこを見越してテストしています。

中川政七商店 通販新聞 LINE@
店舗毎にLINE@が登録できるようになっている
(中川政七商店Webサイトから編集部がキャプチャし追加)

グロスの売り上げで経営層も店舗スタッフも判断できれば、全体で上がっているか下がっているかだけが論争になるので、個店の売り上げの多寡は評価に関係ない。売り上げが少ない店であっても、ECをすごく推薦してくれているというケースもあります。ただ、そこは現状ではなかなか計測が難しい。計測できないものは指標化せずに、別の仕組みで解決するという発想です。グロスの売り上げしか見ないというのは、1つの解決法です。このあたりは引き続き実験と相談を重ねながら最適化をしていきます。

コミュニケーションの基準は「接心好感」

──ECの集客ではどういった取り組みを行っていますか。

当社はコミュニケーションの基準として広告をやっていません。ゼロです。

──オーガニックで流入してくると?

そうです。当社はブランディングをすごく大事にしている会社なので、バイネーム(指名)検索がどれだけ増えるかというのはすごく重要な指標の1つです。商業ビルで偶然当社のことが横目に入ったお客様や、結婚式の引き出物に当社の定番商品である「花ふきん」をもらった人もたくさんいると思います。それがブランドのネーム、ロゴ、もしくは店構えと一致しないと、当社にとっては見込み客からの認知になりません。ブランドを想起していただくというところでブランディングは非常に大事だと考えています。

逆に言うと、ニュースで見た、その結果として名前を覚えたというのも認知です。これまでも横目で見ていたけど気になる商品があって、近づいてみると気に入ってブランド名を覚えていただく。このように名前が明確に認知された瞬間以外は基本的には眠っているニーズやファンだったりします。バイネーム検索は、顕在化した認知という意味で、ブランドの強さを測るための重要な指標の1つと捉えています

ただ、既存客はバイネーム検索をする必要性は減ってくる。重要だと思うのは既存顧客の量が純増し続けていることと、新規と既存のバランスが常に一定であること。新規が増えたというのは、すごくいいことですし、既存が増えていれば、愛されているブランドだという解釈も可能です。それが既存客が積みあがっていない状態で新規が増えていても、バケツに穴が開いている状態です。新規のお客様に伝えるというのと、既存のお客様をちゃんとおもてなしして積み上げるというのは基本的にワンセットになります。

──ECサイトの売り上げはどのくらいですか。

前期末時点(2019年2月期)で、年商6億円程度です。基本的には伸び続けています。

──中長期的な目標や規模間の計画はありますか。

EC売上比率を伸ばすことがゴールではありません。そこは明確な指標化をしておらず、グロスで見ています。EC比率を指標化すると、リソースの投資が歪んでしまいます。ECレコメンドに極端に偏重したり、お店のレシートにECで使える初回クーポンを付けてみるなど、本質的ではない伸ばし方になってしまいます。

もちろん事業としてお客様の会員登録を経て、情報発信をして良いというパーミッションをとれると通販の基本としてはF2転換(2回目購入)の容易さがぐっと上がります。べき論としてはゴリゴリとやるべきですが、当社ではコミュニケーションの基準というものがあります。広告を打たないということもそうですが、コミュニケーションの根底には当社で使っている言葉「接心好感」という基準があります。これは伝え手の仕事を具現化した言葉です

店舗で接客を頑張ろうという場合、売り上げを伸ばすことに頑張る人もいれば、お客様に話しかけることに頑張る人もいれば、自分が好きな商材について説明する人もいる。「接客を頑張る」というキーワードの方向付けの精度は甘いわけです。私たちは「売る」ということを指標の1つという捉え方をしています。お店の人には「まずやってほしいのは、心に接して好感を得ることだ」と伝えています。当社では接客という単語をすべて「接心好感(せっしんこうかん)」に置き換えています。これが僕たちのコミュニケーションの根底にある基準です。

中川政七商店 通販新聞 接心好感
コーポレートサイトにも明示されている。「お客様の心に接し、お客様との間に好感が生まれること」を指す
(中川政七商店採用サイトから編集部がキャプチャし追加)

広告は面で配信して、ごく一部の人に刺さってコンバージョンに至るわけですが、コンバージョンした人の分析はデジタルでは強いです。数字が可視化できているので効率を上げることも簡単で、課題も改善容易性が高いです。しかし私たちが接心好感として大事にしているのは、広告で届かなかった残りの人たちです。この残りの人たちは「そのブランドの情報が欲しい」と宣言しているわけではないのに、自分の目にその広告コンテンツが目に入ります。その際、何も感じないか、もしくはノイズと思うわけです。となると、私たちの基準としては、広告で好感を得るのはあるべき姿とは真逆のコミュニケーションになります。

一方でメールマガジンやLINE@は、「接心好感」を経て、「あなたのブランドやあなたのお店の情報が欲しい」というところから始まり、かつお客様が自分でやめることができます。それが私たちのコミュニケーション基準としてはすごく適切。そのためメールマガジンやLINE@の受け取り人数はすごく重要な指標になります。

私が入社した時のメルマガ経由売り上げ比率は5%くらいでしたが、今はメルマガとLINE@合計で経由売り上げは40%くらいまで上がっています。

──広告を打たないのは「接心好感」と真逆だからということですね。

ブランドを毀損しないのが重要です。どちらかと言うとPLではなく、心理的にも金額的にもBSが何よりも重要だと考えています。特にブランドは、心底信頼するようになるには体験の積み上げが必要です。そのためには積み上げがずっと続いているというのが大事ですから、今突如としてモノが売れるというのはそれほど重要視していません。

店舗はファンを獲得する一番有効なメディア

──集客面はオーガニックの流入がメインということですが、それ以外の流入経路はありますか?

接心好感の延長で、来店されたお客様にECを適切にご案内するのが最大の集客手法になります。店舗の位置づけは、すごく簡単に言うと「ファンを獲得する一番有効なメディア」です。何故かというと、店舗は五感が使えますし、直接フェイス・トゥ・フェイスのストーリーテリングがあるので、態度変容を促すためにやれることが多いです。一方のデジタルは基本的に視覚情報でしか物事を伝えられない。態度変容を促すという意味ではリアル店舗の力はとても強いです。デジタルマーケティングにどれだけ投資しようが、ある店のスタッフが3人接客すれば、3人獲得できます。

──そういう意味で一番有効だと?

