クーポンのネット販売サイト「GROUPON(グルーポン)」を手がけるグルーポン・ジャパンは11月13日、2015年の正月用おせちのネット販売を開始した。11年正月に発生した"スカスカおせち"の騒動が起きてから4年ぶりのおせち販売となる。「改善が着実に進んだ4年間だった」(根本CEO)とする同社。昨年の豪華おせちのプレゼントキャンペーンに続き今回は様々な種類のおせちを取りそろえ、取引先の選定や配送体制に気を配り、これまでのイメージを払しょくする。
同社は「グルーポン」内で「おせちお正月特集」を展開。毛蟹付の二段重や三段重、あるいは家族向け・夫婦向け・一人用などボリュームが異なるもの、そのほかスペイン風やフレンチおせちなど全部で17種類を取りそろえる。価格は安いもので7千円台、高いものは4万円台となっている。販売期間は11月13日~12月19日。
11年正月のおせち騒動の際には、遅配に加え、おせちの中身が当初の豪華な内容とは似ても似つかない"スカスカおせち"が届いたということが問題となった。騒動の一因として、おせちを提供する業者の選び方が不適切だったことが挙げられる。当時の販売個数であった500セットを取り扱う能力がなかったことを、グルーポン・ジャパン側が見極められなかったことがそもそもの原因というわけだ。
そうした教訓を踏まえ、同社は騒動の後から契約時の審査基準を増やすなど社内プロセスを改善した。今回のおせちの販売でも取引先選定に際して過去3年間おせちの販売実績があり、事故を起こしていないという基準をクリアした事業者のおせちを扱うという。
根本CEOは4年ぶりにおせちを扱うことに対して「少しずつ改善を進めた結果、十分な社内体制が整い、顧客対応のプロセスも整った」と説明。そして今回は「質の高い商品を、約束した期日に届けることにこだわった」と述べた。
同社によると、生鮮おせちは12月31日の早朝に出荷し、特別専用便で関東及び関東近県の顧客宅に31日中に届ける。冷凍おせちは日本全国に12月30日までに配達を完了させる。また、12月27~31日の期間、配送状況確認専用の電話窓口を設置する。
今回販売する17種類のおせちの具体的な数は公表していないが、「質を担保し約束通りに届けることができる数」(根本CEO)に限定して取り扱っていく。
なお、同社は昨年に続き今年も5人のシェフによる豪華な5段重おせち「夢のおせち」をプレゼントするキャンペーンを実施する。
日本料理やフランス料理、中国料理、スペイン料理、デザートといった5つの段をそれぞれ一流シェフの手によって作るというもので、5人にプレゼントする。
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オリジナル記事:“スカスカおせち”から4年、グルーポンがチェック体制整え正月用おせちのネット販売を再開 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
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ワンコインで自分だけのフォトブックやカレンダーが作れるTOLOTの裏側を探検しました!(連載第4回)

今回探検したのは「TOLOT」(トロット)さん。先月会員数が110万人を突破したという、人気のフォトブックサービスなんです。「配達以外はすべて自社」とのことで、印刷・製本から検品、梱包まで、すべてが倉庫をリノベーションしたちょっと変わったオフィスで行われていました。場所は江東区東雲(しののめ)。鉄のエントランスの向こうは「大切な写真、贈りたい写真をきちんと届けたい」という熱い気持ちでいっぱいでした! 写真◎吉田 浩章
TOLOTとは、PCやアプリでフォトブックを作れるサービスです。フォトブックは文庫本サイズ64ページ。もちろんオールカラー。料金は送料無料でたったの500円。気軽に作れるお値段がミソです。
TOLOTではカレンダーも作れます。注文はPCからのみで、1月始まりと4月始まりが選べます(来年6月まで受付予定)。ケースがスタンドになりますが、マスキングテープや磁石で貼って楽しむ人も多いそうです。
「TOLOTは第2世代フォトブックなんです」
と、TOLOTセールスプロモーション部の田崎さん。第2世代フォトブックって?
