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【ステマ検討会】インフルエンサーの4割「依頼があった」。規制必要で大半が認識一致、ステマの定義、対象の範囲などを検討 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 6ヶ月 ago
消費者庁が行った「ステルスマーケティングに関する検討会」において、大半の委員が「規制は必要」という認識で一致した。10月初旬にかけて実施する検討会でヒアリングを行い、2022年内をめどに報告書を作成する

消費者庁の「ステルスマーケティングに関する検討会」は9月16日、第1回会合を行った。規制の必要性については、大半の委員が「必要」との認識で一致。一方、ステルスマーケティング(ステマ)行為の解釈は幅広く、明確な定義はない。検討会では、ステマの定義など規制対象の範囲と考慮要素、実効的な規制手法を検討していく。

インフルエンサーの約4割が「ステマ依頼あった」

検討会は、10月初旬にかけて行われる第2回~第4回会合で事業者からヒアリングを実施。議論を踏まえ、年内をめどに報告書を取りまとめる。冒頭で河野太郎消費者担当大臣は、「ステマを依頼されたインフルエンサーがどう認識しているかかなり幅がある。必要があればなんらかの規制をすることも考えていかなければならない」と挨拶した。

ステマには、事業者が自ら表示しているにもかかわらず、第三者が表示しているかのように誤認させる「なりすまし型」と、第三者に金銭などの利益を提供して表示させ、その事実を表示しない「利益提供秘匿型」があるとされる。手法も、広告と明示しない有名人による商品・サービスなどの画像投稿SNSへの感想の投稿ECサイトのレビュー比較ランキングなどがある。

消費者庁がインフルエンサー300人を対象に行ったアンケート調査では、約4割が広告主からステマを依頼された経験があった。このうち約4割は依頼を受けて投稿していた。

通販新聞 現役のインフルエンサーに対するアンケート ステマを依頼された経験があるか
現役のインフルエンサーに対するアンケート(ステマを依頼された経験の有無)

景表法は、表示内容に「優良・有利誤認」がある場合に広告主を対象に規制できる。ただ、現行法は「広告」であることを“隠す行為”自体を対象に規制できない。OECD加盟9か国で、ステマに対する規制がないのは日本だけだった。

通販新聞 ステマに対する規制 OECD加盟9か国で日本のみ規制なし
OECD加盟9か国におけるステルスマーケティングに対する規制有無
(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

検討会「規制必要」で一致も、対象の範囲・行為の認識に幅がある

検討会では、規制が必要との認識では全委員の意見が一致した。ただ、規制対象とすべき範囲やステマの定義に関する認識では幅がある。SNSの普及により、消費者は情報の発信者にも受信者にもなりうる。インフルエンサーの収入(1か月)も「1万円未満」と「1万円~5万円未満」で少額なものが約6割を占める。

通販新聞 ステルスマーケティング検討会 インフルエンサーに対するアンケート インフルエンサーの収入について
現役のインフルエンサーに対するアンケート(インフルエンサーとして得る1か月の収入について)
(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

規制対象になる行為がどういうものか明確かつ限定的にして、消費者、事業者がわかりやすい予見可能性が保たれる必要がある」(新経済連盟事務局政策部・片岡康子氏)などの意見があった。広告主との関係性や利益提供の内容、契約実態、指示内容など不当性の考慮要素を明確にする必要があり、程度により悪質性も変わる。一方で「要件を細かくすることで新しい手法に対応できない後追い型の立法になる」(カライスコス・アントニオス京都大学大学院教授)との意見もある。

金銭などの利益を提供した上で広告主が指示した内容をレビュー投稿するような典型事例がある一方、知人の会社からもらった商品の使用感を投稿するものもある。限界事例(グレーゾーン)に対する認識は幅があり、社会的な許容の限度を議論し、規制手法を検討していく。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

ベガコーポレーションがリアル店舗に進出、めざすはEC+実店舗+卸売りの「OMO型D2C企業」

3 years 6ヶ月 ago

ベガコーポレーションは家具・インテリアのECサイト「LOWYA(ロウヤ)」の実店舗展開を始める。直営の実店舗を開業するのは創業以来初。

第1号店は、大和ハウス工業と西部ガスグループの西部ガス都市開発が事業主体となる福岡県福岡市の複合施設「研究開発次世代拠点」(2023年初春開業予定)に出店する。賃借面積は121.6坪。

コロナ禍以降、リアル店中心のプレイヤーがECを強化しているほか、経済のリオープニングに伴い、OMOが急速に進展する可能性があると判断。EC市場で培ったアセットを最大限に生かしてリアル店舗の展開を進め、OMO体制を構築する。

ベガコーポレーションは9月、創業以来初となる卸販売を開始。第1弾の卸先はイオンリテールで、千葉市の「イオンスタイル幕張新都心」内に「LOWYA」とイオンのホームファッションブランド「ホームコーディ」がコラボした売り場の展開を始めた。

コロナ禍を経て多様化する暮らしのなか、顧客がより“インテリアを自由気ままに”選べる環境づくりをめざし、目で見て触れ、安心して購入できる場を増やすことを決断。顧客とのコミュニケーションを強化するために、実店舗で初めて展示・販売をすることにした。

「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの実店舗戦略 事業戦略の骨子
事業戦略の骨子

立て続けに卸販売の展開、実店舗展開を決断したのは、リアルなタッチポイントを創造し、新たな買い物体験ができる場所を作るため。リアル・デジタルの両側面から“次世代のライフスタイル”を発信する「OMO型D2C企業」をめざす。

リアル店舗戦略はECで培った3つのアセットを活用

まず、旗艦店会員119万人、Instagramフォロワー80万人超、強いSEOなど、オンライン上の顧客基盤を実店舗への「送客力」として使う。大量の商品を容易に比較でき、トレンドと機能性を押さえた「商品デザイン力」、価格弾力性の高いEC市場を勝ち抜いた低価格でコストパフォーマンスの良い商品を生み出す「商品企画力」の強みを生かす。

「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの実店舗戦略 リアル店舗戦略
リアル店舗戦略

認知・購入・受け取りチャネルに直営店・卸の選択肢を追加することで、一気にチャネルを複線化することで、OMO体制の構築を図っていく。

「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの実店舗戦略 OMO体制の構築
OMO体制の構築

現状、ECによる家具・インテリア市場および関連する家電・雑貨領域の市場規模を合計すると約7300億円。リアル店舗への進出を図ることで、市場規模は現状の約6倍となる4兆3000億円に拡大する見込み。

「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの実店舗戦略 ターゲット市場
ターゲット市場

さらに、リアル店舗への進出はECサイト「LOWYA」の認知拡大にも寄与すると見ている。

「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの実店舗戦略 リアル店進出の認知度向上効果
リアル店進出の認知度向上効果

自社ECの中期戦略

自社ECの中期戦略は、リアル店の本格検討に伴い一部見直す。商品数・品目は引き続き拡大する方針だが、商品数に重きを置かず、重点品目を中心に厳選した商品を展開。ECとリアル店との連動施策も開始し、ECのみでは満たせなかった顧客ニーズに対応する。

ベガコーポレーションは直営店の開設を機に、新たな顧客との接触機会の増加、既存顧客に対するサービス強化を狙い、リアル店舗での販売を順次拡大する。ECに軸足を置きながらもOMO施策に取り組み、新たなビジネスモデルを構築していく。

「LOWYA」を展開するベガコーポレーションの実店舗戦略 旗艦店(自社EC)戦略
旗艦店(自社EC)戦略

 

石居 岳

「Google Merchant Center」の登録を忘れずに! 自社ECサイトのSEOでやっておきたい5つのこと【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years 6ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年9月19日〜25日のニュース

自社ECサイトのSEOはやることがたくさんあります。1つだけを見ていると、どこかがおかしくなってしまいますので、「SEO」「広告」「見せ方」のバランスをとりながら。

自社ECサイトのSEOは商品詳細ページの最適化とカテゴリ設計から

自社ECの場合はSEOとリスティング広告での集客が基本ですよね。といっても、初めての場合はわからないことだらけですし、わかっているつもりでもやれていないことも多いです。基本を振り返るのに良い記事がありましたのでまとめて紹介します。

ECサイトで押さえておきたい5つのSEO施策 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/23506