そうです。

──店をメディアと考えるのは非常に面白いですね。

ただ、メディアの使われ方としては多様性があります。決済をする場でもあり、お客様が試す場でもあり、伝える場所でもあり、知る場所でもある。我々が路面店ではない、商業施設に置いているのは販促的な側面があります。

──人通りがあるところで店への集客をしないと、メディアとしての力を生かせないということですね。

はい。これもフェーズによって考え方が変わる可能性はあります。わざわざ目指してくださるお客様だけで構成できるのであれば、路面にしたほうが固定費は下がるということはあるかもしれませんが、僕たちは工芸の技術の素晴らしさを日本人にあまねく知ってもらうのがミッションなので、ブランドの強さを維持したまま成長するというのがすごく重要だと思っています。ブランドの強いチェーンストアを目指しています。そういう意味では路面店を増やしていくというのは今の所あまり考えていません。

入社1カ月で直販サイト1本化を提案

──今年3月に自社ECサイト「中川政七商店公式サイト」をリニューアルしました。改善した点を教えてください。

ずっと同じCMSを使っていたので、やれることが限定していました。お客様を知るための分析の機能やデータ連携のところで限界がありました。より効率的な現代的デジタルマーケティングを備えたEC運営という意味で言うと、お客様を知るということが売り上げを最大化する1番のメソッドになります。知ったお客様の状態に合わせて適切にコミュニケーションを図れるということこそが真実です。それができる基盤にしなければ、話が始まらないというのがリニューアルの経緯です。

入社して間もないタイミングで、「このままだと、ECで数字を上げていくのはすぐに頭打ちがきます」と言いました。もちろんやれることはやって売り上げを伸ばしてはいましたが、もっとドラスティックにするために、リニューアルが必要ですということを伝えたのです。

そしてブランド体験という意味では、当時出店していた「楽天市場」では私たちのブランドを覚えてもらうという行動が薄まってしまいます。良い体験をしてもらってブランド名をしっかりと覚えてもらうことで、ファンの絶対数が積み上がります。そこで直販サイト1本に絞りたいというのは、入社して1か月目のプレゼンで伝えていました。当時の社長(現会長)が、ブランドの強さこそがすべてだというカルチャーを練り上げていたので、こちらの提案をすぐに承認してもらいました。

──そのプレゼンから2018年8月の「楽天市場」退店まで時間があります。その間はどういう時間だったのでしょうか?

簡単に言いますと、教育と組織再編成の時代です。

自分がグリップして教育できる機構というのは一つの組織にまとめないとしづらいので、まずはそれを行い、ほかには「接心好感」などの言葉化や指標の整備、OJTに取り組みました。ビジョンやそれに紐づく言葉は非常に強いのですが、ECについての言葉の在り方や、全社的にも言葉の精度を高めたほうがいいということもあり、戦略伝達の容易性を高め、会社のカルチャーを伝達しやすくするために言葉を筋肉質にしていきました。その過程でオペレーションを改善するというのを並行して走らせました。EC運営のやり方にムラがあったので、教育をしながらオペレーションを改善していきました。売り上げが伸ばせるメドが立ち、すべての準備が整ったのが2018年8月でした。

──ECサイト刷新で言うと、スマホでのUI・UXに力を入れたようですね。

PCはほぼ見ていないです。当時で8割がスマホでした。今も比率はそれほど変わっていません。当社は工芸業界の教育事業やコンサルティング事業などもやっており、官公庁や自治体、デベロッパーさんのアクセスが多いので、PCは企業情報にすぐにアクセスしやすいように作っています。例えばPCではコーポレート情報にアクセスしやすい環境にしています。

──PCではトップページの上部の目立つ位置にコーポレートサイトへ遷移できるボタンが設置されているんですね。

そこからコンサルや教育、地域活性事業などの案内をしているページに飛びます。PCではこのようにBtoB向けの導線を強くしています。デザインもごくシンプルです。

──スマホだとコーポレートサイトへのボタンはないのですか?

スマホでは、一番下にあります。スマホではUX考察やデザイン・トンマナ構築、その他あらゆるリソースを投下しました。

現代社会からすると変わったUXになりました

──スマホの操作性をかなり意識した作りになっていますね。

大体のサイトが上下のスクロールですが、コンテンツを理解したり自分に必要なものを見つけるという観点で言うと、スクロールというのは自分に必要なコンテンツが出てくるかを流れるスクロールを見ながら、出てきたら止めて、改めて再習熟する。これはスロットの目押しのようなことをやり続けているに近く、無意識的な負担が非常に高いという仮説を持っていました。

そこで「LINEマンガ」は、漫画なのでコンテンツが1つの画面で完結します。その事実に加え、「インスタグラム」のストーリーズはタップするとコンテンツが切り替わる。インスタグラムはタイムラインよりもストーリーズのほうが閲覧比率が高いらしいです。その理由として、ユーザーインタビューの結果、スクロールが面倒だという声がすごくありました。

ストーリーズは一番上にあって、タップだけで次のコンテンツに移動する。それはLINEマンガもそうです。それらが紐づいて「指を動かすことすらお客様にとってはストレスなんだ」という仮説が固まってきました。指の次は視線です。決定打は、LINEマンガは快適だけど、キンドルは面倒だと思うことがたまにありました。UX自体は一緒だけど、キンドルとLINEマンガを分けているのは視線の問題です。

要するにキンドルは上下に目を動かしながら見ていく必要があります。漫画はパッとみて全体を把握し、文字量も少ない。そこで改めて一般的なスクロールのサイトとして例えば「食べログ」を見てみると、キンドルに比べてそれほど文字を読む行為がストレスではない。そこで気づいたのですが、PCで文章を読む際にマウスでなぞりながら読む。あれと同じ現象がスマホでもあって、読むときに画面の上端に目線を合わせてそこで読む。読んだら収納していく。つまり視線を動かさずコンテンツを読み込めるためストレスが少ないという結論になりました。

今の話をまとめてモック(試作品の模型)を組んだのですが、バナーのような映像情報が主となるようなものは、画角を固定して目線を動かさないで指の動きがほぼないという状態のほうが認識率が絶対に高くなるはずだという仮説を導き出しました。一方、文章に関して言うと、画角を固定すると視線を動かさないといけないというストレスが発生するためこちらはスクロール型が望ましいという切り分けをしてモックを組みました。

モックサイトをザザッと見て「どんなコンテンツがありましたか」というテストをしましたが、スクロール型のサイトに比べて認識率が2倍以上の差が出ました。読み物のほうは逆に、スクロール型のほうが認識率は高くなりました。

リニューアルの際に、サイトを回遊するのにストレスを可能な限りゼロに持っていきたいという基礎コンセプトにしました。指は伸ばさなくてよく、あちこちいじる必要もなく、目線をたくさん動かす必要もない。

もう1つの工夫はメニュー画面を下に持ってきました。一説によると、日本人は右利きが多いため、7割程度が利き腕ではない左手でスマホを操作しているという話もあります。となると片手で操作できる範囲は真ん中から下になります。そこで操作を画面の下部分でできるようにしたのです。そして、三本線の「ハンバーガーメニュー」をやめて、虫眼鏡にしました。サジェストもその場に出ます。閉じる時も×の部分が広いので適当にタップしても閉じることができます。

中川政七商店 通販新聞
中川商店のスマホページ。左下に虫眼鏡のアイコンが設置されている(写真左)
虫眼鏡アイコンをクリックすると、ブランド一覧などのサジェストがスライドして出る仕様(写真右)
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

無駄な遷移をさせないという点にも工夫しました。店舗に入店して、ざっと見てもいろいろなものが目に入り、気に入ったものを手に取ります。その過程にストレスはありません。一方のECサイトは商品が全然出てこないとか、いろいろなストレスがあります。そういうものを可能な限り取り除かないと快適な買い物はできません。ユーザーペインを取り除くことを突き詰めた結果、現代社会からすると変わったUXになりました

安易なABテストは集中力の分散を生むだけ

──リニューアルして半年ほど経ちましたが、手ごたえはいかがですか?