「従来型の第1世代のフォトブックは高額で気軽に作れるような物ではなく、ここぞという時に奮発して作る記念品と定義しています。フォトブック市場は100億円市場と言われていますが、こうした第1世代のフォトブックを指します。それに対して、TOLOTは第2世代フォトブック。低価格で日常的に気軽に使えるサービスとして2011年6月にスタートしました。またページ数が64ページと多く、写真のアルバムとしてだけでなくいろんな形で活用できるのが特徴です」
確かにTOLOTのサイトの「ダウンロードアイテム」には、写真を装飾するアイテムの他に、スケジュール、メモ、防災、ダイエット・健康など、いろいろなアイテムがあります。お気に入りの写真を入れたオリジナルのスケジュール帳やお薬手帳ができるのです。これまでのフォトブックでは考えられない使い方ですね。手帳としても使えるように、用紙やインクは水性ペンでも書き込めるものにしているそうです。
TOLOTにはデザイナーが3名いて、デザインにも力を入れています。
「お客さまからの要望が多かったこともあり、表紙に写真を入れられるようにしたのですが、どんな写真が入ってもある程度の完成度を保てるようにするには、装丁のデザインが重要。TOLOTは“誰でも簡単にデザイン性の高い本が作れる”っていうところを着地点にしています。なので、シンプルなデザインですが、ここに到るまでは結構試行錯誤をしているんです。その一方、表紙に写真を入れられるようになってからも、あらかじめ用意しているTOLOTオリジナルのデザイン表紙を利用する人は多いんです。デザインの良さをメリットに感じてもらえているんだなと思っています」
それにしても会員が110万人を突破したなんてすごいですね。
「TOLOTはフォトブックのそれ以上に、コミュニケーションツールだと思っています。作ったフォトブックを持ち歩いて誰かに見せたり、プレゼントとして利用していただいたりしています。商品が一人歩きして、口コミの話題になってくれるので宣伝担当として助かります(笑)」
お友だちがお孫さんの写真入りのお薬手帳を持っているのを見たおばあちゃんが「あれと同じのが欲しい」ってお嫁さんにお願いする…なんてこともあるそうです。シニアの間にもTOLOTの輪が広がりつつあるんですね!
「これからは500円という価格的な魅力だけでなく、利用していただく機会をどう増やしていくかが課題だと考えています。利用シーンを具体的に提案することで、写真を収めるためのフォトブック以上の付加価値を作っていきたいです。競合するサービスも出てきていますが、結果的にそれが、他社との差別化にもなっていくはずです」
TOLOTでは配送以外のすべての工程を社内で行っています。オフィスの廊下を渡ると、そこは印刷、製本、検品、梱包、すべての作業を行うための広ーいスペースです。
表紙に「UVニス加工」をする機械です。この加工をすると、ちょっとした水なら濡れても大丈夫なんです。
でき上がった商品は検品を経て出荷作業へ。日々何千冊ものフォトブックが、一つ一つ丁寧に梱包されて送り出されて行きます。このコーナーで工場見学をさせていただくようになってから、この出荷の過程を見るのは特に好きな瞬間です。
まずは検品を終えた商品に、ビニールのカバーをかけます。もともとは普通の袋に入れていたんですが、カバーならその後もずっと使えるし、活用の幅が広いので変更したそうです。カバーをデコレーションするのも楽しそうですね。
びっくりしたことはプライバシーへの配慮です。TOLOTではISO27001を取得しており、個人情報は厳重に管理されています。
送付用の宛名ラベルは、注文内容、注文数、表紙と本文の組み合わせに相違がないかなどが確認できて初めて出力される仕組みになっています。また、印刷の課程でどうしても出てしまうミスプリントもそのまま廃棄せず、きちんとシュレッダーで処理しています。
「安いから個人情報とか大丈夫?」なんて言われることもあるみたいですが、まったく心配無用なのです。
ちなみに印刷工場の2階は誰でも入れるコンテンポラリー・アート&フォトのギャラリーになっています。もともとこの建物は倉庫だったのですが、その武骨なたたずまいを利用しておしゃれな空間になっています。ファッションイベントやいろんな撮影にも使われているそうです。入場無料なのでぜひどうぞ! →TOLOT/heuristic SHINONOME
工場の見学中、印刷されていく表紙を見て、私は涙が出そうになるのをぐっとこらえていました。
お子さんの成長記録や、カップルたちの思い出の写真集。ご両親の結婚記念日へのプレゼントや、「早く元気になりますように」とメッセージ付きのお見舞いのフォトブックも。
完成されたものが彼らの元へ届き、思い出の1冊として残っていくのだと思うと、自分がプレゼントされたかのような気持ちになり、胸がいっぱいになりました。
ネットショップの裏側を取材するようになり、毎回感じる人気の秘密は、お客さまの喜びを心から自分の喜びのように感じ、尽力していることが絶対の共通点だと感じています。
「“人に喜んでもらえることが仕事のやりがい”って、一般論としてよく言われますけど、今は持論としてもそう思います。お客様がSNSにお褒めのコメントをつけてくれますので」
田崎さんがふとこぼした言葉が印象的だったのですが、それは人に喜んでもらえることが、自分自身の成功やHappyにつながるということ。
第2世代フォトブックとして大ブームのTOLOT。今日もいろんな場所で、たくさんの人がこのフォトブックを手に取っているかと思うと、嬉しくて嬉しくてたまりません!
