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ZOZOがコーディネートアプリ「WEAR」を刷新。AR機能の搭載AIパーソナライズでコーデ提案を進化

1 year 10ヶ月 ago

「ZOZOTOWN」や「ZOZOCOSME」を運営するZOZOは5月9日、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」をリニューアル、メイク領域の機能など大幅に拡充した。

AR(拡張現実)によるメイクの「試着」機能のほか、AIパーソナライズによるコーディネート提案を進化させ「WEAR by ZOZO」として生まれ変わった。

「ZOZOTOWN」や「ZOZOCOSME」を運営するZOZOは5月9日、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」をリニューアル、メイク領域の機能など大幅に拡充
リニューアルで「メイク投稿」も可能に

今回のリニューアルでメイク領域の機能を大きく拡充。メイク投稿機能を追加し、「WEAR」のファッションコーディネート投稿機能と同様にメイク投稿ができる。投稿には使用したコスメアイテムをタグ付けして画像・動画投稿も可能。「ZOZOTOWN」や「ZOZOCOSME」で取り扱いのあるアイテムはメイク投稿詳細からスムーズに購入できる。

今回のリニューアルの目玉は、AR技術を活用したメイクの「試着」も「WEAR」でできるようにしたこと。「ZOZOCOSME」では2022年4月から「ARメイク」機能を提供しているが、「WEAR」にも搭載した。

メイクをした状態のユーザー自身の顔をスマートフォンで撮影し、フルメイクをARデータとして登録。別のユーザーが登録したフルメイクデータをARで自分の顔に乗せて試す「WEARお試しメイク」機能も搭載し、ARでメイクを手軽に試すことができる。

5月9日の時点で80人のインフルエンサーのフルメイクARデータも登録、気になるインフルエンサーのフルメイクを「試着」することもできる。そのほか、気になるコスメアイテムを使ったメイクがイメージしやすくなる。

ARデータ登録には、アプリ上でメイク投稿時に表示される「お試しメイク」アイコンからカメラを起動してガイドに従い顔を撮影するだけ。登録されたARデータで、簡単にメイクの試着が可能。メイクは濃淡を調整したり、ボタン1つで試着のON/OFFを切り替えができる。

ファッションコーディネートの面も、AIパーソナライズによる提案を進化させた。新機能「ファッションジャンル診断」では、ユーザーが選択した好みのコーディネートからファッションの「好みのジャンル傾向」を全144パターンから診断。ZOZOが展開するパーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」で得た独自知見を基に導き出した12種類のファッションジャンルで構成し、診断結果からユーザーの好みに近いコーディネート検索をできるようにする。

加えてホーム画面も診断結果や閲覧履歴を基にパーソナライズし、ユーザーの好みに近いコーディネートをレコメンドする。ファッション特化のAIを活用したパーソナライズ化を進める。

「ZOZOTOWN」や「ZOZOCOSME」を運営するZOZOは5月9日、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」をリニューアル、メイク領域の機能など大幅に拡充
「niaulab by ZOZO」の知見を生かし好みのジャンルを診断
鳥栖 剛

ゴールドウィンが総合ECサイト「GOLDWIN WEB STORE」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入

1 year 10ヶ月 ago

ゴールドウィンは、総合ECサイト「GOLDWIN WEB STORE」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

ブランドを横断した検索、サジェスト機能を実装

「GOLDWIN WEB STORE」は、2023年に開設20周年を迎えた。製品を販売するだけでなく、多様なスポーツの楽しみ方を伝え、新たな体験につながる機会を提供するオンラインストアをめざしているという。

ゴールドウィン GOLDWIN WEB STORE ZETA SEARCH
ゴールドウィンが運営する「GOLDWIN WEB STORE」
(画像は「GOLDWIN WEB STORE」のサイトからキャプチャ)

サイト内で取り扱っている複数のブランドを横断した商品検索や絞り込み検索を実現。ユーザーが目当ての商品にたどり着きやすいUIにした。

ゴールドウィン GOLDWIN WEB STORE 複数のブランドを横断した検索 ZETA SEARCH
複数のブランドを横断した検索が可能に

検索窓で入力中のテキストから予測した「キーワード」や「カテゴリ」をサジェストとして表示。ユーザーの入力の手間を削減し、ユーザビリティ向上、セレンディピティ創出につなげる。

ゴールドウィン GOLDWIN WEB STORE サジェスト機能を実装 ZETA SEARCH
サジェスト機能を実装

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

実はシンプルな動画が驚きの成果を上げる! LINE広告で効果が高い動画クリエイティブ実例集

1 year 10ヶ月 ago
LINE広告がアップデートし、ユーザーが一番多く訪れる「トークリスト」に、動画形式の広告を出せるようになった。効果が高いクリエイティブはどんなものか、実例を見てみよう。
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2024年1月、LINE広告がアップデートし、ユーザーが一番多く訪れる、「LINE」の「トークリスト」最上部の広告枠に動画形式の広告を出せるようになった。

動画広告は、静止画広告に比べて注意を引きやすく、多くの情報を盛り込むことができるため、静止画とは異なる層のコンバージョンを取れるという特徴がある。静止画と動画を組み合わせることで、より効果的な広告配信が実現できる。

とはいえ、動画広告にチャレンジしたことがない広告担当者にとっては、ハードルが高く感じられるのも事実だ。そこで本記事では、LINE広告でクリエイティブに関する検証や情報発信を担当する相樂長宏氏に、LINE広告の動画広告で効果を出すためのコツと、効果の高い動画クリエイティブの実例を聞いてきた。

相樂長宏氏
LINEヤフー株式会社 MSカンパニー BD統括本部 相樂長宏氏

ユーザー数が最も多い配信面にも動画広告が配信できるように!

LINE広告には以前から、動画広告として横長の「Card」型、正方形の「Square」型、スマートフォンの画面を意識した縦長の「Vertical」型の3種類のフォーマットがある。ショート動画が楽しめる「LINE VOOM」をはじめ、多様な配信面に配信が可能だった。

それに加えて、2024年2月のアップデートで、「トークリスト」にも動画広告が掲載できるようになったという。

「トークリスト」は、LINE広告のなかで最も多くのユーザーが訪れる場所で、インプレッションも一番多い配信面です。これまで、この面に配信が可能なのは静止画広告だけでした。GIFアニメーションで動画のように見せた静止画広告や、Talk Head Viewと呼ばれる予約型広告の配信は行えたものの、いわゆる“動画”広告は配信できませんでした。

今回、その配信面に動画で広告が出せるようになったことで、さらなる広告効果の向上が期待できます(相樂氏)

トークリストに動画広告を掲載したい場合は、LINE広告の管理画面において、動画広告を作成・編集するページに表示されている「小さい広告枠への動画配信を有効にする」をオンに設定するだけで配信対象となる。

「小さい広告枠への動画配信を有効にする」をオンにすると「トークリスト」へ配信されるようになる

まずは「静止画広告に動きをつける」方法が手軽でおすすめ

とはいえ、「動画を作成する」ことにハードルを感じ、動画広告に二の足を踏む担当者も多いだろう。そんな動画クリエイティブ初心者におすすめしたいのは、もともと効果が高かった静止画広告に、簡単な動きをつけることだ。作成の手間を最小限に抑え、訴求したい箇所を目立たせるだけでも、LINE広告では十分な効果を上げられるという。具体的には次のような手法だ。

テキストに動きをつける

  • 拡大・縮小する:大きくしたり小さくしたりすることで、その箇所を強調する。短い文がおすすめ
  • 点滅させる:短い文を光らせたり、なかったところにテキストを出現させたりする
  • 色を変える:色が変わることで目を引く。長い文の場合は、読む速度に合わせて変化させてもよい
  • ラインをひく:強調したいところにラインを引いたり、囲んだりする。読む速度に合わせて変化させてもよい

デザインに動きをつける

  • 色を変える:背景の色を変えたり、目立たせたい部分の色を変えたりすることで注意を引く
  • 光らせる:一部をキラキラと光らせる、全体を一瞬だけ光らせるなど、エフェクトをかけることで注意を引く
  • 背景を動かす:ユーザーの注意を引きながら、動かない部分を逆に強調できる
  • スライドさせる:ビジュアルの一部または、全体を紙芝居のようにスライドさせて順番に絵や情報を見せる

シンプルな動画であっても、「どの部分を動かすか」×「どう動かすか」の掛け合わせでさまざまな表現ができるため、いろいろなパターンを試して、より効果の高いものを見つけていきたい。