ECサイトに集客するには、まず検索エンジンに商品やサービスを理解してもらい、その上でユーザーを「買いたい」気持ちにさせ、行動変容を促すことが重要です。そのためのSEO施策5つを紹介します。

①商品詳細ページの最適化
②カテゴリ設計
③構造化データマークアップ
④Merchant Center(マーチャントセンター)
⑤集客コンテンツの作成

超基本です。本当に基本。まずはこの記事を読んで全体観をつかんでおきましょう。怪しげなSEOの記事を読む前に必ずやってほしいことが書かれています。構造化マークアップはちょっと難しいかもしれませんが、それ以外の4つは必須です。商品詳細ページの最適化は楽天市場などのモールとはちょっと違いますので注意。キーワードを詰め込み過ぎてはいけません。

個別に説明している記事がありましたので、細かいところはそちらで説明します。

【ネットショップ用 SEOの基本 #1】SEO初心者は、まずは「2種類の検索」を意識しよう | コマースデザインhttps://www.commerce-design.net/blog-staff/220820-google-seo-for-ec01/

ネットショップが意識すべきは、今からお話する2種類だけでいいと思います。

1つは買い物をするための検索、もう1つは調べ物をするための検索です。「買い物検索」と「情報検索」と言えます。

大きく分けてこの2つで良いと私も思います。細かく分けるのはこの2つができてから。「買い物検索」は競合が多いのですぐに結果が出なくてもあきらめないこと。「情報検索」も買い物につながらないこともありますが、こちらもあきらめないこと。広告のようにすぐに結果が出ないのがSEOなので、じっくり取り組みましょう。

Google Merchant Centerの始め方|商品登録の方法やGoogle 広告とのリンクまで分かりやすく解説|アナグラム株式会社
https://anagrams.jp/blog/how-to-start-google-merchant-center/

Google Merchant Centerを利用してできること

具体的には次のような利用方法が挙げられます。

・ショッピング広告の掲載
・動的ディスプレイ広告の掲載
・無料リスティングへの掲載

Google Merchant Centerではこの3つができるんですよね。「無料リスティングへの掲載」がSEOにあたります。Googleが提供しているEC用のサービスなので、利用することを強くおススメします。Googleの検索結果にも出てきますし、ここに登録したデータから広告を配信することもできます。

難しいのは商品フィードの作成ですが、ほとんどのASPカートでは準備されていますので、サポートなどに問い合わせればうまくいきます。広告との連携もありますので、広告運用者と打ち合わせをしながら進めていきましょう。

自社ECサイトの商品ページやカテゴリーページはSEOと広告に大きく影響してきます。見せ方の工夫も大切ですが集客のことも考えて作っていきましょう。SEOだけ考えてもいけませんし、見せ方だけを考えてもいけません。常に全体のバランスを見ながらですね。

今週の要チェック記事

Web広告って出すべきなの?ネットショップの広告運用について川手さんに聞いてみた。 | よむよむCOLOR ME
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/87376

ROAS=広告費の回収率を見ながら運用すれば大きく失敗することはないはず。

カウシェ社長・門奈剣平。“1人では買えない”ソーシャルECがユーザーと事業者にもたらす新たな可能性 | おかねチップス
https://okanechips.mei-kyu.com/the-pioneer/5709/

「C2M」(Consumer to Manufacturer=消費者から製造者へ)。ちょっとだけ気にしておきたい言葉です。

コマースの今後10年の歴史を創るために | MakeShop
https://www.makeshop.jp/main/lp/next_ec/

MakeShopさんが大きく変わるようです。ECはどんどん機能追加されるのでどこかでこうなりますよね。

ドミノ・ピザ執行役員6人らが1日ガチで店舗運営したら? クルーもびっくり!?プロダクト評価5点満点中4.8点 売上3倍!お客様満足度2倍!と爆上がりに! | ドミノ・ピザ ジャパンのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000029053.html

これは面白い企画! かといってECの世界ではすぐにやることが変わるので同じことはできないかも。

ACE 公式 楽天市場店リニューアル内容を解説!課題と実行内容まとめ | コマースメディア
https://commerce-media.info/blogs/ec/ace-renewal

コマースメディアさんにて記事にしていただきました。2022/09/15 | 北山 浩 | note
https://note.com/ec_zoe/n/n66e549f005da

最終的には「誰とやるか」ですよね。「外注にやらせる」という感覚ではうまくいきません。

今週の名言

データはとるけど、データを捨てろ!オウンドメディアに必要なのは手段ではなく目的。記事もメディアもDIYし続ける「となりのカインズさん」編集長 清水 俊隆さん | Marketeer
https://marketeer.jp/shimizu/

ちゃんとPV数が伸びて売上貢献やその他の目標を達成しているからこそ「遊び」に対してリソースを割けるわけです。その「遊び」がまた次の仮説や気づき、新たなチャンスやプロジェクトにもつながります。

会社でやるからには結果を出すのが大前提。SEOも広告も結果が出てきたら好循環になるはずです。

筆者出版情報

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ECの舞台はPCからスマホへ。SNS、フリマ、決済などさまざまなアプリが登場【通販の歴史 2010年代】 | 通販の歴史

3 years 6ヶ月 ago
スマホやLINEを初めとしたコミュニケーションアプリが普及した2010年代。決済アプリ、フリマアプリも盛り上がったが宅配クライシスも発生した(連載第11回)
ネッ担まとめ

2010年代の変化と言えば筆頭にあげられるのはスマートフォンの普及だ。便利なアプリが次々と登場するなか、EC事業者にとっては顧客の接点が増えることとなり、「オムニチャネル」という言葉が一般化した時代でもあった。

スマートフォンが一気に普及

モバイル社会研究所の調査によると、2010年時点、携帯電話やスマートフォンを所有している人のうち、スマホを所有しているのはたったの4.4%だったが、ユーキャンの新語・流行語大賞に「スマホ」がトップテン入りした2011年以降、それまで一部のガジェット好きのものだったスマホが広く一般にも普及し始め、2020年には88.9%まで増加した。

ケータイ・スマートフォン所有者のうちのスマートフォン比率
ケータイ・スマートフォン所有者のうちのスマートフォン比率(調査対象:全国・15歳~79歳の男女)
※モバイル社会研究所(NTTドコモ)「2010年-2022年一般向けモバイル動向調査」より編集部でキャプチャ

コミュニケーションはmixiからLINEへ

2010年代初頭、隆盛を誇っていたSNSはmixiだった。当時のユーザー数はおよそ2000万人

登録しているSNS
登録しているSNS(複数回答可/n=703)
※「インターネット白書2010」より編集部でキャプチャ

しかし2012年にはFacebookがMAUでmixiを抜く。同じ頃、米FacebookはInstagramを10億ドルで買収した。Instagramによって「映える(ばえる)」という言葉が生まれ、2017年には「インスタ映え」が新語・流行語大賞を受賞した。2010年代も後半になるとTikTokが登場し、徐々に利用者を増やしていく。

使用しているSNS/コミュニケーションサービス
使用しているSNS/コミュニケーションサービス(2014年〜2019年)
※MMD研究所から編集部でキャプチャ

2010年代にもっともユーザー数を伸ばしたのはLINEだ。LINEは2011年6月、「グループ会話サービス」としてネイバージャパンから誕生(LINEの社名は2013年から)。同年10月に無料音声通話機能とスタンプ機能を追加した。

ローンチ当時のLINEの画面
ローンチ当時のLINEの画面イメージ
※INTERNET Watchから編集部でキャプチャ
2013年1月には登録ユーザー数が世界で1億を突破し、2019年には国内MAUが8000万人に到達。2019年の総務省の調査ではLINEの利用率が86.9%と最も高く、Twitterが38.7%、Instagramが37.8%、Facebookが32.7%と続いている。
表 5-1-1 【令和元年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)
主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別/2019年度)
※「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(総務省)から編集部でキャプチャ

いずれのアプリもコミュニケーションや情報発信のツールとして誕生したが、それぞれのユーザー特性に合わせて徐々に機能を追加し姿を変えていく。LINEは企業のマーケティングにも活用され、2017年6月には経由して買い物することでLINEポイントがもらえるLINEショッピングを開始した。2018年6月、Instagramは米国で同年3月から開始していたショッピング機能を日本でも開始した。

