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2019/11広告業売上、全体では前年同月比2.1%減、マス4媒体は同6.2%減、ネット広告は同増減なし

5 years 10ヶ月 ago
2020/1/22の経済産業省の特定サービス産業動態統計調査から。
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result/result_1.html

全体では前年同月比で2.1%減。テレビは4.5%減、新聞は11.5%、雑誌は14.3%減。インターネット広告は増減なし。消費税率上昇の影響が効いているかは、何とも言えないが、ネット広告がこの2カ月連続で殆ど増減なしという異常事態?になっている。

雑誌のマイナスは55カ月連続、折込み・ダイレクトメールは36カ月連続マイナスといった状況。


noreply@blogger.com (hiromi ibukuro g)

マクロミル、IAB Tech Labに加盟

5 years 10ヶ月 ago
マクロミルが「The IAB Technology Laboratory」に加盟。アジアのマーケティングリサーチ企業では初めてだという。日本からは、すでにサイバーエージェント、サイバー・コミュニケーションズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、ヤフーなどが加盟している。
noreply@blogger.com (Kenji)

ECサイト内の画像検索・レコメンド・自動タグ付けなどを行う画像認識AI「syte」とは

5 years 10ヶ月 ago

ギャプライズは1月10日、イスラエルのstyle社が提供している画像検索最適化エンジン「style」を、日本国内で1月から本格的に販売すると発表した。

「style」は人工知能(AI)を搭載しており、ECサイトにおける画像検索や類似商品のレコメンド、タグ付けの自動化などを行えるという。

ECサイトに「style」を導入すると、写真や画像を使って類似画像を検索することが可能。画像に写った商品の色や形などから類似商品をレコメンドすることもできるという。

また、商品データに色やジャンル、素材といった情報のタグを付ける作業を、画像認識AIによって自動化できるとしている。

syte社は2015年にイスラエルで創業した。ギャプライズによると、海外ではFarfetchやTommy Hilfigerなどが「style」を導入しているほか、Microsoftから「市場で最も正確なビジュアルAIを提供している企業」に選出されたという。

ギャプライズは2019年6月にstyle社とパートナー契約を結び、これまで国内で限定的に「style」を販売していた。

渡部 和章
渡部 和章

エドウインやリー、スナイデルなどがECサイトに店舗スタッフによるコーディネート投稿を開始

5 years 10ヶ月 ago

ジーンズブランドを展開するエドウインとリー・ジャパンは12月、実店舗の販売スタッフがコーディネート画像をECサイトに投稿し、コンテンツ経由で購入ページへユーザーを誘導する取り組みを開始した。実店舗の販売スタッフとECサイトが連携し、販売促進を図る。

エドウインとリー・ジャパンの販売スタッフのうち約200人が、公式通販サイトのコーディネートページに写真を順次投稿している。

販売スタッフによるコーディネート投稿を開始した理由についてエドウインの広報は、「直営店とECサイトが連動し、お客さまとのコミュニケーションを強化していくため」と説明。積極的にコーディネートを投稿する販売スタッフも出てきているという。今後は「スタッフに協力してもらいながらコンテンツを充実していきたい」としている。

リー・ジャパンは12月、実店舗の販売スタッフがコーディネート画像をECサイトに投稿し、コンテンツ経由で購入ページへユーザーを誘導する取り組みを開始
販売スタッフがコーディネートページに写真を投稿していく

エドウインとリー・ジャパンはコーディネート投稿のプラットフォームとして、バニッシュスタンダードが提供している「STAFF START」を導入した。

「STAFF START」はコーディネート画像に商品情報をひも付け、画像からECサイトの商品ページへユーザーを誘導できるシステム。コーディネート画像を経由して商品が売れた場合、販売実績が投稿者ごとに集計される。

バニッシュスタンダードによると「STAFF START」の導入実績は約700ブランド。2019年12月にはマッシュホールディングスのファッションブランド「SNIDEL(スナイデル)」や、AOKIグループの紳士服ブランド「ORIHICA」にも「STAFF START」を導入した。

また、2020年春以降、マッシュホールディングスが展開する「FURFUR」「CELFORD」「gelato pique」など8つのブランドで販売スタッフによるコーディネート投稿を開始するという。

渡部 和章
渡部 和章

【寄稿】ウェブサイトの編集・ライター養成講座(グーグルアナリティクスの読み解き方)に参加してきました。

5 years 10ヶ月 ago

こんにちは!

アパレル、旅行、不動産を軸にWebアナリスト として活動している花輪(はなわ)です。

 

2020年1月11日に宣伝会議の「編集・ライター養成講座 総合コース」で開催された、「グーグルアナリティクスの読み解き方」の回に参加してきました。100名以上が参加している人気の講座シリーズです。

 

www.sendenkaigi.com

 

今回の講座は、記事やコンテンツの分析や改善方法についてのコツを教えていただきましたので、可能な限り参加した内容を紹介します。

 

講座の講師は、Webアナリストとしてご活躍されている小川卓先生です。

 

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本日のテーマは、ウェブサイトの「コンテンツや記事におけるグーグルアナリティクスの読み解き方」です。

  

ポイントは大きく分けて3つあります。

 

1.コンテンツを評価する方法

2.Googleアナリティクスの活用

3.記事のSEOについての考え方 

 

こちらのポイントについて、順番にご紹介していきます。

 

 

1.コンテンツを評価する方法

評価するために大切な考え方があります。それは、良いコンテンツの条件を知り、コンテンツの評価を数値で見られるようになることです。

 

コンテンツを作ったのは良いけど、評価は多数決で決めている、分析ツールを導入したけど、どの数値をみたら良いかわからないなど困ったりすることがあるのではないでしょうか。

 

良いコンテンツの条件とは、「ビジネスとっての価値があること」&「ユーザーにとっての価値があること」です。

 

ビジネスにとっての価値とは、コンテンツを掲載する会社にとって有益であること。つまり、会員登録や商品の購入、資料のダウンロードにつながったということです。次に、ユーザー(コンテンツの読み手)にとっての価値とは、コンテンツを閲覧した結果、極論ですが人生変わりました。ダイエットに取り組もうと思った。などユーザーに有益な情報を与えることができたということです。

 

ビジネスにとっての価値を数値で見るためには、4つの力で評価を行います。

ユーザーにとっての価値を数値で見るためには、ユーザー視点のKPIで評価を行います。

 

4つの力について

 各項目の詳しい分析方法は、後ほど紹介しますが、4つの力でビジネスの評価をみるということです。

 

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ユーザー視点のKPIについて

KPIとは、Key Performance Indicatorの略です。

 

ユーザー視点とは、作ったコンテンツを読んだユーザーに対して、どのような価値を提供できたのか?どうなって欲しいのか?ということです。

 

例えば、コンテンツを読んだユーザーが、とても役立つ情報だった。何かをやってみようと思った。飲み会のネタでお話しようと思った。といった内容が含まれていることが必要です。

 

評価するための数値は、ユーザー数 OR ユーザー比率です。何人に影響を与えられたのかが把握できるためです。また、記事内容によっても変わってきますが、シェアした人数、定期的に閲覧してくれる人(ファン)なども見ます。

 

それでは、実際にGoogleアナリティクスで、どのように見れば良いかを紹介します。

 

2.Googleアナリティクスの活用

今は大半の企業の方々がGoogleアナリティクスを導入しています。

なぜ利用しているかというと3つの理由があります。

 

①無料。

導入のハードルが低い。有料の場合、導入する価値試算などがあり、稟議をあげたりと手間がかかります。

②Googleが提供していて、高機能。

③情報が充実している

 

それでは、4つの力について、説明していきます。

 

集客力:該当ページがどれくらい読まれているか。

サイトに訪問、流入してきた数で、多いほど、多くの人にとってニーズがあることになります。

 

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閲覧力:該当ページがどれくらい読まれているのか

平均ページ滞在時間。このページに平均どのくらいいたのか。どの記事が長く読まれていた記事なのか。記事の文字数と滞在時間を比較して読みやすい構成になっているかチェックします。また読了率なども確認します。

 

誘導力:該当ページからどれくらい離脱しないか

直帰率は、サイト外から入ってきて、そのままサイト外に出て行った。離脱率は、そのページが最後で、サイト外に出て行った。という違いに注意してください。どちらにせよ、低ければ良く。高ければ悪い。です。

 

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成果:ページを経由して成果にどれうらいたどり着いているか(成果への貢献度合い)

事前に設定が必要です。直接売り上げにつながるもの(資料ダウンロード、商品などの購入、会社へのお問い合わせ、会員登録)です。コンバージョンと合わせてみると、よく見られているけど、成果にまでつながらない、つながった記事が把握できます。

 

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Googleアナリティクスは、分析するための指標がいくつもあり、私も初めはどれから見たら良いのか、また自分の見たい指標から見るなど、流れに沿った見方ができていませんでした。

 

まずは集客からみて順番に成果までつなげるという流れの分析をしていくことが重要だと感じました。

 

講義の中では具体的なTIPSや2つのページを見てどちらのページの方が閲覧力や誘導力が高いか?というワークなども行われました。

 

次に、良いコンテンツはどのようなキーワードで流入してくるのか?また、コンテンツを作成する上で、決めたキーワード以外でどのような点を考慮すれば良いのかをご紹介します。

 

3.SEOについての考え方

検索エンジンからの流入を意識する場合、キーワードに基づいたコンテンツ拡充を行うことがポイントです。狙うべきキーワードを洗い出し、関連キーワードを整理します。

 

SEOをしっかり行えばコンテンツへの検索数が増え、広告費での集客比率が減り、コスト減といったメリットがあります。デメリットとしては、検索数を増やすために中長期的な時間がかかります。

 

SEOは短期的に効果をあげるというより、計画をもって中長期的に行っていくことが大切になります。

 

 

対策するキーワードは、以下2つを意識して行います。

 ・検索数が多くて、自社の順位が低いワードを優先

 ・サイトの成果につながりやすいキーワードであることも大切

 

そこで、自社サイトの検索の効果を測定したり、エラーを発見したりするツールが「サーチコンソール」です。

 

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自社に検索順位が何位で、どのようなキーワードで入ってきているかも詳しく把握できます。

 