シンプルで効果が出る動画クリエイティブ4例

ここからは、LINE広告で効果が出る動画クリエイティブの具体例を4つ見ていこう。

短いテキストに動きをつけた動画

短い単語や文は、文字を拡大したり、出現させたりなど目を引く動きをつけるのがおすすめだ。ひと目で伝えたいことがわかる。

例①:全体はクーポン風のデザインにして、強調したい「500円 モニター募集中」の部分に、文字が飛び出してくるような動きをつけたもの。「500円」だけ、「モニター募集中」だけ、など動く部分を変えたり、「点滅させる」「文字の色を変える」など、変化のパターンを変えて効果のよいものを探すとよい。

長いテキストの一部分に動きをつけた動画

長いテキストは、ユーザーにしっかりと情報を与え、商材理解を促したい場合に有効だ。テキストの中で、ユーザーに読ませたい部分だけを目立たせたり、ニュースのテロップ風に文字を流し入れたりすることで思わず読んでしまう効果を狙う。

例②:「肌ケア保湿クリーム」「朝晩兼用」「お肌を乾燥から守る」など商品を説明する文章を長めに入れることで、ユーザーの商品理解を促す。同時に、重要な部分にアンダーラインを引く動作を加えて、注目を集めやすくする。

デザインの一部分に動きをつけた動画

一枚絵風の動画広告であっても、イラストを動かす、背景の色を変える、全体がきらめくようなエフェクトを入れるなど、簡単な動きをつけるだけで注目を集めやすい。

例③:ターゲットや商品内容をテキストで説明し理解を促すとともに、かわいいイラストを背景として、左右に流れていく動きをつけ広告そのものを目立たせた例。テキストは固定にするとメリハリがつく。

複数の情報をスライドさせて見せる動画

上下左右のいずれか1方向にスライドさせ続けることで、より多くの情報を見やすく届けることができる。

例④:求人情報を複数並べてスライドさせ続けることで、他の求人情報も気になったユーザーからクリックしてもらいやすくなる。

動画広告で「しっかり効果を出す」ための5つのTips

相樂氏によると、いくら動画広告の効果があるといっても、動きをつけすぎるのは逆効果だという。下記に効果の出る動画クリエイティブ作成のためのTipsをまとめてみた。

① 複数箇所を同時に動かすのはNG

複数の訴求ポイントを目立たせたいがゆえに、複数箇所を同時に動かしてしまうのは気が散ってしまい逆効果になる。「伝えたいところ」は一か所にフォーカスし、強弱をつけることが大切だ。

② 激しすぎる動きはNG

激しい点滅や、スピードが早すぎて可読性の低い文字の動きなどは、ユーザーにとって視覚的に不快感を与えかねない。それ以前に、LINE広告の審査に「不快な表現」として抵触する可能性が高いので避けよう。

③ 商材と関係のないビジュアルは入れない

スライドショーに、商材とは関係のないビジュアルを入れ込むことは誤解につながるため、広告審査に通らない可能性が高い。サブリミナル効果を狙った演出もLINE広告ではご法度だ。

④ 動画の最初と最後は広告内容がわかるような画に

動画の冒頭、あるいは見終わって静止したタイミングでも広告の内容がわかるようにしておくことで、ユーザーに商材を印象づけることができる。背景色だけ、風景だけのような内容がわからない絵は避けよう。

⑤ 音声がなくても意味がわかるようにしておく

動画広告は音声がオフの状態で視聴される場合もある。音声がなくても訴求メッセージが伝わるように字幕を活用しよう。

LINE広告は、情報を盛り込みすぎず、シンプルな方が可視性も高まります。UGC(ユーザー生成コンテンツ)など、手作り感のある動画の効果も高く、手の込んでいないシンプルな動画でも成果が上げられるんです。

「作りこんだ動画でなければ……」などと躊躇していては機会損失につながります。まずは、簡単な動きのものでトライしてみてください!(相樂氏)

動画のアテンション力&情報量で、新しいターゲットに訴求

静止画広告に比べた動画広告の特長としては下記が挙げられる。

  • 動きがあるためユーザーのアテンション(注意)を引きやすい
  • 強調したい部分をわかりやすく目立たせられる
  • 尺があるため情報量を盛り込みやすい
  • 時間軸でストーリーを見せることができる

動画広告は、工夫次第で静止画よりも魅力的な広告に見せられるということだ。

相樂氏によると、静止画クリエイティブを、簡単な動画クリエイティブに作り替えて配信してみたところ、多くのケースにおいて、動画フォーマットのほうがCTR(クリック率)は向上したという。

もちろん、全体の配信数およびインプレッション数は静止画のほうが多いですが、「LINE NEWSをよく見る」など特定の面を好むユーザーには、静止画よりも動画の方がリーチしやすく、コンバージョンも高い傾向にあります。静止画とは異なるユーザーにリーチできるので、静止画と動画の両方を配信することで、より幅広い層に訴求することができます(相樂氏)

静止画と動画、両方のクリエイティブを設定しておくのは、「ユーザーの取りこぼし」を防止する、LINE広告の“鉄板テクニック”だ。より効果が高いものに配信が絞りこまれていくというLINE広告の特性上、やっておかないと損ともいえる。まだ動画にチャレンジしていない企業は、ぜひ試してみてほしい。

◇◇◇

日本国内でMAU9,600万人(2023年12月末時点)という圧倒的な利用者数を擁するLINE。老若男女、幅広いユーザーにリーチできるLINE広告だが、その配信面のなかでも、もっともユーザーに見られている「トークリスト」に動画広告を出せるようになったことで、より動画広告の価値が高まっている。

動画はクリエイティブの作成が大変だと思われがちだが、ここまで紹介したとおり、「シンプルなもので十分効果を上げられる」と相樂氏も太鼓判を押している。

静止画よりも注意を引きやすく、CTRが高い動画広告。静止画だけでは取りこぼしてしまう層にリーチし、より広告の効果を高めるためにも、ぜひ本記事を参考に、動画広告にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

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伊藤真美

休眠顧客の復活に役立つ通販・ECの販売手法「都度販売」とは? メリット・デメリットを解説 | 「都度販売」のススメ

1 year 10ヶ月 ago
通販・ECの販売手法「都度販売」。そのメリットやデメリットをトリノリンクス 赤松氏が解説します【連載1回目】

「通販・ECは定期・サブスクのことでしょ?」――。最近、このように話す方がいました。確かに「リピート通販」というカテゴリは存在しますが、“通販・EC”というワードはあくまで販売チャネルの1つ。アパレル、ファッション雑貨、食品、家電、家具、そして総合通販も通販・ECを利用しています。では、「定期・サブスク通販以外の手法は何があるのか?」と聞かれれば、「都度販売」と私はお答えします。その都度販売のメリット・デメリット、定期・サブスク通販の変化などを解説します。

定期・サブスク通販を取り巻く環境の変化とは

定期販売は1990年頃から通信販売業界で当たり前のように利用されている販売手法というのはご存じですか? 主に化粧品や健康食品などの通販事業者は、この手法を活用して売り上げを伸ばしてきました。

商品を使い切るタイミングで商品が届く合理的なスキームで、顧客側は商品を一度頼めばそれ以降注文する手間が省けるメリットがあります。事業者側はその都度企画をすることなく、契約により売り上げの見込みが立てやすいという利点があるため、定期販売を自社のビジネスに組み込みたくなる理由の1つだと考えられます。

また、継続利用する消費材であれば、商品数を無理に増やさなくても売り上げを拡大できるため、スモールスタートにはピッタリの販売方法というわけですね。これが定期販売を大きく伸ばした背景の1つでしょう。

法規制、ユーザーの意識の変化が影響

D2Cブームも含めて化粧品・健食商材などで続々と取り入れられた「単品定期」というスキームですが、昨今この定期販売スキームも潮目が変わりつつあります。新型コロナが5類に以降した頃から「コロナ特需」が収束しつつあり、売り上げの伸びが鈍ってきたのです。

その要因として以下の2つが考えられます。

① 法規制の強化

2022年度の定期購入に関する消費生活センターへの相談件数は、2015年度と比べて約10倍に増加。こうした状況などを受け、消費者庁による健康増進法や景品表示法による規制強化が進められています。

定期購入のトラブル 定期販売の変化 法規制の強化 消費生活センターへの相談件数の推移 トリノリンクス
(画像は消費者庁『ちょっと待って!!そのネット注文 "定期購入"ですよ!』より)

② ユーザー意識の変化

これまで、自動的に商品が送られてくることが便利だと思われていましたが、「消費が追い付かない」「経済的な問題」「継続利用に効果が感じられない」など、お得で便利だった定期通販・サブスクに対するユーザーの意識に変化が生じてきています。

定期通販の解約の3大理由 都度販売 トリノリンクスのサービス利用企業で、定期販売を展開中の通販企業の声 トリノリンクス
トリノリンクスのサービス利用企業で、定期販売を展開中の通販企業さまからの声