○○Pay戦国時代

2010年以前にサービスを開始していたドコモケータイ払いサービス(現、d払い)、ソフトバンクまとめて支払い、auかんたん決済などのキャリア決済に加え、2014年から2019年にかけては多くのID決済/コード決済サービスが誕生した。

  • 2014年……リクルートかんたん支払い(4月)、Apple Pay(10月)、LINE Pay(12月)
  • 2015年……Amazon Pay(5月)、Android Pay(9月)
  • 2016年……楽天ペイ(10月) ※ID決済としての「楽天あんしん支払いサービス」は2008年10月〜
  • 2018年……PayPay(10月)
  • 2019年……メルペイ(2月)

2018年、ソフトバンクとヤフーの共同出資会社でPayPay株式会社が設立され、PayPayの提供を開始。12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」を開始した。当初のキャンペーン期間は2019年3月末までだったが、10日間で終了するほどの盛り上がりを見せた。

PayPayキャンペーンの終了を告知するページ
キャンペーンの終了を告知するページ(当時)

PayPayは2019年2月からはYahoo!ショッピングとヤフオク!を皮切りにオンライン決済に対応した。同じ2019年2月にはメルカリがメルペイを開始。5月にはオンライン決済に対応している。

2019年10月、消費税が10%に引き上げられ、経済産業省による需要平準化対策として「キャッシュレス・ポイント還元事業」が始まった。キャッシュレス・ポイント還元事業は、消費税率引き上げ後の9か月間、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する事業。

同事業の結果について、一般社団法人キャッシュレス推進協議会は、「20代から60代の5割前後、10代と70代以上の3割程度が還元事業をきっかけにキャッシュレスを始めた」「還元事業参加店の46%は売上に効果があった」と発表した

CtoC-EC市場の誕生

2013年にメルカリがサービスを開始。2018年までの5年間で日本国内で7100万ダウンロード、世界合計で1億800万ダウンロードと急成長した。

メルカリのダウンロード数とMAU(2013年〜2018年)
メルカリのダウンロード数とMAU(2013年〜2018年)
※メルカリから編集部でキャプチャ

メルカリ以外のCtoC-EC動きとしては、2012年に誕生したフリルと楽天のラクマが2018年に統合された。ヤフーには1999年から続くYahoo!オークション(現、ヤフオク!)があるが、2019年10月にPayPayフリマを開始した。

2010年代のEC市場の動き

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の調査によると、2010年度の通販市場売上高は4兆4600億円、2019年度は8兆8500億円と、およそ倍に成長した。

通信販売売上高と伸び率(2010年から2019年)
出所:「2019年度通販市場売上高調査」(JADMA)

通販新聞社がEC・通販売上上位300社の合計売上高を調査したでも、2011年12月時点では4兆57947億円で、8年後の調査では8兆5927億円だった。市場の成長はAmazonの成長によるところが大きい。

売上上位10社と売上高

2011年と2019年の売上上位10社と売上高(推定値含む/単位:百万円)
※通販新聞社が2011年12月発表した「第57回通販・通教売上高ランキング」と、2019年7月発表の「第72回通販・通教売上高ランキング」をもとに編集部で作成

宅配クライシス

EC市場の拡大に伴い、宅配便の取扱い個数は2010年の32億個から2019年の43億個に急増した。物流業界ではドライバー不足が深刻化し、国土交通省では2015年から再配達の削減に動いた

国と業界をあげて宅配ロッカーの設置や受け取り方法の多様化などを模索してきたが、2017年にヤマト運輸が労働環境の改善を理由に荷受量を抑制。後のいわゆる「宅配クライシス」に発展した。

この問題を受け、国土交通省では2017年10月時点で16%だった再配達率を2020年度までに13%程度までに削減する目標を立てた。2019年の再配達率は15%だったが、2020年は新型コロナウィルスの影響で8.5%に激減することとなった。

法改正と新制度のスタート

2014年6月、医薬品のECに関するルールを盛り込んだ改正薬事法が施行され、一般医薬品のネット販売が解禁された。これに伴いアスクルが第1類医薬品の販売を開始した。同年11月には薬事法の名称が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変更され、「薬機法」と呼ばれるようになった。

2015年4月には機能性表示食品制度がスタート。事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性をパッケージに表示できるようになった。

2017年9月、医薬品等適正広告基準が改定され、不適正な広告表現が規定された。同年12月には平成28年改正特定商取引法が施行され、定期購入契約について、支払総額や契約期間などの販売条件を明記することが義務化された。これは顧客の意に反して売買契約の申し込みをさせようとする行為を禁止するものであり、背景には消費者庁に寄せられた相談件数の急増があった。

定期購入に関する相談(2012年から2016年)
※「平成29年度消費者白書」を元に編集部で作成

2010年代 そのほかのできごと

  • 2010年(平成22年)ジェイド(現ロコンド)トゥ・ディファクトらが創業。「茶のしずく石鹸」問題発生
  • 2011年(平成23年)イーベスト、プロビジョン、ファッション・コ・ラボなどがオープン。佐川急便が通販事業者向け商品引取サービスを開始。
  • 2012年(平成24年) 資生堂、武田薬品工業、第一三共ヘルスケア、江崎グリコなどが通販参入。トランスコスモスが日本直販を完全子会社化。ヤフーがアスクルに出資(2015年に連結子会社化)。楽天がケンコーコムを子会社化、スタイライフに出資。日本アフィリエイト協議会発足。「BASE」「stores.jp」など無料のECサイト構築システムが登場
  • 2013年(平成25年)リクルートライフスタイルが「ポンパレモール」開始。ヤフーが「Yahoo!ショッピング」の出店料を無料化。NTTドコモがマガシークを買収。ディノス・セシールがイマージュのファッション通販事業を取得。千趣会が主婦の友ダイレクト(現、ベルネージュダイレクト)を子会社化。ジャパンEコマースコンサルタント協会が発足
  • 2014年(平成26年)セブン&アイホールディングスがニッセンホールディングスを連結子会社化。アイスタイルがビューティー・トレンド・ジャパンを完全子会社化。クックパッドがセレクチュアーを子会社化。ベネッセコーポレーションで大規模な個人情報流出が発生
  • 2015年(平成27年)トランスコスモスがザッパラスのネット通販事業を買収。健康コーポレーションが夢展望を買収。第一三共ヘルスケアがアイムを買収。HNHPlayArtがSAVAWAY(現、NHNテコラス)を買収。スタートトゥデイがアラタナを買収。ベネッセコーポレーションによる大規模な個人情報流出が発生。日本通販CRM協会が発足。Amazon Payがサービス開始。LINE@オープン化
  • 2016年(平成28年)オフィス用品のプラスがニッセンの家具通販事業とオフィス向け家具通のオフィスコムを買収。楽天がケンコーコムを完全子会社化。DeNAが運営する医療健康情報サイト「WELQ(ウェルク)」の記事を巡り、いわゆる「WELQ騒動」が発生
  • 2017年(平成29年) Shopifyが日本法人Shopify Japanを設立。ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)発売。Amazonプレッシュスタート。Wowma!(現au PAY マーケット開始)。アスクルの物流倉庫で火災発生
  • 2018年(平成30年)PayPayがサービス開始、ワークマンが「WORKMAN Plus」を開始
  • 2019年(平成31年/令和元年)ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEが経営統合を発表。キャッシュレス・消費者還元事業
内山 美枝子

ヤマダHD、部屋探しアプリ運営企業と業務提携。グループDX推進&若年層ユーザーをヤマダ経済圏へ

3 years 6ヶ月 ago

ヤマダホールディングスは9月26日、不動産業界のDXを推進している部屋探しアプリ「カナリー(Canary)」を運営するBluAgeと資本業務提携を締結したと発表した。

提携によって、ヤマダHDグループ全体のDX推進と、「カナリー」の若年層ユーザーをヤマダ経済圏へ取り込む。

ヤマダHDグループのDX推進を加速

提携における1つ目の狙いは、グループ横断的にDXを促進すること。デジタル人材の活用、運用、活用に強みをもつBluAge内にDXチームを確保して実質的な内製化を行う。