サーチコンソールを使って「流入が多くて順位が低い」かつ「自社サイトに関連するキーワードをピックアップしましょう(種キーワード)」、その後に関連するキーワード(サジェストキーワード)を見つけていきます。

  

サジェストキーワードはツール等を利用して発見してみるとよいでしょう。

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集客を増やす方法は、基本的には検索順位をあげることが必要です。検索順位を上げれば、クリックが増え集客につながるためです。しかし、検索順位を上げるとどの程度リ流入が増えるのかというと、例えばモバイルの場合、検索順位が10位と3位を比較すると、クリック数の桁が一つ増えます。

  

キーワード検索する人のユーザーニーズについても把握しておかないと良いコンテンツ記事は書けません。キーワードごとにどの、ユーザーニーズを満たすものなのかを整理した上でコンテンツを検討しましょう。 

 

Know(知りたい)

ニーズは、「早く・正しく・詳しく知りたい」となります。例えば、「KPIとは」というキーワードに対して作成するコンテンツは「Key Performance Indicator」がはじめに記載されていることです。また詳細としては、KGIとKPIの関係や実際の事例などがあるとよいでしょう。

 

Go(行きたい)

ニーズは、「安く・賢く・ストレスなく移動したい」となります。講座では「成田空港から羽田空港への移動」を例に考え方が紹介されました。

      

Do(実行したい)

ニーズは、「ラクしたい・失敗したくない・継続したい」となります。実行をする上で色々な課題に対しての解決案を提示することが重要になります。習い事やプログラミングの習得などもここに該当するでしょう。

 

Buy(買いたい)

ニーズは、「失敗したくない・得したい・○○から買いたい」となります。家電製品や化粧品の購入なんかをイメージすると分かりやすいかなと。

 

まとめ

コンテンツは作って終わりではなく、リライト・改善がとても大切です。意外と過去に書いてあるものが上位に掲載されていることもあります。重要なのは、地層(良いコンテンツ記事)を作っていくことです。

 

最新の記事、昔の記事という分け方では無く、バズる記事、コンスタントに見られる記事という記事のパターンに対して、どちらの記事を作成しているのかを意識しながら作成することが大変重要です。

 

 

参加した感想

こちらで全てのことは紹介できませんが、講座はポイントごとに事例や先生が実際にツールを触りながらの説明があり、伝え方はとても工夫がされていて、すごく理解しやすい講座内容となっています。

他の講座も受けようかと思っております。参加させていただき、ありがとうございました。

 

解析以外にも編集・ライター養成講座では30名を超える講師から学べる非常に豪華な講座となっています。興味がありましたらぜひ宣伝会議の講座をチェックしてみてください!

 

www.sendenkaigi.com

「楽天市場」の競合商品売上を確認できる調査ツール「mark bench(マークベンチ)」をHameeコンサルティングがリリース

5 years 10ヶ月 ago

Hameeコンサルティングは1月21日、「楽天市場」で販売されている他社商品の売上情報などを推計値で確認できる調査ツール「mark bench(マークベンチ)」をリリースした。利用料金は月額9800円(税抜)で、7日間の無料トライアル期間がある。

「mark bench」を使うと、「楽天市場」で他社が扱っている「商品売上推計」に加え、「商品価格」「商品名」「ランキング」などの商品情報推移も確認できる。取得する情報はHameeグループに蓄積したノウハウやデータ、「楽天市場」の公開データなどを元に開発したアルゴリズムから算出している。「楽天市場」の他社商品売上を推計し指数を表示することで、ツール導入企業は新商品の開発や仕入れ、プロモーションなどの施策タイミングの検討に使用できる。

Hamee ネクストエンジン mark bench Hameeコンサルティング ECリサーチツール

サービス開始にあたり、Hameeコンサルティングは次のようにコメントしている。

これまで1000以上のECサイトに対し、コンサルティングをはじめとした幅広いサービスを行ってまいりました。その中で、多くのEC運営者さまが『他ショップの動向』を常に気にしていても、望む情報がなかなか取得できておりませんでした。これらの背景をうけ、『安価で』『簡単に』分析用のデータを取得できるサービスが必要と考え、本サービスを開発いたしました。

ECリサーチツールでは、Nintが提供する「Nint ECommerce」が同様のサービスを提供している。

藤田遙
藤田遙

「キャッシュレス還元開始後、キャッシュレス決済利用が増えた」が約4割。クレジットカードやスマホ決済も増加

5 years 10ヶ月 ago

MMD研究所はビザ・ワールドワイド・ジャパンと共同で、日本在住の20歳~69歳の男女5万人を対象に「【第1弾】 2020年キャッシュレス・消費者還元事業における利用者実態調査」を実施した。調査期間は2019年12月13日~12月22日。

「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知は約9割、内容の理解は6割

アンケート調査対象者に「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知と理解について聞いたところ、「キャッシュレス・消費者還元事業を知っているという割合」は89.9%、「内容を理解している」は60.2%となった。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業 認知度 理解度
「キャッシュレス・消費者還元事業」の認知と理解(n=50,000)出典:MMD研究所

認知のきっかけはテレビのニュース番組が最多

「キャッシュレス・消費者還元事業」を認知している20歳~69歳の男女に、還元事業を認知したきっかけを聞いたところ、「ニュースや情報のTV番組」(34.6%)、「TVCM」(14.8%)と回答者の約半数がテレビで知ったという結果に。次いで「店頭や街なか」(11.6%)、「新聞」(9.5%)、「インターネットニュース」(5.2%)。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 商品者還元事業 ポイント還元事業 テレビ CM
「キャッシュレス・消費者還元事業」を知ったきっかけ(n=44962)出典:MMD研究所

「キャッシュレス決済の支払いが増えた」が約4割に

2019年10月1日に始まった消費者還元事業の前後で、キャッシュレス決済の支払いに変化があったか聞いたところ、「キャッシュレス決済で支払うことが増えた」(39.3%)と、約4割近くがキャッシュレス決済の支払い回数が増えたと回答した。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
10月1日の「キャッシュレス・消費者還元事業」開始以前と以降で支払い方法の変化(n=50,000)出典:MMD研究所

還元事業開始後の支払い方法は、クレジットカードが約9割、スマホ決済が増加

キャッシュレス決済を利用している20歳~69歳の男女に、還元事業の前後で利用したことのある支払い方法について聞いた。開始前は「現金」(98.3%)、「クレジットカード」(87.2%)と、支払いの主流は現金とクレジットカードだった。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
消費者還元事業が始まる前(10月1日以前)の決済利用と消費者還元事業が始まった後(10月1日以降)の決済利用(複数回答可/n=41,504)出典:MMD研究所

開始後は「現金」(97.8%)、「クレジットカード」(87.2%)が依然高い利用率だが、「QRコード決済」(45.9%)は10ポイント、「スマホ非接触決済」(30.7%)は2.7ポイント増加した。

最も利用率が高いキャッシュレス決済は「クレジットカード」

キャッシュレス決済を「1か月に1回以上」利用している20歳~69歳の男女に、1か月で最も利用しているキャッシュレス決済方法を聞いたところ、「クレジットカード」(52.0%)が過半数を超えた。次いで「カード型電子マネー」(19.2%)、「QRコード決済」(18.2%)と続く結果に。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
この1か月で最も利用しているキャッシュレス決済方法(n=39,313)出典:MMD研究所

Visa×MMD研究所は「近年キャッシュレス決済の選択肢が増えており、特に「QRコード決済」は大型キャンペーンによる利用促進などで一定の利用者を獲得している。一方クレジットカードは幅広い世代、性別に選択されている」と分析する。

キャッシュレス利用場所TOP3は「コンビニ」「スーパー」「ドラッグストア」

キャッシュレス決済を利用している20歳~69歳の男女に、消費者還元事業後にキャッシュレス決済の利用が多くなった場所を聞いたところ、「コンビニエンスストア」(41.5%)が最も高く、次いで「スーパーマーケット」(33.1%)、「ドラッグストア」(26.5%)。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
消費者還元事業後、キャッシュレス決済利用が多くなった場所(複数回答可/n=41,504)出典:MMD研究所

消費税増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業の追い風も受けて日用品を買う大手チェーンストアでの利用が促進され、日常的にキャッシュレス決済を利用する人が増えている傾向にある。(Visa×MMD研究所)

キャッシュレス決済のイメージは「クレジットカード」。普及の体感は48.9%、期待は54.9%

キャッシュレス決済と聞いて1番に思い浮かぶ決済方法を聞いたところ、「クレジットカード」(50.2%)が最多で過半数を占めた。次いで「QRコード決済」(27.9%)、「カード型電子マネー」(11.6%)と続いた。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
キャッシュレス決済と聞いて浮かぶ決済方法(n=50,000)出典:MMD研究所

「キャッシュレス化が進んでいると思うか」「キャッシュレス化が進んでほしいか」の期待について、それぞれ聞いた。

普及の体感については、「とても進んでいると思う」(7.8%)、「やや進んでいると思う」(41.1%)と肯定的な回答が半数弱となった。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
日本国内のキャッシュレス化への体感(n=50,000)
出典:MMD研究所

「キャッシュレス化が進んでほしいか」というキャッシュレス化の期待については、「とてもそう思う」(16.5%)、「ややそう思う」(38.4%)と肯定的な回答が54.9%となった。

キャッシュレス決済 キャッシュレス 消費者還元事業 ポイント還元事業
今よりもっと日本国内のキャッシュレス化が進んでほしいと思いますか?(n=50,000)出典:MMD研究所
調査実施概要
藤田遙
藤田遙

【動画で解説】「ISSUN」宮松氏と「ozie」柳田氏が語る「ECにAIを活用する方法」「データサイエンティストの存在」 | 動画で学ぶ「ECの未来」produced by Savari.,Co.Ltd.