こうした環境を踏まえると、定期だけの販売手法には固執せず、これまで獲得してきた既存顧客リストを最大限活用する方法を考える時期が訪れたと言えるでしょう。

定期にこだわらない販売手法「都度販売」とは

定期販売は安定して受注が見込める有力な販売手法ですが、先述した定期・サブスク通販を取り巻く環境の変化を考えると、第二の収益基盤を早い段階から準備しておくのが賢明でしょう。

定期販売の多くは、大量の顧客リストのうち2割程度の定期顧客(優良顧客)で売り上げを維持していると考えられます。と言うことは、残り8割を別の方法で収益化できる顧客リストに選別できたら、定期販売だけに頼ることなくバランスよく利益を生み出せるのではないでしょうか。

もちろん、既に最終購入日が近い顧客にさまざまな方法で定期商品を紹介したり、未購入期間の長い顧客には、他社の商品を紹介するといった方法でハウスリストを活用できます。

定期から離脱した顧客への別のアプローチ=都度販売

ですが、あえて私は「都度販売」という手法を提案します。その理由は、定期から離脱した顧客に何度定期再開の案内を送っても、そもそも「定期」という買い方が嫌いで解約しているとしたら、なかなか定期顧客には戻ってこないからです。

このような定期に引き上がらない顧客に「まとめ買い」を提案しているのが現在の主流ですが、この売り方は商品を定価ではなく、まとめて売ることで商品代金を値引きして購入を促します。「とにかく売り上げを上げたい、そのためのリスト」と割り切る手法です。

定期通販を再開しない理由はさまざまですが、過去に定期購入の経験があって離脱した顧客は、商品は気に入っているが定期的に送られることに堅苦しさを感じていると考えられます。

そんな顧客には、あえてまとめ値引きを案内しなくても、購入する顧客へ別のアプローチをする=都度販売を実施することで商品を購入してもらえる可能性が大いにあると考えています。「都度販売は非合理的」という考え方もありますが、すべてが正しいわけではないのです。

通販新聞社の「第80回通販・通教売上ランキング」によると、物販BtoC通販の上位企業は首位がアマゾン、2位がジャパネット、3位以下にヨドバシカメラ、ZOZO、ジュピターショップチャンネル、ヤマダHD、ビックカメラ、ベルーナ、QVC、ユニクロと続いており、定期販売を主軸とする企業はありません。

すなわち事業の拡大において「定期販売」という売り方だけにこだわる必要がないということです。以上の理由から、定期やサブスクと並行して「都度販売」の検討をお勧めします。

都度販売が持つ収益パワー

都度販売を並行して行えない理由の1つとして、その都度顧客に商品を提案する必要があるからです。労力もコストをかける割に合わないと考えると思います。

定期販売は引き上げることに徹底的に労力とコストを裂きますが、引き上がったらパワーを落としていきます。しかし都度販売でも、データを活用し、顧客の「継続率」「購買力」「購入間隔」など複数のセグメントで顧客を識別できれば、十分利益が出ると考えています。

仮に定期販売の年間継続率を70%とすると、単純計算で2年後の継続客数は49%、3年後には34%です。この継続率は大きな魅力ですが、ひとたび定期購入から離脱するとその顧客が定期購入を開始する再開率はわずかです。

定期通販 都度販売 定期通販の継続率の推移 トリノリンクス
「都度販売の多品種通販企業十数社」の概算平均値(トリノリンクスが集計)

一方、上の図はトリノリンクスが集計した「都度販売の多品種通販企業十数社」の概算平均値です。丸で囲んだ上位顧客の継続率は年月を経ても50%を超え、休眠客も一定割合で購入を再開しています。都度販売には定期・サブスクに勝るとも劣らない収益パワーがあるのです。

収益化の課題

収益力の高い都度販売ですが、課題もあります。「買ってくれない顧客にアプローチしないこと」、つまりターゲットとする顧客を正しく特定することが必要だという点です。

たとえば、コストを抑えて自動送信できる「一斉メール」は、正しく顧客を選定できていないと、「迷惑メールフォルダ」に振り分けられてしまいます。そのため、ターゲットを識別しない一斉配信メールだけに頼っている企業は、既存顧客の売り上げが低迷しています。

しかし、コストが見合わないと敬遠され、慎重になりがちなカタログ・DM媒体も正しく顧客を選定できれば、メールとは桁違いのレスポンスが見込め、しっかりした売り上げが取れます。「顧客の識別」――この課題さえクリアできれば、都度販売を収益化する道筋が見えてきます。

次回は、顧客の識別について詳しく説明します。

トリノリンクスはCRM分析・DtoC(通販)コンサルティングサポートを行う会社です。今回ご紹介した、「都度の販売」で購入が見込める顧客、収益販路となる鉱脈を見つけ出すデータ分析サービス「定期もTudomo」をご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。

赤松 節子

千趣会が7月から通常送料490円→590円に値上げ。優待サービス刷新で優待会員向けの送料無料条件は緩和

1 year 10ヶ月 ago

千趣会は7月5日から、通販ブランド「ベルメゾン」の通常送料を490円(税込)から590円(税込)に100円値上げをする。「ベルメゾンご優待サービス」も一新し、会員ランクに応じた送料無料条件を緩和する。

通常送料を値上げする(画像は「ベルメゾン」から編集部がキャプチャ)

通常送料を値上げする理由は物流費用の高騰。コスト削減などにより現状維持に努めてきたが企業努力での現状維持が困難な状況となったと説明している。一方で、会員ステージ別の送料無料条件は緩和する。

「ベルメゾン」では顧客を6分類の会員ステージに分類。算定期間の購入回数と税抜き購入金額によって分類していたが、7月5日からは購入回数に応じた認定基準を廃止し購入金額のみでわける。算定期間に2万円(税別)以上の購入で「優待会員」(ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ・ダイアモンドの5分類)となる。なお算定期間は1・4・7・10月の年4回実施する会員ランク認定月の前月末日までの過去6か月間。特典の有効期間は認定月の5日から1年間。

現行ではレギュラー会員の都度購入は購入金額にかかわらず490円(税込)の通常送料がかかるが、7月の改定以降は7990円(税込)の買い物で送料無料を適用。

ブロンズ・シルバー会員は5000円(税込)以上の購入で送料無料としていたが、4990円(税込)の購入に引き下げる。

定期送料については、レギュラー・ブロンズ・シルバー会員は、3000円(税込)以上だった送料無料の基準を購入金額2190円(税込)以上に引き下げる。ゴールド・プラチナ・ダイヤモンド会員については現行のままで、購入金額にかかわらず通常送料・定期送料とも無料。

「ベルメゾンご優待サービス」も一新し、会員ランクに応じた送料無料条件を緩和
7月5日から適用される新たな優待サービスの内容(画像は「ベルメゾン」から編集部がキャプチャ)

なお、そのほか優待サービスの変更点としてゴールド・プラチナ・ダイヤモンド会員には「セール先行ご案内」を新たに開始。一方でポイント還元率はランクに応じて最大20倍から最大16倍に引き下げ、ステージアップポイントは廃止となる。

千趣会 「ベルメゾンご優待サービス」も一新
7月4日までの優待サービス内容(画像は「ベルメゾン」から編集部がキャプチャ)

 

鳥栖 剛

楽天グループ、タイ国商務省とタイ産品販売促進のパートナーシップに関する覚書を締結

1 year 10ヶ月 ago

楽天グループは、タイ国商務省国際貿易振興局(DITP)とタイ産品販売促進のパートナーシップに関する覚書(MOU)を5月10日に締結した。

国内ECサイト初となるタイ産品の販売を促進するための常設ページ「TOPTHAI(トップタイ)ストア」を「楽天市場」内に開設

本覚書は、DITPが各国の主要ECプラットフォーム運営者と連携し実施している、タイ産品の認知度拡大・販売促進を目的としたプロジェクト「TOPTHAI」の一環として締結したもの。

カンボジア、マレーシア、中国、インド、インドネシア、シンガポール、フィリピン、台湾、米国で「TOPTHAI」プロジェクトが進行しており、10番目となる日本での連携先として楽天が選出された。

楽天とDITPの協力関係の下、「楽天市場」を起点として日本国内におけるタイ産品の販路拡大をめざし、主に次の3点に取り組む。

  1. 「TOPTHAIストア」ページを開設:タイ産品やサービスをプロモーションするため、常設ページを「楽天市場」上に開設
  2. タイ産品の売上拡大に向けたマーケティング活動の企画協力:「TOPTHIストア」を通じて、ユーザーにタイ産品の魅力を伝えるため、楽天のマーケティングデータを活用した販促活動を行い、購買につなげる
  3. タイの起業家の能力開発促進・支援:DITPとの共同プロジェクトを通じ、楽天が持つECの知見・ノウハウを職員や企業に共有する
楽天グループ タイ国商務省国際貿易振興局(DITP) タイ産品販売促進のパートナーシップに関する覚書(MOU)を締結
楽天グループ 取締役 副社長兼執行役員 武田和徳氏(左)、タイ国副首相兼商務大臣 プームタム・ウェーチャヤチャイ氏(中央)、タイ国商務省国際貿易振興局 局長 プーシット・ラタナクン・セーリールーンリット氏(右)