売り上げの3~4割を占めていた楽天市場の分を1年経たずに補完できるくらいの伸びを獲得できました。アクセス数やページ閲覧枚数も基本的に150%ずつ伸びています。

細かな部分では「中川政七」という言葉は普通のスマホの検索では一発では変換できません。そこで平仮名の「まさしち」で検索1位をとれるようにしました。

──SEO対策をしっかりと行ったと?

そうです。「紙に『まさしち』で検索」と書いてあると、それでいけるんだという心理作用もあります。それはブランド名を覚えてもらうというコミュニケーションにもなります。平仮名の「まさしち」をお客様の脳内に焼き付けるというのは、企業活動として重要視したほうがいいという結論もあったので、この機に盛り込みました。

中川政七商店 通販新聞 検索結果
Googleで「まさしち」と検索した結果
(Google検索結果を編集部がキャプチャし追加)

まだ仮説を検証しているのは山ほどありますし、トライ&エラーの連続ですが、とにかくPDCAというよりも「DDDD(実行、実行、実行、実行)」という感じです。Dが集まってから全体を振り返って、数字が良かったのか悪かったのか精査し、戦略を作ります。

ABテストもやめさせました。ABテストは使い所を見極めないと集中力とリソースの分散を生むだけで無駄になりがちです。極端に言えば「念の為」という言葉が保険的に作用してデザイナーに真面目に考えるという責任から向き合わなくてもいい機構を渡してしまうことになります。

──でも不安ではないですか?

ABテストの結果よりも、真剣に考えたもののほうが絶対に数字がいいです。大事なのは「どのようにして真剣に考えるという状況を作るか」です。これは前職の東急ハンズのデジタル部門の統括していた時から結論が出ていました。

とにかく、まずは考える時間にリソースを充てたほうがいいです。そして、スタッフ1人だけで考えるのには限界があるので、お客様が喜ぶためにどういうコンテンツにすればいいかという問いかけを上司が適切に行うのが大事です。

なぜかと言うと、一般職の人はPDCAで言うと、Dを職能として渡しているので、その人にいきなりプランニングを渡すのはそもそも暴力的な話です。とはいえ、いずれP(計画)に携わってもらわないと困るので、Pのヒントをあげるのはマネージャーの仕事です。C(評価)とA(改善)はみんなでやる。みんなで振り返らないとチームの力が強くなってきません。というわけで「如何に考えるか?」その力を育むためにもABテストはするべきではありません。必要なのは「適切な問いかけ」です。失敗したら分析と振り返りを行い、それを踏まえて再挑戦をすればいいんです。

──今後についてECの計画は?

まずやれてないことは、店舗で会員登録ができません。今は店舗ではまだスタンプカードです。企業としてはお客様の情報の解像度が上がれば、より適切な「接心好感」ができます。お客様にはポイントか景品か、ゴールドバッジのような形で還元するのかはいろいろなパターンがありますが、それを今システムとして準備しています。アプリではなくまずはウェブで行います。これによって接心好感の品質が上がります。簡単に言うとCRMの質が上がります。

2つ目はブランドに集約したい情報と、お店で発信するべき情報は基本的に異なります。お客様のファンとしてのロイヤリティはブランドよりは店に持ってもらたいたい。人と人が話して良さを伝えるので、「〇〇店の店長から買いたい」という人を増やしたいです。ただ、店長のファンになっても、店のLINE@がないとブランド全体からのメルマガになったりしますので、その店長からのお手紙にはなり得ない。店長のお手紙を実現するのは店舗のアカウントです。みんながECをゴリゴリに使いこなすわけではなく、店舗ばかりで買う人のほうが日本では分母は大きい。リアル店舗にしか来ないお客様の絶対数が多いので、ブランドで何が起きているというグロスの情報も大事なのですが、今お店に何があるか、何が起きているかという情報が一番大事です。「今日これが入荷しました」と、写真をとってLINE@に送るというほうが情報として品質が良く、そのお客様にとってより役立つと思います。「個店CRM」という考え方をしていて、それをどれだけ伸ばすかということを重要視しています

ブランド全体についてはまだしばらくは一括配信でいいと思っています。その理由は、パーソナライズは個店のCRM側でやるべきだと考えているからです。この人がフキンしか買わないという場合に店長がきちんと接客すれば他のアイテムも販売できる自負があります。それは品質に圧倒的な自信があるからできることです。基本、全商品を大声で訴求したい。ただ、接心好感の基準があるので、お客様に合わせて接客とレコメンドを行います。全商品が最高だという前提があれば、接客の品質はおのずと上がってきます

通販新聞

小川卓が主催!「提案型ウェブアナリスト育成講座」第4期 8回目開催レポート

6 years 2ヶ月 ago

本日は、2020年1月14日に開催された「提案型ウェブアナリスト育成講座」のレポートをお届けします。

 

第4期生の8回目となる今回は、講師である小川卓が「よく使う15の分析方法」と「改善案の考え方」、そして本講座のテーマでもある提案に必要不可欠な「プレゼンテーション方法」と受講生の宿題へのフィードバック、という内容で構成されました。

 

計3時間という長丁場ですが、受講生とコミュニケーションを取りながら、時おり冗談も交えつつ和やかな雰囲気で進行。このような参加型の講座は、少人数制ならではですね!休憩時間には(ここには書けませんが)赤裸々な案件のお悩み相談*1や、雑談の中で小川卓のここだけ話が飛び出すなど、充実の内容でした。

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第8回目のアジェンダ

  • 私がよく使う15の分析方法
  • 改善案の考え方
  • プレゼンテーション方法を学ぶ
  • 宿題フィードバック

 

このレポートでは、一部を抜粋してご紹介します。

 

 

私がよく使う15の分析方法

このパートでは、小川卓がWebアナリストとしてよく行うGoogle Analyticsを使った15個の分析について、実際の事例を交えながら講義が行われました。

 

最初に取り上げられたのは、PVが少ないサイトでも活用できるユーザーエクスプローラを使った分析方法。分析する際の視点、仮説の立て方、ユーザー分類事例などが紹介されました。

 

なかでも小川卓が好きだと公言したのは「フォームの1つ前のページ分析」で、フォームに遷移する1つ前のページにフォーカスした分析。もともとポテンシャルがあるページを特定し、そこへの流入率を上げる、というのは今日から取り入れたい考えですよね。