ヤマダHDはDX推進チームの実質的な内製化を図る

DXの推進によって、EC売り上げ、一店舗当たりの売り上げ、顧客1人当たりの売り上げなどの拡大と、業務効率化による収益率の向上をめざすす。

ヤマダHDとBluAgeとの間で合意している業務提携の内容は、以下のとおり。

  • ECの強化およびOMO(オンラインとオフラインの融合)の推進
  • DXを活用したアプリ刷新、業務効率化ツールの開発
  • 広範囲の顧客データを融合、整備したCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の構築
  • ヤマダHDグループ全般のDX推進

取り組みの詳細は今後、両社で協議していく予定だ。

若年層ユーザーのヤマダ経済圏流入を狙う

提携における2つ目の狙いは、今後さらに拡大していくスマホネイティブ世代に対して、最適な購入経路を提供し、「カナリー」のユーザー、つまりは今後のマーケットの主要ターゲットとなる若年層をヤマダ経済圏に取り込むこと。「カナリー」の利用者は8割超が20~30代となっている。

「カナリー」のユーザーは若年層が大半を占めている

調査会社の発表によると、家電・家具を購入したくなるタイミングは「引っ越しをするとき」が51.7%で、最も多いという。

BluAgeが配信する部屋探しアプリ「カナリー」は、従来の不動産仲介におけるさまざまな問題をITの活用で解決するサービス。ダウンロード数は顕著に増加傾向をみせている。

アプリ「カナリー」の利用者数は右肩上がりに増加している

 

高野 真維

問題:人気ECサイトで「送料無料」は200サイト中いくつあるしょうか?【PDF資料無料提供】

3 years 6ヶ月 ago
インプレスビジネスライブラリーより無料でダウンロードできるECサイトの送料調査に関するPDF資料のご案内
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ECサイトに欠かせない「送料」。いま人気のEC サイトはどのように送料を設定しているのでしょうか? 編集部ではトップ200企業が運営する200サイトについて、どのように送料を設定しているかを調査しました。

PDFのダウンロードはこちら 「Impress Business Library」(インプレス・ビジネスライブラリー)に移動します

 

調査対象としたのは『月刊ネット販売』(宏文出版刊)の2021年10月号に掲載されている「第21回ネット販売白書」において、EC売上高上位200社が運営する200のECサイト(調査期間:2022年4月1日〜4月20日)。

各サイトの送料についてのページの記載を一覧表にまとめ、①送料を徴収していない(店舗受取を除く)、②固定の送料を設定し、送料無料ラインも設けている、③送料は都度算出し、送料無料ラインも設けている、④固定の送料を設定し、送料無料ラインは設けていない、⑤送料は都度算出し、送料無料ラインも設けていないの5つに分類し、結果を分析しました。

このPDF資料にはその一覧表と分析結果のグラフが掲載されています。

  • 送料無料としているサイトの一覧
  • 送料無料ラインを設定しているサイトがどれくらいあるのか
  • 設定しているサイトとしていなサイトの比率
  • 送料無料ラインの平均はいくらなのか
  • 送料無料ラインの最高値と最低値はどのサイトなのか
  • 商材ジャンル別、送料一覧

といったことが掲載されています。

「ECサイト送料大研究」誌面イメージ1
「ECサイト送料大研究」誌面イメージ2
誌面イメージ

「自社サイトの送料を再考したい」「送料についての業界のトレンドを把握したい」といった方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。

 

「ECサイト送料大研究」
PDFのダウンロードはこちら 「Impress Business Library」(インプレス・ビジネスライブラリー)に移動します
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内山 美枝子

消費者に最も人気の広告媒体はアマゾン

3 years 6ヶ月 ago

カンターのレポート「Media Reactions 2022」によると、世界の消費者に最も人気がある広告プラットフォームはアマゾンで、ティックトックを抜いた。マーケターに最も人気があるのは引き続きインスタグラム。

Revealed: The top-ranking media channels and brands for 2022
https://www.kantar.com/inspiration/advertising-media/revealed-the-top-ranking-media-channels-and-brands-for-2022

noreply@blogger.com (Kenji)

「LOWYA」のベガコーポがBtoB販売に進出、卸先の第1弾はイオン。めざすは「ネット専業D2C企業」から「OMO型D2C企業」

3 years 6ヶ月 ago

家具・インテリアのECサイト「LOWYA(ロウヤ)」を運営するベガコーポレーションは、創業以来初となる卸販売を開始した。

第1弾の卸先はイオンリテール。千葉市の「イオンスタイル幕張新都心」内に、「LOWYA」とイオンのホームファッションブランド「ホームコーディ」がコラボした売り場の展開を9月23日に始めた。

ベガコーポレーションはオンラインを中心に約18年、家具アイテムを販売。コロナ禍を経て多様化する暮らしのなか、顧客がより“インテリアを自由気ままに”選べる環境づくりをめざし、目で見て触れ、安心して購入できる場を増やすことを決断。顧客とのコミュニケーションを強化するために、実店舗で初めて展示・販売をすることにした。

イオンリテールは今後、「イオン」「イオンスタイル」店舗へ順次導入を進めていく。「ホームコーディ」と「LOWYA」の家具で、ファミリー向けから1人暮らしまで対応するコーディネートを提案。「食べる」と「くつろぐ」という切り口の合計13のスタイルで、家具を展示販売する。

ベガコーポレーションの浮城智和社長は次のようにコメントしている。

ネット専業であるがゆえに、お客さまからの「実物が見たい」という要望をいただいていた。この機会に、より多くのお客さまに実物に触れていただきたいと考えている。そのタッチポイントとして小売業界最大の企業であるイオンリテールのモール型ショッピングセンター内に売り場を持つことができ、大変うれしく思っている。イオンリテールとの取り組みを皮切りに、今後「LOWYA」がリアルなタッチポイントを創造し、お客さまとの新たな体験作りができる場所をつくっていくことをめざし、ベガコーポレーションが本社を置く福岡エリアに直営店を構える構想を計画している。「LOWYA」は継続してECに軸足を置きながら、リアル店舗を始めることで、リアル・デジタルの両側面から“次世代のライフスタイル“を発信していく。

石居 岳

佐賀市が運営する通販サイトはなぜ2年足らずで閉鎖したのか | 竹内謙礼の一筆啓上

3 years 6ヶ月 ago
佐賀市の特産品通販サイト「さが きゃあもん か~と」の敗因と、コストをかけずにEC事業を立ち上げるアイデアを解説(連載第22回)

佐賀市が運営する特産品の通販サイト「さが きゃあもん か~と」が、運営開始から1年10か月で閉鎖することになった。使った予算は2850万円。対して期間内の売り上げは230万円。9月5日に行われた市議会経済産業委員会でこの事案が取り上げられ、委員から「あまりにもずさん」「事前調査がなっていない」と厳しい言葉を浴びせられたことがネットニュースで話題になった。ネットショップのコンサルタントとして気になるテーマだったので佐賀市を取材した。

サイトを立ち上げたコロナ禍の2020年は、全国の自治体で特産品を販売するネットショップが次々にオープンしました。そのなかに埋もれてしまったことが、売り上げが伸び悩んだ要因だと思っています。

運営を担った佐賀市観光協会の流通課の担当者は、そう声を落とした。「他に考えられる要因は?」と尋ねたところ、少し間を置いてから「何が要因だったと思いますか?」と逆に質問を受けてしまった。「うまくいかなかった理由をちゃんと分析して、次に生かしたいんです」と言う。正直、取材前までは、観光協会の人は他人事のように捉えているだろうと思い込んでいた。しかし意外にも失敗に真摯に向き合っていることに驚かされた。

さが きゃあもん か~と
「さが きゃあもん か~と」https://sagacomeon.official.ec/

次に運営元の佐賀市役所の観光振興課を取材し、2850万円の予算の使い道を尋ねた。

サイト制作費と約2年間の人件費で1000万円ぐらいかかりました。残りの1800万円はGoogleやYouTubeの広告、割引キャンペーンを行った際の負担金のほか、佐賀ゆかりのタレントを起用したPR動画の制作費に使いました。

撤退の要因を聞いたところ、「今思えば、いろいろやり方はあったと思います」と、次のように語ってくれた。

自社サイトではなく「楽天市場」などのモールに出店していれば結果が変わっていたかもしれません。ネット通販に詳しい専門家の力も借りるべきだったと思います。でも、ランニングコストはできるだけ抑えたかったので、そこまでお金をかけるには至りませんでした。

