Aggregator

カード情報漏えいや不正取引の対策で ニーズ急拡大の「Amazon Pay」

3 years 9ヶ月 ago
「Amazon Pay」は、「カート離脱率を改善したい」「CVRを高めたい」「新規顧客を増やしたい」といったマーケティング面の役割のほか、EC事業者からは不正アクセス・不正取引対策としての需要も広まっている
[AD]

ECサイトでの不正アクセスや不正取引が増加しているなか、EC 事業者から“安心・安全”な決済としてAmazonのID決済サービス「Amazon Pay」が注目を集めている。Amazonはアカウントやクレジットカードの不正利用を24時間365日監視する不正検知システムを採用するなど、世界水準のセキュリティ環境を保有。その環境下で運用される「Amazon Pay」は、不正取引の軽減、カード情報漏えいの防止に役立つとされる。

EC事業者のなかには、不正アクセス攻撃のリスクを減らすためクレジットカード決済を中止し、クレカ系の決済を「Amazon Pay」に集中する企業もある。Amazon Pay事業本部 本部長の井野川拓也氏に取材した。写真:吉田浩章

2021年トピックはAmazonギフト券利用の0.5%還元、導入事業者の手数料の引き下げ

「Amazon Pay」導入企業数は1万社を突破、導入サイト数は10万サイトを超えた2021年。オンラインビジネスを始める事業者数と、「Amazon Pay」の採用企業は増え続けている。

2021年の「Amazon Pay」の大きなトピックにあげられるのがAmazonギフト券利用に関する還元施策。消費者が、「Amazon Pay」を導入しているECサイトにおいて買い物をする際、Amazonアカウントに登録したAmazonギフト券の残高を使い「Amazon Pay」で支払うと、支払金額の0.5%がギフト券で還元されるという施策だ(2022年5月11日からAmazonプライム会員には1%の還元)。「Amazon Pay」で支払いをした月の翌々月下旬に、AmazonアカウントのAmazonギフト券残高に自動反映される。

また、2021年10月からは、デジタルコンテンツ以外の商品やサービスの販売事業者向け「Amazon Pay」決済手数料を、従来の4.0%から3.9%に引き下げた

ギフト券の還元施策など近年の「Amazon Pay」は、導入企業から「ただのID決済ツールではなく、ECサイトのさまざまな課題を解決に導くマーケティングツールが『Amazon Pay』」と評価されている。「カート離脱率を改善したい」「CVRを高めたい」「新規顧客を増やしたい」――。EC事業者が抱えるこうした課題を解決する手法として支持を集めているのだ。

世界水準のセキュアな環境を評価する声も

マーケティングツールとしての評価を高めている一方で、「Amazon Pay」の高セキュアな環境を支持する事業者も多い。たとえば、「CVRを高めたいといったニーズ以外に、不正取引対策に関する工数、コストを削減できた」という声もEC事業者からあがっている。

Amazonはグローバル企業として世界水準のセキュリティ環境を提供しており、「Amazon Pay」もその環境を利用している。「Amazon Pay」を利用すれば、セキュリティのメリットである、クレジットカードの非保持化を容易に実現できることは大きな魅力だ。(井野川氏)

Amazon Pay事業本部 本部長の井野川拓也氏
Amazon Pay事業本部 本部長の井野川拓也氏

井野川氏はAmazonにおいて「セキュリティは最優先される事項で、大規模な投資を継続して行っている」と説明。

たとえば、Amazonアカウントへのログイン時に2段階認証を採用するなど厳格な情報管理を実施。クレジットカード決済に関する独自の不正検出ルールに加え、Amazonアカウントやカードの不正利用を24時間365日監視する世界水準の不正検知システムを採用している。

Amazon Payの2段階認証画面
2段階認証の設定で不正ログイン対策

グローバル化する不正取引に対しては、アメリカやヨーロッパ、インド、中国、南米などさまざまな国で事業を展開している強みを生かし、情報をいち早くキャッチして対応。不正取引を行おうとする悪意のある第三者によるアタックを未然に防ぐ環境を構築している。「Amazon Pay」で発生した不正取引には、Amazonが一定の条件のもとで事業者の損害を補填する仕組みもある

自社ECサイトにおける手の込んだ不正取引を1件1件確認することは非現実的だ。「Amazon Pay」は世界水準のシステムで不正取引を検知するため、事業者の不正取引対策の手間やコスト、時間などを大幅に削減できるという。

昨今、不正取引は大きな問題になっており、事業者の悩みの種になっている。Amazonが対策することで、事業者の対策コスト、リソースなどの負担を軽減することができる

Amazonは何重にもユーザーの個人情報、クレジットカード情報を保護し、不正取引されない仕組みを構築することで、被害に遭う可能性を下げるようにしている。(井野川氏)

オーソリゼーションでは、「Amazon.co.jp」「Amazon Pay」のネットワーク上での取引データのなかから、不正パターンに近しい傾向(住所情報・メールアドレスのパターン、短時間での複数注文)などが発見された場合、オーソリ処理ができないように注文を制御する。

注文後に不正利用の可能性があると判断した際は、クレジットカードの利用分が請求されないようにオーソリ処理を止めることがある。Amazonアカウントに登録された消費者の住所へ商品を発送しているなどの要件を満たす際、Amazon側で売上費用を補填する。

不正取引対策、チャージバックリスクをゼロに……「Amazon Pay」導入効果

CVR向上や新規獲得などを目的に「Amazon Pay」を導入する企業のほか、不正取引対策などで活用する企業も多い。また、導入後にセキュリティの効果を実感した企業もある。

●不正取引対策として「Amazon Pay」に着目した「atmos」

スニーカーブームによって増加している転売目的による不正取引。「atmos」を運営するFoot Locker atmos Japan(旧:テクストトレーディングカンパニー)は、不正取引対策として「Amazon Pay」に着目した。

EC事業のKPI(重要業績評価指標)は売り上げの増加と新規顧客の獲得。不正取引の減少と売り上げの拡大を両立する必要があるため、「3Dセキュア」の導入はできれば避けたい。ID決済の比率が高まれば、不正利用によるチャージバックも減少すると考え、「Amazon Pay」を導入した。

導入後5か月間で、EC売上と新規顧客数が前年同期比で25%程度増加。「『Amazon Pay』でのチャージバックはゼロ」(Foot Locker atmos Japan)。導入後の売上増加、「Amazon Pay」による決済割合が2ケタ台に上昇していることを踏まえると、チャージバックの発生件数の増加抑制に、「Amazon Pay」が一定程度、寄与していると考えられる。

●不正取引が少ない点を評価した「G123」

HTML5で開発したゲームプラットフォーム「G123(ジーイチニサン)」(運営はCTW)では、スマートフォン、タブレット、パソコンなどのWebブラウザ上でプレイできるゲームサービスを提供している。デジタルコンテンツは不正取引が発生しやすい商材の1つ。「G123」が「Amazon Pay」を導入したのは、不正取引が少ないと評価したためだ。

また、「Amazon Pay」は定期的なダウンタイムが発生しないため、24時間365日利用できる点はゲームの決済に最適だという。また、返金時に手数料がかからないことも評価している。

●「Amazon Pay」でチャージバックのリスクをゼロに近づけたコメ兵

コメ兵が運営する「KOMEHYO」が扱う商材はブランド品で、転売など不正取引のターゲットにされやすい。高額商品は代引き支払いが多く、受取拒否などのリスクや手数料の問題もあった。こうした課題を解決するために導入したのが「Amazon Pay」だった。

「Amazon Pay」の決済は簡便なため、取引に関する問い合わせが減少。不正取引対策として発生する確認作業も軽減した。「Amazon Pay」での取引は、配送先住所をAmazonアカウント登録住所に限定するように設定。Amazonマーケットプレイス保証の対象となることで、実質的にチャージバックのリスクをゼロに近づけている。

また、クレジットカードや他のID決済方法に比べて、顧客単価は「Amazon Pay」決済利用者の方が高いという傾向が出ているという。

Amazon Pay事業本部 本部長の井野川拓也氏
「『Amazon Pay』の不正取引効果などに着目して導入する企業が増えている」と話す井野川氏
[AD]
瀧川 正実
瀧川 正実

「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」などをプレイするユーザー層と「Amazon Pay」の親和性の高さがポイント! スクウェア・エニックスが語るオンラインサービスサイトの利便性向上と新規利用者の開拓に成功した理由