 

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ホワイトボードを用いて講座スライドの補足説明をする様子。

当日紹介された15の分析方法は下記のとおり。

  1. ユーザーエクスプローラの分析
  2. 訪問とCVの訪問回数別分布
  3. 訪問回数別の行動分析
  4. 新規訪問者のコホート分析
  5. 購入回数別の行動分析
  6. エリア別の分析
  7. 年代・性別ごと気づき
  8. 曜日・時間別の分析
  9. 主要ページの遷移率分析
  10. 詳細ページ閲覧回数とCVの関係
  11. デバイス×新規・リピートの遷移状況
  12. 検索導線別の数値
  13. コンテンツ貢献分析
  14. フォームの1つ前のページ分析
  15. マルチチャネル分析

 

 

受講者に配布されるスライド資料では、それぞれGoogle Analyticsのどのレポートを用い、どのような内容で分析し、どういった気づきが得られるかを事例とともに簡潔に説明されていてこれだけでも満足してしまいそうな内容。

 

有用なケースや頻度などの解説が為されており、闇雲に全てを実行するのではなく適切な分析の選択に役立てることの重要性が分かります。受講者からも、「こういった場合はどうか〜」「手順って〜ですか?」など具体的な質問も時折飛び出し、意気込みが感じられました。

 

対象となるサイトやサービスによって適切な方法は異なりますので、マッチした分析を選択できるようにレベルアップできるといいですよね!

 

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講座の合間の休憩では飲み物やお菓子が配られ、講師の小川卓を含め和気あいあい。

改善案の考え方

一旦休憩を挟み始まったこのパートは、冒頭の「分析で得られる気づきは3つしかない

」という一言から始まりました。

 

言われてみればなるほど…となるのですが、分析で得られる気づきは下記の3種類に分類されます。

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得られた気づきから、改善の考え方もいたってシンプル

 

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Google Analyticsをはじめとする各種ツールは、残念ながら「案」を教えてくれません。改善のアイディアを教えてくれることは無いのです。

 

小川卓も冗談ぽく「理想のツールは表グラフ一切なし!ログインするとあなたのサイトはこことここを直せば売上2倍ですよ!と教えてくれるツール。それが実現したら、この講座も必要ありませんね。」と笑っていましたが、「分析はどんどん自動化されていくが、考えるところは暫くまだ人間の仕事でしょう。そこに価値がある。」と続けていました。

 

そして、改善案そのものの出し方について、本題に入っていきます。印象に残ったものをいくつかお伝えします。

 

まず始めに話されたのが、サイト内の他のページを確認する方法。自社内で比較して改善案を出すもので、ブログとメルマガの事例が紹介されました。

 

数値を根拠に「良い」「悪い」を判断し、比較して改善案を出すことが可能なので、改善の成功確率が高くなります。

 

ブログは、ランディングした記事から回遊し複数ページ見てもらうことを目的とした場合、どんな導線が良いか。効果が高かった実際の改善案が紹介されました。こちらについては、過去に小川卓がはてなブログ記事でも書いていますので興味があればご覧ください。

 

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改善施策事例を紹介。具体的な内容に受講者も興味津々。

メールの改善事例では「最悪オブ最悪」と評されたメルマガをどう変えたか、笑いを交えつつ最終的にはそのメルマガからの売上を約8倍に上げた改善手法を受講者に公開しました。

 

他にも他との「比較」を行う方法として、競合他社サイトと比較して改善案を出す方法も紹介。具体的なサイトをもとにした解説に、受講者からは感嘆の声も出る盛り上がりを見せておりました。

 

大切なのは、仮説を持って同業他社と比較すること。そうすることにより、見た目や印象の改善案ではなく、改善したいKPIに効く施策を見つけやすくなる、というのがここでのキーワードでした。

 

 

印象的だったのは小川卓の「Webサイトは水族館だと思っている」という考え方。導線があって、何をどう見せるか、次にどこに移動したいと思ってもらうか、確かに水族館はとてもよく考えられていますよね。Webサイトも、ユーザーのニーズを想定しコンテンツを用意するだけでは50点。気持ちを考慮した導線を用意したいものですね!

 

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結婚式場のチャペルページを考えるワーク。アイディアを出し合い進めています。

 

他にも、どのサイトでも使える改善施策の考え方や改善案のストック方法など、日々使えるTIPS紹介がありましたが、ここでは省略。気になる方は個別に問い合わせてみてください。


プレゼンテーション方法を学ぶ

ウェブアナリストの中には、分析をするのは得意でもプレゼンが苦手…という方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは「説明時におさえておきたい3つのポイント」や「コミュニケーション10か条」、「説得力を出すための注意事項」などについて話されました。長い講義も終盤となり、リラックスムードの中笑いを交えつつの説明でしたが、内容はいたって真剣!

 

プレゼンの際に「実行する時間が無い」「どれくらい数値が上がるの?」なんてヒヤッしがちな質問の裏には、どんな意図が隠されているのか。相手が求めている「自分の中での納得感」と「他の人(上司や施策担当者)に説明する」理由について説明がありました。求められているのは精度ではなくロジック!これをクリアできれば実行できる可能性が高くなるという話には一同納得でした。

 

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講座はここまで。最後に宿題のフィードバックをして終了という流れです。宿題は個々の課題によって異なり、フィードバックは個別に行われ内容もかなり具体的。

 

かなり盛りだくさんの内容ではありましたが、受講者は自らの業務に活かせるポイントを各々に見つけており、講座はあと2回残っているものの早速実践へ前向きな様子が見られました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!本レポートを通して「提案型ウェブアナリスト」への理解が深まれば幸いです。

happyanalytics.co.jp

 

 

*1:ちなみにですが、受講の際にNDA(秘密保持契約)を結んでいるので自社案件の相談も安心です。

約2万文字! 中小事業者がAmazonに打ち勝つための秘策は「じゃないほうのユーザー」を捕まえること!【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

6 years 2ヶ月 ago
ネッ担まとめ

先週に引き続き、コマースデザインの坂本さんの大作をご紹介します。Amazonなどのプラットフォーマ―がやれないことが何か?その答えと対応方法が書かれています。

中小事業者は「じゃないほう」をねらうべし

2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編 | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/3798

まとめると、

  • ネットショップは徹底的な比較されるものではあるが、誰もが知っているものや目立つものを選びたくないユーザーも現れる。中小事業者はここをねらうべき
  • 中小事業者の戦略としては、比較されにくい商売をする「専門家アプローチ」が有効。メーカーであればまずブランドを育てる
  • 中小ECの最大のテーマは「日々の業務の忙しさ対策」。社長が身軽になること、業務を見直すこと、人材を確保することが先決

ネット上では、「安いもの」「ランキング上位のもの」に人々が集まりますが、一方で、「他人の物差しではなく自分の物差しを大切にする」「自分の物差しに合ったものを探す」人々も存在します。