5 years 10ヶ月 ago

ECに関わるキーパーソンがこれからのECビジネスなどについて語り合う「ECの未来」。司会進行役は人気ECサイト「ozie」を運営する柳田織物の柳田敏正社長。2回目はISSUN代表取締役の宮松利博氏をゲストに迎え、「これからのECにどうAIを活用するか」をテーマに語り合った。

「ECの未来」とは

EC業界の著名人などにインタビューし、これからのECを考察する動画メディア。企画・運営はEC支援のサヴァリ。司会進行役の柳田社長がEC業界のキーマンに独自の視点で切り込んでいく。

▼動画を早くみたい! という方はこちらをクリック

  • 【2回目のゲスト】ISSUN 代表取締役の宮松利博氏

ECの未来 ISSUN AI 機械学習 宮松利博 柳田敏正 ozie 柳田織物 EC
営業時代に顧客管理システムを開発。システムを用いて営業業績を伸ばし1997年にシステムを売却。2000年に立ち上げたECは、初年度で月商1億円に急成長するも数年後に上場失敗。新たなECを3年で年商20億円に成長させ、2006年株式上場。同年に保有株を売却。海外視察の後、2011年「小よく“巨”を制す」を掲げ株式会社ISSUNを設立。
  • 【司会進行】柳田織物 代表取締役の柳田敏正氏

ECの未来 ISSUN AI 機械学習 宮松利博 柳田敏正 ozie 柳田織物 EC
法政大学卒業後、バーニーズジャパンに入社し横浜店にてメンズ全般の接客に従事。1999年退社し柳田織物に入社。2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie(オジエ)」を開設しBtoCへ進出。2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。2012年第4回エビス大賞にて大賞受賞。2013年4月代表取締役に就任。

宮松氏が語る、これからのECにAIを活用する方法

「いかにデータを業務に活かしていくか」を20年前から試行錯誤してきた宮松氏。セミナーを通じて出会った事業者、経営者、担当者は「AIの技術をどうやって会社に取り込めば良いのか」ということに一番興味を持っていたという。それに対する答えは「データサイエンティストと友達になること」だと宮松氏は語る。

ECの未来 ISSUN AI 機械学習 宮松利博 柳田敏正 ozie 柳田織物 EC
ECでどのようにAIを活用するかを語り合った宮松氏と柳田氏

データサイエンティストの活躍には「斬新さ」「新しさ」の追求が必要

宮松氏が発したインタビュー内での印象的な言葉を以下に紹介する。

与えられたデータから状況を分析して、事前仮説や事後仮説など様々な分析、推論、提案してくれるのが機械学習やデータサイエンティスト。

ビジネスパーソンじゃないとジャッジできないことはあると思うので、そこは私たちの専門分野。そこに到達するまでを、彼らの高い能力とプロフェッショナルな技術で提案してくれる。その棲み分けができていれば、色々なところで活用できる。

ビッグデータやサイエンティストが活躍していくには、数やボリュームではなく「斬新さ」「新しさ」をどこまで追求できるか。

自分たちの事業や企業、あるいはお客様に提供しているサービスの商品が、どういうエッジの立て方をしていきたいかをしっかり決めた上で話をする。

宮松氏と柳田氏が語り合った「ECの未来」。詳細をもっと知りたい方は動画をチェックしてください!

サヴァリ株式会社
サヴァリ株式会社

無印良品のネットストアがシステムメンテナンスから復旧・再開

5 years 10ヶ月 ago

良品計画は1月18日、システム更新に伴うメンテナンスのために停止していたECサイト「ネットストア」と「MUJI passportアプリ」を再開したと発表した。

家具などの一部商品や店舗受け取りサービスなど、現時点で一時停止している商品やサービスがある。

一時停止している商品やサービスは以下の通り。

  • ネットストアからの一部商品の注文
  • ネットストアからのオーダーラグ、オーダーカーテンの注文
  • ネットストアからの花・グリーン、諸国良品の注文
  • ネット注文店舗受け取りサービス
  • 店舗在庫検索
  • 各種シミュレーターのご利用
  • MUJI SUPPORT各種サービスのインターネット予約
  • 楽天ペイによる支払い
  • 募金券
    ※該当商品ページには、「ネットストアお取り扱いなし」または「在庫なし」と表示している。

良品計画は1月13日、システムメンテナンスのために停止しているECサイト「ネットストア」の再開を、1月下旬に再延期すると発表。システムメンテナンスに想定以上の時間を要しているためとしていた。

当初1月1日にシステム更新を終える予定だったが、1月上旬の再開に延期。それをさらに1月下旬の再開に再延期した。

「ネットストア」および「MUJI passport」アプリは当初、2019年12月31日0時~2020年1月1日13時の期間で、システム更新に伴うメンテナンスを行う予定だった。「MUJI passport」アプリは2019年12月31日0時~2020年1月8日15時でメンテナンスが終了。「MUJI passport」アプリのiOSに続き、Androidに新しいバージョンをリリースしたものの、「MUJI passport」経由での買い物など一部機能が利用できない状態となっていた。

2019年3~8月期(中間期)の決算説明資料では、12月の日本から順次導入する会計領域の各国展開を優先すると説明。ECのリリース、個客領域の新規取り組みに関わる追加機能開発を後ろ倒し、リリース時期を変更することで、会計(SAP)導入・MDシステムのスムーズな移行・切り替え業務に集中するとしていた。会計システムの移行・切り替えが問題となり、メンテナンスが遅れていたとみられる。

良品計画のグローバル標準システムの構築計画
2019年10月時点での新システム、会計領域の開発進捗と計画(2019年3~8月期の決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
石居 岳
石居 岳

data-vocabulary構造化データによるリッチリザルトのサポートをGoogleが終了、schema.orgへの移行を推奨

5 years 10ヶ月 ago
リッチリザルトを表示するための data-vocabulary.org 構造化データの利用を 2020 年 4 月 6 日をもって Google は終了する。data-vocabulary.org でマークアップしていても 4 月 6 日以降は検索結果にリッチリザルトが出なくなる。data-vocabulary.org でマークアップしているサイトは schema.org へ移行する必要がある。
Kenichi Suzuki

SEOに保険をかける

5 years 10ヶ月 ago

「検索者のことを考えればSEOは大丈夫」

というのはほとんどのケースで正解だと思います。

検索者に最高のユーザー体験を提供できれば、そのページやサイトのSEOはほとんど成功と言えるでしょう。

 

ただ、現時点で残念ながら、100%成功とは言えません。

順位決定はユーザーが100%評価するのではなく最終的には検索エンジンが評価しているからです。

 

先日こういうツイートをしました。

私がやるSEOはその時点で無駄になるかもしれないことを行うこともそれなりにあります。

ご存知の通り、業務上いろいろなデータをとっており、

この項目はどうも効いていなさそうだなと思うものが多々あります。

 

例えば構造化データと順位の関係性ですが、

構造化データを入れたからランクが上がっているとは言い難いものになっていました。

実際に、新たに構造化データを入れて全体的にランクがあがったなあという印象を持ったことは正直ないと思います。

 

それでも

「可能な限り構造化データは入れておきましょう」

ということをよく言います。

これはリッチスニペットの問題もありますが、

今後検索エンジンがというかGoogleがどう使うかわからないし、

今時点でもどう使っているか分からないもので、かつ入れてマイナスになることもないだろうと思われるものは、

基本的にやっておくべき

だと考えるからです。

ランクには影響出ないレベルだとしても、構造化データをコンテンツを読み取るヒントに使うというのはある程度しているのではないかと思いますし、今後結果としてSEOの結果において、構造化データを入れているほうがポジティブになるような使い方がなされる可能性はないとは言い切れないと思います。

もちろんリソースの問題があるので一概には言えませんが、そのサイトにおいて改修コストが対してかからないのであれば

やっておいたほうが将来よくなるであろうことはやれるときにやっておく

が良いと思っています。

 

構造化データだけでなく、最近ではYMYLの領域を中心にそのサイトそのものや著者や運営者の実体を見ていると思われるケースがあります。

この実体を伝えるためにも、なるべくやれることはやろうという派です。

「そんなの効果ないでしょ」とか嘲笑されること多々ですが、

コーポレートサイトでその分野の専門性示すとか、自社の研究論文に発リンクするとか、もっと言ったらDOMAINのWHO ISで運営母体状態をマスクしないようにするとか、運営元の連絡先を明記するとか、ひょっとしたらこういうところで検索エンジンは(というかGoogle)は実体を把握するかもしれないな、と思うところは無駄かもしれない場合でも工数やコストにもよりますが、なるべく対応するようにしています。

ひょっとすると実体を云々ということ自体だった間違っているかもしれませんが、

今の信頼性、専門性などを重要視する流れの中で、仮に今”実体”なんてものを考慮していなかったとしても将来的には考慮するかもしれないので、やはり対策しておいたほうが良いと思います。

 

ごく一部の人を除いて、Googleはじめとする検索エンジンの細かい仕様だったり仕組みだったり、将来的な計画など知らないわけで、それらを想像するしかないわけです。

もちろん想像するためのデータだったり経験だったりというのは必要だとは思います。

この”想像”というのは結構SEOをやるうえで重要だと思っています。

特にYMYLの領域だったり、そこにかかってくるかもしれない(これも想像になりますが)領域の場合は、どうしたら専門性が伝えられるのだろう?信頼性が伝えられるのだろう?と想像して対策を立てておくことは重要になると思います。

サイトの力を伸ばすというよりも、サイトや運営元が本来もっている力や地位を示すというややディフェンシブなことではありますが、それができないと大きな痛手を被ることは間違いないと思います。

そうならないためにも"SEOにおいて想像を巡らせて保険をかけておく"、というのは悪くないのではないかと思っています。

 

(ということで、諸事情により、これからこのような緩やかなどうせもいい感じのSEO周辺のことを書くことになりそうです)

 

@kimuyan

ディノス・セシールがCookie利用制限でも自然言語AI技術で高精度なネット広告配信を行うスリーアイズに出資

5 years 10ヶ月 ago

ディノス・セシールは1月17日、独自の自然言語AI技術によって、Cookieを参照にしなくても高精度な記事ターゲティングと最適化運用を全自動で行う、次世代型のネット広告配信サービス事業を展開するスタートアップ企業のスリーアイズに対して、第三者割当増資引受により出資すると発表した。

出資するスリーアイズは、Cookieをベースとしたネット広告事業者とは異なり、コア技術である自然言語解析によって、Web上の自然言語・一般知識・トレンドを理解するAIが、高精度なコンテンツマッチングを行うネット広告配信サービス「Candy」を提供している。