取り組みの第1弾として、2024年5月10日(金)~7月10日(水)まで「TOPTHAIストア」上で「TOPTHAI物産展」を実施する。タイの食品、美容品、ファッション雑貨や、タイの食材や調味料を使ったレシピなどを掲載する。

「楽天市場」内に常設された「TOPTHAI」ストア
常設の「TOPTHAI」ページ(画像は「楽天市場」のサイトからキャプチャ)

対象商品2000円(税込)以上購入時に使える15%オフクーポンを発行する。クーポン配布期間は、 2024年5月10日(金)10時00分~6月10日(月)9時59分と6月10日(月)10時00分~7月10日(水)9時59分。それぞれ先着1500回までの利用限定。

「TOPTHAI」で扱っている商品の一例
「TOPTHAI」で扱っている商品の一例

2021年からの取り組みを評価し、楽天を選出

楽天は2021年からDITPとの取り組みを開始。「楽天市場」上でタイ産品PR特集企画を行ってきた。2023年には東京・代々木公園で行われた「第23回タイフェスティバル東京」でDITPと連携し、「楽天市場」上で「タイフェア」を同時開催。オンラインで使えるクーポンを配布することで相互誘客を図る取り組み実施したs。

こうした取り組みなどが評価され、楽天が「TOPTHAI」パートナーとして選出されたという。タイ国副首相兼商務大臣のプームタム・ウェーチャヤチャイ氏は「楽天は日本のトップ企業で、世界でも有名な企業であることもあり、選んだ」と話す。

今後は、日本ではまだ認知度が低い最新商品など、タイ産品の魅力を日本国内に発信していくという。

締結に際し、プームタム氏、武田氏は次のようにコメントした。

日本のユーザーに、高クオリティのタイの商品を紹介していきたい。マンゴー、バナナ、ドリアン、マンゴスチンなど、タイにはいろいろな季節の果物があるので、飽きることなく楽しんでもらえると思う。タイのフルーツを日本のユーザーに味わってほしい。(プームタム氏)

楽天には1億を超えるアカウントがある。「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天カード」の利用者など、いずれもタイの文化・食品との接点があるデータが手元にあるので、それを活用していく。オフラインでのイベントにも「楽天市場」出店店舗と協力して手がけてきているので、リアルな場をマーケティングの接点として活用していきたい。(武田氏)

藤田遥

ECモールの利用はZ世代とY世代「Amazon」、X世代以上は「楽天市場」がトップ。利用頻度が高いのはZ・Y世代「YouTube」、X世代は「Google」

1 year 10ヶ月 ago

マーケティング・リサーチ事業を手がける日本インフォメーションは、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代(現在16~27歳前後)の情報収集やSNS利用などをまとめた調査結果「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表した。調査結果では、Y世代(同28~43歳)、X世代(同44~69歳)との世代比較も考察している。

普段利用している情報サイト、まとめ・キュレーションサイトではZ世代、Y世代、X世代のいずれも「Google」が最多。「Yahoo!ニュース」はZ世代が19.0%、Y世代が30.3%だったのに対し、X世代は58.1%が利用していた。

SNSでは「LINE」がいずれの世代で50.0%を超えた。次に多いのはZ世代が「Instagram」で47.8%、Y世代は「X」で43.5%、Z世代も「X」で31.7%。

日本インフォメーションは、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代(現在16~27歳前後)の情報収集やSNS利用などをまとめた調査結果「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表
普段利用しているサイト・アプリ

ショッピング通販サイトの利用では、Z世代(52.2%)とY世代(56.5%)が「Amazon」、X世代以上では「楽天市場」が65.2%でトップ。Z世代の女性は「SHIEN」で31.2%となっており、低価格や多数の商品店数が支持されているようだ。

日本インフォメーションは、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代(現在16~27歳前後)の情報収集やSNS利用などをまとめた調査結果「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表
通販サイトの利用

利用頻度が高いサービスを3つ選択してもらったところ、Z世代は「YouTube」(41.4%)、「LINE」(27.1%)、「Instagram」(23.7%)。Y世代は「YouTube」(38.7%)、「Google」(25.8%)、「LINE」(22.1%)。X世代は「Google」(32.6%)、「LINE」(29.7%)、「Youtyube」(29.3%)。

日本インフォメーションは、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代(現在16~27歳前後)の情報収集やSNS利用などをまとめた調査結果「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表
利用頻度が高いサービス

Z世代に各SNSの利用について訊いたところ、「Instagram」はフォローしているアカウントの投稿を閲覧するが51.8%で最多。「X」はアカウントの投稿閲覧、暇つぶしが各47.1%だった。ストーリーズへの投稿は46.8%。「TikTok」「YouTube」は「投稿する」の選択率が他のSNSと比較して大幅に低い。

日本インフォメーションは、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代(現在16~27歳前後)の情報収集やSNS利用などをまとめた調査結果「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表
各SNSの利用

普段日用品関連の商品を購入する際に参考にしている情報について、Z世代は「家族や友人のおすすめ・口コミ」が53.4%で最も多かった。「比較サイトのおすすめ・口コミ」で21.1%で続いた。

X世代は「店頭POPや商品パッケージ等」が46.3%で最多。Y世代の女性は「ECサイト・購入者のおすすめ・口コミ」が35.6%で最も多く、Z世代の女性においては、「インフルエンサーのおすすめ・口コミ」が21.1%、「芸能人・モデル・アーティスト等のおすすめ・口コミ」が19.7%だった。

日本インフォメーションは、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代(現在16~27歳前後)の情報収集やSNS利用などをまとめた調査結果「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表
普段日用品関連の商品を購入する際に参考にしている情報

調査概要

  • 調査地域:日本全国
  • 調査対象:16~69歳の男女
  • 調査期間:2024年3月11~12日
  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 有効回収:1020サンプル
松原 沙甫

「Amazon Pay」月額固定費無料がもたらした効果とは? 「Amazon Pay」経由の決済額は2倍、導入店舗数は約4倍

1 year 10ヶ月 ago

GMOペパボが提供するECサイト構築サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ(カラーミーショップ)」で、「Amazon Pay」の月額固定費が無料になってから約半年が経過。施策開始前と比べて「Amazon Pay」導入店舗数は1万8000店舗にまで拡大し、約4倍以上に伸長しました。導入店舗数拡大で店舗に起きた変化、施策開始に至った背景などをGMOペパボの寺井秀明氏(執行役員 兼 EC事業部 部長)とアマゾンジャパンの永田毅俊氏(Amazon Pay事業部 Head of Marketing)に取材しました。

「Amazon Pay」導入店舗で流通額が拡大。利用をより加速させるため施策をスタート

――「Amazon Pay」月額固定費無料化に至った背景をそれぞれの観点から教えて下さい。

GMOペパボ 執行役員 兼 EC事業部 部長 寺井秀明氏(以下、寺井氏):「『Amazon Pay』導入店舗数が順調に伸びている」という両者間の共通認識があるなかで、2022年後半にアマゾンさんから提案があったことがきっかけです。

その頃、「Amazon Pay」導入店舗における流通額拡大やプラスの効果に対する声が蓄積されてきたところでした。この施策で、より導入店舗数の拡大を加速し、多くの事業者さんに使ってもらえる機会になると考え、2023年10月から「カラーミーショップ」の決済手段として提供している「カラーミーペイメント」利用店舗に「Amazon Pay」を月額固定費無料で一斉導入するという形で実施しました。

アマゾンジャパン Amazon Pay事業部 Head of Marketing 永田毅俊氏(以下、永田氏):アマゾンは、事業者さまのビジネス成長に「Amazon Pay」というツールを役立ててほしいと思っています。「Amazon Pay」を通じてECビジネス拡大をお手伝いしていきたい

その上で、1件でも多くの事業者さまに利用してもらうためにはどうしたら良いかを常にさまざまな角度からGMOペパボさんと相談していました。

寺井氏:「カラーミーショップ」では、「Amazon Pay」を導入できる体制を構築して以来、利用促進のキャンペーンを常に実施していました。たとえば「カラーミーショップ大賞」にAmazon Payさんにご協賛いただき、「Amazon Pay賞」を新設しました。「Amazon Pay」を上手に活用している店舗さんをAmazon Payさんが選出するという取り組みも施策の1つです。