特に、こうやって皆がプラットフォーム上で何かを選ぶようになってくると・・メジャーな、メインストリームの、王道の、誰しもが知っている、有名な、目立つ選択肢・・に対して「そういうのは選びたくない」という人が、相当数現れます。光があれば影がある、メジャーがあるなら「そうではない選択肢」を求めるようになるものです。
─コマースデザイン株式会社 代表 坂本悟史氏

中小事業者がやるべきことをコマースデザインの坂本さんがまとめています。主にAmazonの動きをとらえて、そこから生まれるチャンスについて細かく説明しています。モールが大きくなればなるほど、そこから離れたくなる人も出てきますので、そこをうまく突くという方法ですね。

個人的には「専門家アプローチ」で主導権を握るというのが良いかなと思います。ものすごく長い記事ですが、時間のある時に読んでください。

決済は安全性を考慮して導入を

詐欺発生の「Paidy」、提供元が対策 「悪用の恐れある」取引を制限・停止 | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news080.html

メルカリからのお知らせ 外部の後払い決済サービスを悪用した不正行為について | メルカリ
https://jp-news.mercari.com/2020/01/15/news/

まとめると、

  • 1月上旬から後払いサービス「Paidy」を悪用した詐欺がフリマアプリなどで相次いでいる
  • 提供元のPaidyは、悪用の恐れがあると判断した取引では、決済サービスの提供を制限または停止すると発表した
  • Paidyは代金の支払いがないときは商品の送付先(購入者)に請求を行う。今回の詐欺の手口はこの仕組みを悪用している

購入者が商品を受け取ると、通常通りメルカリ経由で出品者に代金を支払う。しかし出品者がPaidyからの請求を無視し、商品の送付先である購入者に請求書が届くよう仕向ける。そのため、出品者は仕入れ代金を負担せずに商品の代金を受け取れる一方、購入者はメルカリとPaidyに対し、二重で代金を支払う事態が起きていた。

 Paidyは本来、事前にメールアドレスと携帯電話を登録しておくと、購入の翌月にメールやSMSで請求の通知が届き、コンビニ払い、銀行振り込みなどで代金を支払える――というサービスだ。しかし振り込みが行われない場合、Paidyは商品の送付先(購入者)に請求を行う。今回の詐欺の手口は、この仕組みを悪用している。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news080.html

この件はPaidy側が甘かったと言えるのでは?「振り込みが行われない場合、Paidyは商品の送付先(購入者)に請求を行う」という仕組みを悪用されたとはいえ、ちょっと考えたらわかりそうな気も……。最近の詐欺は購入側で対応できることが少ないので、事業者側の努力に期待するしかありません。

検索エンジンだったGoogleが競合になっていく……

ファッションECサイトの味方になるか? 人気商品の一覧を専用ブロックでGoogleモバイル検索に掲載 | 海外SEO情報ブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/explore-apparel-and-accessory-products-surfaced-on-mobile-on-google-search/

2020年、Googleの垂直化とゼロクリック検索がローカル検索へと与える影響 | SEO Japan
https://www.seojapan.com/blog/how-verticalization-and-zero-click-will-impact-local-search-in-2020

まとめると、

  • Googleはファッション・アパレル関連のアイテムをまとめて検索結果に表示する機能「Popular products」を米国で開始した
  • 「Popular products」はECサイトで販売している商品を画像検索などGoogleのプラットフォームに表示する仕組み「Google に掲載」の1つ
  • 検索の第一人者であるランド・フィッシュキン氏は、「2020年、Googleが検索エンジンから競合他社に変わる年になる」と予測している

Googleは検索結果に独自のサービスを次々と追加しており、検索のプラットフォームから総合的なプラットフォームに移り変わっていくのは予想に難くないでしょう。「SEOのみに頼った集客は危険」とは言われ続けていることではありますが、今後はより一層そのような意識を持つ必要があります。
https://www.seojapan.com/blog/how-verticalization-and-zero-click-will-impact-local-search-in-2020

Googleからの流入がメインというショップも多いかと思います。記事に書かれているようにGoogleはどんどん進化していますし、検索結果上で完結することも増えてきました。こういったトレンドも追いつつ、SNSなど他の流入元も確保しておきたいところ。

EC全般

Google、サードパーティー製CookieのChromeでのサポートを2年以内に終了へ | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news064.html

Chromeの3rd Party Cookieサポートが段階的に廃止へ。その影響? | AdMarkeTech.
https://www.admarketech.com/2020/01/chrome-3rd-party-cookie.html

サルでもわかるGoogle Chromeのプライバシー対策で何が起こるのか | marketechlabo
https://www.marketechlabo.com/chrome-privacy-release-2020/

SEOの記事と合わせて。広告からの流入にも変化がありそうです。

買われたクチコミ。Googleマップ、Amazon、楽天で横行か。 温床になっていたのは… | BuzzFeed
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/paid-review

プラットフォーマ―側も対応しないといけないけど、そもそもこういったこと自体がなくならないと。

公取委 新事務総長 巨大IT企業のデータ独占 厳正に対処 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200115/k10012246601000.html

「IT大手のヤフーとLINEの経営統合が独禁法上問題がないかを検討する」とのこと。

「必要なのはお客様からの共感」。日本通信販売協会(JADMA)新年賀詞交換会 年頭所感 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7145

不正が横行する世の中だからこそ、共感・信頼を得られるような運営を。

今週の名言

ビジネスには地域性、民族性があります。米国はスタンダードづくりが上手く、日本人はそれを土着化するまで日本化していく文化があって、それ自体はなかなか変わりません。であれば、お互いがそれを理解し、お互いの強みを持ち寄ればいいんですよ。
─日本サブウェイ 社長 角田 淳氏

閉店ラッシュから一転、サブウェイが「大復活」するまでの全舞台裏 | 現代ビジネス
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69373

日本では都道府県というか、尾張とか三河などの単位でも民族性のようなものがありますよね。これが理解できればビジネスは上手くいくはず。

森野 誠之
森野 誠之

ニトリが化粧品販売に本格参入、スキンケアブランド「GUARDIO」を展開

6 years 2ヶ月 ago

ニトリホールディングスは1月16日、子会社のニトリがスキンケアシリーズの販売を開始したと発表した。デコホームと一部ニトリの店舗で販売する。

取り扱うスキンケアシリーズは「GUARDIO(ガーディオ)」。「肌を守る」「汚れを落とす」「潤いを与える」の3要素を、「日焼け止め」「クレンジング」「化粧水」で気軽に取り入れられるように開発したという。

品質としては日本製にもこだわった。パッケージはシンプルなデザインに統一。部屋に置いたままでもインテリアの一部としてなじむようなデザインにしたという。

「マロニエゲート銀座店」「新宿タカシマヤタイムズスクエア店」など都内一部の店舗のほか、デコホーム、ECサイトで販売する。デコホームは、生活必需品を中心に、ニトリのフォームファッションの中でも人気の高いベーシックアイテムを数多く取りそろえている小型店舗。