昨今、世界中でネット上の個人情報保護の動きが顕著となっており、ITP(Cookieによるトラッキングを防止する機能)やGDPR(EU一般データ保護規則)といったデータプライバシー規制に関する動きが加速している。

スリーアイズは創業以来、個人情報の利用にひも付くWebマーケティングとは一線を画し、ネット上におけるユーザー嗜好マーケティングと個人情報保護の両立をめざした情報レコメンド技術を確立・向上させて注目を集めている。

ディノス・セシールは、独自の自然言語AI技術によって、Cookieを参照にしなくても高精度な記事ターゲティングと最適化運用を全自動で行う、次世代型のネット広告配信サービス事業を展開するスタートアップ企業のスリーアイズに対して、第三者割当増資引受により出資すると発表
「CANDY」の仕組み(画像はスリーアイズのWebサイトからキャプチャ)

ディノス・セシールの通販事業はチャネルとしてECの割合が拡大、アナログツールとの組み合わせも含め、さまざまなデジタルマーケティング施策に注力している。スリーアイズが提供する技術・サービスは、ディノス・セシールの既存顧客、新規顧客に対するアプローチとして有効と評価。技術力を広告事業へと落とし込んだことで、ビジネスとしての成長性の高さも勘案し、スリーアイズの資金調達に応じることにした。

ディノス・セシールはサイバーセキュリティー関連サービスを提供するFlattの第三者割当増資を7月に引き受け、9月にはファッションに特化したSNS型採用プラットフォームを提供しているREADY TO FASHIONにも第三者割当増資を引き受ける形で出資。10月にはファッションAI事業を展開するニューロープ、11月にはパーソナライズされた訴求力の高い紙メディアの印刷を実現する印刷プラットフォームサービス事業のグーフに対して、第三者割当増資の引き受けによって出資を行っている。今期、スタートアップ企業への出資は5社目。

石居 岳
石居 岳

「PayPay請求書払い」が通販に対応。第1弾は「キューサイ」「やずや」「わかさ生活」など

5 years 10ヶ月 ago

PayPayは1月17日から、「PayPay請求書払い」が通信販売の請求書(払込票)に対応すると発表した。対象となるのは「キューサイ」「さくらの森」「長寿の里」「やずや」「わかさ生活」など27社の通信販売。

2020年1月中には約80社の民間企業による商品やサービスの通信販売に対応する予定。「PayPay請求書払い」で支払った利用者には支払額の0.5%のPayPayボーナスを付与する。

PayPay請求書払い PayPay ペイペイ 通信販売

「PayPay請求書払い」は電気やガス、水道料金などの公共料金や通信販売の請求書(払込票)に記載されたバーコードをPayPayアプリで読み取り、その場で支払うことができるサービス。

PayPay請求書払い PayPay ペイペイ 通信販売 バーコード読み取り
「PayPay請求書払い」利用の流れ。現金を引き出したりする時間や手間、手数料の節約にもつながるとのこと

「PayPay請求書払い」は2019年9月、旧「Yahoo!マネー」の公共料金支払機能を受け継ぐ形でスタートした。現在、307の地方公共団体や事業者(自治体・水道局)と、19の電力・ガス事業者の公共料金などの請求書に対応している。

スマホ決済サービスでは「LINE Pay」が請求書払いに対応。公共料金、自治体による公金、通販のほか、ネットプロテクションズが提供する後払いサービス「NP後払い」「atone」にも対応している。

藤田遙
藤田遙

中川政七商店の緒方氏が語る「ECと店舗の役割」「ブランディング」「自社ECのこと」 | 通販新聞ダイジェスト

5 years 10ヶ月 ago

生活雑貨を扱う中川政七商店。同社ではブランディングを重視し、こだわりのEC戦略を展開している。店と連携してブランド価値を高め、仮想モールからの退店や細部まで考え抜いた自社ECのUI構築など、大胆な取り組みを進めている。ブランド価値向上、自社ECの存在意義、店舗とEC相互の融合や使い分けなどさまざま面で独自のあり方を進める中川政七商店の戦略について、同社取締役でコミュニケーション本部本部長の緒方恵氏にロングインタビューを行った。

ECは店舗接客の打率を上げるためのデータベース

中川政七商店 通販新聞 日本市 遊中川
取締役兼コミュニケーション本部部長の緒方恵氏

──自社ECを開設した時期はいつでしょうか。

私が会社にジョインしたのは3年前の2016年の8月になりますが、ECを始めたのは12年前頃のようです。

──仮想モールの出店状況はどのような感じですか。

具体的なタイミングは分かりませんが、自社ECの後に「楽天市場」に出店しました。ただ、「楽天市場」は昨年8月に退店しています。

──MD展開において、店とECでの違いはどのような点でしょうか。

大きく2つあり、1つは規模の問題です。当社の場合、小さな店舗であれば30坪で、大きいところでは130坪になります。そのお店の中でカテゴリーは同じですが、SKUは棚に応じて異なります。一方、ECではおよそ5000点の商品を扱っています。

もう1つとしては、当社は3つのブランドを運営しています

まず「遊 中川(ゆう なかがわ)」は、“日本の布ぬの”をコンセプトにしたテキスタイルブランドです。アパレルやストール、バッグなどを扱っています。当社は300年麻織物を扱い続けています。知見が一番生きるのがテキスタイルや織物文脈なので、会社の立ち上げに紐づいているブランドです。

中川政七商店 通販新聞 遊中川
遊 中川(ゆう なかがわ)実店舗の様子
 (中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

次に「日本市(にっぽんいち)」というブランドは、全国の観光地にお土産がありますが、お土産はその土地の歴史を踏まえてそこで作られるべきだという課題感があります。土地の土産物を自分たちで再構築して、商品を制作販売するというコンセプチュアルなブランドです。

中川政七商店 通販新聞 日本市
日本市(にっぽんいち)実店舗の様子
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

そして「中川政七商店」がブランドの規模としては一番大きいです。工芸技術を生かした生活雑貨を総合的に扱っています。工芸の本質は、日々の生活を便利にしたり心地よくしたりする技術、日本の歴史と気候に合わせた技術の集積体なので、アップデートをかければ今の生活においてもとても有効な雑貨をご提供できるはずだという考えのもと、商品を展開しています。

中川政七商店 通販新聞
11月1日にオープンした渋谷店内の様子
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

以上の3ブランドを展開していますが、ECであれば全ブランドを買えるのが、ECの特徴になります。

──店とECで売れ筋や顧客の反応は違いますか?

店頭でさわって態度変容が起きやすい商材と、買ってからでないと体験しづらい商品があります。例えば靴下の履き心地、ストールのふかふか感、フキンの吸水力など、ECだと「想像」はできますが「実感」は持ちづらいです。店舗であれば実際にさわることができます。さわった上でこういう工芸技術が注ぎ込まれて、こういう職人技が入っているという品質の裏打ちやモノの背景をお伝えし、それによって価格のハードルを乗り越えるコンテクストデザインを行うのが店舗活動です。

ECでもストールのふかふか感やフキンの吸水性を伝えるような画像を掲載することはできますが、お客様は想像しかできません。一方、土鍋の場合、釉薬(ゆうやく)のさわり心地のような触感の部分もありますが、サイト上でぐつぐつと煮立っている様子を動画で見せることができます。とはいえ、私たちは鍋が売りたいわけではなく、おいしい鍋を作って家庭がハッピーになる時間を提供したいというのが本質です。商品のスペックを説明するよりも、「この商品があるからどういうことが起きるか」というのが本質です。そのために歴史に紐づいた技術や使う喜びを、接客やウェブの記事でお伝えしているのです

中川政七商店 通販新聞 土鍋
商品ページに掲載された商品紹介動画
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

当社の定番商品の「花ふきん」は1枚が700円しますが、一般的な感覚からすると割高になります。ただ、店舗でさわってくれさえすれば絶対に良さが伝わるという自負があります。そこは私どもがメーカーからSPAに事業転換した本質でもあります。品質を直接伝えることさえできればすべてが解決するのに、メーカーという立場になると卸問屋があり、仲卸があり、さらに小売店があってお客様に届くという経路になります。となると、お客様がどう喜んでいるかを、私たちは知ることができません。加えて職人の手仕事なので、価格が上がってしまうところに中間業者が入ると余計に高くなってしまい、適正な価格ではなくなるという問題もありました

そこを、最近では「DtoC」という言い方になるのかもしれませんが、メーカーが直接販売する「SPA」で展開することによって、適正な価格を保持しながら職人にも適正なお金を払うことができる状況をしっかり作るのが大事になります

これまでは「工芸品が大量生産品に比べてなぜ高いのか? その理由は?」ということをお客様が知る機会が少なかった。工芸は本来的には日本の気候や風習の中で生活する上で歴史を積み上げながら、利便性をより高くより心地良くするための技術の集積体であり、使われてこそ価値があります。私たちとしては、直接伝えることができれば態度変容を促せるということが結論ですので、店舗で直接語りかけて、直接さわってもらうというのが事業の根幹であり、出発地点です

──店舗に比べると、EC側で工芸の良さや歴史を伝えたり、さわり心地をアピールするのは非常に難しいのではないでしょうか?