こうした取り組み以外に「何かできることはないか」と模索しているなかで、今回の無料化を進める流れになりました。

永田氏:これまでGMOペパボさんとは良好な関係を築いてきて、「カラーミーショップ大賞」など共同プロモーションという下地がしっかり整っていたからこそ、今回のような提案が行えたと思っています。

GMOペパボ カラーミーショップ Amazon Pay カラーミーショップ大賞の賞の1つ「Amazon Pay賞」
「カラーミーショップ大賞」の賞の1つ「Amazon Pay賞」
(画像は「カラーミーショップ大賞2023」のサイトからキャプチャ)

導入店舗数は約4倍、「Amazon Pay」経由の決済額は2倍超に

――無料化施策による「Amazon Pay」導入店舗数の推移を教えて下さい。

寺井氏:「Amazon Pay」提供開始以降、利用店舗数は伸び続けていて、月額固定費2000円で利用できるという以前の形態だったときは、約4000店舗が利用していました。今回、GMOイプシロンが提供する「カラーミーペイメント」利用店舗に「Amazon Pay」を一斉導入したことで、店舗数は1万8000店舗、約4倍に拡大しました

――導入店舗において、どのような売り上げの変化がありましたか。

寺井氏:個別の流通額は千差万別ですが、「カラーミーショップ」全体の「Amazon Pay」経由の決済額は2倍を超えました。銀行振込や代金引換などの利用減少が加速し、「Amazon Pay」に移行しているという傾向が見えています。

定性的ですが「新規顧客獲得につながっている」という声が利用店舗さんから届いていますので、良い効果が得られていると感じています。

GMOペパボ 執行役員 兼 EC事業部 部長 寺井秀明氏
GMOペパボ 執行役員 兼 EC事業部 部長 寺井秀明氏

――導入店舗で特に多いジャンルがあれば教えて下さい。

寺井氏:一斉導入のため、食品、アパレル、雑貨など、すべてのジャンルで導入しています。実績として伸びているところは、アーティストのファングッズを販売していて、突発的に新たなユーザーが来訪する機会がある店舗さんですね。

それから、テレビやマスメディアで紹介された食品事業者さん。新規顧客が一気に流入するタイミングだと思いますが、そういうときに「Amazon Pay」を選択しているケースが多いです。

「モールで商品を購入するわけではない時にどこで安心感を得るのか」を考えた際、「Amazon Pay」のボタンに知っているマークを見つけることで、決済をしているのではないでしょうか。

永田氏:限定販売品を買う際、「『Amazon Pay』は3ステップで購入できて便利」という声はよく聞いています。また、初めて購入する店舗における安心感を提供できているところはあると思っています。

アマゾンジャパン Amazon Pay事業部 Head of Marketing 永田毅俊氏
アマゾンジャパン Amazon Pay事業部 Head of Marketing 永田毅俊氏

SNSで「Amazon Pay」導入を発信する店舗も

――無料化を機に導入した店舗からはどのような声・意見が寄せられていますか。

寺井氏個人事業主の人も利用できるようになったことで、導入したくてもできなかった事業者さんからはすごく喜ばれています。導入を迷っていた店舗さんが、「すぐに使えるようになったので導入してみた。決済面の面倒が省けた」といったことをSNSで発信していることも見かけます。また、ネットショップを長く運営していたものの決済にあまり手を入れていなかった店舗さんで、「Amazon Pay」導入で新規顧客の流入から購入までつながったというところもあります。

新しくネットショップを始めた人、長らく運営していた人、法人・個人問わず喜びの声が寄せられていますね。

永田氏:「Amazon Pay」の利用規約で、個人事業主は導入できないのですが、一部例外として「カラーミーショップ」をはじめとする一部のECサイト構築サービスでは、個人事業主でも導入できる状況になりました。今回の取り組みで、そういった人達に喜んでもらえているのは自分たちとしても嬉しいです。

X(旧Twitter)などのSNSで、「『Amazon Pay』が使えるようになりました」という店舗さまの投稿をよく目にしますが、2023年10月以降、「カラーミーショップ」の利用事業者さまが投稿している数が明らかに増えていると感じています。

直接利用者さまから声を聞く機会はなかなかありませんが、SNSを通じてポジティブな意見を得られることは励みになっています。

寺井氏:既に「Amazon Pay」を導入されている店舗さんが今回の施策をニュースリリースなどで見て、「自社のネットショップでの決済割合は『Amazon Pay』が多いから導入した方が良い」と発信しているケースもありました。他の事業者さんに知ってもらいたいくらい効果が出ていると言うことなので、今回実施して本当に良かったと思います。

永田氏:「Amazon Pay」ローンチから、事業規模の大小、業界の偏りもあまりなく幅広くどんな事業者さまにも等しくサービスを提供できていると思っています。

今回の一斉導入で、ベテランの人にも、ECをまさにこれから始めようという事業者さまも、どんな立場でも一定程度効果を感じてもらえることを期待しています

マーケティング効果やサポートコスト削減につながる

寺井氏:今後、決済は付加価値が重要になっていくと思います。銀行振込や代金引換は従来からある決済方法ですが、ユーザーにとって利便性やメリットが小さくなってきているのではないでしょうか。たとえば代金引換は「置き配」やロッカー受取がこれだけ普及している状況だと、選択肢から外れることも多いでしょう。

「Amazon Pay」の付加価値としては、住所入力が不要だったり、商品購入時にアクティブな情報が反映されていることだったりします。ほかにも比較ポイントはいくつかあると思いますが、付加価値が付いている決済手段が選択される世の中になっていくと考えています。

永田氏:私たちは「Amazon Pay」における付加価値を“マーケティング効果”と表現しているのですが、新規顧客でも敷居が下がって買いやすい、入力の手間が減ってシンプルにCVが上がるといったマーケティング効果に対して手数料を支払ってもらっていると考えています。

そこはきちんと事業者の皆さまにお伝えしていきたいところですし、導入した店舗さまにも感じてもらえるところだと思っています。

それから、「決済に関する問い合わせが減った」という声も寄せられています。

寺井氏:サポートコストが減るのはそうかもしれません。遷移する画面が少ない=購入者の手間が減ることなので、入力を間違える、全角と半角ではじかれるといったことが「Amazon Pay」ならほぼ起こらないので、そういった対応負荷は減っているようです。

永田氏:問い合わせ対応もそうですが、不正取引に関してよく寄せられる意見として、「不正取引対応で表に出てこないコストや、対応にかかる費用の削減につながるのは大きい」というものもありますね。

寺田氏:事業者さんにとって手数料は気になる点だと思います。しかし、そこの大小だけで見るのではなく、「マーケティングに対するフィーとしてどうなのか」という点を見てもらえると良いなと。私たちも客観的に判断できる材料としてお伝えしていかないといけないなと感じています。

GMOペパボ カラーミーショップ Amazon Pay

これまで難しかった販促面の支援を行えるように

――「Amazon Pay」一斉導入に伴い、キャンペーンなどは実施しますか。

寺井氏:2023年12月にアマゾンさんと共同で、「Amazonギフトカード」での支払いで最大1.5%ポイントを還元するという購入者向けの訴求キャンペーンを実施しました。店舗さんにはより購入者を増やすための材料として、こういったキャンペーンを活用していただけたのではないでしょうか。

これまで、「カラーミーショップ」はモールではないので、一斉にセールなどを実施することができませんでした。個店それぞれの事情があるため、販促の手伝いをすることがなかなか難しかったのですが、決済を介してアプローチが取れるようになったことで、新しい領域で支援できるようになったと思います。

永田氏:「カラーミーショップ」利用店舗さまであれば、キャンペーンの文言が自動的に提示されるような工夫をしてもらっています。事業者さまの手をほとんど煩わせることなく、費用負担もなく、ユーザー向けのキャンペーンを一緒に実施できた事例ですね。今後もシーズナルを意識したプロモーションを随時行っていきたいと考えています。

GMOペパボ カラーミーショップ Amazon Pay キャンペーンの事例
「Amazon Pay」のキャンペーン事例。一斉導入以前から共同でキャンペーンを実施していた
(画像提供:GMOペパボ)

運営負荷の軽減、「Amazon Pay」の価値を広く認識してもらえる取り組みを行う

――今後注力したい取り組みや今後の展望を、それぞれお聞かせ下さい。

寺井氏:2024年はEC運営自体の生産性の向上と、ユーザーを店舗に連れてくるという集客支援の2軸にチャレンジしていきたいと思っています。

EC事業者さんの運営負荷を軽減するために生成AIを活用できる場面がいくつかあると思っています。2023年から商品説明文やSEOのためのTIPSを作る、SNS販促用の文言作成のアシスト機能などを提供していますが、今後はそこを加速させていきたいと考えています。

今回の施策で、購入者側の利便性はかなり改善されたと思っていますので、今後は販促施策をより一層強化していくために、「Amazon Pay」を活用した販促施策をアマゾンさんと共同で取り組んでいけたらと思っています。