ニトリホールディングスは、子会社のニトリがスキンケアシリーズの販売を開始したと発表
ニトリのECサイトで取り扱う「GUARDIO」(画像は編集部がニトリのECサイトからキャプチャ)

ニトリは近年、インテリア以外の関連商材の取り扱い強化を進めている。2019年10月、グループ会社で大人の女性をターゲットにアパレルを販売するNプラスが、公式通販サイト「N+公式通販サイト」をオープン。要望が多かったインターネットでの販売に対応した。

「N+(Nプラス)」は、ニトリグループ発のファッションブランド。「私のための大人服」をコンセプトに、大人の女性が毎日着たいと思うファッションを提案している。手軽な価格設定で、簡単にカラーコーディネートできるアイテムを展開している。

石居 岳
石居 岳

元テモナの青柳氏が起業して始めた玩具のサブスクEC「キッズ・ラボラトリー」とは

6 years 2ヶ月 ago

キッズ・ラボラトリーは1月15日、幼児用玩具のサブスクリプションサービス「キッズ・ラボラトリー」を開始した。ユーザーの嗜好や成長段階に合わせた玩具を2~5点選定し、月額制でユーザーに貸し出す。

「キッズ・ラボラトリー」は国内外の知育玩具を返却期限なしでレンタルできるサービス。LINEやメールで送られてくるアンケートにユーザーが回答すると、同社の「おもちゃコンシェルジュ」が保護者のニーズや子どもの成長段階などに合わせて最適な知育玩具を個別に選定するという。サービスの対象年齢は生後3か月から8歳が目安。

キッズ・ラボラトリーが扱う幼児用玩具
キッズ・ラボラトリーが提供する知育玩具の例

玩具が気に入らなければ交換できる。気に入った玩具を買い取ることも可能。

キッズ・ラボラトリーからユーザーへ商品を届ける際の送料は1000円。商品交換や返却時の送料は無料。

料金体系は、有名ブランドを含む3~5点の玩具が送られてくる「おすすめプラン」は月額3980円。商品の交換可能サイクルは30日。日常使いで付いた傷や汚れの保証も付いている。

レンタル点数が2~4点で交換可能サイクルが60日ごとの「お試しプラン」は2980円。

キッズ・ラボラトリーが提供するサービスの利用方法
サービスの利用方法

キッズ・ラボラトリーの青柳陽介社長は、リピート型ショッピングカート「たまごリピート」の提供やサブスクリプション支援を手掛けるテモナで執行役員CMOを務めていた。2019年5月にキッズ・ラボラトリーを設立した。

渡部 和章
渡部 和章

越境ECで年商671億円のビィ・フォアードが国際物流代行サービスを開始、中古車ECの配送網を活用

6 years 2ヶ月 ago

中古車やオートパーツなどの越境ECサイト「beforward.jp」を運営するビィ・フォアードは1月10日、日本国内から海外へ荷物を運ぶ物流代行サービスを開始すると発表した。

約200の国と地域で展開している越境ECの輸送網を活用し、日本企業の国際配送を請け負う。

利用企業は海上輸送と航空輸送、内陸国のローカル陸送を選択できる。貨物の引き取りや商品の梱包、輸出の手続き、トラブル対応などもワンストップで対応するという。荷物の追跡システムを導入しており、配送状況を確認できるとしている。

物流サービスの内容

中古車やオートパーツ、家電などを海外向けに販売するECサイト「BEFORWARD.JP」を運営しているビィ・フォアードの2019年6月期における売上高は前期比17.7%増の671億4514万円。

ビィ・フォアードによると世界200の国と地域で250万人の顧客が利用しており、2018年度は中古車を年間16万台輸出した。アフリカやカリブ、ヨーロッパを中心に世界150以上の独自の輸送ルートを保持しているという。

ビィ・フォアード代表取締役の山川博功氏は次のようにコメントしている。

ビィ・フォアードは設立当時より、車での生活が基盤となっているアフリカを中古車輸出という面から支えてまいりました。構築してきた物流のプラットフォームを提供することで、輸出販売や越境ECを手掛ける企業様の手助けやマーケット参入へのきっかけになれれば幸いです。

日本から世界へ中古車を運ぶだけではなく、必要とされているものを運び、従来行き届かなかった国まで商品を届けることで、世界の生活をより豊かに出来ると考えています。日本の製品を必要としているより多くの世界の人々に商品を届けるため、今後もビィ・フォアードは事業の発展に努めてまいります。

代表取締役の山川博功氏

 

渡部 和章
渡部 和章

「とにかく一度食べてみて!」熊本の山と大地に育まれた「こめたつ 」のお米 | STORY of BACKYARD ─ECサイトの裏方たち─

6 years 2ヶ月 ago
STORY of BACKYARD 08

熊本県北部に位置する山鹿市。阿蘇外輪山の奥地から湧き出した水が市内を東西に横切る菊池川にそそぎ込み、辺りの水田を満たす。菊池川流域で米作りが始まったのは、今からおよそ2000年前といわれている。はるか昔に始まった米作りが、豊作を祈るさまざまな祭りや風習、灌漑(かんがい)技術、美しい田園風景、豊かな食文化などを生み出し、この地に恵みをもたらしてきた。

今回訪れた米屋は、菊池川の北部に広がる田んぼと山すその合間にあった。有限会社農産ベストパートナー 代表の渕上勝瑠(ふちがみ・すぐる)さんは、生まれも育ちもこの辺り。どこまでも広がる田園風景は、子どもの頃から少しも変わっていないという。

2013年に始まった「こめたつ」の挑戦

有限会社農産ベストパートナーの皆さん
有限会社農産ベストパートナーの皆さん。一番左が代表の渕上勝瑠さん

渕上さんが今の仕事に携わるようになったのは2008年のこと。父が創業した会社の経営に加わり、それまで行っていた穀物の加工業に加え、お米の卸販売を始めた。最初は県内の優良な産地にある米農家を1軒1軒訪ね、仕入先を探すところからスタートし、今では農薬の使用を最小限に抑えた良質なお米を、九州各地から仕入れている。

楽天市場に「お米の達人 米蔵人」通称「こめたつ」を開店したのは2013年。「新鮮な熊本のお米を食べてほしい」という一心で、受注から精米、梱包といった出荷までの一連の作業を半日〜1日半で行ってきた。今では楽天市場 白米ランキングの上位にランクインする人気店だ。

「こめたつ」社内風景

こめたつでは新米が入荷するたびに試食会を行っている。取材にうかがった日も、スタッフの皆さんが手に手におにぎりを持って感想を言い合っていた。おにぎりを1つ分けていただくと確かにおいしい! ほど良い粘りと甘みがあり、いくらでも食べてしまいそうだ。熊本のお米のことがもっと知りたくなり、バックヤードを支える人たちにお話を聞いた。