3 years 9ヶ月 ago
スクウェア・エニックスはオンラインゲームなどを提供するサービスサイトに「Amazon Pay」を国内外で導入したことで、消費者の利便性を向上させ、新規顧客の開拓につなげている
[AD]

「ファイナルファンタジーXIV」や「ドラゴンクエストX」など人気ゲームを手がけるスクウェア・エニックス。オンラインゲームのニーズが高まる環境下、オンラインゲームの決済手段において、ユーザー体験を向上させるため「Amazon Pay」を導入。結果、新規顧客の開拓やリピート顧客の増加につながっている。ワールドワイドで実施した「Amazon Pay」の導入は、海外の売上拡大にも寄与しているという。スクウェア・エニックスがユーザー体験の改善に取り組んだ背景や具体的な成果などについて、デジタルビジネス事業本部の石綿健史氏に伺った。写真◎吉田浩章

デジタルビジネス事業本部 オンラインビジネス推進ディビジョン ディレクター e-STOREディビジョン シニア・マネージャー 第二開発事業本部 ディビジョン3 石綿健史氏
デジタルビジネス事業本部 オンラインビジネス推進ディビジョン ディレクター e-STOREディビジョン シニア・マネージャー 第二開発事業本部 ディビジョン3 石綿健史氏

ECは物販とオンラインサービスの2サイトを運営

スクウェア・エニックスは、物販を行うECサイトの「e-STORE」、オンラインゲームなどのオンラインサービスを提供する「スクウェア・エニックス アカウント」の2つのサイトを運営している。

「e-STORE」では、ゲームはもちろん、ぬいぐるみやフィギュア、カトラリーなど幅広いゲームの関連グッズを販売。「スクウェア・エニックス アカウント」では、「ファイナルファンタジーXIV」「ドラゴンクエストX」などMMO(複数人が参加するオンラインゲーム)のRPGサービスを中心にデジタルコンテンツを提供している。

今回「Amazon Pay」を導入したのはデジタルコンテンツを提供している「スクウェア・エニックス アカウント」である。

スクウェア・エニックス 人気のMMORPGなどを提供する
「スクウェア・エニックス アカウント」では人気のMMORPGなどを提供する

「スクウェア・エニックス アカウント」内共通通貨「Crysta(クリスタ)」にチャージできる決済手段を検討

スクウェア・エニックスが運営する「スクウェア・エニックス アカウント」では、「Crysta(クリスタ)」をアカウントに紐づけて、利用料金の支払いやデジタルコンテンツの購入に利用できる。

「クリスタ」とは、スクウェア・エニックスが提供する「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」などの人気ゲームソフトやその他のサービスの購入に利用できる共通通貨のことである。クレジットカードやプリペイドカードなどから「1クリスタ=1円」でチャージ可能だ。

スクウェア・エニックス 共通通貨「Crysta(クリスタ)」 ゲーム内のアイテム購入などに使用できる
チャージした「クリスタ」はゲーム内のアイテム購入などにも使用できる

「クリスタ」へのチャージには、ユーザーの要望やその時のトレンドを踏まえて複数の決済手段を用意している。石綿氏は「多くのお客さまが使える課金方法を用意し、お客さまが使いたいときにすぐに利用できる環境が整っていることがスクウェア・エニックスにとってもお客さまにとっても一番良いこと」と言う。そうしたなかで、多くのユーザーが使える決済方式を常に検討していた。

スクウェア・エニックス キャラクター

「Amazon Pay」の利用者は右肩上がりに

スクウェア・エニックスでは「スクウェア・エニックス アカウント」における新たな決済方法の検討を行った結果、Amazonが提供する決済サービス「Amazon Pay」の導入を決めた。

導入理由は、「Amazon利用者と『スクウェア・エニックス アカウント』利用ユーザーとの親和性の高さ」と、「『Amazon Pay』の利便性の高さ」である。

「スクウェア・エニックス アカウント」導入前に、スクウェア・エニックスは「ARくじアタルス。」というオンラインサービスで「Amazon Pay」を導入。「Amazon Pay」とオンラインゲームの相性の良さを実感することになる。

「ARくじアタルス。」はブラウザ上で引けるはずれなしのオンラインくじで、抽選で当たったゲームキャラクターのデジタル画像がリアルなフィギュアになって届くというもの。

「ARくじアタルス。」では、ユーザーの配送先や個人情報などを取得する必要があったが、「Amazon Pay」であればAmazonアカウントに登録している情報から配送先などを利用できる。その簡便性と利便性の高さに着目し、まずは「ARくじアタルス。」に「Amazon Pay」を導入することにしたのだ。

「ARくじアタルス。」に「Amazon Pay」を導入してみると、「Amazon Pay」を利用するユーザーが全体の65%を占め、非常に多く活用されることとなった

その理由として、石綿氏は以下の2点をあげる。

  • そもそもAmazonアカウントを持つユーザーが多かった
  • 「Amazon Pay」であれば手間をかけずに決済が完了する

この2つの点から「Amazon Pay」を選ぶユーザーの割合が高くなったと分析。さらに、トラブルが一切なかったことも好印象だったようだ。

この状況を見て、スクウェア・エニックスのファン層と、普段からAmazonを利用しているお客さまがある程度一致するのではないかと考えた。その結果として「スクウェア・エニックス アカウント」への導入を決めた。(石綿氏)

こうして、2020年9月末に「スクウェア・エニックス アカウント」に「Amazon Pay」を導入することになった。

導入後、新しい決済手段に対するユーザーの反応について「普段からAmazonを使っているお客さまが多かったのか、すんなり受け入れられた」(石綿氏)と言う。

「スクウェア・エニックス アカウント」に「Amazon Pay」を導入した際には、導入記念キャンペーンも実施。こうした施策も後押しとなり、導入翌月以降(10月)、「Amazon Pay」利用ユーザーは増え、決済手段として定着している。

スクウェア・エニックス Amazon Pay導入に合わせて実施したキャンペーン ドラゴンクエストⅩ
「Amazon Pay」導入に合わせて実施したキャンペーン

キャンペーン後も「Amazon Pay」の利用は増えていった。これはクレジットカード、プリペイドカード、キャリア決済など他の支払い方法から「Amazon Pay」に移行したか、これまで購入していなかったお客さまが買ってくれるようになったかの、2つの可能性が考えられる。

そういった意味では「Amazon Pay」の導入は非常に効果があったと言える。そして一度「Amazon Pay」を使ったお客さまが、その利便性の高さから2回目以降も「Amazon Pay」を使って定着したケースも多いのではないか。(石綿氏)

デジタルビジネス事業本部 オンラインビジネス推進ディビジョン ディレクター e-STOREディビジョン シニア・マネージャー 第二開発事業本部 ディビジョン3 石綿健史氏

「Amazon Pay」導入から1年半以上が経過したが、これまでセールやキャンペーンを行っていない期間も含めて「Amazon Pay」の利用は増加しているという。こうした状況を受けて、石綿氏は「結果として売上高にも影響しており、『Amazon Pay』を導入して正解だったと思っている」と説明。現時点で日本での都度決済における「Amazon Pay」の利用割合は15%となっている。

スクウェア・エニックス スクウェア・エニックス アカウントの決済別の売上割合 Amazon Payの利用が増加
「スクウェア・エニックス アカウント」の都度決済別の割合。オレンジの「Amazon Pay」の利用が伸びている

(注)「Amazon Pay」では、利用開始時に取扱商品・サービスに関する審査があります。「通貨」や「くじ」などの商品・サービスに関しては「Amazon Pay」をご利用できないことがあります。

「Amazon Pay」を使って実感した3つのメリット

「スクウェア・エニックス アカウント」内に「Amazon Pay」を導入したスクウェア・エニックス。実際に導入して実感した「Amazon Pay」のメリットはどういった点なのだろうか? その具体的なメリットを見ていく。

メリット① 購入手続きの手軽さ

クレジットカードにおける決済の場合、カード番号、有効期限、セキュリティコードの入力が必要だ。つまり、ユーザー側に入力の手間が生じ、結果的に離脱のリスクが高まる

そうした問題の解決を狙って、「スクウェア・エニックス アカウント」内で用いることができる共通通貨「クリスタ」を導入したのだが、「クリスタ」は事前にチャージする必要がある。

このチャージにあたり「Amazon Pay」を導入したことによって、購入手続きは飛躍的に簡単になった。Amazonアカウントにログインしている状態であれば、「Amazon Pay」で決済を行った場合、最短2クリックで購入が完了する。