要因① 予算

商品力が弱い食品の商品ページは難しい

佐賀市の通販サイトは、なぜ、うまくいかなかったのか。要因は3つ考えられる。1つは、「予算が少なすぎた」という点である。今回はサイト制作と人件費合わせて1000万円ということだったが、ここはネットショップの制作費だけで1000万円は欲しいところである。

「そんなにお金がかかるの?」と思われるかもしれないが、食品のネットショップは他の商材に比べてページ制作にコストと時間がかかる訴求力の高い説明文やキャッチコピーを制作しなくてはいけないし、美味しそうな写真も撮影しなければいけない他の商品カテゴリーよりも1つの商品ページを作る労力がかかることは、食品のネットショップの大きな特徴だ

北海道のカニや山梨県のシャインマスカットなどであれば、ブランド力があるのでページ制作にそこまで力を入れなくても良い。検索でも売れるし、広告でも見栄えがいいので、商品ページはそこそこのレベルでも売れてくれる。しかし、佐賀市がネットショップで販売する特産品は海苔や饅頭である。よほど高いレベルの商品ページを作らなければ、お客の「買いたい」というスイッチを入れることはできない

商品力が弱い場合、商品ページに力を入れなければ売れないというのはネット通販の鉄則だ。そうなると必然的にコストが上がり、比例して制作予算が上がることになる。

制作費は急騰中

ホームページの制作費が急騰していることも予算が高くついてしまう要因の1つだ。コロナ前に比べて1.5倍ぐらいに相場が跳ね上がっている。さらに食品は商品点数も多いためにページ数も多い。最低でも1000万円ぐらいの予算を確保していなければ、売れるサイトを作ることは難しいだろう。

人件費は1500万円を確保したい。食品のネット通販は高いプロデュース能力が求められる。ヘッドハンティングして引き抜かなければ採用できない人材だ。Eコマース業界の中でも食品の販売はトップレベルのスキルが必要であり、優秀な人材の確保なしにネットショップの成功はあり得ないと断言していい。

特産品のサイト運営には、商品企画力とネットショップ運営の両方のスキルを持ち合わせた稀有な人材の確保が絶対条件となる。ネットショップ業界でも高い報酬の部類に入る年収800万円クラスの条件を提示しなければ、引き抜くことはまず難しいだろう。

「欲しい」と思わせるスキルと施策

他にも優秀なWebデザイナーが必要である。「美味しそう」「買いたい」と思わせるページ作りには高い制作スキルが求められる。食品のネット通販の場合、外部の制作会社への委託は止めた方が良いだろう。売り手側の意図が伝わりにくく、通り一辺倒なページしか作れない可能性が高いので、インハウスで作る体制を整えた方が良い

本来ならばSNS運用専属の人材も確保したいところだが、とりあえずそれらの業務を兼務してもらうという条件で、ネットショップ担当者とWebデザイナーを合わせて2、3人。年間1500万円の人件費、2年で3000万円の予算を確保したい。

広告費は年間で1000万円はかかるだろう食品は検索されにくい商品なので、よほど知名度のある食品でない限り、SEOや検索連動型の広告は効率が悪い。「楽天市場」のようなプッシュ型の広告メニューが多いサイトへの出店が条件となり、相当な広告費を覚悟したうえで、ネットショップを運営しなければいけない。

本当に必要だった予算は……

これらの予算を加味した上で筆者が「佐賀市の食品をネットで売る」と仮定した場合の予算を考えると下記のようになる。

  • ネットショップの制作費……1000万円
  • 2年間の人件費……3000万円
  • 2年間の広告費……2000万円

このように2年間で最低でも6000万円ぐらいの予算がなければ、売れるネットショップを構築することはできない。そう考えれば、佐賀市の「2850万円」はネットショップを軌道に乗せるには厳しい予算だったということがわかる。むしろ、この予算で230万円の売り上げを素人集団で作ったのであれば、「よくやった」と言えるレベルなのではないだろうか。

要因② 戦略

2つ目の敗因は「戦略が甘かった」ことである。コストをかけたくないという理由で、無料でネットショップが始められるBASEを選択した事情は理解できる。しかし、食品は検索されて売れる商品ではない。有名なインスタグラマーやYouTuberを抱えていれば自社サイトでも売り上げを作ることができるが、特殊な人材が運営スタッフにいなければ、トラフィックが多い「楽天市場」にネットショップを構えた方が得策だ。

有名人に動画で特産品を勧めてもらうという戦略もやや安直だったと言える。誰かに紹介してもらうという売り方は継続するなら効果を発揮するが、単発では一過性の売り上げしか作ることができない。また、GoogleとYouTubeの広告も、食品の販促にはあまり向いていない。

食品ECで利益を出す王道とは

リピート客作りの戦略もおろそかになってしまった点も否めない。広告で集客し、20%オフの送料無料で販売すれば、粗利が薄い仕入れ食品は大赤字になる。しかし、味を気に入ってもらったりネットショップのコンセプトに共感してもらえたら、継続して商品を買ってもらえるようになる。結果的にリピート客が増えていけば先行投資の赤字は少しずつ解消されていく。これが食品通販で利益を出す売り方の王道だ。

問題はこのリピートをどうやって作るかである。同じ商品で同じ売り手であれば「ネットショップが好き」「売っている人が好き」でファン化してリピート客を作ることができる。しかし、今回のようにさまざまな食品を取り扱う総合通販型のサイトの場合、お客にファンになってくれる理由が「佐賀市」だけになってしまい、地域に愛着がない市外、県外の人はファン客になりにくくなってしまう。

ましてや地域のお土産屋さんやアンテナショップ、他の通販サイトでも売られている食品であれば、リピートで買ってくれる可能性はさらに低くなる。「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」であればポイントが貯まるのだから、ポイントが付かない自社サイトで商品を買い続けてもらうことは難しい。

新規顧客20人ぐらいに買ってもらったとしても、そこからリピート客になるのは1人いるかいないかの確率だろう。メルマガやSNSが相当魅力的であれば、もう少しリピート率を上げることができるかもしれないが、素人が運営するのであればかなりハードルは高い。

「ここでしか買えない商品」が不可欠

リピート率を上げるにはそのネットショップでしか買えない限定商品が必要不可欠だ。どこにでも売っているような商品であれば、「楽天市場」や「Amazon」のネットショップに浮気されてしまう。味が気に入っても他の店舗にお客が奪われてしまっては、広告費を投資すればするほどお客に逃げられる構図になる。

そうなると「さが きゃあもん か~と」でしか買えない魅力的な限定品を、1年間でどのくらい作れるのかにかかってくる。そのあたりの販売戦略をしっかり組み立てていたのかは検証する必要がある。

要因③ 意識

最後の敗因は「ナンバーワンになる意識が低かった」という点だ。ネットショップ運営の初心者にありがちな考え方に「そこまで高い売り上げは望んでいない」というものがある。「月に100万円売れればいいんです」「たくさん売れなくてもいいんです」などと、「高い売り上げを望まない=頑張らなくてもいい」という図式になってしまい、中途半端なお金と時間の投資で終わらせて、ネットショップの運営に失敗するケースは少なくない

ネットショップは優れた1店舗にお客が集中するため、売れるネットショップと売れないネットショップの差が極端に分かれやすい。実店舗であれば「近い」「店の雰囲気が良い」と言う理由で、二番手、三番手のお店にもお客が流れて来る。しかしネットショップは「価格」「ページ」「露出」の3拍子がそろった店にお客が集中するため、ナンバーワンの店舗以外にはお客が流れにくくなる

Eコマース業界が1%の成功店舗と99%の負け組に分かれてしまう要因は、この「全力でやらなければまったく売れない」というネットショップ運営の難しさにある

今回、佐賀市のネットショップは、この「負け組」のスパイラルに入ってしまったと思われる。中途半端な予算と施策に加えて、未経験のネットショップ運営者に仕事を任せれば、当然、競合に埋もれることになる。

ネットビジネスはゼロか100かの世界なので、売り上げが欲しいのであれば、全力でビジネスに取り組まなければいけない。100のうちの30や50という間を取りに行く戦略は残念ながらネットビジネスに存在していない。自分の都合の良い売り上げを狙いにいけないところが、ネットショップ運営が難易度の高い商売と言われる所以なのである。