おいしいお米を食べると幸せになれます

こめたつではお米本来の風味や甘み、栄養を生かせるように、胚芽を少し残して精米している。金芽と呼ばれる胚芽の基底部にはビタミンB1やビタミンE、食物繊維が多く含まれ、味も良いのだという。

敷地内にある工場で、その精米作業を担っているのが工場長の山部健輔さんだ。お米は品種や水分量によって精米の仕上がりが変わってくるため、毎回精米方法を変え、ベストなポイントに近づけていく。

お米は精米した日から酸化が始まり、徐々に味が落ちていくので、出荷日の前日か当日に精米して、すぐに出荷しています。こういうことができるのがネット販売の強みですよね。レビューで「こんなにおいしいお米は食べたことがない」とか「熊本のお米もおいしいじゃないか」などと書かれていると、やっぱり嬉しいです(山部さん)

農産ベストパートナー 山部健輔さん
農産ベストパートナー 山部健輔さん

山部さんと渕上さんは小学校以来の同級生。精米部門がスタートした時に渕上さんから声をかけられ、工場を任されることになった。最初の頃は誰も精米方法を知らず、手探りで研究する日々が続いた。現在行っている精米方法は10年かけて体得した。

出社時間は朝の8時。パートさんたちが出勤してくる前に工場内の掃除と機械のメンテナンスを済ませ、8時半には作業を始められるようにする。受注チームからその日の出荷メニューを受け取ったらひたすら精米。毎日、首尾よく連携しなければこなせない量の注文が入る。だからこそ、山部さんが大切にしているのがコミュニケーションだ。

農産ベストパートナー 山部健輔さん

いい雰囲気を作りたいので、みんなとざっくばらんな会話をするように心がけています。もちろん真面目な話もしますけれど、何気ない世間話を交えながら、笑い合いながら作業しています。(山部さん)

時には契約農家の方に、精米する立場からお米の乾燥度合いなどについて要望を伝えることもある。なにしろ毎日お米に触れ、厳密にチェックしているのがこの方なのだ。山部さんは、ゆくゆくは仕入れにも携わり、よりおいしいお米を扱っていきたいと語る。そこまでお米に情熱的になれるのは何故なのだろう? 少し不思議に思ってたずねると、こう答えてくれた。

疲れて家族のもとに帰って、ご飯がおいしかったら嬉しいですよね。おいしいお米を食べると、幸せになれます。(山部さん)

山部さんのモチベーションの核には、シンプルな幸せがあった。

「こめたつ」社内風景

自然と付き合う農家のとびきり自由な生き方

熊本のお米はおいしい。そうと知れば作られる現場が見たくなる。そこで、こめたつの人気商品の1つ「ミルキークイーン」を育てる森本一仁さんを訪ねることにした。

山鹿市から東へ車を走らせること約1時間。阿蘇外輪山を越えると急に地形が変わり、小高い丘の隆起が目立ち始める。どこか別の星へ来たようだ。ひたすら山を下り平地へ着くと、山々に囲まれた静かな水田地帯が広がっていた。

この辺り一帯は火山体の中心部にできた窪地、阿蘇カルデラ。東西18キロ、南北25キロという面積は、世界でも有数の広さだ。ここでは平らな地形を利用し、農業や畜産が行われている。火山灰でできた土壌と山からの湧き水、寒暖差のある気候がおいしい農産物を育くむのだという。標高が高いことで農薬の量を抑えられるというのも驚くべき事実だ。

森本さんの家は田んぼの真ん中にあった。現在は周囲の田んぼでコシヒカリやミルキークイーンなどを育てている。渕上さんとは2011年からの付き合い。渕上さんが仕入先を探して阿蘇を回っていた頃に出会った。信頼を築くまでにはそれなりに時間が必要だったが、今では折にふれ盃を交わす仲でもある。

お米屋さんと生産者って、本当はそんなに深く付き合う必要はないんですよ。僕が彼とお付き合いしているのは、渕上君という人が信頼できることと、納得のいく価格で取引してくれるから。渕上君が自分たちの利益だけではなく、生産者の生活のことも考えて価格を決めているということがわかった時に、この男は信頼できると思いました。

彼のところではお米の価格を高くすることで儲けるのではなく、生産費を抑える企業努力で利益を上げている。だから、作る人からも消費者からも信頼されるんじゃないかな。(森本さん)

生産者の森本一仁さん
生産者の森本一仁さん

もともとミルキークイーンは、熊本ではほとんど作付けのないお米だった。そこへ渕上さんから「阿蘇でミルキークイーンを作ってみませんか?」と提案があり、生産することになった。当初は県内で苗が手に入らず、森本さんのネットワークを生かして仙台から苗を仕入れ、やっと栽培に着手できたという。深い信頼関係がなければ、とてもできなかったことだろう。森本さんに、これまでに大変だったことを尋ねてみた。

やっぱり、台風や地震の被害を受けた時は辛かったですよね。ただ農家は、自然と付き合っていかないといかん。自然から仕打ちを受けることもあるけれど、恩恵もたくさんある。そこは僕らの手の届かない領域だから、自然を恨む必要はないし、「今年がダメだったら来年がある」と頑張っていくしかないと思うんです。

農家の人には、その辺も楽しんでほしい。人のせいにも天候のせいにもせず、すべて自分で受け入れ、愚痴も言わない。そうやって自己責任で働けるところが農業のいいところだと思っています。

それで最終的に消費者の方に「おいしいね」と言ってもらえたら良いなと思うけれど、僕は結果も100%を求めない。その人の好みに合ったお米が見つかったら、その人は幸せだと思うけどね。

かといって、毎年そればっかり食べる必要もないと思うんだ。消費者の人には、いろんなお米を食べる楽しみがあると思うよ。「この前食べたコシヒカリがおいしかったから今度は違う産地のコシヒカリを食べてみようかな」とかね。僕はそうやって、何でも難しく考えないんだな。こだわりがないのが僕のこだわりだから。(森本さん)

森本さんはそう語るとあっけらかんと笑った。森本さんが作るミルキークイーンは毎年数量限定で販売され、5か月ほどで完売してしまうという。100%の結果は求めないと言うけれど、最終的にはお客さんに喜ばれ、ご本人も人生を楽しんでいる。なんと潔く気持ちのいい生き方なんだろう。

稲穂

お客さんを幸せにできるようなお米屋になりたい

こめたつのトップページには「ひのひかり」「森のくまさん」「あきげしき」といった熊本のお米の名が並ぶ。北国のお米に親しんでいる人にはほとんど馴染みのない名前かもしれない。ところがこめたつのオープン以来、熊本のお米は少しずつシェアを伸ばし、2017年には楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤーの「米・雑穀ジャンル賞」を獲得した。