さらにAmazonを頻繁に利用しており、ブラウザにIDとパスワードを登録しているユーザーからすると、キーボード操作やスマホでの入力操作をせずに、手軽に購入できるという利便性の高さは特筆すべきメリットと言えるだろう。

スクウェア・エニックス クリスタへのチャージ方法 Amazon Payを選択すると支払い画面へ進む
「クリスタ」へのチャージ方法で「Amazon Pay」を選択すると、「Amazon Pay」での支払い画面へ進む

メリット② ワールドワイドで導入が可能

決済手段は通常、国ごとに個別に導入することが多いが、「Amazon Pay」は多くの企業がサービスを展開している主要諸外国で導入することが可能だ。

「『スクウェア・エニックス アカウント』の場合、日本、北米、欧州でサービスを展開しているが、それぞれの国で、『Amazon Pay』の利用契約を行い、国ごとに作成されたアカウント情報を設定することで、開発自体は共通化してすべての国で一気に導入することができたこともメリットとしてあげられる」と石綿氏は言う。

このように「Amazon Pay」は簡単に海外でも導入できることが利点で、グローバルに決済手段を実装するという意味では、コスト面で安価に導入することができるようだ。

なお、北米では、「ファイナルファンタジーXIV」の人気もあって多くのユーザーが「スクウェア・エニックス アカウント」を利用しており、「Amazon Pay」導入の結果、取扱高では日本よりも多くなっている。その意味では「北米の売り上げを伸ばせたことの一因として、『Amazon Pay』の導入がある」(石綿氏)というわけだ。

スクウェア・エニックス 人気コンテンツ ファイナルファンタジー ドラゴンクエストのキャラクター
スクウェア・エニックスの人気コンテンツ「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」に登場するキャラクター

メリット③ 不正対策への徹底

グローバルでサービスを展開していると、不正利用のリスクも高くなる。スクウェア・エニックスが「Amazon Pay」を導入した当初、クレジットカード決済含め、不正利用者に狙われるケースが散見された。しかし「Amazon Pay」に関しては、「Amazon Pay」側の不正利用に関する監視体制、取り締まりが強固であることから、不正利用は大幅に減少したようだ。

不正をゼロにするのはなかなか難しいかもしれないが、拡大を防いだり被害を最小限に抑えたりするという点では「Amazon Pay」は非常に優れていると思う。(石綿氏)

◆◆◆

ここまで「Amazon Pay」のメリットについて見てきたが、石綿氏はこれらのメリット以外の魅力の1つとして、「利用可能なアクティブユーザーの多さ」をあげる。つまりAmazonの利用者が多いことから、「Amazon Pay」を使うユーザー数も自然と多くなるのだ。

「Amazon Pay」であれば、その「決済の手軽さ」からお客さまの離脱が少なく、機会損失が抑えられるというのが非常に大事。(石綿氏)

また、取引金額が100円の場合も1万円の場合も、販売事業者が負担する決済手数料は同じ料率(デジタルコンテンツは4.5%、その他の物販・サービスは3.9%)で変わらない点にも魅力を感じている。

この手数料率についてはクレジットカードに比べて高くなるが、それでもキャリア決済などに比べると圧倒的に安いという。

「Amazon Pay」の活用によってめざすこと

スクウェア・エニックスが2020年9月に「スクウェア・エニックス アカウント」内に「Amazon Pay」を導入して1年半以上が経過した。導入以降「Amazon Pay」を使うユーザーの割合は増えている。

石綿氏は「スクウェア・エニックス アカウント」を有するユーザーと「Amazon Pay」利用者との親和性の高さを感じているという。その上で今後はさらに「Amazon Pay」の活用を推進していく考えだ。

具体的に見据える計画としては、「オートチャージ機能」の実装。これは「クリスタ」のチャージ金額が一定金額以下になると、自動的にチャージされるという仕組みだ。すでにキャリア決済では同機能を搭載しており、将来的には「Amazon Pay」を通じて同様の機能を検討中だ。

また、継続課金の仕組みを「Amazon Pay」で導入することも計画している。「Amazon Pay」にはサブスクリプションに対応した「自動払い」という機能がある。これはユーザーが注文時に選択したクレジットカードを利用して今後の支払いを行うことに同意すると、将来の購入代金をユーザーの「Amazon Pay」アカウントに自動的に課金し、購入者にサインインしてもらう必要がないようにできるという仕組みだ。

すでにクレジットカード決済と「クリスタ」では、毎月定額(1500円前後)でMMORPGをプレイできるといった継続課金によるサービスを提供している。同様のサービスを「Amazon Pay」利用者にも展開していく計画だ。

さらには、スクウェア・エニックスの物販を行うECサイト「e-STORE」や、同社の他のサービスにおいても、決済手段に「Amazon Pay」を導入したい考え。それによりスクウェア・エニックス全体として「Amazon Pay」が利用できるようになり、結果的にユーザーの利便性もさらに向上する。「Amazon Pay」が使えるサイトと使えないサイトがあることによるギャップを解消していきたいとしている。

デジタルビジネス事業本部 オンラインビジネス推進ディビジョン ディレクター e-STOREディビジョン シニア・マネージャー 第二開発事業本部 ディビジョン3 石綿健史氏
[AD]
キヨハラサトル
キヨハラサトル

個別のURLを割り当てた商品バリエーションの一覧ページにはProduct構造化データをマークアップしてはいけない

3 years 9ヶ月 ago
EC サイトで、個別の URL を商品バリエーションに割り当てている場合は、そのバリエーションをまとめて掲載しているページに商品 (Product) リッチリザルトの構造化データをマークアップしないようにと、Google はガイドラインに明記した。
Kenichi Suzuki

内部リンクが多いほど検索トラフィックが多い!? 1800サイト調査から判明した検索トラフィックと内部リンクの相関関係【海外&国内SEO情報ウォッチ】

3 years 9ヶ月 ago
Web担当者Forum の連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。SEO で 2022 年でも重要な「リンク」。さほど語られることが多くない「内部リンク」について、検索トラフィックとの関係を調査したデータから、改めて内部リンク戦略を考えてみよう。
Kenichi Suzuki

ライフ、Amazonで展開するネットスーパーの対象エリアを拡大

3 years 9ヶ月 ago

ライフコーポレーションは6月16日、実店舗で扱っている生鮮食品や惣菜などを販売するAmazon上のライフネットスーパーの販売エリアを拡大した。

神奈川県の鎌倉市、横浜市の2区(港南区、栄区)を新たに配送エリアに追加。現在の配送エリアは、東京23区・13市、神奈川県9市、千葉県13市、埼玉県5市、大阪府26市・1郡、京都府3市、兵庫県6市となる。

対象エリアのプライム会員は、ライフの実店舗で取り扱っている野菜や果物、精肉、鮮魚、「ライフプレミアム」「スマイルライフ」といったプライベートブランド(PB)商品など、計数千点の商品をAmazon.co.jpのWebサイト、Amazonショッピングアプリを通じて購入できる。

ライフコーポレーションの2022年2月期におけるEC売上高は前期比81.1%増の約96億円。EC売上高は、自社による「ライフネットスーパー」と、Amazon上のライフネットスーパーの合計売上高。

2023年3月期のEC売上高は200億円、2030年度には売上高1000億円をめざす。

ライフコーポレーションの2022年2月期におけるEC売上高は前期比81.1%増の約96億円
ネットスーパー売上高の推移と計画(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
瀧川 正実
瀧川 正実

ニトリ、実店舗の買い物も「手ぶら」で会計できる新機能「アプリde注文」

3 years 9ヶ月 ago

ニトリは6月16日、1400万人以上が使う「ニトリアプリ」に、アプリで商品のバーコードをスキャンしてレジで会計、自宅配送や店舗取り寄せの注文続きが完了する機能「アプリde注文」を追加した。

ニトリは6月16日、1400万人以上が使う「ニトリアプリ」に、アプリで商品のバーコードをスキャンしてレジで会計、自宅配送や店舗取り寄せの注文続きが完了する機能「アプリde注文」を追加
「アプリde注文」について

実店舗での買い物をサポートする「店内モード」機能に、「アプリde注文」を新たに搭載した。

消費者は、「アプリde注文」を使いバーコードをスキャンして注文リストを作成し、レジへ足を運び「手ぶら」で会計。自宅配送や商品の取り寄せ注文の手続きが完了する。また、当日内に持ち帰りたい商品とまとめて会計できる。