リアル店舗の強みとしては、「実物をさわれる」「その場で質問ができる」「比較検討がしやすい」「店内回遊が容易」「理由が明確ではない入店がある」「商品をすぐに持ち帰ることができる」といった点になりますが、これがECになると全部逆になります。つまり「実物をさわれない」「回遊しようとすると都度クリックや検索が必要」「理由がないと来店しない」などです。

一方で、店舗は「展示SKUに限界がある」や、旅先の買い物などで「再来訪が困難な場合がある」といった弱みがありますが、「ECサイトは再来訪が容易」です。UX的には店舗は「レジ待ち」が問題となりますが、ECではレジ待ちは発生しません。店舗で鍋を使って湯気が出る瞬間をお見せすることはできません。つまり「実際の利用シーンを見せるのは困難」というハンディが店舗にはありますが、ECであれば動画でお伝えすることができます

ECと店舗の役割分担で言うと、店では見せられない利用シーンのコンテンツをEC側で用意しておけば、店舗でストーリーテリングをして触感を説明している際に、スタッフがECの動画を見せて「こんな感じになります」と案内することができます。つまり、ECというのは店舗の接客の打率を上げるためのデータベースであり、これがとても重要な要素だと思います

このほかにはECであれば接客はサーバーが対応する限り可能ですし、ECは情報伝達量に限界がないというのも特徴です。このあたりの強みと弱みは相互補完的なので、ECと店舗で片方のチャネルしか機能していない状態というのは弱みをさらしたままでお客様に向き合っていることになります。ということは利便性をお渡しできていないということです。それはおもてなしに欠けています

今の生活に合わせてアップデートしないとすべての物事は陳腐化します。今のお客様の動きに合わせるというのが前提で、お客様の期待の延長線上のまま期待を超えるというのが企業活動だと思います。その前提を踏まえて会社のカルチャーに柔軟性を持たせておく。変化に対して柔軟である、変化を恐れない、ということをカルチャーとして落とし込むというのがこれからの時代にますます重要になるという気がします。

EC上で商品情報をリッチにしておくと、接客でしかインプットできなかったコンテンツをお客様が自分で選んで見に行けます。つまり接客と同じ品質の情報が入ってくるという状況をECで作ることはできます。これによる副次的な効果は、スタッフのマニュアルになるということです。教育機構として機能するというのはECの役割としてはすごく大きいです。入社が内定した人に「ECの全ページを読み込んできて」とするだけで教育コストがすごく下がります

ECと店舗の部隊がそれぞれ会社で違う動き方をして連携がなされないことがあります。接客の品質となるデータベースの基準がそろっていれば、ECと店舗でコミュニケーションの矛盾が発生しなくなります。つまりお客様の反応として「店ではこんなこと教えてくれなかったけど、ネットには書いてあるじゃないか」や、あるいは逆もしかりですが、こうした事態を発生させないために従業員みんなの拠り所となる情報をすべてECにそろえ、ECと店舗の品質を統一させる役割もあります

お客様接点を持っている人間こそがブランド

──ECが果たす役割は非常に大きくなりますね。社内的なコンセンサスやサービス品質の均一化という意味でもECがまず指標になると?

お客様からすると、「ブランドの顔」=「店舗スタッフ」です。ECを使うお客様からすると、「ECのページ」であり、もっと言うと「梱包するスタッフ」=「ブランドの顔」になります。経営層が考えていることよりも、ブランドの入口となるスタッフ、お客様接点を持っている人間こそがブランドなので、そこをどのように統一するかが大事になってきます。

──ECは教育ツールや品質統一化の手段として非常に重要だと思いますが、他社ではそうした点にKPIが置かれず、売り上げだけを見ている気がします。

会社全体をグロスで考えた場合、店で売れているのかECで売れているかは大きな問題ではありません。しかし、事業ごとにKPIを分けると、そこはコンフリクト(衝突)します。これは会社の設計の問題です。

当社の場合、組織を大きく「つくる」「伝える」「支える」の3つのチームに分けています。「つくる」というのは商品企画のチームで、「伝える」はフィジカルの(物理的な)意味でも情報という意味でも、お客様との接点を持つ人たちで組織立てています。店舗も卸もECも伝え手チームにまとめたことで、どこで売れても構わないという設計になります。

課題というものは基本的には会社の都合で発生することが多いです。その時に柔軟性をもって変革できるかがすごく大事になります。組織図を変えるということで言うと、組織を柔軟に変革することができなければ課題を置き去りにしていることと同じ、くらいに考えています。

当社でも2016年以降3回大きく組織を変えていますが、要するに「何かを解決・改善するために最速でそれを行える組織編成に変えている」ということです。解決したら次の課題を解決するためにそれを最速で行える組織にまた変える。基本的にはこの繰り返しです。組織図に合わせて課題が発生してくれるわけではないので、課題に合わせて組織を変えなければ適切な解決法を選択している事にならないのです。

お客様が損をすると最終的にブランドが毀損する

──お話をうかがっていますと組織図を見直すというのは重要ですね。

そこにメスを入れないとECが持つさまざまな文脈の強みが最大化しないのです。最大化しないとお客様の利便性が下がるという現象が起きます。一般論としては、例えば店舗に行ってキッチン用品が気に入ったけど、奥さんの許可をとらないと買えないとします。お客様が「妻と相談します」と言って帰ることは結構あります。そのお客様がECを知らないと仮定して、店舗スタッフが「ECでも同じものが買えますので、よろしければそちらでどうぞ」と一言伝えれば、ECの存在を認知してもらい、店に再来訪せずとも意思決定ができるということをお客様に情報として渡せます。

KPIが縦割りであれば、店舗スタッフはその一言をなかなか言わない。それはお客様からすると利便性を欠いている状況になります。ECを知っていれば店に再来訪する必要がなかったわけですから。会社の組織体が原因でそうした状況が生まれる。結果、損をするのはお客様です。お客様が損をすると、最終的にブランドが毀損しますので、真綿で自分たちの首を絞めることになります。そういう構造を見直すには組織図を変えなければいけないと思っています。組織図が変わらないということは課題が変わっていないということですので、前進していないということだという風に捉えています

──店のスタッフの評価制度も工夫していますか?

はい。店舗スタッフの評価は店の売り上げに連動しますが、当社ではそれだけで評価をしていません。「より良い伝え方をしたか」というものを測る指標をいくつか設定しています。ほかにもお店のファンの数の可視化をしていて、お店の「LINE@」の友だち数をKPIとして、「あなたの店の情報がほしい」もしくは「あなたの接客が良かったので、あなたからの発信がほしい」という反応をLINE@で見ています。売り上げだけで判断はしていません。最近はDtoCブランドが増えて、店舗に在庫を持っていないという世界もあるので、お店の売り上げで評価するという概念が陳腐化しつつあります。私たちもそこを見越してテストしています。

中川政七商店 通販新聞 LINE@
店舗毎にLINE@が登録できるようになっている
(中川政七商店Webサイトから編集部がキャプチャし追加)

グロスの売り上げで経営層も店舗スタッフも判断できれば、全体で上がっているか下がっているかだけが論争になるので、個店の売り上げの多寡は評価に関係ない。売り上げが少ない店であっても、ECをすごく推薦してくれているというケースもあります。ただ、そこは現状ではなかなか計測が難しい。計測できないものは指標化せずに、別の仕組みで解決するという発想です。グロスの売り上げしか見ないというのは、1つの解決法です。このあたりは引き続き実験と相談を重ねながら最適化をしていきます。

コミュニケーションの基準は「接心好感」

──ECの集客ではどういった取り組みを行っていますか。

当社はコミュニケーションの基準として広告をやっていません。ゼロです。

──オーガニックで流入してくると?

そうです。当社はブランディングをすごく大事にしている会社なので、バイネーム(指名)検索がどれだけ増えるかというのはすごく重要な指標の1つです。商業ビルで偶然当社のことが横目に入ったお客様や、結婚式の引き出物に当社の定番商品である「花ふきん」をもらった人もたくさんいると思います。それがブランドのネーム、ロゴ、もしくは店構えと一致しないと、当社にとっては見込み客からの認知になりません。ブランドを想起していただくというところでブランディングは非常に大事だと考えています。

逆に言うと、ニュースで見た、その結果として名前を覚えたというのも認知です。これまでも横目で見ていたけど気になる商品があって、近づいてみると気に入ってブランド名を覚えていただく。このように名前が明確に認知された瞬間以外は基本的には眠っているニーズやファンだったりします。バイネーム検索は、顕在化した認知という意味で、ブランドの強さを測るための重要な指標の1つと捉えています

ただ、既存客はバイネーム検索をする必要性は減ってくる。重要だと思うのは既存顧客の量が純増し続けていることと、新規と既存のバランスが常に一定であること。新規が増えたというのは、すごくいいことですし、既存が増えていれば、愛されているブランドだという解釈も可能です。それが既存客が積みあがっていない状態で新規が増えていても、バケツに穴が開いている状態です。新規のお客様に伝えるというのと、既存のお客様をちゃんとおもてなしして積み上げるというのは基本的にワンセットになります。

──ECサイトの売り上げはどのくらいですか。

前期末時点(2019年2月期)で、年商6億円程度です。基本的には伸び続けています。

──中長期的な目標や規模間の計画はありますか。

EC売上比率を伸ばすことがゴールではありません。そこは明確な指標化をしておらず、グロスで見ています。EC比率を指標化すると、リソースの投資が歪んでしまいます。ECレコメンドに極端に偏重したり、お店のレシートにECで使える初回クーポンを付けてみるなど、本質的ではない伸ばし方になってしまいます。

もちろん事業としてお客様の会員登録を経て、情報発信をして良いというパーミッションをとれると通販の基本としてはF2転換(2回目購入)の容易さがぐっと上がります。べき論としてはゴリゴリとやるべきですが、当社ではコミュニケーションの基準というものがあります。広告を打たないということもそうですが、コミュニケーションの根底には当社で使っている言葉「接心好感」という基準があります。これは伝え手の仕事を具現化した言葉です

店舗で接客を頑張ろうという場合、売り上げを伸ばすことに頑張る人もいれば、お客様に話しかけることに頑張る人もいれば、自分が好きな商材について説明する人もいる。「接客を頑張る」というキーワードの方向付けの精度は甘いわけです。私たちは「売る」ということを指標の1つという捉え方をしています。お店の人には「まずやってほしいのは、心に接して好感を得ることだ」と伝えています。当社では接客という単語をすべて「接心好感(せっしんこうかん)」に置き換えています。これが僕たちのコミュニケーションの根底にある基準です。

中川政七商店 通販新聞 接心好感
コーポレートサイトにも明示されている。「お客様の心に接し、お客様との間に好感が生まれること」を指す
(中川政七商店採用サイトから編集部がキャプチャし追加)

広告は面で配信して、ごく一部の人に刺さってコンバージョンに至るわけですが、コンバージョンした人の分析はデジタルでは強いです。数字が可視化できているので効率を上げることも簡単で、課題も改善容易性が高いです。しかし私たちが接心好感として大事にしているのは、広告で届かなかった残りの人たちです。この残りの人たちは「そのブランドの情報が欲しい」と宣言しているわけではないのに、自分の目にその広告コンテンツが目に入ります。その際、何も感じないか、もしくはノイズと思うわけです。となると、私たちの基準としては、広告で好感を得るのはあるべき姿とは真逆のコミュニケーションになります。

一方でメールマガジンやLINE@は、「接心好感」を経て、「あなたのブランドやあなたのお店の情報が欲しい」というところから始まり、かつお客様が自分でやめることができます。それが私たちのコミュニケーション基準としてはすごく適切。そのためメールマガジンやLINE@の受け取り人数はすごく重要な指標になります。

私が入社した時のメルマガ経由売り上げ比率は5%くらいでしたが、今はメルマガとLINE@合計で経由売り上げは40%くらいまで上がっています。

──広告を打たないのは「接心好感」と真逆だからということですね。

ブランドを毀損しないのが重要です。どちらかと言うとPLではなく、心理的にも金額的にもBSが何よりも重要だと考えています。特にブランドは、心底信頼するようになるには体験の積み上げが必要です。そのためには積み上げがずっと続いているというのが大事ですから、今突如としてモノが売れるというのはそれほど重要視していません。

店舗はファンを獲得する一番有効なメディア

──集客面はオーガニックの流入がメインということですが、それ以外の流入経路はありますか?