ECコンサルが「これは」と思ったアイデアは

佐賀市のネットショップが上手くいかなかった理由は、莫大な予算がかかるネットショップ運営に少ない予算で挑んだ結果戦略が甘くなり、ナンバーワンを狙わない戦略になってしまった。突き詰めると「金がなかった」というのが今回の敗因と言える。

予算がないならネットショップの運営はやめた方が良い。特にコロナ禍以降、ネットショップ運営が素人では手を出せないビジネスになってしまったことは、素直に認めなくてはいけない。

もし、予算をかけずにお客に商品を売るのであれば、佐賀市内で特産品を集めた「朝市」を行うことをお勧めする。感染を回避するのであれば、ドライブスルー形式の朝市を行えばいいし、屋外で入場制限をかければ、そこまで感染対策に神経質にならなくても済む。コロナの行動制限で売り手を失った店舗運営者にとって、朝市は在庫品や余剰品が売れるありがたい場となるだろう。

「なり弁スルー」
2020年4月に千葉県成田市で行われたドライブスルーイベント「なり弁スルー」。コロナ禍でドライブスルー形式のイベント開催する企業は多かった

お客にとっても、外部との接触が少ない近場の遊び先になる。佐賀市が主催となればマスコミが取り上げてくれるし、新聞の折込チラシやポスティングなどの集客もそれほど難しくないだろう。少なくとも慣れないホームページ制作やネット広告の運用よりも、ずっと低コストで確実に集客できるイベントを仕掛けることができる。

そのうえで朝市に集まったお客に対して「今後の朝市の情報はLINEでお知らせします」と案内し、「登録してくれたら佐賀海苔プレゼント」などの特典を付ければ、LINE公式アカウントの会員を容易に増やすことができる

朝市を月1回ペースで開催していけば、やがて朝市は口コミで広まり、LINEを通じて参加者が増えていく流れを作ることができる。リアルなイベントはInstagramやTwitterで拡散されやすく、労力をかけずともSNSで情報を広めてもらうことができる。

お客もほぼ間違いなく佐賀市民のため全員が味方だ。ネット広告で集めた浮気者のお客とは質が違う。朝市の応援団になってくれる可能性は高く、そのお客が市外や県外からもお客を呼び込んでくれる。この間に広告費は一切かからないし、サイト制作のコストも発生しない。

1年ほど運営すると、朝市の集客もLINEの登録者数も安定しはじめるそこで初めてネットショップの開設である。LINEのメッセージでネットショップに誘導すれば、「朝市に行かなくても買える」というお客が、ある一定数ネットで購入してくれるようになる。

そのようなネットショップは高いページクオリティも必要ないし、レベルの高いネット戦略も不要である。なぜなら、来訪者は一度は朝市に来て商品を買った経験のある人たちだからである。ざっくりとした商品説明と簡単な商品写真を載せておけば「いつも朝市で買っているあの商品ね」と、迷わず購入してくれる。わざわざ広告費がかかる「楽天市場」や「Amazon」に出店する必要はない。

「丸紀」が開いている朝市
神奈川県横浜市の製麺会社「丸紀」が月に1回開いている朝市の様子。LINE公式アカウントで1000人以上のファン客を抱え込み、1回の朝市で100万円以上の売り上げを作る

佐賀市の今後に期待

今回、佐賀市のネットショップ運営がうまくいかなかった背景には、自分たちの魅力を自分たちが見失ってしまったことが大きい。「コロナ禍だから市外に売っていくしかない」という固定概念があるために、ネットショップ運営という自分たちが未経験の売り方にこだわってしまった。

しかし、佐賀市を一番愛しているのは佐賀市民であり、佐賀市の特産品を愛しているのもまた佐賀市民である。地域密着型のリアルなイベントを軸にして、LINEの登録者を増やし、ある程度のリピート客を確保してから、ネットショップを運営する後追い型のEコマースの方が、投資とリスクを最小限に抑えながら、地元の商品を丁寧に売ることができる。

もちろん、地域密着型の売り方になるので、売り上げの限界はすぐに見えてくる。しかし今のご時世、小予算、知識ゼロでネットショップを運営して売り上げを作れるほど甘くはない。自分たちの身の丈に合った売り方を見つけて、そこから売り上げを最大化していく戦略を模索していかなければ、半永久的に赤字を垂れ流すことになる。

佐賀市役所や佐賀観光協会の人たちへの取材を通じて、彼らの本気度は強く感じ取ることができた。2年間で2850万円の出費は痛かったが、「一般的なネットショップの運営方法だとうまくいかない」と気付くための授業料としては非常に安く済んだと言える

「たった1年10か月で撤退かよ」と思われるかもしれないが、逆にこの短期間で「このビジネスモデルに将来性はない」と早々に見限ったことは、次のステップを考えれば非常に良い決断だった。今回の撤退騒動は賛否両論あるが、コンサルタントの立場から見れば、佐賀市の次の一手が楽しみで仕方がない。

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竹内 謙礼

ダイレクトマーケティングを実践する際の注意点&6つの手法&成功事例を解説 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 6ヶ月 ago
ダイレクトマーケティング取り組み時の注意点や手法、ダイレクトマーケティングに成功している企業事例について解説します

ダイレクトマーケティングとは、企業が顧客一人ひとりと直接コミュニケーションを取るマーケティング手法です。顧客との距離が近い飲食店や小売業など、BtoC事業においても高い効果が期待できます。

具体的には、手紙やハガキを送付するダイレクトメールや電話営業のほか、インターネットを活用したプロモーションなどです。

本記事では、ダイレクトマーケティング取り組み時の注意点や手法、ダイレクトマーケティングに成功している企業事例について解説します。

ダイレクトマーケティングとは

ダイレクトマーケティングとは、企業と顧客が1対1で直接コミュニケーションを取りながらアピールするマーケティング手法です。手紙や電話のほか、インターネットを活用する方法も多く見られます。

ダイレクトマーケティングはマスマーケティングに対する批判から生まれています。マスマーケティングは、マスメディアを利用した、企業から不特定多数への一方的なマーケティング手法です。

大量生産・大量消費を前提とした商品には有効な方法ですが、現代のような情報であふれ、多種多様なニーズを持つ顧客への対応としては難しくなってきました。ダイレクトマーケティングであれば顧客それぞれの特性に応じた方法でアプローチするため、より細やかな対応が可能となります。

ダイレクトマーケティングに向いている業種

ダイレクトマーケティングが向いている業種は、BtoC事業の場合、個人の趣向やニーズが多種多様に広がっている分野です。

例えば化粧品やアパレル、教育、食品などは個人によって関心度や意識の高さが異なります。一人ひとりに違った対応をする必要があるため、ダイレクトマーケティングが活かしやすいです。

また、自社のECサイトを持っている場合は特にダイレクトマーケティングが向いています。顧客の居住地域や年齢、さらに購買情報まで把握できるため、顧客分析がしやすく効率的に施策が進められます。

ダイレクトマーケティング取り組み時の注意点

顧客に応じて細やかなアプローチができるダイレクトマーケティングですが、次の2点に注意が必要です。

  • 長期的に取り組む必要がある
  • 顧客理解を深めておく必要がある

この2点を理解せずに取り組んでしまうと、思うような結果が得られず無駄なコストが発生してしまう可能性もあります。

長期的に取り組む必要がある

1つ目は、長期的に取り組む必要がある点です。

ダイレクトマーケティングは顧客情報が必要不可欠なため、まずは情報を蓄積しなければなりません。できるだけ多くの情報を集めるために、時間をかけた集客が必要です。

また、実際にダイレクトマーケティングに取り組む際には印刷費や郵送費、人件費等のコストがかかります。すぐに効果が出るとは限らないうえに、顧客の反応を見てさらに改良を加えなければならない可能性も生じます。

ダイレクトマーケティングに取り組む際は、顧客情報の蓄積、初期投資の回収それぞれに時間がかかることを理解し、長期的に取り組みましょう。

顧客理解を深めておく必要がある

2つ目は、顧客理解を深めておく必要がある点です。

ダイレクトマーケティングに取り組む際には、ターゲットを明確にし、顧客情報を分析しなければなりません。

例えば、若者世代には電話よりもインターネットを利用した手法のほうが効果が見込めるでしょう。しかしインターネットといっても、web広告なのか、SNSなのか、さらにどのSNS媒体を利用するかによって見込まれる結果は変わります。