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オリジナル記事:会員数が110万人を突破したフォトブックサービス「TOLOT」。気配り満載の工場を見学してきました! | はぴさやがゆく! ネットショップの裏側探検記 | ネットショップ担当者フォーラム
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ネットショップ管理システム「頑張れ♪店長!」を提供する日本ビジネス・サポートは11月1日から、新たなネットショップ管理システム「店舗アップ♪」の提供を始めた。ネットショップ管理システムとしては老舗の「頑張れ♪店長!」はいまだ多くの店舗が利用しているが、新サービスはどんな点を変更したのか。あえて新システムを開発したのはなぜなのか。日本ビジネス・サポートの渡辺信一常務取締役に聞いた。
――今回、新たに「店舗アップ♪」という新たなシステムの提供を開始しましたが、「頑張れ♪店長!」との違いを教えて下さい。
基本的に「頑張れ♪店長!」で利用できる機能は「店舗アップ♪」でも使用できます。データ処理の流れも同じです。ファイルメーカーを使って作っている点も変更はありません。
変更した点は、まずファイル構造を改善した点が挙げられます。「頑張れ♪店長!」ではデータとインターフェイスが同じファイルになる一体型を採用しています。データが大量になると処理に時間がかかったり、プログラムを変更する際にすべてのデータを変更しなければならないため、時間がかかることがありました。「店舗アップ♪」ではデータとインターフェイスを別ファイルにしており、こうした問題を改善させました。これにより、処理スピードも高まり、さまざまな処理にかかる時間は4分の1以下になりました。
また、管理画面も少し複雑だった点を変更し、見やすくしました。カスタマイズも行いやすくなったため、自社でファイルメーカーを活用し、自社専用システムとして作りこんできたECショップも使いやすくなると考えています。
――現在、ネットショップ向け管理システムはクラウド型やASP型が多いなか、あえてファイルメーカーで開発し、パソコンやサーバーにインストールして使う形にしたのはどうしてですか。
従来から、当社のサービスは標準機能だけでなく、お客さまの業務に応じたカスタマイズを行うほか、自社でファイルメーカーを使って独自に機能追加しているユーザーが多いです。こういったことができるのは、ファイルメーカーの使い方が簡単だから。ファイルメーカーで作ってほしいという従来からのお客さまニーズも高かったため、従来と同じファイルメーカーで提供することにしました。確かに、クラウド型だとモールの機能変更などに無料で素早く対応できるなどのメリットもあります。クラウド型サービスを展開している企業は数多いのですが、ファイルメーカーで作っているのは当社しかないので、逆に独自ニーズに応えられていると考えています。
――「頑張れ♪店長!」はEC業界で知名度も高いため、この名称をそのまま使うメリットもあったはず。なぜ名称まで変更することにしたのですか。
機能を大きく変更したこともありますが、もう1つの理由として同じ名称では従来から使用しているお客さまに訴求しにくいと考えました。昔から使用しているショップのなかには、ファイルメーカーのバージョンが古く、メーカーのサポート対象が切れてしまっているケースも多い。それだけならまだしも、XPなどのOSでなければ安定的に動かないこともあります。そうした状況ではセキュリティ面で問題があるため、切り替えてほしいと考えました。もちろん、すでにお客さまのほうでカスタマイズしている部分も同様に反映し、新たなシステムで提供できるので、システムを変更しても、従来できていたことができなくなることはありません。

――導入にかかる費用は。
売り切りの料金体系で本体価格は30万円。いろいろな有償のカスタマイズがかかる場合やオプションを設定するケースは、その費用が追加となります。また、訪問設定費として10万円を設定しています。これは、専門のスタッフが2日間伺い、初期設定を行ったり、操作の説明などを行います。説明を受けるている過程でほしい機能が出てくることも多いので、そうした機能追加もその場で行うようにしています。このサービスは、導入企業にはとても好評です。そのほかサポート年会費がかかる仕組みとなっています。
――「頑張れ♪店長!」から切り替えたいショップに対しても同じ料金になるのでしょうか。
基本的に訪問設定は必要ないと思うので訪問設定費はかかりません。「頑張れ♪店長!」で行っていたオプションや有償カスタマイズは、無償で対応します。また、ショップ側でいろんなカスタマイズを施している場合が考えられますが、可能な限り反映し、本体料金(30万円)のみで済むようにするつもりです。リリース前にキャンペーンを行い、事前に切り替えたユーザーもいますが、大変好評です。
――従来の「頑張れ♪店長!」を使っているショップへのサポートはどうするのですか。
新規ユーザーには「店舗アップ♪」のみの販売になりますが、既存ユーザーに対しては、従来通りサポートを提供するので、利用できなくなることはありません。今後もしっかりサポートを行います。ただ、古いバージョンの場合はセキュリティ面で問題があるため、切り替えを勧めていきたいです。