ニトリは6月16日、1400万人以上が使う「ニトリアプリ」に、アプリで商品のバーコードをスキャンしてレジで会計、自宅配送や店舗取り寄せの注文続きが完了する機能「アプリde注文」を追加
バーコードをスキャンして注文リストを作成する

 

瀧川 正実
瀧川 正実

ヤフーが始める「優良配送」対応商品の優先表示とは?「PayPayモール」「Yahoo!ショッピング」の検索結果、レコメンド枠で実施 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

3 years 9ヶ月 ago
検索結果画面のほか、「Yahoo!ショッピング」のレコメンド枠、「Yahoo! JAPAN」のサービス内で表示するレコメンド枠でも「優良配送」対応商品を優先表示する

ヤフーは8月下旬から、「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」の検索結果画面、レコメンド枠で「優良配送」対応商品を優先的に表示する取り組みを始める。「ストアクリエイターPro」で6月13日に公表した。

8月下旬以降、検索結果画面の上位表示は「優良配送」対応商品が占めるようになる。現在は、「優良配送」で絞り込み検索することができる(画像は「Yahoo!ショッピング」からキャプチャ)

現在の検索結果では、「優良配送」対応商品と非対応商品が混在している。施策実施後、「優良配送」対応商品が検索結果の上位に表示されるようにする。「優良配送」対応商品を消費者が“見つけやすく”“購入しやすく”する狙いがある。

「優良配送」は、ユーザーへの最短「お届け希望日」が「注文日+2日以内」、出荷遅延率が一定水準未満という条件を満たした表示に専用アイコンを表示する取り組み。「安心かつスピーディーなお届けである配送」を意味するという。

Yahoo!ショッピング PayPayモール 優良配送 物流 配送 配送スピード
「優良設定」のアイコン表示(画像は説明会資料からキャプチャ)

消費者に対しては、検索結果上位に「優良配送」対応商品を優先表示している旨のテキストを表示。「解除する」ボタンを設け、優先表示を解除できる仕組みも設ける。

検索結果画面のほか、「Yahoo!ショッピング」のレコメンド枠、「Yahoo! JAPAN」のサービス内で表示するレコメンド枠でも「優良配送」対応商品を優先表示する。

ヤフーは、配送のクオリティー、スピードに対するニーズが高まっていると説明。「優良配送」対応商品にアイコンを表示する取り組みは、消費者から「安心して購入できる」「早く届いて嬉しい」といった声が届いている。

「優良配送」対応商品を販売する出店者の売上高成長率は非優良配送店と比べて125%、リピート率は同134%で推移しているという。

商品の特性上、「優良配送」対応の条件を満たすことが難しいカテゴリーについては、「特別表示カテゴリー」とする。当該カテゴリーに属する商品は優先表示施策の影響を受けにくくするという。

瀧川 正実
瀧川 正実

意識している経済圏1位は「楽天」/「SHEIN」を知っていますか?【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 9ヶ月 ago
2022年6月10日~16日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 最も意識している経済圏トップは「楽天」。依存度が高いのは「ドコモ」【経済圏の意識に関する調査】

    MMD研究所が行った「経済圏の意識に関する調査」によると、48.5%が「経済圏を意識している」と回答。最も意識している&今後意識していきたい経済圏のトップは「楽天」

    2022/6/10
  2. とにかく安っ! 急成長のファッションEC「SHEIN(シーイン)」ってご存じですか?【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年6月6日〜12日のニュース

    2022/6/14
  3. EC利用時に重視するのは1位「送料・手数料がかからない」で45%、2位は「商品を検索しやすい」、3位は「通常の価格が安い」

    博報堂DYグループの「ショッパーマーケティング・イニシアティブ」の取り組みとして調査を実施。EC生活者の性年代別のEC利用実態・意識などが明らかになった

    2022/6/13
  4. ECに影響を与える変化は特商法や個人情報保護法の改正。課題は人材不足や満足度の低下

    アフィリエイトやcookieの規制、薬機法や特商法の改定、CPM高騰など、EC市場を取り巻く環境が大きく変化。EC事業者の顧客獲得施策にも日々進化が求められている

    2022/6/10
  5. Hameeは化粧品事業を約100億円に拡大する計画。コマース事業の中期経営計画まとめ

    Hameeが発表した3か年の中期経営計画では、最終年度のコマース事業における売上高は193億8300万円を計画。2022年4月期のコマース事業売上高は101億8900万円だったため、約9割増を見込む

    2022/6/15
  6. ECサイトへの訪問者15%増、EC化率5ポイント増を実現したヒラキのSNS活用事例

    インフルエンサーによるPR投稿など2022年3月期における通販サイトへの訪問者数は前年比15%増。通販における総受注件では約75%がEC経由となって、前年比5ポイント増えた

    2022/6/13
  7. ビックカメラがOMO戦略推進で「デジタルを活用した製造小売物流サーキュラー企業」をめざすと宣言

    ビックカメラはこれまで、デジタル技術の活用(DX)について、2022年1月にデジタル戦略部を新設、DX施策の検討を進めてきた

    2022/6/15
  8. 自社ECサイトでプライム会員の配送特典が受けられるAmazonの「Buy with Prime」でECの未来は変わるのか?

    プライム会員の配送特典を自社ECサイトでも利用できるAmazonの「Buy With Prime」。このサービスの誕生でECの未来はどう変化するか? Shopifyとの関係性はどうなるのでしょうか?

    2022/6/15
  9. 「SDGs」に積極的な企業は「好感度が上がる」と消費者の約7割が回答

    SDGsに関する意識、職場での環境に配慮した取り組みや商品使用に対する関心度などを全国の男女合計1141人に聞いた調査結果

    2022/6/14
  10. 千趣会、ディノス、ヒラキ、カジメイクがコロナ禍でもが積極的に実店舗を出店する理由

    通販実施企業がECなどではリーチできない層やブランド認知向上などを目的に実店舗展開を加速しています。ディノス、千趣会、ヒラキ、カジメイクなどの事例を紹介

    2022/6/14

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    約8割が物・サービスの値上げを実感。日常生活に「影響している」は87%

    3 years 9ヶ月 ago

    日本インフォメーションが実施した「2022年の値上げに関する意識・行動調査」によると、日常生活で物・サービスの値上げを実感している人は約8割に達した。

    2022年に入ってから日常生活で物・サービスの値上げを実感しているか聞いたところ、「実感する」「やや実感する」と答えた人の割合は79.3%。30代以上は男女ともに80%を超えている。

    値上げの実感について
    値上げの実感について

    値上げが日常生活に影響しているかついて、「影響している」「やや影響している」を合わせて87.2%。性年代別では、女性40代が最も影響を感じている。

    値上げの影響について
    値上げの影響について

    値上げを実感する品目については、「生鮮食品」が57.9%、「ティッシュ類」が40.1%、「インスタント麺」が38.7%。全体的に食品関連の値上げをあげる人が多い。

    女性10・20代は「化粧品」や「お菓子」、男性10代は「飲料水」への値上げを実感している。

    値上げを実感する品目について
    値上げを実感する品目について

    値上げに伴い購入頻度を減らす、価格帯を下げる品目について聞いたところ、全体の6割は、購入頻度を減らすまたは価格帯を下げる行動をとるようだ。

    「頻度を減らす」で多いのは、「インスタント麺」が31.4%、「菓子・スイーツ・デザート類」が31.0%。

    値上げに伴い購入頻度を減らす/価格帯を下げる品目について
    値上げに伴い購入頻度を減らす品目

    「価格帯を下げる」では、「生鮮食品」が30.7%、「ティッシュ類」が29.3%で上位。品目ごとに値上げへの対応行動に差が見られた。

    値上げに伴い価格帯を下げる品目
    値上げに伴い価格帯を下げる品目

    今後の日本の景気について、全体で「短期(1~2年後)」「中長期(3年以上)」ともに「良くならない」「あまり良くならない」が50%以上に達した。

    今後の日本の景気について
    今後の日本の景気について

    調査概要

    調査地域:日本全国
    調査対象:16~59歳の男女
    サンプルサイズ:有効回収計984サンプル
    調査方法:インターネット調査
    調査実施時期:2022年4月13日~15日

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ヤフー、広告品質決定要素に「ランディングページの利便性」を追加

    3 years 9ヶ月 ago

    ヤフーは、検索広告の品質の決定要素に「ランディングページの利便性」を追加した。「ランディングページの利便性」は、「ランディングページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり有用であるか」を示すもの。グーグルの品質スコアの要素にも「ランディングページの利便性」は含まれていて、ヤフーの定義はグーグルのそれと共通のようだ。