接心好感の延長で、来店されたお客様にECを適切にご案内するのが最大の集客手法になります。店舗の位置づけは、すごく簡単に言うと「ファンを獲得する一番有効なメディア」です。何故かというと、店舗は五感が使えますし、直接フェイス・トゥ・フェイスのストーリーテリングがあるので、態度変容を促すためにやれることが多いです。一方のデジタルは基本的に視覚情報でしか物事を伝えられない。態度変容を促すという意味ではリアル店舗の力はとても強いです。デジタルマーケティングにどれだけ投資しようが、ある店のスタッフが3人接客すれば、3人獲得できます。

──そういう意味で一番有効だと?

そうです。

──店をメディアと考えるのは非常に面白いですね。

ただ、メディアの使われ方としては多様性があります。決済をする場でもあり、お客様が試す場でもあり、伝える場所でもあり、知る場所でもある。我々が路面店ではない、商業施設に置いているのは販促的な側面があります。

──人通りがあるところで店への集客をしないと、メディアとしての力を生かせないということですね。

はい。これもフェーズによって考え方が変わる可能性はあります。わざわざ目指してくださるお客様だけで構成できるのであれば、路面にしたほうが固定費は下がるということはあるかもしれませんが、僕たちは工芸の技術の素晴らしさを日本人にあまねく知ってもらうのがミッションなので、ブランドの強さを維持したまま成長するというのがすごく重要だと思っています。ブランドの強いチェーンストアを目指しています。そういう意味では路面店を増やしていくというのは今の所あまり考えていません。

入社1カ月で直販サイト1本化を提案

──今年3月に自社ECサイト「中川政七商店公式サイト」をリニューアルしました。改善した点を教えてください。

ずっと同じCMSを使っていたので、やれることが限定していました。お客様を知るための分析の機能やデータ連携のところで限界がありました。より効率的な現代的デジタルマーケティングを備えたEC運営という意味で言うと、お客様を知るということが売り上げを最大化する1番のメソッドになります。知ったお客様の状態に合わせて適切にコミュニケーションを図れるということこそが真実です。それができる基盤にしなければ、話が始まらないというのがリニューアルの経緯です。

入社して間もないタイミングで、「このままだと、ECで数字を上げていくのはすぐに頭打ちがきます」と言いました。もちろんやれることはやって売り上げを伸ばしてはいましたが、もっとドラスティックにするために、リニューアルが必要ですということを伝えたのです。

そしてブランド体験という意味では、当時出店していた「楽天市場」では私たちのブランドを覚えてもらうという行動が薄まってしまいます。良い体験をしてもらってブランド名をしっかりと覚えてもらうことで、ファンの絶対数が積み上がります。そこで直販サイト1本に絞りたいというのは、入社して1か月目のプレゼンで伝えていました。当時の社長(現会長)が、ブランドの強さこそがすべてだというカルチャーを練り上げていたので、こちらの提案をすぐに承認してもらいました。

──そのプレゼンから2018年8月の「楽天市場」退店まで時間があります。その間はどういう時間だったのでしょうか?

簡単に言いますと、教育と組織再編成の時代です。

自分がグリップして教育できる機構というのは一つの組織にまとめないとしづらいので、まずはそれを行い、ほかには「接心好感」などの言葉化や指標の整備、OJTに取り組みました。ビジョンやそれに紐づく言葉は非常に強いのですが、ECについての言葉の在り方や、全社的にも言葉の精度を高めたほうがいいということもあり、戦略伝達の容易性を高め、会社のカルチャーを伝達しやすくするために言葉を筋肉質にしていきました。その過程でオペレーションを改善するというのを並行して走らせました。EC運営のやり方にムラがあったので、教育をしながらオペレーションを改善していきました。売り上げが伸ばせるメドが立ち、すべての準備が整ったのが2018年8月でした。

──ECサイト刷新で言うと、スマホでのUI・UXに力を入れたようですね。

PCはほぼ見ていないです。当時で8割がスマホでした。今も比率はそれほど変わっていません。当社は工芸業界の教育事業やコンサルティング事業などもやっており、官公庁や自治体、デベロッパーさんのアクセスが多いので、PCは企業情報にすぐにアクセスしやすいように作っています。例えばPCではコーポレート情報にアクセスしやすい環境にしています。

──PCではトップページの上部の目立つ位置にコーポレートサイトへ遷移できるボタンが設置されているんですね。

そこからコンサルや教育、地域活性事業などの案内をしているページに飛びます。PCではこのようにBtoB向けの導線を強くしています。デザインもごくシンプルです。

──スマホだとコーポレートサイトへのボタンはないのですか?

スマホでは、一番下にあります。スマホではUX考察やデザイン・トンマナ構築、その他あらゆるリソースを投下しました。

現代社会からすると変わったUXになりました

──スマホの操作性をかなり意識した作りになっていますね。

大体のサイトが上下のスクロールですが、コンテンツを理解したり自分に必要なものを見つけるという観点で言うと、スクロールというのは自分に必要なコンテンツが出てくるかを流れるスクロールを見ながら、出てきたら止めて、改めて再習熟する。これはスロットの目押しのようなことをやり続けているに近く、無意識的な負担が非常に高いという仮説を持っていました。

そこで「LINEマンガ」は、漫画なのでコンテンツが1つの画面で完結します。その事実に加え、「インスタグラム」のストーリーズはタップするとコンテンツが切り替わる。インスタグラムはタイムラインよりもストーリーズのほうが閲覧比率が高いらしいです。その理由として、ユーザーインタビューの結果、スクロールが面倒だという声がすごくありました。

ストーリーズは一番上にあって、タップだけで次のコンテンツに移動する。それはLINEマンガもそうです。それらが紐づいて「指を動かすことすらお客様にとってはストレスなんだ」という仮説が固まってきました。指の次は視線です。決定打は、LINEマンガは快適だけど、キンドルは面倒だと思うことがたまにありました。UX自体は一緒だけど、キンドルとLINEマンガを分けているのは視線の問題です。

要するにキンドルは上下に目を動かしながら見ていく必要があります。漫画はパッとみて全体を把握し、文字量も少ない。そこで改めて一般的なスクロールのサイトとして例えば「食べログ」を見てみると、キンドルに比べてそれほど文字を読む行為がストレスではない。そこで気づいたのですが、PCで文章を読む際にマウスでなぞりながら読む。あれと同じ現象がスマホでもあって、読むときに画面の上端に目線を合わせてそこで読む。読んだら収納していく。つまり視線を動かさずコンテンツを読み込めるためストレスが少ないという結論になりました。

今の話をまとめてモック(試作品の模型)を組んだのですが、バナーのような映像情報が主となるようなものは、画角を固定して目線を動かさないで指の動きがほぼないという状態のほうが認識率が絶対に高くなるはずだという仮説を導き出しました。一方、文章に関して言うと、画角を固定すると視線を動かさないといけないというストレスが発生するためこちらはスクロール型が望ましいという切り分けをしてモックを組みました。

モックサイトをザザッと見て「どんなコンテンツがありましたか」というテストをしましたが、スクロール型のサイトに比べて認識率が2倍以上の差が出ました。読み物のほうは逆に、スクロール型のほうが認識率は高くなりました。

リニューアルの際に、サイトを回遊するのにストレスを可能な限りゼロに持っていきたいという基礎コンセプトにしました。指は伸ばさなくてよく、あちこちいじる必要もなく、目線をたくさん動かす必要もない。

もう1つの工夫はメニュー画面を下に持ってきました。一説によると、日本人は右利きが多いため、7割程度が利き腕ではない左手でスマホを操作しているという話もあります。となると片手で操作できる範囲は真ん中から下になります。そこで操作を画面の下部分でできるようにしたのです。そして、三本線の「ハンバーガーメニュー」をやめて、虫眼鏡にしました。サジェストもその場に出ます。閉じる時も×の部分が広いので適当にタップしても閉じることができます。

中川政七商店 通販新聞
中川商店のスマホページ。左下に虫眼鏡のアイコンが設置されている(写真左)
虫眼鏡アイコンをクリックすると、ブランド一覧などのサジェストがスライドして出る仕様(写真右)
(中川政七商店ECサイトから編集部がキャプチャし追加)

無駄な遷移をさせないという点にも工夫しました。店舗に入店して、ざっと見てもいろいろなものが目に入り、気に入ったものを手に取ります。その過程にストレスはありません。一方のECサイトは商品が全然出てこないとか、いろいろなストレスがあります。そういうものを可能な限り取り除かないと快適な買い物はできません。ユーザーペインを取り除くことを突き詰めた結果、現代社会からすると変わったUXになりました

安易なABテストは集中力の分散を生むだけ

──リニューアルして半年ほど経ちましたが、手ごたえはいかがですか?

売り上げの3~4割を占めていた楽天市場の分を1年経たずに補完できるくらいの伸びを獲得できました。アクセス数やページ閲覧枚数も基本的に150%ずつ伸びています。

細かな部分では「中川政七」という言葉は普通のスマホの検索では一発では変換できません。そこで平仮名の「まさしち」で検索1位をとれるようにしました。

──SEO対策をしっかりと行ったと?