米の名産地が数あるなか、どうやって人気を集めてきたのだろう? 「こめたつ」店長であり代表の奥様、そして一児の母でもある渕上芳巳さんにお話をうかがった。

熊本のお米は粒がしっかりしていてコクと甘みがあるものが多いです。熊本のお米を知らない方には「とにかく一度食べてみて!」と思いますね。

ただ、お米には人それぞれ好みがありますので、どのお米が良いのかお客さんから質問されたら、はじめに普段どんなお米を食べいるかお聞きします。その上で、その方が求める食味に合いそうなお米をご提案しています。(渕上さん)

農産ベストパートナー 渕上芳巳さん
農産ベストパートナー 渕上芳巳さん

こめたつの運営方法やページのデザインなどは、夫婦で相談を重ね、アップデートを続けてきた。

何もわからない状態から始めて、少しずつノウハウをつかんでいきました。2人で「ああでもない、こうでもない」と言い合い、喧嘩をしながらページを作っています(笑)。でも、そのおかげでページのクオリティが上がってきたのかもしれません。(渕上さん)

受注業務は、芳巳さんともう1人のスタッフが担っている。特に気を配っているのはスピードと丁寧さ。お客さんの要望に素早く応え、小さなことでも1つひとつ丁寧にこなすようにしている。

お客さんからのお問い合わせには、なるべく半日以内にお答えしています。「明日のお米がないからすぐ届けてほしい」という要望や、急なキャンセルにもできる限りご対応しています。始めた頃と比べると注文数が増えたので、イレギュラーなお問い合わせに対応するのは大変ですが、お客さんの安心や信頼につながるのであれば、頑張ってお応えしていきたいと思っています。(渕上さん)

パッケージや梱包にもこだわっている。米袋はリニューアルにリニューアルを重ね、現在は茶色いクラフト地に白1色でイラスト。普段あまりお米を食べない若い方や、子どもたちにも受け入れてもらえたらと思い、可愛いらしいデザインに変えた。

「こめたつ」社内風景

お米は届いた袋のまま常温で保存しておくと虫がわいてしまうことがあるんです。こめたつでは密閉容器に移して低温で保存することをお勧めしているのですが、夏場などはどうしても虫がわいたというクレームを受けることがありました。

そこで、「脱気包装」という包装方法を取り入れたところ、クレームの数が激減しました。酸素を抜き、脱酸素剤を入れて包装することによって、虫の発生や酸化を防げるんです。脱気包装はオプション料金をいただいているのですが、保存期間も伸びますし、この包装があるからうちで買うと言ってくださるお客さんもいます。(渕上さん)

こうしたさまざまな工夫やきめ細やかな対応が喜ばれ、また「熊本のお米のおいしさを伝えたい」という並々ならぬ熱意が伝わり、お客さんからの支持につながっていったのだろう。

お米は日本の主食ですよね。農家さんも町のお米屋さんも減りつつありますが、お米の消費量が減ってしまっては困ります。子どもたちにも、もっとお米を食べてほしい。もちろん野菜も大事ですけど、お米さえあれば大きく元気に育ってくれる。「お米を通して皆さんの健康を支えています」というくらいの気持ちはあります。

お米屋としてのプライドというんですかね。うちのお米を食べて「元気になったよ」と言っていただけたら嬉しいです。お客さんを幸せにできるようなお米屋になれたらいいなと思っています。(渕上さん)

「こめたつ」社内風景

自分たちが毎日食べているお米の良さを発信し、そのお米がどこかの誰かを幸せにする。なんてシンプルなことなんだろう。社屋の向こうに稲穂が青々と揺れているのが見えた。穂の中にはもう甘いお米が実り、もうすぐ始まる稲刈りを待つばかりだ。秋になると近隣の農家さんが軽トラで何度も往復し、お米を運んで来るという。またしばらくは忙しくなりそうだ。

B.Y
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【お年玉企画】Amazon Pay体験で500円分のAmazonギフト券をプレゼント!(先着500名)

6 years 2ヶ月 ago

Amazonが用意した「Amazon Payデモショッピングサイト」で、ID決済サービス「Amazon Pay」を体験すると、500円分のAmazonギフト券をプレゼント――。ネッ担の記事の読者に向けて、「Amazon Pay」がこんなお年玉企画を提供します。先着500名です。

「Amazon Payデモショッピングサイト」で、あなたが普段利用しているAmazonのアカウントを使って、「Amazon Pay」で便利なお買い物を体験(デモサイトのため注文はされません)してみましょう。その後、表示される専用フォームに必要事項を入力すれば、登録したメールアドレス宛に500円分のAmazonギフト券のご案内が届きます。

「Amazon Pay」は、Amazon以外の自社ECサイトにおいて、Amazonアカウントを利用することで、購入時の配送先・クレジットカードの情報入力なしにログインや決済ができるID決済サービス。2020年1月現在、1万社以上の自社ECサイトに導入されています。

以下の「お申し込み手順」と「注意事項」をお読みの上、この機会にぜひ「Amazon Pay」を体験してください。

お申し込みは以下のバナーをクリック。「Amazon Payデモショッピングサイト」にジャンプします

※キャンペーン期間は、2020/1/20(月)~2/19(水)23:59まで

【お申し込み手順】

「Amazon Payデモショッピングサイト」
Amazon Payデモショッピングサイト」にアクセスして、以下の手順に沿ってお申し込みください
  1. Amazon Payデモショッピングサイト」(密林コーヒー:デモサイト)にアクセス
  2. 商品をカートに入れて、「Amazonアカウントでお支払い」のボタンをクリック
  3. ログイン画面が表示されるので、ご自身のAmazonアカウントでログイン
  4. ご注文手続き画面が表示されるので、「購入する」ボタンを押す(デモサイトのため、実際には注文されません)
  5. その後、Amazon Pay体験キャンペーン画面が表示されます。お申し込みフォームに必要事項を入力してください。

【注意事項】

  • 「Amazon Payデモショッピングサイト」で「Amazon Pay」を体験し、アマゾンジャパンが用意した「お申し込みフォーム」に入力した法人に所属する方に限ります。
  • 先着数に達した時点で、キャンペーンは終了となります。
  • お申し込みは日本国内の法人に限ります。
  • フリーメールのドメイン(@gmail, @yahooなど)メールアドレスでの応募は不可となります。所属している法人のドメインメールアドレスにてお申し込みください。
  • 応募はお一人につき1回限りです。
  • すでに「Amazon Pay」を導入している法人に所属している方は対象外となります。
  • Amazonギフト券はお申し込みフォームに入力されたEmailアドレス宛に送付します。 手続きの都合上、お申込みフォームへのご入力完了からAmazonギフト券の送付まで、数週間程度かかる場合があります。
  • 登録情報の不備などキャンペーンの利用条件を満たさない場合、その他不正な利用があった場合はキャンペーン対象外となり、キャンペーン分相当額を請求させていただく場合があります。
  • 本キャンペーンに参加した場合、Amazon Payプライバシー規約に規定する個人情報の取り扱いに同意したものとみなされます。
ネットショップ担当者フォーラム編集部
ネットショップ担当者フォーラム編集部

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