    【検索広告】広告の品質と品質インデックスの要素追加について
    https://ads-promo.yahoo.co.jp/support/release/30266757.html

    noreply@blogger.com (Kenji)

    デジタル予算、マーケ施策とその効果、SNS活用、顧客体験向上への投資など【デジタルマーケティング大調査2022】 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 9ヶ月 ago
    オンライン通販利用者1015人を対象に行ったデジタルマーケティング調査のまとめ

    オンライン小売事業者に行なったデジタルマーケティング調査から、予算、戦術、メールやソーシャルメディアの成功例までを解説します。

    『Digital Commerce 360』が2022年4月~5月にかけて実施した調査(オンライン小売事業者73社が対象)から、デジタルマーケティングの予算、実施した施策、費用対効果、顧客獲得戦略などをまとめました。

    急成長するソーシャルメディアマーケティングについても、インフルエンサーの役割も含めて掲載。小売企業のデータ分析能力、すべてのマーケティング活動を支えるテクノロジーについても説明しています。

    マーケ活動に占めるデジタルの役割が増加

    デジタルマーケティングの予算は多岐にわたり、小売企業の規模、オンライン販売専業なのか、店舗展開をしているのかなどにも影響されます。また、デジタルエクスペリエンスが進化し、デジタルが担う役割が変化しているため、オンライン販売を開始してからの期間も考慮すべき点です。

    今回の数字を集計すると、マーケティング全体のなかでデジタルに特化した活動の割合、予算の変化などは次のようになります。

    マーケティング予算全体(総額)のうち、オフライン広告と比較したデジタル広告の比率
    マーケティング予算全体(総額)のうち、オフライン広告と比較したデジタル広告の比率(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    2022年に小売事業者の66%がデジタルマーケティング予算を増加した一方で、23%は横ばいです。デジタル予算の現状を知ることで、一旦立ち止まり、年々どのよう変化が起きているのか振り返ることができます

    2021年と比較した2022年のデジタルマーケティング予算
    2021年と比較した2022年のデジタルマーケティング予算(総額、出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    この先、同様の成長パターンで予測した場合、小売事業者の72%が来年はデジタル広告費が増加すると予測しています。

    2022年のデジタル広告費の変化(2021年比)に関する予測
    2022年のデジタル広告費の変化(2021年比)に関する予測(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    デジタルマーケティングの具体的手法と効果

    小売業がどのような戦略をとっているかを見てみましょう。

    デジタルマーケティング施策として、10社中7社がメール、検索エンジン、コンテンツマーケティング、そしてFacebookを採用。InstagramとYouTubeは60%が導入しており、その他のインフルエンサーマーケティングは58%が導入しています。モバイル広告も重要で、モバイル経由で多くの販売が行われており、同じく60%に達しています。

    また、Amazonの広告(49%)とAmazon以外のマーケットプレイスの広告(51%)は、eコマースにおけるマーケットプレイスの役割の高さを反映しています。

    デジタルマーケティングで行なっている施策
    デジタルマーケティングで行なっている施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    予算の11%以上を特定の施策に費やす事業者も調査しました。その結果、検索連動型広告が41%、検索エンジンマーケティングが38%、Eメールが36%となっています。

    デジタルマーケティングの予算に占める各施策の割合
    デジタルマーケティングの予算に占める各施策の割合(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    最も効果的なマーケティング施策は、Eメール、検索連動型広告、検索エンジン、コンテンツマーケティングです。ソーシャル面では、Facebook(39%)、Instagram(21%)、YouTube(25%)、TikTok(18%)と続き、小売事業者のマーケティング活動の幅の広さが反映されています。

    また、マーケットプレイスでは、Amazonの広告が38%と高いパフォーマンスを示しています。その他のマーケットプレイス広告は、調査対象者の26%にしか効果がありませんでした。

    2021年のデジタルマーケティングで、効果のあった施策について
    2021年のデジタルマーケティングで、効果のあった施策について(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    小売業は、新規顧客獲得に力を注ぐ必要があります。そのため、小売企業の半数以上がマーケティング予算の30%以上を新規顧客獲得に投下しています。新規顧客獲得に20%以下しか費やしていない事業者は29%。今こそ、新規顧客を継続的に獲得するために、最も効果的な戦術を活用し、最適化する機会です。

    デジタルマーケティング予算で新規獲得施策に投じる割合
    デジタルマーケティング予算で新規獲得施策に投じる割合(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    ソーシャルメディア広告の活用

    ソーシャルメディア広告に注目します。調査対象となった小売事業者にとって、ソーシャルメディア広告がどのように機能しているかを理解したいと考えました。

    調査結果によると、半数以上の小売事業者が、売上促進とブランド認知度向上のためにソーシャルメディア広告を利用しています。

    ソーシャルメディア広告の目的
    ソーシャルメディア広告の目的(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    「成功」しているのはFacebookで、オンライン小売事業者の52%はROI(費用対効果)は高いと感じています。以下はInstagramが42%、YouTubeが38%、LinkedInが32%となっています。

    ROIの観点で成功したソーシャルメディア
    ROIの観点で成功したソーシャルメディア(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    小売事業者は、ソーシャルメディアを最適化するためにさまざまな取り組みをしています。ソーシャルメディアマーケティングを最適化するために必要なリソースに関して、運用状況を調べました。

    多くの場合(44%)は社内に1人の運用担当者を置いていますが、21%は複数のスタッフが運用に関与しています。3社に1社は、ソーシャルメディア広告の最適化のために代理店を利用しています。

    その他に得られたインサイトとしては、ソーシャルメディアは常に変化しており、調査対象の25%が常にキャッチアップしている状態であると回答。ソーシャルメディア施策の推進をテクノロジーに依存していると答えたのはわずか12%でした。

    ソーシャルメディアマーケティングをプラットフォームごとに最適化するために実施している取り組み
    ソーシャルメディアマーケティングをプラットフォームごとに最適化するために実施している取り組み(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    インフルエンサーの活用

    デジタルマーケティングの調査で、インフルエンサーに関する質問は必須でしょう。インフルエンサーの役割は多面的で、小売事業者のブランド認知度向上(40%)、Webサイトへのトラフィック誘導(30%)、売上促進(26%)に役立っています

    ただ、25%の小売事業者がインフルエンサーのコストが高過ぎると懸念しているように、一部の小売事業者にとっては難しい問題です。21%はインフルエンサーに興味はあるが、期待するROIを見出せていないと回答しています。

    さらに、23%が適切なインフルエンサーを見つけるのが難しいと感じています。14%は、インフルエンサーが自社に適していないと考えており、10%は自社がインフルエンサーを利用すべきかどうかを理解するのに時間をかけています。実際にインフルエンサーを活用するには、どうすれば良いのでしょうか?

    インフルエンサー活用について
    インフルエンサー活用について(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    マーケティング活動をサポートするツール活用

    小売業は、アナリティクスやデータの可視化を始めとして、マーケティング活動をサポートするために複数のプラットフォームを使用しています。今回引用したテクノロジーの多くは、すでに導入され、複数の役割を担っている可能性があります。

    マーケティングプラットフォームやテクノロジーの活用について
    マーケティングプラットフォームやテクノロジーの活用について(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    具体的な技術を1つ取り上げると、28%の小売事業者がマーケティング施策の強化のため、2022年にAIを導入、または導入する予定を立てていることがわかりました

    マーケティング目的で人工知能/機械学習の活用を採用または強化する場合のスケジュールについて
    マーケティング目的で人工知能/機械学習の活用を採用または強化する場合のスケジュールについて(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    小売企業のマーケティングデータおよびアトリビューションの分析能力はまちまちです。調査結果を見ると、61%が自らを平均以上(6-10)であると見ている一方、39%は自分たちの能力が十分でないと評価しており、平均かそれ以下(1-5)と回答しています。効果的なデータ分析はビジネスの成功に影響を与えるため、すべての小売事業者は、必要なトレーニングやツールを得ることが不可欠です。

    マーケティングのパフォーマンスデータやアトリビューション分析の効果
    マーケティングのパフォーマンスデータやアトリビューション分析の効果(1〜10段階で、10が非常に効果的。出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)


    マーケティング効果を上げるための課題は山積しています。回答者の41%が「施策の効果的な分析」を、30%が「効果的なデータ分析」を課題としてあげています

    小売事業者にとってより不満なのは、絶え間ないルールの変更、マーケティングミックスの多様化、そして収益性でしょう。これらも、マーケティング課題の上位にあげられています。