そうです。「紙に『まさしち』で検索」と書いてあると、それでいけるんだという心理作用もあります。それはブランド名を覚えてもらうというコミュニケーションにもなります。平仮名の「まさしち」をお客様の脳内に焼き付けるというのは、企業活動として重要視したほうがいいという結論もあったので、この機に盛り込みました。

中川政七商店 通販新聞 検索結果
Googleで「まさしち」と検索した結果
(Google検索結果を編集部がキャプチャし追加)

まだ仮説を検証しているのは山ほどありますし、トライ&エラーの連続ですが、とにかくPDCAというよりも「DDDD(実行、実行、実行、実行)」という感じです。Dが集まってから全体を振り返って、数字が良かったのか悪かったのか精査し、戦略を作ります。

ABテストもやめさせました。ABテストは使い所を見極めないと集中力とリソースの分散を生むだけで無駄になりがちです。極端に言えば「念の為」という言葉が保険的に作用してデザイナーに真面目に考えるという責任から向き合わなくてもいい機構を渡してしまうことになります。

──でも不安ではないですか?

ABテストの結果よりも、真剣に考えたもののほうが絶対に数字がいいです。大事なのは「どのようにして真剣に考えるという状況を作るか」です。これは前職の東急ハンズのデジタル部門の統括していた時から結論が出ていました。

とにかく、まずは考える時間にリソースを充てたほうがいいです。そして、スタッフ1人だけで考えるのには限界があるので、お客様が喜ぶためにどういうコンテンツにすればいいかという問いかけを上司が適切に行うのが大事です。

なぜかと言うと、一般職の人はPDCAで言うと、Dを職能として渡しているので、その人にいきなりプランニングを渡すのはそもそも暴力的な話です。とはいえ、いずれP(計画)に携わってもらわないと困るので、Pのヒントをあげるのはマネージャーの仕事です。C(評価)とA(改善)はみんなでやる。みんなで振り返らないとチームの力が強くなってきません。というわけで「如何に考えるか?」その力を育むためにもABテストはするべきではありません。必要なのは「適切な問いかけ」です。失敗したら分析と振り返りを行い、それを踏まえて再挑戦をすればいいんです。

──今後についてECの計画は?

まずやれてないことは、店舗で会員登録ができません。今は店舗ではまだスタンプカードです。企業としてはお客様の情報の解像度が上がれば、より適切な「接心好感」ができます。お客様にはポイントか景品か、ゴールドバッジのような形で還元するのかはいろいろなパターンがありますが、それを今システムとして準備しています。アプリではなくまずはウェブで行います。これによって接心好感の品質が上がります。簡単に言うとCRMの質が上がります。

2つ目はブランドに集約したい情報と、お店で発信するべき情報は基本的に異なります。お客様のファンとしてのロイヤリティはブランドよりは店に持ってもらたいたい。人と人が話して良さを伝えるので、「〇〇店の店長から買いたい」という人を増やしたいです。ただ、店長のファンになっても、店のLINE@がないとブランド全体からのメルマガになったりしますので、その店長からのお手紙にはなり得ない。店長のお手紙を実現するのは店舗のアカウントです。みんながECをゴリゴリに使いこなすわけではなく、店舗ばかりで買う人のほうが日本では分母は大きい。リアル店舗にしか来ないお客様の絶対数が多いので、ブランドで何が起きているというグロスの情報も大事なのですが、今お店に何があるか、何が起きているかという情報が一番大事です。「今日これが入荷しました」と、写真をとってLINE@に送るというほうが情報として品質が良く、そのお客様にとってより役立つと思います。「個店CRM」という考え方をしていて、それをどれだけ伸ばすかということを重要視しています

ブランド全体についてはまだしばらくは一括配信でいいと思っています。その理由は、パーソナライズは個店のCRM側でやるべきだと考えているからです。この人がフキンしか買わないという場合に店長がきちんと接客すれば他のアイテムも販売できる自負があります。それは品質に圧倒的な自信があるからできることです。基本、全商品を大声で訴求したい。ただ、接心好感の基準があるので、お客様に合わせて接客とレコメンドを行います。全商品が最高だという前提があれば、接客の品質はおのずと上がってきます

通販新聞

小川卓が主催!「提案型ウェブアナリスト育成講座」第4期 8回目開催レポート

5 years 10ヶ月 ago

本日は、2020年1月14日に開催された「提案型ウェブアナリスト育成講座」のレポートをお届けします。

 

第4期生の8回目となる今回は、講師である小川卓が「よく使う15の分析方法」と「改善案の考え方」、そして本講座のテーマでもある提案に必要不可欠な「プレゼンテーション方法」と受講生の宿題へのフィードバック、という内容で構成されました。

 

計3時間という長丁場ですが、受講生とコミュニケーションを取りながら、時おり冗談も交えつつ和やかな雰囲気で進行。このような参加型の講座は、少人数制ならではですね!休憩時間には(ここには書けませんが)赤裸々な案件のお悩み相談*1や、雑談の中で小川卓のここだけ話が飛び出すなど、充実の内容でした。

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第8回目のアジェンダ

  • 私がよく使う15の分析方法
  • 改善案の考え方
  • プレゼンテーション方法を学ぶ
  • 宿題フィードバック

 

このレポートでは、一部を抜粋してご紹介します。

 

 

私がよく使う15の分析方法

このパートでは、小川卓がWebアナリストとしてよく行うGoogle Analyticsを使った15個の分析について、実際の事例を交えながら講義が行われました。

 

最初に取り上げられたのは、PVが少ないサイトでも活用できるユーザーエクスプローラを使った分析方法。分析する際の視点、仮説の立て方、ユーザー分類事例などが紹介されました。

 

なかでも小川卓が好きだと公言したのは「フォームの1つ前のページ分析」で、フォームに遷移する1つ前のページにフォーカスした分析。もともとポテンシャルがあるページを特定し、そこへの流入率を上げる、というのは今日から取り入れたい考えですよね。

 

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ホワイトボードを用いて講座スライドの補足説明をする様子。

当日紹介された15の分析方法は下記のとおり。

  1. ユーザーエクスプローラの分析
  2. 訪問とCVの訪問回数別分布
  3. 訪問回数別の行動分析
  4. 新規訪問者のコホート分析
  5. 購入回数別の行動分析
  6. エリア別の分析
  7. 年代・性別ごと気づき
  8. 曜日・時間別の分析
  9. 主要ページの遷移率分析
  10. 詳細ページ閲覧回数とCVの関係
  11. デバイス×新規・リピートの遷移状況
  12. 検索導線別の数値
  13. コンテンツ貢献分析
  14. フォームの1つ前のページ分析
  15. マルチチャネル分析

 

 

受講者に配布されるスライド資料では、それぞれGoogle Analyticsのどのレポートを用い、どのような内容で分析し、どういった気づきが得られるかを事例とともに簡潔に説明されていてこれだけでも満足してしまいそうな内容。

 

有用なケースや頻度などの解説が為されており、闇雲に全てを実行するのではなく適切な分析の選択に役立てることの重要性が分かります。受講者からも、「こういった場合はどうか〜」「手順って〜ですか?」など具体的な質問も時折飛び出し、意気込みが感じられました。

 

対象となるサイトやサービスによって適切な方法は異なりますので、マッチした分析を選択できるようにレベルアップできるといいですよね!

 

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講座の合間の休憩では飲み物やお菓子が配られ、講師の小川卓を含め和気あいあい。

改善案の考え方

一旦休憩を挟み始まったこのパートは、冒頭の「分析で得られる気づきは3つしかない

」という一言から始まりました。

 

言われてみればなるほど…となるのですが、分析で得られる気づきは下記の3種類に分類されます。

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得られた気づきから、改善の考え方もいたってシンプル

 

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Google Analyticsをはじめとする各種ツールは、残念ながら「案」を教えてくれません。改善のアイディアを教えてくれることは無いのです。

 

小川卓も冗談ぽく「理想のツールは表グラフ一切なし!ログインするとあなたのサイトはこことここを直せば売上2倍ですよ!と教えてくれるツール。それが実現したら、この講座も必要ありませんね。」と笑っていましたが、「分析はどんどん自動化されていくが、考えるところは暫くまだ人間の仕事でしょう。そこに価値がある。」と続けていました。

 

そして、改善案そのものの出し方について、本題に入っていきます。印象に残ったものをいくつかお伝えします。

 

まず始めに話されたのが、サイト内の他のページを確認する方法。自社内で比較して改善案を出すもので、ブログとメルマガの事例が紹介されました。

 

数値を根拠に「良い」「悪い」を判断し、比較して改善案を出すことが可能なので、改善の成功確率が高くなります。

 

ブログは、ランディングした記事から回遊し複数ページ見てもらうことを目的とした場合、どんな導線が良いか。効果が高かった実際の改善案が紹介されました。こちらについては、過去に小川卓がはてなブログ記事でも書いていますので興味があればご覧ください。

 

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改善施策事例を紹介。具体的な内容に受講者も興味津々。

メールの改善事例では「最悪オブ最悪」と評されたメルマガをどう変えたか、笑いを交えつつ最終的にはそのメルマガからの売上を約8倍に上げた改善手法を受講者に公開しました。

 

他にも他との「比較」を行う方法として、競合他社サイトと比較して改善案を出す方法も紹介。具体的なサイトをもとにした解説に、受講者からは感嘆の声も出る盛り上がりを見せておりました。

 

大切なのは、仮説を持って同業他社と比較すること。そうすることにより、見た目や印象の改善案ではなく、改善したいKPIに効く施策を見つけやすくなる、というのがここでのキーワードでした。

 

 

印象的だったのは小川卓の「Webサイトは水族館だと思っている」という考え方。導線があって、何をどう見せるか、次にどこに移動したいと思ってもらうか、確かに水族館はとてもよく考えられていますよね。Webサイトも、ユーザーのニーズを想定しコンテンツを用意するだけでは50点。気持ちを考慮した導線を用意したいものですね!