また、「カラーミーショップ」のプロダクト自身も“買いやすさ”というカゴの改善はできたので、“自社ECサイトにきてもらいやすくする”というプロダクト改善を予定しているので、その部分は期待していただけたらと思っています。

永田氏:2024年5月11日でサービスを開始して丸9年、10年目突入の節目になる年を迎えます。新型コロナを経てECは急速に拡大したことで、「Amazon Pay」への問い合わせが非常に増えました。新しく始める人が多い分だけ、「Amazon Pay」が意外と知られていないところもまだまだあると感じています。「Amazon Pay」が提供できる価値を広く認識してもらえる活動に改めて注力していきたいですね。

「カラーミーショップ」での一斉導入から約半年が経ち、ある程度効果が出てきたり、意見があがり始めたりする時期だと思います。そういう声を直接聞けるような導入事例ページを作成するなど、生の声を生かしてプロダクトの改善につなげていきたいと思っています。

GMOペパボ カラーミーショップ Amazon Pay
藤田遥

ニッセン、後払い決済から撤退。SCOREの持分株式51%をDGフィナンシャルテクノロジーに売却

1 year 10ヶ月 ago

ニッセンは、株式の51%を保有する後払い決済会社のSCORE(スコア)の持ち分を、デジタルガレージの決済子会社であるDGフィナンシャルテクノロジー(DGFT)に売却することを決めた。

5月9日付で基本合意書を締結、7月1日付で株式譲渡を実行する予定。これによりSCOREはDGFTの100%子会社となり、ニッセンは後払い決済事業から撤退する。

ニッセンの後払い決済サービスは2013年にスタート。その後、ニッセンとDGFT(当時の商号はベリトランス)は2018年9月、SCOREを合弁で設立。後払い決済サービスの事業をSCOREに移管した。資本金は1億円で、出資比率はニッセンが51%、DGFTが49%。

ニッセンによるSCOREの株式譲渡目的は不明だが、セブン&アイ・ホールディングスの傘下となって以降、総合通販事業の展開を再編。その一環として自社物流センターを売却するなど、他社の通販事業を支援するBtoB事業の縮小を図っていた。

そのような環境下、セブン&アイ・ホールディングスは5月9日、ニッセンホールディングスを医療品通販の歯愛メディカルに売却すると発表。セブン&アイ・ネットメディアが保有するニッセンHDの全発行済株式を、歯愛メディカルに41億円で譲渡する。株式譲渡実行日は7月1日付の予定。

ニッセンHDは2024年2月期まで、負債が資産を上回る「債務超過」状態が続いており(2024年2月期の純資産は237億円のマイナス)、外部金融機関からの借り入れではなく、グループ内からの借り入れで事業を継続してきた。歯愛メディカルによるニッセンHD買収は、グループ内貸付の全額返済、債務超過の解消が前提としている。

株式譲渡実行日までに、セブン&アイ・ネットメディアがニッセンHDが実施する第三者割当増資を引き受け、グループ内貸付の全額返済、債務超過を解消する。

松原 沙甫

千趣会の立て直し戦略を梶原社長が語る。子育て領域強化、デジタルマーケのボトムアップなどで黒字化を計画 | 通販新聞ダイジェスト

1 year 10ヶ月 ago
システムトラブルの悪影響が響いた千趣会。2023年までの実情を踏まえつつ、黒字化をめざす2024年12月期の注力点を社長が語る

千趣会は前期(2023年12月期)、カタログからデジタルシフトを加速し、コスト削減効果によって通販事業の赤字幅は約25億円縮小したが、売り上げは想定の効果を得られずに431億円にとどまった。2年前のシステムトラブルに起因する会員数の減少も尾を引いており、来期の黒字化に向けて真価が問われる。「事業ポートフォリオの多様化にスピード感をもって取り組む」と話す梶原健司社長に前期の総括と今期の重点取り組みなどを聞いた。

千趣会の梶原健司社長
千趣会の梶原健司社長

課題は購入会員数の減少

デジタルシフトに取り組むも、顧客分析が不足

――2023年度は厳しい1年だった。

2022年1月に発生した「ベルメゾンネット」のシステムトラブルでお客さまの信頼を損なってしまい、会員数が戻りきらないなかで前期がスタートした。カタログの制作費用が上がる一方でレスポンス率は落ちていたので、デジタルシフトに大きく舵を切った

結果的に販促費用は大幅に削減できたが、カタログ発行部数を減らした分の売り上げをECチャネルで補い切れず、購入会員数は前年の200万人から163万人に減少した。デジタルシフトを急いだことで、カタログを好むお客さまにも紙媒体を削減してしまうなど、顧客分析が不十分だった。お客さま本位のおもてなしができていなかった。

千趣会が通販事業「ベルメゾン」で展開するディズニーグッズ専門の常設店舗(東京都・千代田区)
千趣会が通販事業「ベルメゾン」で展開するディズニーグッズ専門の常設店舗(東京都・千代田区)

――EC市場は激戦区だ。

激戦区に飛び込んだが新規会員の獲得数が想定より少なかった。PRやクリエイティブの内容を含めてベルメゾンの特徴を出し切れず、購入につながらなかったことが反省点だ。大手ECモールと比べた時のメリットも出せなかった。マーケティングコストのかけ方が課題だ。

――組織変更も行った。

昨年4月に、幅広いカテゴリーの商品を扱うベルメゾン事業を2本部制とし、それぞれに執行役員の本部長を配置した。下期からは、カタログが好きなお客さまにはしっかり届くようにするなどチューニングし直した。

今後はニーズや消費者の特徴を捉える

――前期は商品数も削減した。

粗利率の改善を目的とした商品の絞り込みを行ったが、品ぞろえの魅力や新商品の投入数も減ってしまった。ベルメゾンはオリジナル商品が売り上げの7割以上を占めていて、武器になっている。事業として効率化を図ることは大事だが、EC市場では一定規模の品ぞろえの幅がないと魅力のない売り場だと思われてしまう。販売チャネルの特性やニーズに沿った品ぞろえのあり方を追求する。

――消費者も変化している。

お客さまは企業が発信することを鵜呑みにせず情報を精査しているし、さまざまなチャネルを賢く使い分けている。企業側からすると、購入経験のあるユーザーは「会員」として認識しているが、利用者側は登録しただけで、割引クーポンやセールなどを賢く利用して買い物をするケースが主流だ。1回だけの購入者、ライトユーザーを「会員」として従来通りの費用をかけてもLTVの向上には直結しない。前期は経営資源を投入し学びとなった。

ECモールや株主企業との連携強化

――前期の成果は。

良かった点のひとつが外部ECモールでの販売で、ベルメゾンは「楽天市場」と「アマゾン」「ヤフー」「JRE MALL」に出店している。オリジナル商品を中心に売れていて、商品レビューの評価も高い自社の会員に限定した商品開発をしているだけでは事業の成長につながらない。もっとオープンな市場で戦える商品を増やしていく必要があるし、そういう市場でもファンを作っていく。

新たな収益源創出を計画

――そのほかは。

協業・共創の取り組みでは、筆頭株主でもあるJR東日本と連携して展開しているエキナカ店舗が成長したほか、「JRE MALL」では専用の商品開発を強化して前年実績を上回った。また、オークネットとの不要品買取サービス「キマワリ」も申し込み件数が増えていて、ベルメゾンの継続利用に効果的なこともわかった。

不要品買取サービス「キマワリ」
不要品買取サービス「キマワリ」

コロナ禍でブライダル事業を切り離したこともあって、当社グループはほぼ通販一本足打法になった。本業の通販事業は今期と来期でしっかり立て直すが、同時に保育事業も含めてグループポートフォリオの多様化に取り組み、スピード感を持って第2、第3の柱を作っていく

老舗ならではの強みを生かす

――老舗の強みを発揮したいところだ。

当社は来年、70周年という節目の年を迎える。取引先からも「過小評価しているのでは」と言われていて、信頼・安心のバリューや、長年培ってきたビジネスアセットとノウハウ、さまざまなネットワークを活用し、協業・共創を含めて新しい収益源を増やしていく

――協業の際に重視することは。

当社は女性の支援をはじめ、事業そのものが社会貢献につながるという意識でビジネスをしている。当社の思想に共感してくれる企業と一緒に社会課題の解決をベースにした新しい取り組みをしたい。

スタートアップでも志を持って事業を展開している企業はあるので、社会貢献につながるような商品やサービスを目利きして、当社のお客さまに紹介するといったことも含めて「ベルメゾンネット」のあり方を模索していきたい。