また、ターゲットが10代なのか30代なのかによって、媒体だけでなく、内容やデザイン、さらに発信する時間帯にいたるまで分析する必要があります。あらかじめ顧客理解を深めておかなければ、せっかくダイレクトマーケティングを行っても思うような結果が得られません。

6つのダイレクトマーケティング手法

ダイレクトマーケティングの手法は、主に次の6つです。

  • ダイレクトメール
  • 電話
  • Eメール
  • web広告
  • SNS
  • レコメンデーション

ターゲットの属性や自社商品との相性から、もっとも適した手法を選びましょう。

ダイレクトメール

ダイレクトメールは、ターゲットに対して、ハガキや手紙を直接顧客の家へ送付する手法です。ダイレクトメールのメリットは、顧客が何度も見返せるので、自社商品について深く知ってもらうきっかけが生まれる点です。

また、クーポンや商品サンプルを同梱することで、顧客からのレスポンス率の向上も期待できます。ただし印刷費や郵送費など、コストがかかりやすい点には注意が必要です。

電話

電話は、消費者からの連絡を受けるインバウンド方式と、企業から販売促進のための営業を行うアウトバウンド方式の2種類あります。

電話のメリットは、何より顧客と直接対話できる点です。文章ではわかりにくい顧客の感情が読み取れ、よりリアルな反応が感じられます。また、対話だからこその安心感が生まれ、顧客の不安が取り除かれやすいでしょう。

注意点は、スムーズに会話を進めなければならないため、営業担当やオペレーターの育成が必要な点です。

Eメール

Eメールには、主に次の3つの方法があります。

  • 定期的に配信するメールマガジン
  • 商品購入などのアクションに応じて段階的に送信するステップメール
  • 特定の顧客層だけに送信するセグメントメール

Eメールのメリットは、手軽に低コストで始められる点です。また、自社サイトの閲覧に繋げやすい点も挙げられます。ただし、あまりにも配信頻度が高いとわずらわしく思われてしまうので注意しましょう。

web広告

web広告は、ターゲットが閲覧しているwebサイトやスマートフォンアプリなどに自社の広告を表示させる手法です。

web広告のメリットは、施策の効果が計りやすい点です。広告がクリックされた回数や、そこから購入に繋がった回数などが記録されるため、より効果が出るよう改善できますweb広告媒体にもトレンドがあるので、常に最新の情報に注目しなければならない点には注意しましょう。

SNS

SNSを利用したダイレクトマーケティングには、主に次の3つの方法があります。

  • 自社のSNSアカウントを作成し情報発信
  • SNS上での広告配信
  • SNS上でのキャンペーン

SNSのメリットは、自社のファンを増やすきっかけを作れる点です。顧客と直接繋がれるので、素直な意見が聞ける、ダイレクトに意見交換ができるのが特徴です。

また、顧客がSNSで発信した自社商品へのコメントやレビューなどは、商品開発はもちろん、SNSでのダイレクトマーケティングを進めるにあたって非常に貴重な情報です。一方的な発信だけでなく、双方向のコミュニケーションとなるよう意識しましょう。

レコメンデーション

レコメンデーションは、顧客の購入履歴や閲覧履歴から、興味がありそうな関連商品などを表示させる方法です。特にECサイト上でよく利用されています。

レコメンデーションのメリットは、顧客のニーズが満たされやすい点です。また、顧客により豊かな選択肢を与えることで、満足度の向上も期待できます。

ただし、システム上のルールによってはニッチな商品などが表示されにくくなってしまうので、注意が必要です。

ダイレクトマーケティングの成功事例

ここでは、実際にダイレクトマーケティングに取り組み、成功している企業の事例を解説します。

DHC|顧客の流出を防ぐダイレクトマーケティング

化粧品や健康食品を販売しているDHCでは、主にダイレクトメールやEメールによるダイレクトマーケティングを行っています。

例えば、健康食品を定期購入に繋げるため、初回購入日から3か月目にプレゼントを進呈します。このプレゼントは顧客の属性に基づき選別されており、より次の購買へとつなげやすくなっています。

顧客分析を徹底したうえで直接働きかけることで、顧客の流出を防ぎ止めています。

ベネッセ|子供の成長に合わせたダイレクトマーケティング

通信教育分野に携わっているベネッセでは、主にダイレクトメールによるダイレクトマーケティングを行っています。

例えば、顧客の子供の幼稚園入園や小学校入学の時期に合わせてダイレクトメールを送付します。同梱物はお試し用教材や絵本、マンガなど、子供も興味を持ちやすい内容になっている点もポイントです。

親子ともに新しい環境への関心が高まる時期にダイレクトメールを送付することで、契約率が高まります。

CHIPPRUSON|最適なSNS選択によるダイレクトマーケティング

京都にあるパン屋であるCHIPPRUSONでは、SNSを活用したダイレクトマーケティングを行っています。

CHIPPRUSONは現在1店舗のみを展開している個人経営のパン屋です。にもかかわらず、Instagramのフォロワーは5万人を超え、多くのファンを獲得しています。投稿しているのは、商品であるパンや店舗の写真が中心で、どれも暖かみのある雰囲気です。

おいしそうかつオシャレな写真や、オーナーの人柄が伝わる文章がターゲットからの共感を呼んでいます。商品、ターゲットともに相性のいいSNSを選択したことで、ファンの増加に成功しました。

ダイレクトマーケティングで顧客の心を掴もう

ダイレクトマーケティングは、顧客の多種多様なニーズに応え、一人ひとりに寄り添った提案ができます。顧客の心を掴み、自社のファンになってもらうことが大切な飲食店や小売業においても、ぜひ取り入れたいアプローチ方法です。

まずは顧客情報を集め、その情報を分析することでより効果的に施策を進められるように努めましょう。ターゲットが明確になれば、自ずと取るべき手法も見えてくるはずです。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ

EC向け人材サービスのWUUZYが元・楽天コンサルタントを招いてセミナーを開催

3 years 6ヶ月 ago

EC向けの人材サービス「ECのプロ」を運営しているWUUZYは9月16日、「楽天市場」に出店しているEC事業者を対象に、楽天モール運用の成功事例やノウハウを伝える無料セミナーを都内で開催した。

スピーカーとして、楽天出身で現在は「ECのプロ」の登録者でもある佐山陽介氏をゲストに招へい。「楽天市場」に出店している店舗を成長させるための戦略や考え方、売り上げを伸ばす実践的なノウハウを講演した。

楽天でECコンサルタントを務めた経歴をもつ佐山氏が登壇

佐山氏は楽天入社後、ECコンサルタントとして400社以上の店舗をコンサルティングした経歴を持つ。2016年からはバサラスターの常務取締役として食品のECサイトを運営。2017年、EC専門のコンサルティング企業であるボトルシップの代表取締役社長に就任した。

セミナーは「楽天出身のECのプロが語る! 売上アップの4つのノウハウ! 〜価格訴求をするだけじゃ売上はあがらない !? 〜」のタイトルで開催。モデレーターはWUUZYの竹中星矢代表取締役が務めた。

WUUZYのセミナーに登壇した佐山氏

佐山氏はセミナーで、EC企業の成功事例を交えながら、集客や売り上げ向上に役立つ知見を公開。「楽天市場」について、他のECモールとの違いや特性、これまでのコンサルティング経験を生かした店舗運営のノウハウを話した。

EC・通販事業者向けの無料セミナーを開催、セミナー後に異業種交流会も実施した

セミナー開催日は、参加者同士の異業種交流会「ECのプロBAR」も同時開催した。WUUZYは今後も、ECセミナーの開催を予定していく。

高野 真維

宅配各社の台風14号対応/FOREVER21が日本再上陸【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 6ヶ月 ago
2022年9月16日~22日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 【台風14号】影響で沖縄、九州地方向け配送などに遅延発生(ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便の対応まとめ)

    台風が接近する地域へ配送する荷物は、指定された配送日時から遅延する可能性がある

    2022/9/17
  2. 【台風14号】西日本を中心に広範囲で荷物の配送に遅延の可能性(ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便の対応まとめ)

    台風が接近する地域へ配送する荷物は、大幅な遅延が発生している

    2022/9/18
  3. 「FOREVER21」の2023年日本再上陸のパートナーはアダストリア。ECサイト「.st」などで展開

    「FOREVER21」は2019年、日本国内での実店舗運営とECサイト運営から撤退していた

    2022/9/22
  4. 【台風14号】西日本宛ての荷物の配送に遅延が発生(ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便の対応まとめ)