 

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結婚式場のチャペルページを考えるワーク。アイディアを出し合い進めています。

 

他にも、どのサイトでも使える改善施策の考え方や改善案のストック方法など、日々使えるTIPS紹介がありましたが、ここでは省略。気になる方は個別に問い合わせてみてください。


プレゼンテーション方法を学ぶ

ウェブアナリストの中には、分析をするのは得意でもプレゼンが苦手…という方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは「説明時におさえておきたい3つのポイント」や「コミュニケーション10か条」、「説得力を出すための注意事項」などについて話されました。長い講義も終盤となり、リラックスムードの中笑いを交えつつの説明でしたが、内容はいたって真剣!

 

プレゼンの際に「実行する時間が無い」「どれくらい数値が上がるの?」なんてヒヤッしがちな質問の裏には、どんな意図が隠されているのか。相手が求めている「自分の中での納得感」と「他の人(上司や施策担当者)に説明する」理由について説明がありました。求められているのは精度ではなくロジック!これをクリアできれば実行できる可能性が高くなるという話には一同納得でした。

 

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講座はここまで。最後に宿題のフィードバックをして終了という流れです。宿題は個々の課題によって異なり、フィードバックは個別に行われ内容もかなり具体的。

 

かなり盛りだくさんの内容ではありましたが、受講者は自らの業務に活かせるポイントを各々に見つけており、講座はあと2回残っているものの早速実践へ前向きな様子が見られました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!本レポートを通して「提案型ウェブアナリスト」への理解が深まれば幸いです。

happyanalytics.co.jp

 

 

*1:ちなみにですが、受講の際にNDA(秘密保持契約)を結んでいるので自社案件の相談も安心です。

約2万文字! 中小事業者がAmazonに打ち勝つための秘策は「じゃないほうのユーザー」を捕まえること!【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

5 years 10ヶ月 ago
ネッ担まとめ

先週に引き続き、コマースデザインの坂本さんの大作をご紹介します。Amazonなどのプラットフォーマ―がやれないことが何か?その答えと対応方法が書かれています。

中小事業者は「じゃないほう」をねらうべし

2020年、EC業界の展望と「中小事業者は何を考えるべきか」後編 | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/3798

まとめると、

  • ネットショップは徹底的な比較されるものではあるが、誰もが知っているものや目立つものを選びたくないユーザーも現れる。中小事業者はここをねらうべき
  • 中小事業者の戦略としては、比較されにくい商売をする「専門家アプローチ」が有効。メーカーであればまずブランドを育てる
  • 中小ECの最大のテーマは「日々の業務の忙しさ対策」。社長が身軽になること、業務を見直すこと、人材を確保することが先決

ネット上では、「安いもの」「ランキング上位のもの」に人々が集まりますが、一方で、「他人の物差しではなく自分の物差しを大切にする」「自分の物差しに合ったものを探す」人々も存在します。

特に、こうやって皆がプラットフォーム上で何かを選ぶようになってくると・・メジャーな、メインストリームの、王道の、誰しもが知っている、有名な、目立つ選択肢・・に対して「そういうのは選びたくない」という人が、相当数現れます。光があれば影がある、メジャーがあるなら「そうではない選択肢」を求めるようになるものです。
─コマースデザイン株式会社 代表 坂本悟史氏

中小事業者がやるべきことをコマースデザインの坂本さんがまとめています。主にAmazonの動きをとらえて、そこから生まれるチャンスについて細かく説明しています。モールが大きくなればなるほど、そこから離れたくなる人も出てきますので、そこをうまく突くという方法ですね。

個人的には「専門家アプローチ」で主導権を握るというのが良いかなと思います。ものすごく長い記事ですが、時間のある時に読んでください。

決済は安全性を考慮して導入を

詐欺発生の「Paidy」、提供元が対策 「悪用の恐れある」取引を制限・停止 | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news080.html

メルカリからのお知らせ 外部の後払い決済サービスを悪用した不正行為について | メルカリ
https://jp-news.mercari.com/2020/01/15/news/

まとめると、

  • 1月上旬から後払いサービス「Paidy」を悪用した詐欺がフリマアプリなどで相次いでいる
  • 提供元のPaidyは、悪用の恐れがあると判断した取引では、決済サービスの提供を制限または停止すると発表した
  • Paidyは代金の支払いがないときは商品の送付先(購入者)に請求を行う。今回の詐欺の手口はこの仕組みを悪用している

購入者が商品を受け取ると、通常通りメルカリ経由で出品者に代金を支払う。しかし出品者がPaidyからの請求を無視し、商品の送付先である購入者に請求書が届くよう仕向ける。そのため、出品者は仕入れ代金を負担せずに商品の代金を受け取れる一方、購入者はメルカリとPaidyに対し、二重で代金を支払う事態が起きていた。

 Paidyは本来、事前にメールアドレスと携帯電話を登録しておくと、購入の翌月にメールやSMSで請求の通知が届き、コンビニ払い、銀行振り込みなどで代金を支払える――というサービスだ。しかし振り込みが行われない場合、Paidyは商品の送付先(購入者)に請求を行う。今回の詐欺の手口は、この仕組みを悪用している。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news080.html

この件はPaidy側が甘かったと言えるのでは?「振り込みが行われない場合、Paidyは商品の送付先(購入者)に請求を行う」という仕組みを悪用されたとはいえ、ちょっと考えたらわかりそうな気も……。最近の詐欺は購入側で対応できることが少ないので、事業者側の努力に期待するしかありません。

検索エンジンだったGoogleが競合になっていく……

ファッションECサイトの味方になるか? 人気商品の一覧を専用ブロックでGoogleモバイル検索に掲載 | 海外SEO情報ブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/explore-apparel-and-accessory-products-surfaced-on-mobile-on-google-search/

2020年、Googleの垂直化とゼロクリック検索がローカル検索へと与える影響 | SEO Japan
https://www.seojapan.com/blog/how-verticalization-and-zero-click-will-impact-local-search-in-2020

まとめると、

  • Googleはファッション・アパレル関連のアイテムをまとめて検索結果に表示する機能「Popular products」を米国で開始した
  • 「Popular products」はECサイトで販売している商品を画像検索などGoogleのプラットフォームに表示する仕組み「Google に掲載」の1つ
  • 検索の第一人者であるランド・フィッシュキン氏は、「2020年、Googleが検索エンジンから競合他社に変わる年になる」と予測している

Googleは検索結果に独自のサービスを次々と追加しており、検索のプラットフォームから総合的なプラットフォームに移り変わっていくのは予想に難くないでしょう。「SEOのみに頼った集客は危険」とは言われ続けていることではありますが、今後はより一層そのような意識を持つ必要があります。
https://www.seojapan.com/blog/how-verticalization-and-zero-click-will-impact-local-search-in-2020

Googleからの流入がメインというショップも多いかと思います。記事に書かれているようにGoogleはどんどん進化していますし、検索結果上で完結することも増えてきました。こういったトレンドも追いつつ、SNSなど他の流入元も確保しておきたいところ。

EC全般

Google、サードパーティー製CookieのChromeでのサポートを2年以内に終了へ | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2001/15/news064.html

Chromeの3rd Party Cookieサポートが段階的に廃止へ。その影響? | AdMarkeTech.
https://www.admarketech.com/2020/01/chrome-3rd-party-cookie.html

サルでもわかるGoogle Chromeのプライバシー対策で何が起こるのか | marketechlabo
https://www.marketechlabo.com/chrome-privacy-release-2020/

SEOの記事と合わせて。広告からの流入にも変化がありそうです。

買われたクチコミ。Googleマップ、Amazon、楽天で横行か。 温床になっていたのは… | BuzzFeed
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/paid-review

プラットフォーマ―側も対応しないといけないけど、そもそもこういったこと自体がなくならないと。

公取委 新事務総長 巨大IT企業のデータ独占 厳正に対処 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200115/k10012246601000.html

「IT大手のヤフーとLINEの経営統合が独禁法上問題がないかを検討する」とのこと。

「必要なのはお客様からの共感」。日本通信販売協会(JADMA)新年賀詞交換会 年頭所感 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7145

不正が横行する世の中だからこそ、共感・信頼を得られるような運営を。

今週の名言

ビジネスには地域性、民族性があります。米国はスタンダードづくりが上手く、日本人はそれを土着化するまで日本化していく文化があって、それ自体はなかなか変わりません。であれば、お互いがそれを理解し、お互いの強みを持ち寄ればいいんですよ。
─日本サブウェイ 社長 角田 淳氏

閉店ラッシュから一転、サブウェイが「大復活」するまでの全舞台裏 | 現代ビジネス
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69373

日本では都道府県というか、尾張とか三河などの単位でも民族性のようなものがありますよね。これが理解できればビジネスは上手くいくはず。

森野 誠之
森野 誠之

ニトリが化粧品販売に本格参入、スキンケアブランド「GUARDIO」を展開

5 years 10ヶ月 ago

ニトリホールディングスは1月16日、子会社のニトリがスキンケアシリーズの販売を開始したと発表した。デコホームと一部ニトリの店舗で販売する。

取り扱うスキンケアシリーズは「GUARDIO(ガーディオ)」。「肌を守る」「汚れを落とす」「潤いを与える」の3要素を、「日焼け止め」「クレンジング」「化粧水」で気軽に取り入れられるように開発したという。

品質としては日本製にもこだわった。パッケージはシンプルなデザインに統一。部屋に置いたままでもインテリアの一部としてなじむようなデザインにしたという。

「マロニエゲート銀座店」「新宿タカシマヤタイムズスクエア店」など都内一部の店舗のほか、デコホーム、ECサイトで販売する。デコホームは、生活必需品を中心に、ニトリのフォームファッションの中でも人気の高いベーシックアイテムを数多く取りそろえている小型店舗。

ニトリホールディングスは、子会社のニトリがスキンケアシリーズの販売を開始したと発表
ニトリのECサイトで取り扱う「GUARDIO」(画像は編集部がニトリのECサイトからキャプチャ)

ニトリは近年、インテリア以外の関連商材の取り扱い強化を進めている。2019年10月、グループ会社で大人の女性をターゲットにアパレルを販売するNプラスが、公式通販サイト「N+公式通販サイト」をオープン。要望が多かったインターネットでの販売に対応した。

「N+(Nプラス)」は、ニトリグループ発のファッションブランド。「私のための大人服」をコンセプトに、大人の女性が毎日着たいと思うファッションを提案している。手軽な価格設定で、簡単にカラーコーディネートできるアイテムを展開している。

石居 岳
石居 岳

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