    施策の組み合わせが理想的であることを理解していますが、それらをどのように展開するのが最善かを判断するのは困難です。そして収益性も課題です。30%がマーケティングキャンペーンの費用を課題としてあげています。費用をかけるのは簡単ですが、多くの場合、最終的な利益を無視しています。

    マーケティングの観点から見た最大の課題
    マーケティングの観点から見た課題(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    マーケティングの最新動向

    小売事業者が直面するもう1つの課題は、サードパーティデータ対策です。今回の調査結果によると、32%のマーケティング担当者はこの課題への最適な対処法を模索中で、27%は戦略を変更していません

    これに対し、「調整中」と回答したのは21%でした。また、サインアップを促進するクリエイティブな方法を模索したり(26%)、ファーストパーティデータをより優先させる(25%)といった意見もあります

    AppleとGoogleがサードパーティデータを排除するポリシーを実施したことによるマーケティング戦略への影響
    AppleとGoogleがサードパーティデータを排除するポリシーを実施したことによるマーケティング戦略への影響(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    小売業は、ブランドが大切にする価値観に基づくマーケティングに関してさまざまな戦略を採用しています。

    小売業がマーケティングにブランドの価値観を取り入れることはよく知られていますが、この傾向についても調査しました。33%の小売企業が戦略を持っていませんが、同数の小売企業がeコマース体験に価値観を取り入れたマーケティングを組み込んでいます(33%)

    32%はソーシャルメディアに活用し、25%は場合に応じてブランドが大切にする価値を伝えています。今後については、どのような反響があるかテストしているグループ(14%)と、2022年の展開に向けて前向きに構築しているグループ(11%)がありました。

    ブランドが大切にする価値観や大義に基づくマーケティングについて
    ブランドが大切にする価値観や大義に基づくマーケティングについて(出典:『Digital Commerce 360』による小売業73社への調査)

    eコマースの低迷により、デジタルマーケティングの予算は流動的になるでしょう。適切な戦術を選び、その効果を測定することが、これまで以上に重要になりますEメールなどの従来の手法や、進化し続けるソーシャルメディアを活用することは価値があります

    オンライン小売事業者は、自社ブランドにとって最高のパフォーマンスを実現するために微調整や最適化を行いながら、大きな成果を出すためにテクノロジーを活用することでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    海外向けECはなぜやった方がいい? 成功のポイントとは?【インターファクトリーとジグザグの対談】

    3 years 9ヶ月 ago
    2022年3月に資本業務提携を締結したインターファクトリーとジグザグが、コロナ禍を経た越境EC事情、越境ECを成功に導くヒントなどについて語り合った
    [AD]

    少子高齢化などを踏まえEC事業者が注目しているのが越境ECだ。クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」のインターファクトリーは越境支援サービス「WorldShopping BIZ(ワールドショッピングビズ)」のジグザグに出資。資本業務提携を通じてebisumartユーザーの“越境EC”を成功に導くサポート体制を整えた。越境ECに詳しいインターファクトリーの渡邉洋祐氏とジグザグの鈴木賢取締役が、越境ECの現状、成功のヒントなどを語り合った。写真:吉田浩章

    インターファクトリーの渡邉洋祐氏とジグザグの鈴木賢取締役が、越境ECの現状、成功のヒントなどを語り合っ

    2022年、再燃する越境ECへの進出需要

    新型コロナウイルス感染症拡大に伴いインバウンド需要が減少したため、日本製品をネットで購入する越境ECニーズが拡大している。EC事業者へのサポートを通じて、現状のマーケット、国内EC事業者による越境ECへの取り組みなどを2人はどのように捉えているのか。

    鈴木賢取締役(以下鈴木) 2020年に越境ECニーズが急拡大しました。多言語対応・海外決済・海外配送までを一気通貫で提供する越境EC対応サービス「WorldShopping BIZ」導入サイトでは、前年比4-5倍といった勢いで海外ユーザー数や流通額が伸びました。コロナの影響で実店舗の売り上げが減少するなか、EC事業拡大の1つとして越境ECを検討・実施する事業者が増えたことも要因の1つです。ただ、2021年はその動きが一服したという感覚です。

    渡邉洋祐氏(以下渡邉) 2020年後半から2021年中盤は越境ECへの事業者ニーズが一段落したという印象ですよね。それは越境ECが落ち着いたのではなくて、OMOやDXをメインに国内対策を事業者が優先していた影響でしょう。2021年中盤から、越境ECを検討しようと動き出す事業者が増えてきたと感じています。インターファクトリーは良いタイミングでジグザグと資本提携することができました。

    越境ECは、自前主義よりも「まずはやってみる」

    越境ECを検討する事業者は増えている。ただ、「どうすればいいのか」「何から始めればいいのかわからない」といった事業者も少なくない。越境ECの検討・スタートにおける重要ポイント、気をつけておきたいこととは?

    鈴木 自社で越境ECの仕組みを作ろうとする、いわゆる自前主義はまず検討フェーズでは考えない方がいいですね。検討からスタートまで相当な時間を要してしまうからです。

    大幅なサイト改修を伴わずに専用タグを自社ECサイトに設置するだけで越境ECに対応できる「WorldShopping BIZ」のように、手軽に越境ECをスタートできる環境がありますので、「まずはやってみること」が重要です。「WorldShopping BIZ」は決済や物流、カスタマーサービスもジグザグが担うため、EC事業者には「まずは越境ECをやってみてください」と話しています。

    渡邉 私も過去、海外バイヤーによる転売目的での大量購入や海外からの不正購入で大きな損害を被った経験があります。海外向けのリスクを減らしたいといった事業者は少なくありません。たとえば、海外向けに販売できる商品を選定できるなど、自社で簡単にコントロールできるとハードルは下がりますよね。

    鈴木 積極的に越境ECを始める事業者はごく一部で、環境を用意してもなかなか動かないのが圧倒的に多いです。そうしたブランドに「なぜ箱があるのに越境ECをやらないのか?」と聞いたところ、「ある商品は海外展開したくない」「一部商品のみにとどめたい」といった声があがりました。

    「WorldShopping BIZ」では除外システムを開発、「ある商品は世界に向けて販売しない」「特定の国には販売しない」といったことを担当者ベースで設定できるようにしました。

    また、オペレーションコストについても触れておきたいところです。越境ECを行うと、海外からの問い合わせ対応が発生するので、外国語を話せるスタッフの採用を検討しなければなりません。ただ、新たな人件費を賄えるだけの利益を海外向けで生みだせるのか? と聞かれると、社内では誰も答えられません。だって、やってみないとわからないですから。

    渡邉 越境ECも実店舗の爆買いのように実現できるというイメージを持ち、高い理想を掲げる経営者も多いですよね。経営層から下りてきた大きな難題をどうすれば実現できるのか――。知識や経験もあまりないなかで現場は混乱し失敗してしまう、もしくは何もできないといったパターンは少なくありません。ECは、顧客のニーズを知り、どのようなアプローチができるのかを考え、広告などもしっかりターゲティングしていくことが重要です。

    これは海外向けでも同じです。国別のニーズを1つひとつすくい上げ、対象マーケットを広げていくといった地道な取り組みも必要です。事業計画や予算計画なども一緒で、越境ECの課題となる言語・物流・決済、不正購入対策、カスタマーサポートなどをどのような規模感で、どのように体制を組むのかまずはイメージすることが重要です。

    インターファクトリーの渡邉洋祐氏
    インターファクトリーの渡邉洋祐氏(ビジネスディベロップメント部カスタマーサクセスチーム)

    翻訳は完璧じゃなくていい、完璧主義からの脱却を

    数多くのEC事業者の成功事例を見てきたインターファクトリーとジグザグ。クライアント事例を踏まえ、越境ECを成功に導くためのポイントに言及した。

    鈴木 「WorldShopping BIZ」は既存サイトが日本語のままでも、海外ユーザーが買い物できる仕組み(海外IPアドレスとブラウザ言語を識別し、海外ユーザーに最適化した「多言語ナビゲーション」「かな入力が不要なフォーム」などを表示する)を提供していますが、導入企業の8割以上がまだ日本語のECサイトのみ

    しかし、日本語のサイトでも海外ユーザーは商品を購入します。ただ、もう少しフレンドリーな翻訳対応が日本企業側でできていると、確実にコンバージョン数は増えるだろうと感じています。