    台風14号の日本列島縦断に伴い、西日本全域宛ての荷物、およびに預かりに大きな影響が出ている

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  5. アパレル各社が保有する在庫を仕入れ6割以上の割引率で販売するアウトレットEC「ロクゼロ」とは

    ミエルカオムニバスはアウトレットEC「ロクゼロ」をオープン。全国の企業で廃棄されてしまう新品未使用のアパレル在庫を仕入れし、常時60%以上の割引率で販売する

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  7. 売上約2倍、定価消化率95%、残業は月平均4.8時間。「北欧、暮らしの道具店」のクラシコムがデータ分析チーム構築で得た効果とは

    データ分析チームでデータ解析基盤を構築。2018年7月期売上高は21億円だったが、データ分析チーム発足4年後の2022年7月期には約2倍の51億円へと成長した

    2022/9/16
  8. 「ニトリアプリ」に不正アクセス、リスト型攻撃で約13万件強の顧客情報が閲覧された可能性

    リスト型攻撃は、らかの手段により他者のID・パスワードを入手した第三者が、これらのID・パスワードをリストのように用いてさまざまなサイトにログインを試みることで、個人情報の閲覧などを行うサイバー攻撃

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    富士経済は「化粧品マーケティング要覧 2022 総括編」で、新型コロナウイルス感染症流行の影響による大幅縮小から回復し始めている化粧品市場を調査した

    2022/9/20
  10. 「失敗しない方法」と「成功する理由」は違う? マーケティング推進に必要なマインドセットとは【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年9月12日〜18日のニュース

    2022/9/21

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    「ニトリアプリ」に不正アクセス、リスト型攻撃で約13万件強の顧客情報が閲覧された可能性

    3 years 6ヶ月 ago

    ニトリホールディングスは9月20日、スマートフォンアプリ「ニトリアプリ」において、顧客以外の第三者による不正なログインが発生したと発表した。

    第三者が不正にニトリグループ以外のECサービスなどから入手した大量のユーザーID(メールアドレス)とパスワード情報を用い、なりすましログインを行ったと思われる現象が発生していることを確認した。

    不正ログインは、「リスト型アカウントハッキング(リスト型攻撃)」の手法で行われたと推測している。

    「リスト型アカウントハッキング(リスト型攻撃)」は、何らかの手段により他者のID・パスワードを入手した第三者が、これらのID・パスワードをリストのように用いてさまざまなサイトにログインを試みることで、個人情報の閲覧などを行うサイバー攻撃。

    9月20日時点で判明している不正ログインされたアカウント数は約13万2000アカウント。不正ログインの期間は9月15日から9月20日。

    第三者に閲覧された可能性のある情報は、メールアドレス、パスワード、会員番号、ニトリメンバーズの保有ポイント数、氏名、電話番号、住所、生年月日、性別、建物種別(戸建、集合住宅)、エレベーター有無、一部が目隠しされたクレジットカード番号、有効期限。

    ニトリHDでは、不正ログインされた可能性があるユーザーアカウントに対し、順次パスワードのリセットを実施。パスワードの再設定を呼びかけると同時に、次のように注意喚起をしている。

    以前ご利用頂いていたパスワードや、すでに他のサービスなどで設定されているパスワードのご利用は避けていただきますようお願いいたします。

    「リスト型アカウントハッキング(リスト型攻撃)」への対応策

    「リスト型アカウントハッキング(リスト型攻撃)」による不正ログインへの対応策については、総務省が2013年に次のような施策を事業者に向けて公表している。

    攻撃を予防する対策

    • ID・パスワードの使い回しに関する注意喚起の実施
      サービス毎に異なるID・パスワードを設定するよう利用者に注意喚起する
    • パスワードの有効期間設定
      パスワードに有効期限を設定し、利用者に定期的に変更させる
    • パスワードの履歴の保存
      数世代前に使用したパスワードへの変更を認めないようにする
    • 二要素認証の導入
      ID・パスワード以外の認証要素(ワンタイムパスワードなど)を追加する
    • ID・パスワードの適切な保存
      サービス運営事業者において暗号化などID・パスワードの適切な保存を行う
    • 休眠アカウントの廃止
      長期間利用実績の無いアカウントをデータも含めて削除する
    • 推測が容易なパスワードの利用拒否
      パスワード・ポリシーを定め、推測が容易なパスワードの利用を拒否する

    攻撃による被害の拡大を防ぐ対策

    • アカウントロックアウト
      同一のIDに対して一定の閾値以上の認証エラーが発生した際にアカウントを一時停止する
    • 特定のIPアドレスからの通信の遮断
      特定のIPアドレスから閾値以上のログイン要求が発生した際に、当該I Pアドレスからの通信を遮断する
    • 普段とは異なるIPアドレスからの通信の遮断
      通常ログインされているIPアドレスとは大きく異なるIPアドレスからのログイン要求が発生した際に、当該IPアドレスからの通信を遮断する
    • ログイン履歴の表示
      ログイン履歴を保存し、利用者がアカウントの利用実績を認識できるように設定する

    総務省が公表した「リスト型アカウントハッキングによる不正ログインへの対応方策について(サイト管理者などインターネットサービス提供事業者向け対策集)」は以下のサイトから確認できる。

    瀧川 正実

    マイクロソフト、複数広告プラットフォームを統合管理

    3 years 6ヶ月 ago

    マイクロソフトは、アメリカの中小ビジネス向けに、マイクロソフトだけでなくグーグルやメタなどの広告も簡便に統合管理できるソリューションを提供。人工知能が複数プラットフォームへの予算配分を調整する。広告だけでなく、ソーシャルメディアの投稿も管理できる。このような統合管理ツールを、広告プラットフォームが提供するという動きは、注目に値する。

    SMBs can find customers and save time with Smart Campaigns and Multi-platform
    https://about.ads.microsoft.com/en-us/blog/post/september-2022/simplified-campaign-creation-search-social-media-management
    Smart Campaigns
    https://about.ads.microsoft.com/en-us/get-started/smart-campaigns

    noreply@blogger.com (Kenji)

    「FOREVER21」の2023年日本再上陸のパートナーはアダストリア。ECサイト「.st」などで展開

    3 years 6ヶ月 ago

    アダストリアは米国発のファッションカジュアルブランド「FOREVER21(フォーエバー トゥエンティーワン)」の日本国内再上陸にあたり、子会社のGate Win(ゲートウィン)がマスターライセンスを保有する伊藤忠商とサブライセンス契約を締結したと9月21日に発表した。

    2023年春から、アダストリアグループの公式ECサイト「.st(ドットエスティ)」でFOREVER21の商品を販売。関東・関西の郊外ショッピングセンターを中心に出店を予定している。

    伊藤忠商事が、Authentic Brands Group LLC(ABG)が保有するFOREVER21の日本における販売権およびマスターライセンス権を取得。FOREVER21の日本展開にあたり、2023年2月にアダストリアは自社ECサイトでの販売をスタートし、春に第1号店を出店する。

    実店舗販売は関東・関西の大型ショッピングセンターに出店予定で、1号店はららぽーと計画している。

    今後はABGと協業しながら、伊藤忠商事が持つブランドビジネスに関する幅広い知見やネットワークと、アダストリア、Gate Winの持つサプライチェーンマネジメントや店舗開発力、自社ECなどファッション事業に関するノウハウを活用。日本における「FOREVER21」の展開拡大に取り組む。5年後の2028年2月期は、上代売上高100億円を計画している。

    「FOREVER21」の日本再上陸にあたり、アダストリアグループは1400万人以上の会員を保有する自社EC、店舗開発力、商品開発力などの強みを掛け合わせることで、大量生産・大量販売・大量廃棄といったイメージから脱却。現在の日本マーケットにローカライズしたファッションを提供する。

    石居 岳

    Googleレスポンシブ検索広告の最適化の方法

    3 years 6ヶ月 ago

    検索アルゴリズム、解析ツール、ユーザー行動。Webを取り巻く環境の多くが日々変化しています。Google広告ももちろん変化しており、この変化に併せ、広告テストの方法も変化しています。今回は、Googleのレスポンシブ広告 … 続きを読む

    投稿 Googleレスポンシブ検索広告の最適化の方法SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

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