――今後の展開として考えていることはありますか。
楽天が2015年1月から各種APIを無料化するということで、API連携を求めるショップは増えると考えています。そのため、来年2月に、まずは受注API連携を標準機能として搭載する予定です。他のAPIや他モールのAPIについても随時対応する予定です。
――目標導入社数があれば教えてください。
新規で月間10店舗ほど増やしながら、既存ユーザーの切り替えも進めていきたいです。「頑張れ♪店長!」は基本料金が50万円だったのですが、新サービスで30万円に設定したのは、中小規模のEC事業者にも使ってもらいたいからです。受注件数が増えてもランニングコストはサポート年会費のみです。負担も少なく、長期にわたって使用できるので中小企業にとっても最適なサービスだと考えています。

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オリジナル記事:「頑張れ♪店長!」提供企業がファイルメーカーを使った新システム「店舗アップ♪」を開発した理由 | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム
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Twitterは、検索エンジンからのトラフィックを増やすための施策でアクセス数を10倍に増やすことに成功した。1か月あたりの実数値で予想すると、750万アクセスから7,500万アクセスへの増加になる。だがGoogleのリアルタイム検索が復活するわけではない。
- TwitterがSEO重視に方針転換、検索トラフィックを10倍に伸ばすことに成功 -
Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki
2014年11月19日、Startup Base Camp(都庁前駅)でつくってまなぶ Vol.2「自分の個性で、きちんとロゴデザイン」を開催し、15名の方にご参加いただきました。

2014年11月20日(木)、KDDIウェブコミュニケーションズ セミナールームでCPI x CSS Nite x 優クリエイト「After Dark」(16)を開催し、60名弱の方にご参加いただきました。
たにぐち まことさん(エイチツーオー・スペース) 、田代 豊さん(anygraphica)を迎えて「Gitが変える、Web制作ワークフロー」をテーマに90分お話しいただきました。
セッション概要では、次のように記載していましたが、ご案内している(8)の動画を見ていただくことを前提とすべきでした。
本セッションは 2014年 3月の CSS Nite After Dark (8)「ノンプログラマでも今日から使える「Git」でバージョン管理」の続編的内容ですが、初めてのご参加でも理解できる内容です。
なお、カウントダウンメールやFacebookイベントページにて、何度かご案内していましたので、読んでいただけると幸いです。

ヤフーは11月19日、「Yahoo! ショッピング」のジャンルごとに、インタレストカテゴリーターゲティング広告を表示できるサービスを開始した。ヤフーは2014年8月から「Yahoo! ショッピング」出店者向けにカスタマイズした「Yahoo! プロモーション広告」を展開しており、その機能追加としてサービスを提供。より限定したユーザーに広告を表示できるようにすることで、広告効果を高めるのが狙い。
「Yahoo! ショッピング」の大カテゴリー構造に準拠して分類。たとえば、「食品」ジャンルのショップは、過去に食品のECサイトを訪れたことがあるなど、食品に興味があるとみられるユーザーに絞って、広告を配信できるようになる。
将来的には、より深い階層にまで分類できるようにし、細かな分類のユーザーに対して広告出稿できるようにしていく考え。こうした広告の出稿は細かい設定が必要なため、従来のモールの広告になれたショップは使いきれていないとして、今後は簡単に広告出稿できるような仕組みを備える方針。
インタレストカテゴリーターゲティングとは、特定の興味・関心を持つインターネットユーザーに対して広告を配信するターゲティング機能。広告主はカテゴリー選択するだけで、興味があると判定されたインターネットユーザーに対して広告を配信するシステムとなっている。
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オリジナル記事:「食品」「家電」など特定カテゴリーに興味持つユーザーへの広告表示を可能に、ヤフー | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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目的を実現し、課題を解決するためのオムニチャネルとは。全5回連載の第1回目