    渡邉 “フレンドリーな対応”は重要ですよね。日本人の特性なのか、完璧主義が多く、何でも完璧にしなければいけないという考えを持っている方が多い。でも、固有名詞が含まれたりもするので完璧な翻訳って難しいですよね。商品名、新着情報、トピックスが追加されるごとに、それを全て多言語対応するのは非現実的。海外ユーザーはそこまでの対応は求めておらず、もっと違うことに注力する方が“フレンドリーな対応”となるかもしれません。

    鈴木 “フレンドリーな対応”というのは、気持ちよく買ってもらうために、少しずつECサイトの内容を良くしていきましょうということです。ただ、どうしても完璧主義的なところが出てしまうことはありますよね。

    ではどうすればいいか? たとえば、カテゴリーを日本語と英語で表記する方法は効果的です。ズボンのカテゴリーの場合、ズボン(pants)と併記するような方法です。カテゴリーを英語と併記すると、トップページからカテゴリーページ、商品ページといった誘導ができるようになります。これは結構重要なことで、日本語のわからない海外ユーザーにとってとても親切に映るので、コンバージョンも変わってくると思います。

    渡邉 動線作りの工夫は重要ですよね。「WorldShopping BIZ」の除外システム機能を使い、まず5商品だけ海外向けに販売するカテゴリーを用意。そのカテゴリーだけを海外ユーザーが閲覧できるようにする、といった方法もできますよね。

    鈴木 手始めに1か月ほど越境ECに対応し、どのような反応が出るのか、どういった影響が出るのかを見るということが「WorldShopping BIZ」なら可能です。問題がなければ、本格展開、専用サイトの開設、マーケットの拡大などいろんな選択肢に着手できるようになります。

    ジグザグの鈴木賢取締役
    ジグザグの鈴木賢取締役

    海外マーケットに目を向けることの意義、重要性とは

    日本だけに目を向けていると、商機を逸失する可能性があると鈴木氏、渡邉氏は言及する。海外には独自の買い物イベントがあり、トレンドも異なる。日本と海外を組み合わせることで、通年で販促イベントに参加するといったことも可能になる。

    鈴木 海外では、ブラックフライデーのような世界的な買い物イベントが多い。たとえば、買い物イベントの時期に円安が重なれば、財布のひもが緩む海外ユーザーにとって日本製品はとても魅力的に映ります。思考を変えるだけで、販路、商機は一気に増えるんです。

    越境ECを始める上で重要なことの1つに、思考のグローバル化もあげられるでしょう。特にアパレルECは世界トレンドで動いています。海外の買い物イベントに合わせて日本企業も動いていけば、商機は増えるのではないでしょうか。

    渡邉 EC事業の年間計画では、販促スケジュールを立てますよね。たとえばアパレル業界では、イベントが何もなかったり、2月・8月に売り上げが落ち込むといったことがあります。しかし、海外に目を向けていればどうでしょうか? 国内向けでは買い物イベントはなくても、海外で行われていればそこで販促活動を行うこともできるかもしれません。

    また、越境EC=外国人とイメージしてしまいますが、海外に住んでいる日本人もターゲットになります。その人たちにもきちんとアプローチをする手段にもなり得るわけですから。こうしたことを含めて、多くの事業者に、改めて可能なところから越境ECへ目を向けていただき、より安心安全な環境で海外マーケットのファン獲得にもつなげていただきたいと思います。

    [AD]
    石居 岳
    石居 岳

    OMO型店舗を拡大する青山商事、ネットとリアルの融合システム「デジラボ」を120店舗導入予定

    3 years 9ヶ月 ago

    青山商事は今期(2023年3月期)、「洋服の青山」120店舗にネットとリアルの融合システム「デジラボ」を導入する。2022年3月末時点で導入店舗数は155店舗。6月14日から順次開始し、来店した顧客に「洋服の青山」ならではの買い物体験を提供していく。

    「デジラボ」は、ネット連携による豊富な在庫数とリアル店舗の接客サービスの両メリットを最大限に生かした青山商事の独自システム。導入店の店内には、全店の在庫と連動するタッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を複数設置。顧客はこれらの端末を使い1000万点以上ある在庫のなかから好みの商品を選ぶことができる。

    青山商事が展開するネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」
    「デジタル・ラボ」のイメージ

    販売員の接客を受けながら商品の色柄や着心地などを確認した上で購入することも可能。システムを利用して商品を購入すると商品は自宅配送になる。購入後は手ぶらで帰ることができ、後日店に商品を受け取りに行く手間も不要となる。

    また、店舗とECサイトの両方を利用する併用顧客の拡大にもつなげている。

    「デジラボ」の導入店では、同じ色柄のスーツをサイズ別で保有する必要がなく、限られたスペースで多くの種類を陳列できることから、開始当初は主に都市部の売場面積100坪未満の狭小店を中心に導入してきた。ただ、ネット連携による豊富な品ぞろえと利便性の高さなどが反響を呼んでおり、現在では全国の大型・中型店への導入も進めている。

    システムを導入した店舗ではスーツ売り場の一部を縮小。オーダースーツコーナー・テレワークにも対応するビジネスカジュアル商品やレディース商品を拡充するなど、売り場の再構築を行っている。

    中期経営計画で掲げたOMO戦略による顧客接点の拡大では、店舗とECを相互利用する併用顧客を増やし、店舗とECそれぞれの売上高を拡大する方針を掲げている。「デジラボ」の導入で、在庫の縮小と売り場スペースの創出によって新アイテムやサービスを投入。接客端末などを活用したオンライン接客で、顧客接点を拡大していく。

    2022年3月期のEC売上は前期比横ばいの26億円だが、デジタル会員数は堅調に増加している。2021年3月末時点でメール会員、アプリ会員を中心としたデジタル会員は合計1283万人だったが、2022年3月末時点では前期比193万人増の1476万人に増加している。

    青山商事のEC売上高の推移と計画
    EC売上高の推移と計画

    メールアドレスなどの顧客基盤は拡大。「デジラボ」のECシステム利用売上も着実に増えているという。

    青山商事のデジタル会員の推移
    デジタル会員数の推移

     

    石居 岳
    石居 岳

    Hameeは化粧品事業を約100億円に拡大する計画。コマース事業の中期経営計画まとめ

    3 years 9ヶ月 ago
    Hameeが発表した3か年の中期経営計画では、最終年度のコマース事業における売上高は193億8300万円を計画。2022年4月期のコマース事業売上高は101億8900万円だったため、約9割増を見込む

    携帯ストラップの仕入れ販売から、現在は販売額全体の約9割を自社製品が占めるになったHameeのコマース事業。携帯ストラップからスマホ関連グッズに転換、自社製品の取り扱いによるD2C、量販店への卸販売といたオムニチャネルを展開してきた。そして今、進めているのが既存事業を生かした新規事業。化粧品市場への進出など、Hameeが進めるコマース事業の中期経営計画をまとめた。

    樋口敦士会長がモバイル周辺アクセサリーの企画・販売・ECを目的にマクロウィル有限会社を設立したのは1998年。2006年に商号をStrapyaNextに変更した当時、主力商材は社名の通り携帯電話用ストラップ。

    時代は変わり、市場ではスマホが台頭。Hamee(2013年に社名変更)もその変化に対応し、自社で企画したスマホケースなどのグッズを扱うようになる。

    かつては仕入れ販売が中心だったが、現在は販売額全体の約9割を自社製品が占める。価格競争の回避に加え、メーカーという立場から量販店への商品卸も手がける。量販店の流通網を活用しながら、リアルと卸、ネットのトレンドを把握して商品を展開するといったオムニチャネル的なビジネスモデルもHameeの強みである。

    Hameeが手がるコマース事業
    Hameeが手がるコマース事業(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

    そんなHameeのコマース事業が進めているのがスマホグッズに次ぐ収益の柱作り。2021年にゲーミングモニターブランド「Pixio」を展開するPixio USA Inc.と独占販売代理店契約を締結。ゲーミングアクセサリー事業を始めている。

    また、ライフスタイルブランド「iFace(アイフェイス)」から、コスメブランド「ByUR(バイユア)」を立ち上げ、コスメティクス事業(化粧品事業)に新規参入。2022年1月のリリース移行、ネット通販、卸販売を展開している。2022年2-4月期(第4四半期)には億単位の広告宣伝費を投下した。

    ゲーミングアクセサリー事業のCAGR(年平均成長率)は25%増を計画。2025年4月期の売上高は11億円まで拡大させる。

    ゲーミングアクセサリー事業の計画
    ゲーミングアクセサリー事業の計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