――「キマワリ」もそうしたサービスのひとつだ。

その通りだ。カタログは質の高いお客さまが多く、「キマワリ」など環境に貢献するサービスへの関心が高い。「キマワリ」がスタートした2022年11月から2023年12月までの申し込み件数は5万件以上で、リピート率は30%と好評だ。新たに服を作ること、廃棄することを抑制して二酸化炭素や水の削減に貢献している。13か月間の二酸化炭素削減貢献量は2万1856トン水削減貢献量は232万638キロリットルに上る。

来年に70周年を迎える会社として、しっかりと社会貢献しながらビジネスも成り立つことを確立したい。

システム改善でマーケティングスキル向上

――2022年に新設した子会社の現状は。

センシュカイメイクコーは、グループの顧客データの基盤整備を担っていて、データの整備、活用はけっこうできている。一昨年のシステムトラブルでサイトパフォーマンスが落ちたが、システム面も含めて改善している。新たなお客さまとのつながりを模索した取り組みでは、「キマワリ」や、産院での顧客接点を強化した。

数字には表れていないが、外部の協業先の知見も含めてデジタルマーケティングの活用スキルが底上げできたのは大きい。また、PoC(概念実証)を通じた新規事業やサービス開発を徹底してきたことで、成功率を確認しながら施策を進めるやり方が身についた。

――課題は。

やはりデジタルマーケティングで、販促費の削減はできたがチューニングが必要だ。また、法人向けの広告事業も計画未達のため、メニューを含めて見直さないといけない。4月以降にもう一段の組織改正を行い、千趣会とメイクコーの関係性を再構築する。

――ウェルサーブについては。

ウェルサーブはJFLAホールディングスと組んで2022年10月にワインのECからスタートし、昨年には「暮らすグルメ」として取り扱い商品をグルメカテゴリー全般に広げた。現在は自社ECだけでなく、5つのECモールに出店していて、最近は特に「JRE MALL」での売り上げが好調に推移している。ベルメゾンの食カテゴリーを補完するという側面もあるが、どちらかというと外部ECモールでオリジナル商品を含め広げていきたい

――子会社で展開する理由は。

フラワーギフトを扱う千趣会イイハナと同様に、保管や出荷面を含めて千趣会本体では難しいが、あるカテゴリーに特化することで、きめ細やかな対応ができる。サイト訪問頻度や売り上げを高めるには、アパレル以外でも接触頻度を増やす必要があり、グルメは大事なカテゴリーだ。また、最近は大きな地震が多く、水や非常食といった災害時などに役立つ商品の取り扱いも増やしたい

グルメ専門通販サイト「暮らすグルメ」トップページ
グルメ専門通販サイト「暮らすグルメ」トップページ

顧客層に合わせた取り組みを強化

子育て層のターゲットを拡大

――子育て支援の拡大にも取り組む。

子育て領域には、当社グループの力を結集して強化する。もともと、マタニティやベビー・キッズなどの物販をしているが、もっと大きな視野で、少子化という社会課題の解決に少しでも貢献したい。子育て層は母親だけでなく、父親や祖父母なども含まれてくるのでターゲットを広げる

当社グループは自治体、行政を通じて産院での検診や母子手帳配布の際など、出産する女性にアプローチできることや、商品をフルジャンルで展開できることが強みだ。

今後は、アパレルや既存の保育事業に加え、子どもの成長を考えた上で時短料理ができるミールキットなどの食や、妊娠期から出産後の子育て関連教室など、新米ママなどの不安を取り除けるようなサービスの紹介も含めて広げていければいい。

――シニア向けの通販については。

「大丸・松坂屋」の通販カタログを引き継いで「クラス」というシニア向けのカタログを展開してきた。2023年夏号からは「ベルメゾンクラス」にカタログ名を変え、より千趣会らしいカタログにしていく。

また、今年4月中旬には60代後半~70代女性向けのライフスタイル提案カタログ「わたしの彩り」を創刊したところだ。

――価値観や消費行動が多様化している。

当社はこれまでマスビジネスを行ってきたが、“千の趣(おもむき)”をベースに場づくりを進める。そのためにもキーワードをつかんでコミュニティを形成していく。テーマの集合体をいかに作るかが当社の生き残る道になると思う。ターゲットと切り口、コミュニティ形成がかみ合えば、あとはオリジナル商品を作ることができる

今期は「売り場再構築」「物流拠点統廃合」ほか

――改めて今期の注力ポイントは。

今期は、一丁目一番地である商品と売り場を再構築する。商品の“使用価値の最大化”をめざしていて、愛着がわいて長く使ってもらえる商品を作るとともに、キーワードや話題性から逆算した物づくりにも注力する。また、業績が悪くなるとチャレンジングな商品が少なくなるので、R&D(編注:研究開発)を含めて別枠で挑戦しやすくする。そのうえで、外部ECモールを活用してオープンな市場で戦える商品を作っていく。

「ベルメゾンネット」の売り場は再構築する。4月の組織改正と人事で同サイトの責任者を明確にし、他者サイトと差別化でき、ユーザーに支持してもらえる売り場の構成、コンテンツ作りを、コンセプトを含めて見直す。「ベルメゾンネット」は自社ECでありながら千趣会のポータルサイト的な役割も担うため、物販やサービスの展開も含めたサイトのあり方を模索していく。

――カタログは。

カタログは効率改善を進める。従来のように約半年をかけて制作するのではなく、PDCAを回すのを本質的な構造改革として慣習を変える。直近のシーズンの状況を踏まえて費用のかけ方をチューニングしていく。

――そのほかは。

もうひとつはコスト削減の部分で、すでに発表している物流拠点の統廃合を進める。元々は売上高700億円~800億円規模のECを前提にしていて、システムの固定費や業務委託費用がかさむので、2024年~2025年にかけてダウンサイジングする。

また、今後はコールセンターや物流・フルフィルメントといったハード面では、通販各社が手を取りあって固定費などの効率化を進めるケースも出てくると思う。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

楽天グループ、AIツール活用法を学べる出店店舗向けの動画講座「楽天AI大学」を公開

1 year 10ヶ月 ago

楽天グループはこのほど、ECのノウハウを提供する学習サービス「楽天大学」が運営するEラーニング型の動画講座「RUx」(アールユーエックス)において、AI技術の基礎知識やAIツール活用法を学べる出店店舗向けの動画講座「楽天AI大学」を公開した。

出店店舗のAI活用を推進し、店舗運営の効率化や生産性向上の支援をさらに加速させる。

「楽天AI大学」の運用は、AI技術に関する理解促進と店舗運営におけるAIツールの活用推進が目的。AIの基礎知識に加え、AIが商品ページの文章作成や店舗運営の相談に乗るなどの機能を備えた「RMS AIアシスタント β版」で提供する各機能の利用方法や出店店舗の活用事例などを学ぶことができるという。

将来的には、ビジネスパーソン向けWebメディア「楽天大学ラボ」で、業界の有識者の知見を交えたAIに関する知識や教養を身に付けるための動画コンテンツを一般ユーザー向けに配信。順次コンテンツを拡充する。

ビジネスパーソン向けWebメディア「楽天大学ラボ」
楽天大学ラボ」のTOPページ(画像は編集部がキャプチャ)
瀧川 正実

セブン&アイがニッセンHDを売却、医療品通販の歯愛メディカルが41億円で取得

1 year 10ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングスは5月9日、グループのニッセンホールディングスを、医療品通販の歯愛メディカルに売却すると発表した。

セブン&アイ・ネットメディアが保有するニッセンHDの全発行済株式を、歯愛メディカルが41億円で譲り受ける。株式譲渡実行日は7月1日の予定。

ニッセンHDは2024年2月期まで、負債が資産を上回る「債務超過」状態が続いており(2024年2月期の純資産は237億円のマイナス)、外部金融機関からの借入ではなく、グループ内からの借り入れで事業を継続してきた。歯愛メディカルによるニッセンHD買収は、グループ内貸付の全額返済、債務超過の解消が前提としている。

株式譲渡実行日までに、セブン&アイ・ネットメディアがニッセンHDが実施する第三者割当増資を引き受け、グループ内貸付の全額返済、債務超過を解消する。

歯愛メディカルは歯科医院や歯科技工所を中心に、各種医療機関への通信販売が主力事業で、女性医療従事者へアプローチしやすい環境がある。ニッセンHDの商品開発力を合わせることで、働く女性の持つ潜在ニーズに対応した事業を協働で展開できると判断した。

ニッセンHDは2014年12月期に連結売上高2000億円を突破。その後、業績不振に陥り、2016年にセブン&アイ・ホールディングスグループの傘下に入った。「ゼロベースで経営全体の『選択と集中』を推進し、早期黒字化を実現する」(セブン&アイ)とし、「総合カタログ依存モデルからの脱却」「EC主体型への戦略転換」などを進めた。

ピーク時は2000億円を超えた売上高は2024年2月期に395億7100万円へと縮小。一方で、営業利益は2億1100万円、当期純利益は1億1500万円。利益を計上できる経営体質へ改善している。

瀧川 正実

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  6. 市場規模700億の「青汁」市場、成長し続けている企業の差別化戦略とは? コロナ禍後の市場は縮小傾向も、一部企業は堅調

    シニアを中心に定着した通販青汁市場だが、近年は緩やかに規模が縮小している。トレンドやユーザーには変化が見られるようだ。市場傾向と、上昇気流に乗っている企業をまとめる

    2024/5/7
     
  7. KDDIグループのECモール「au PAY マーケット」、住所や本名を知らなくてもURLでギフトを贈れるサービスを開始

    auコマース&ライフは、運営するECモール「au PAY マーケット」で、誰でも手軽にギフトを贈れる機能の提供を始めた。住所情報が本名がわからなくても贈れる点に強みを持つ

    2024/5/8
     
  8. 越境ECのメリットや課題点とは? 日本企業の成功事例14選に学ぶ成功のポイント

    日本企業が越境ECを成功させるためにはどうしたら良いのでしょうか? 実際に成功を収めている日本企業の事例や人気商品ランキングを紹介します

    2024/5/8
     
  9. そごう・西武が公式通販サイト「e.デパート」にハッシュタグを表示。回遊性向上や商品との出会い創出をめざす

    公式通販サイト「e.デパート」に、ハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を導入して実装した

    2024/5/8
     
  10. 美容商材通販のビューティガレージが専門出版社の女性モード社を買収

    美容業界には体系的にまとめられた公平性の高い情報は大きな価値があり、業界プラットフォームを運営するビューティガレージが、新たな形でその価値を最大化できると判断し、買収を決めた

    2024/5/8
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    モノタロウの配送サービス向上施策とは? 置き配サービスの刷新+配送エリアを全国に拡大

    1 year 10ヶ月 ago

    間接資材のECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROが配送サービスレベル向上に着手する。5月31日に「置き配」サービスをリニューアルし、対象顧客やエリアを拡大する。

    法人・個人事業主の顧客が「置き配」の対象だったが、リニューアルで個人顧客にも広げる。これにより、「モノタロウ」で注文したすべてのユーザーが「置き配」を利用できるようにする。

    現状の「置き配」対象エリアは首都圏など14都府県だが、これを全国で利用できるように拡大。現状は顧客の不在時に指定場所へ配達しているが、リニューアルで利用者が在宅していても指定場所に商品を届けるようにする。

    指定可能な「置き配」場所は、玄関ドア前、建物内受付/管理人預け、宅配ボックス、車庫、ガスメーターボックス、物置、自転車のかごなど。配送委託先はヤマト運輸。

    モノタロウ 「置き配」サービス刷新の主な変更点
    「置き配」サービス刷新の主な変更点

    「置き配」の設定は、ECサイト「モノタロウ」のマイページから「ご登録情報」によって届け先ごとに設定する仕組み。設定を希望する届け先の「お届け先情報」にある「置き配サービスの設定を変更」ボタンで利用できる。

    松原 沙甫

    売上高900億円、マーケティングソリューションカンパニーへの進化をめざすスクロールの中期経営計画とは

    1 year 10ヶ月 ago

    スクロールは3か年の中期経営計画(中計)を策定、中計最終年度となる2027年3月期に連結売上高900億円、経常利益80億円、当期純利益54億円をめざす数値目標を掲げた。

    前期の2024年3月期連結業績は、売上高が前期比1.5%減の798億2600万円、営業利益は同13.2%減となる53億1300万円、経常利益は同11.0%減の55億1200万円、当期純利益は同12.5%減の36億4900万円だった。

    連結売上高は当初830億円を見込んでいたが、eコマース事業の売上高が190億円の計画に対して159億4200万円にとどまった。子会社のナチュラムが手がけるアウトドア・キャンプ用品の市場縮小、AXES(アクセス)によるブランド用品販売は競争の激化など市場環境が悪化、減収に影響した。

    スクロールは3か年の中期経営計画(中計)を策定、中計最終年度となる2027年3月期に連結売上高900億円、経常利益80億円、当期純利益54億円をめざす数値目標を掲げた
    これまでの実績と今後の定量目標(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    こうした環境を踏まえ、新中計では従来のダイレクトマーケティングソリューションカンパニー(DMSC)から、マーケティングソリューションカンパニー(MSC)への進化を掲げた。事業ドメインの拡大に取り組むとし、既存事業に対して機能やテクノロジーを追加して、提供価値を高めていく。

    スクロールの新中期経営計画では従来のダイレクトマーケティングソリューションカンパニー(DMSC)から、マーケティングソリューションカンパニー(MSC)への進化を掲げた
    事業ドメインの拡大(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    新中計のけん引役は、他社の通販事業を支援するソリューション事業の領域拡大。BtoBに対する物流代行事業に向けた事業ドメインの拡大、新たな市場開拓として食品ECへの支援事業への着手、M&AによるBPO事業や決済代行事業の拡大と安定化を図る。

    その一環として4月11日付で、連結子会社のスクロール360が多言語同時通訳を強みとしたコールセンター業務のビーボーンの全株式を取得した。

    スクロール 事業ポートフォリオの修正
    事業ポートフォリオの修正(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    生協組合員向けに事業を展開する通販事業は、事業・商品・業務価値を高めることで収益力の向上を図る。新サービスとしてアパレルAIシステム「Lightchain(ライトチェーン)」の提供を開める。子会社のスクロールインターナショナルがアパレル商品企画・開発に特化した生成AIシステムで、ユーザーが商品画像(元データ)をアップロードし、変更内容を指示すると、それを反映した商品企画案をAIが生成する。デザインや色・柄の変更を数クリックで実現し、アパレル企画業務の大幅な時間短縮が期待できるという。

    課題のeコマース事業では、「止血を最優先」とする。事業領域を縮小し、赤字脱却を優先すると同時に事業転換の方向性を模索。健康・美容・旅行を手がけているHTB事業は今期からeコマース事業へ統合する。eコマース事業による2024年3月期のセグメント損失は11億2900万円。同事業による売上高、セグメント利益ともに第4四半期(2024年1-3月期)の落ち込みが際立っており、早急に業績悪化の歯止めをかけていく。

    スクロールのセグメント別中期経営計画
    セグメント別中期経営計画(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

     

    松原 沙甫

    【LINEヤフーの2024年3月期】ショッピング取扱高は1.7%減の1.6兆円。5四半期連続のマイナス成長から4Qにプラス成長へ転換

    1 year 10ヶ月 ago

    LINEヤフーの2024年3月期連結業績におけるeコマース取扱高は前期比2.0%増の4兆1954億円だった。

    eコマース取扱高のうち、国内物販系の取扱高は前期比1.7%増の3兆380億円だった。BtoB通販のアスクルや、ファッションECモール「ZOZTOWN」の取扱高増加が寄与した。

    国内物販系取扱高の内訳は、「Yahoo!ショッピング」「LINEギフト」「ZOZOTOWN」「LOHACO」などによるショッピング取扱高が同1.7%減の1兆6658億円。2022年10-12月期(第3四半期)から四半期ベースで5四半期連続のマイナス成長が続いてきたが、2024年1-3月期(第4四半期)に前年同期比8.2%増の4231億円にプラス成長に転換。「国内ショッピング取扱高は底打ち」(LINEヤフー)と説明している。

    「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」「ZOZOUSED」によるリユース事業の取扱高は前期比1.5%増の1兆11億円、その他(物販事業)の取扱高は同23.4%増の3710億円だった。

    「一休.com」「Yahoo!トラベル」「Yahoo!ロコ」「出前館」などによる国内サービス取扱高は堂4.8%増の6429億円。

    LINEヤフーの2024年3月期連結業績におけるeコマース取扱高
    主要サービスの取扱高と成長率の推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    なお、LINEヤフーの2024年3月期連結業績における売上収益は、前期比8.5%増の1兆8146億6300万円、営業利益は同33.8%減の2081億9100万円、当期純利益は同26.5%減の1390億7300万円。コマース事業による売上収益は同3.6%増の8215億円となっている。

    松原 沙甫

    上新電機のEC売上は646億円で14.5%減、2期連続減収。EC化率は16%【2024年3月期】

    1 year 10ヶ月 ago

    上新電機の2024年3月期連結業績によると、EC売上は前期比14.5%減の646億1800万円だった。減収は2期連続。

    連結売上高は同1.2%減の4036億9200万円。連結売上高に占めるネット販売の構成比を示すEC化率は16.0%。前期比では2.5ポイント減少した。

    上新電機の2024年3月期連結業績によると、EC売上は前期比14.5%減の646億1800万円だった。減収は2期連続
    販売チャネル別の連結売上高(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

     

    瀧川 正実

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