オムニチャネルの記事、文献は多数存在するものの、海外や国内の巨大企業の事例紹介が多く、ECサイトの店長が自社で取り組むことができる実現可能性の高いオムニチャネルの取り組みはあまり紹介されいません。では、中小のECサイトはオムニチャネルに取り組んでも無駄なのでしょうか。そんなことはありません。中小ECサイトにはそのサイズに適したオムニチャネル施策が存在します。これから5回にわたって、中小ECが取り組むべきオムニチャネルの具体的な取り組み方やポイントについて解説します。
オムニチャネルとは、顧客接点の全チャネルの融合と言われています。では、顧客接点の全チャネルの融合とはどのようなものでしょうか。
実店舗の顧客をECサイトに、ECサイトの顧客を実店舗へ送客しようとしても、思うようにいかなかったり、全体としての売り上げや利益の向上につながらかったりするケースが多々あります。消費者の行動は、実店舗で買う、ネットで買うのどちらかを画一的に選ぶというよりも、実店舗とネットを行き来しながら購入に至るまでの一連のショッピングを楽しむ傾向にあります。
さらに、オムニチャネルをより大きな視点からみると、GoogleやAmazonなどに代表されるように、「競争により利益を受けるのは消費者である」という大きなトレンドのなかにあると言えます。利益を受けるのは消費者ではありますが、企業として、この大きなトレンドを押さえてチャンスに変えていくか。つまり、競争優位としていく必要があるとも言い換えられます。
話をオムニチャネルに戻しましょう。すでに消費行動の流れのなかに複数のチャネルが存在しており、販売チャネルの垣根は無くなりつつあるのが実状です。
販売者側は、販売チャネル別、店舗別の販売実績が目標として掲げられており、販売担当者は自分のチャネルで売り上げを伸ばすことに終始してしまいがちです。そのため、購入に至るまでのプロセスへの対策が不十分となり、購入の手前で機会ロスが起きてしまっています。
販売者側がまず、認識しなければならないのは、すでに消費者の心理としてオムニチャネルを当たり前のこととして受け入れ始めているということです。その上で、すでにオムニチャネル化している消費者に対応するには、顧客の心理、行動といった購入に至るプロセスの観点にフォーカスを当てることが重要です。
先日、消費者庁が発表した「平成25年度消費者意識基本調査」によると、ネット通販を利用する理由に「品揃えが豊富、インターネット通販でしか買えない商品があるから」が61.0%で、実店舗に比べ物理的な制約のない商品の豊富さにネットの魅力を強く感じています(参照記事)。
反面、ネットでのショッピングに不安、不便さを感じる点として、最も多いのが「購入前に実物の商品を確認できないこと」で67.2%。続いて「購入時に住所やクレジットカード番号などの個人情報を送信すること」が42.9%、「購入後のアフターサービス(返品、交換、保証、故障対応等)が行われるかわからないこと」が26.9%となっています。
こうしたデータを見ると、ECサイトの品ぞろえを生かすことでショッピングの利便性を高めつつ、実店舗で実物が確認できるようにすれば、不安を解消でき、購入に至る手前での離脱を抑止できると考えられます。
ネットでは豊富な商品情報はもちろん、多面的な検索、購入者レビュー、関連商品やレコメンデーション機能などを充実し、欲しい商品を見つけやすくするための対策を強化します。
一方で、ECサイト上で消費者が欲しい商品を最寄りの実店舗で手に取って確認し、気に入れば購入できるように案内します。さらに、実店舗の営業時間や商品の在庫情報はもちろん、商品の取り置きや在庫の無い商品をECサイトの在庫として移管したり、ECサイトを活用して入荷時に自動連絡することで機会ロスを抑止する仕組み作りも大切です。
ファッション関連の商材であれば、実店舗の大きな利点としてフィッティングができることが挙げられます。さらに、ECサイトを活用することで実店舗での販売員による接客をより効果的にすることができます。
ECサイトから実店舗へ商品を受け取りに来訪したお客さまが会員であれば、過去の購入履歴や今回の購入目的の商品から、嗜好性をより的確に把握し、商品の受け渡しに留まらず、データを生かした精度の高い接客を通じて的確なアップセル/クロスセルが可能になります。
実店舗のカリスマ販売員は、お得意さまのクローゼットの中身が想像できるそうですが、ECサイトのデータを生かすことでカリスマ販売員ではなくても質の高い接客のできる可能性が広がります。
単に実店舗の顧客をECサイトに、ECサイトの顧客を店舗にという送客とは異なり、オムニチャネルの本質は、顧客の消費行動に即したタイムリーかつ質の高いタッチポイントを実現することにあります。そのため、チャネル間で一人の顧客を奪い合うものではなく、相乗効果を創出する取り組みとして全社の協力を得なが進められるかどうかが重要なカギを握るといえます。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:チャネル間で顧客を奪い合っていませんか? 中小ECでもできるオムニチャネル成功のポイント | 中小ECサイトでも実施できる現実的なオムニチャネル | ネットショップ担当者フォーラム
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