    大きな事業拡大を見込むのがコスメティクス事業だ。2023年4月期は7億円の売上高にとどまるものの、3か年の中期経営計画(中計)最終年度の2025年4月期は45億円まで拡大。2027年4月期は92億円の事業に育成する。

    コロナ禍で化粧品市場は顧客ニーズが変化、特に若年層における「綺麗な素肌を保ちたい」「メイク中も素肌に負担をかけたくない」といったスキンケアニーズが広がっている。

    ターゲットは、コマース事業のメインブランドで世界累計2000万個超(2020年12月末時点)を販売した「iFace」の主要顧客である若年層。「iFace」と親和性が高い分野であること、Hameeが保有する販売チャネルといったビジネスモデルを活用できるという。

    現在の取り扱い商品はベースメイクが中心。今後、スキンケア、カラーメイク、ヘアケアまで広げる。

    Hameeの化粧品事業の計画
    コスメティクス事業の計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

    「iFace」を中心としたモバイルライフ事業では、スマホケース以外の商品カテゴリーを強化する。「タブレットケース」「モバイルバッテリー」「PCケース」「AirPodsケース」のヒット商材を創出、全体売上高を拡大する。

    Hameeのモバイルライフ事業の計画
    モバイルライフ事業の計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)

    中計最終年度のコマース事業における売上高は193億8300万円を計画。2022年4月期のコマース事業売上高は101億8900万円だったため、約9割増を見込む。

    Hameeのコマース事業の業績計画
    コマース事業の業績計画(画像はHameeの中期経営計画から編集部がキャプチャ)
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    自社ECサイトでプライム会員の配送特典が受けられるAmazonの「Buy with Prime」でECの未来は変わるのか? | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

    3 years 9ヶ月 ago
    プライム会員の配送特典を自社ECサイトでも利用できるAmazonの「Buy With Prime」。このサービスの誕生でECの未来はどう変化するか? Shopifyとの関係性はどうなるのでしょうか?

    Amazonは、「Amazonプライム」の配送特典をAmazon以外のECサイトでも使えるようになるサービス「Buy With Prime」を発表しました。このサービスの誕生で、ECの未来はどのように変化するのでしょうか?

    自社ECサイトでもプライム会員特典が使える

    Amazonで頻繁に買い物をするユーザーであれば、「Amazonプライム」を利用している人は多いのではないでしょうか。

    送料無料で最短翌日に届くという利便性の高さから、一度利用すると離れられなくなるユーザーも多く、Amazon以外で買い物をしなくなるユーザーが増える要因の1つだと考えられます。

    「Buy With Prime」はAmazonのスピード配送、プライム会員向けの無料配送、「Amazon Pay」を活用したシームレスなチェックアウト体験、無料返品などを、自社ECサイトを運営する事業者に提供する新しい機能です。

    「Buy With Prime」の登場で、Amazonのサードパーティマーケットプレイスで販売する小売業者は、自社ECサイトに「Amazon プライム」を実装できるようになります。(参照元:https://www.aboutamazon.com/news/retail/prime-shopping-expands-beyond-amazon-com

    プライム会員のユーザーは、プライムのロゴが付いたECサイトでAmazonプライムでの購買と同じ体験を受けられるようになります。

    プライム会員の配送特典を自社ECサイトで提供できるAmazonの「Buy with Prime」とは
    「Buy with Prime」の表示イメージ

    決済から配送までAmazonのサービスを活用できる

    これまでも、Amazonの決済サービス「Amazon Pay」はAmazon以外のECサイトに提供されていました。

    「Buy With Prime」の登場によって、決済だけでなくフルフィルメントサービス(通信販売やECサイトにおいて発生する受注、決済、ピッキング、配送などの一連の業務を行うサービス)もAmazonのプラットフォームを活用できるようになり、EC事業者は自社で配送サービスを保有することなく、自社ECサイトの運営が可能になります。

    「Buy with Prime」のイメージ動画

    「Shopify」の登場によって、数百万円のサイト制作費をかけなくても自社ECサイトの開設・運営が可能になったように、「Buy With Prime」の導入で、自社で発送担当のスタッフを雇わなくても、自社ECサイトが運営できるようになるのです。

    これらはユーザーの利便性向上だけでなく、EC事業者の負担が減らせるというメリットがあります。(参考:「Buy With Prime」について

    「Buy With Prime」で“ECの覇者”の立場をより強固に

    Amazonは、物流の各機能を統合・高度化し、需要と供給の適正化をはかったロジスティクスおよびフルフィルメントサービスによって大きく成長し、他社を圧倒しています。

    2020年と2021年、Amazonは「アマゾンロジスティクス」の品質改善のため、800億ドルを費やしました。「Buy With Prime」によって、その投資が報われることになります。

    また、「Buy With Prime」は「Amazon Pay」のシェア率に大きな影響を与え、「Amazon Pay」を利用した決済の増加にもつながります。また、プライム会員の継続性向上や、新規会員の増加にもつながると考えられます。

    「Buy With Prime」はAmazonの“ECの覇者”としての立場を、より強固なものにする可能性が高いのです。

    AmazonとShopifyの対立構図が鮮明に

    Amazonの「Buy With Prime」開始を受け、AmazonとShopifyの対立構図がより鮮明になっています。

    ここ数年Shopifyはフルフィルメント部門とロジスティクス部門の強化をめざしており、投資を強化しています。直近でも、EC向けロジスティクスプラットフォームを提供するDeliverrの買収を決定したばかりです。

    ShopifyのCEOはツイッターで「Amazonは帝国を築こうとしており、Shopifyはそれに立ち向かうべく強化している」と語るほど、Amazonを意識した動きを見せています。

    現時点で、「Shopify」で構築したECサイトで「Buy With Prime」が利用可能かどうかShopifyは言及していません。しかし、Shopifyにとって「Buy With Prime」は多くのメリットがあるのも事実です。

    2億人を超えるAmazonプライム会員が、「Shopify」で構築したECサイトで商品を購入するようになれば、Shopifyの流通総額を増やす契機になるからです。

    Amazon依存のリスク

    一方で「Buy With Prime」をShopifyに導入することは、Amazon側に「Shopify」利用企業の情報や、販売している商品に関するデータを提供してしまうという懸念事項もあります。

    また、Amazonが「Shopify」を利用しているECサイトのデータを用いて、自社サービスの改善に活用する可能性もあります。

    まとめ

    現在、「Buy with Prime」のプログラムは招待制となっており、フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用していること、「Amazon Pay」に登録していることが導入条件です。

    すぐに導入できる事業者は少ないですが、EC事業者、顧客の双方にとって利便性が高まるサービスであることは間違いありません。

    これからのEC業界は、モール出品に依存しない小規模のECブランドが増え、個人や副業者でも物流コストをかけずにブランド運営が可能になる未来が訪れるかもしれません。

    森岡 健太郎
    森岡 健太郎

    ヤフー、画像解析クリエイティブガイドを公開

    3 years 9ヶ月 ago

    ヤフーが「業種別 画像解析クリエイティブガイド」を公開。人工知能による画像解析を通じて、クリックされやすい広告表現要素を明らかにした。

    業種別 画像解析クリエイティブガイド
    https://ads-promo.yahoo.co.jp/online/ai_image_template2022.html
    https://marketing.yahoo.co.jp/download/#creative

    noreply@blogger.com (Kenji)

    法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」とBtoB取引向け後払い決済サービス「GMO掛け払い」が連携

    3 years 9ヶ月 ago

    ECサイト構築プラットフォームを提供するecbeing(イーシービーイング)は6月14日から、法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」と、GMOペイメントサービス(GMO-PS)のBtoB取引向け後払い決済サービス「GMO掛け払い」を連携すると発表した。

    「ecbeing BtoB」を活用してECサイトを構築する事業者は、短期間・効率的に「GMO掛け払い」を導入できるようになる。

    経済産業省が発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、BtoC-EC市場規模は19兆2779億円、BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は334兆9000億円。

    BtoB、BtoCともにEC化が進むなか、ecbeingは法人向けECサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」を提供している。

    「GMO掛け払い」は、定期的に利用のあるルート営業の取引先、サブスクリプション型サービスの利用客など、オンライン・オフラインのBtoB取引で利用できるBtoB取引向けの後払い決済サービス。与信審査・請求書発行・入金管理・未入金時の督促といった業務をGMO-PSが代行する。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    人気記事トップ10

    人気記事ランキングをもっと見る

    企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored