ネットショップ担当者フォーラム

Amazon、ビジュアルコマース、パーソナライズ―米EC業界で台頭する3つのキーワード | IRCE2016から見えた米国eコマース最前線

9 years 4ヶ月 ago
今後の日本では何が起きる? 世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」からEC事業者に役立つ最新情報を紹介(vol.3)

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」では、セミナーと同時に500社以上のソリューションサービスなどが出展。ECサイトの運営を支援する最新テクノロジーやソリューションが紹介されています。展示会はいまの時流やトレンドを把握する貴重な“場”。eコマースの先端サービスが披露された展示会ブースで、日本でも広がりそうなソリューション、気になったキーワードをピックアップしました。

利益を落とさないためのAmazon活用ツールの台頭

まず最初に、気になったのが「Amazon」関連のツールです。

前回で米国Amazonの成長に触れましたが、「IRCE」のイベント会場では“Amazon攻略”をキーワードにしたツールが数多く紹介されていました。

展示されていたのは、Amazonの順位測定ツール、ユーザーにレビューを記入してもらうためのツールなど。こうしたツールはすでに2015年からありました。2016年の展示会で特徴的だったのは、「いかに収益を最大化するか」をテーマにEC企業をサポートするツールが紹介さいれていたことです。

最安値販売でカートを獲得する(Amazonの商品ページで最も目立つ位置の「カートに入れる」ボタンを獲得すること)ためのツールだけではありません。最安値ではなくても、カートを適度なポジションを維持できているか確認でき、サジェストしてくれるようなツールです。

Amazonを活用するEC企業では、「成長するAmazon内での過度な競争で利益を落とさないようにする」という意識が高まっているようです。このような発想やツールは日本でも必須になってくると思いますので、いまから注目しておきたいところです。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート① Amazonの利益最大化ツール画面の一部

Amazonの利益最大化ツール画面の一部

日本でも「Visual commerce」の動きが加速する予感

ソーシャルの画像や動画を有効活用する「Visual commerce」(ビジュアルコマース)という概念が登場し、それを実現するためのソリューションが増えていました。

たとえば、「Instagram」の投稿に使用した画像やユーザー投稿の画像を使用するレコメンドツールなどです。「Instagram」経由でECサイトの商品ページに移動した時、その商品と関連する「Instagram」の画像が一定のルールに沿ってレコメンドのように表示されるといったソリューションもありました。

ソーシャルで投稿した画像を並べて、ECサイトのトップページを“画像中心”で表現したり、メールマガジンに有効活用する機能も紹介されていました。

日本でもブログや自社メディアサイトなどでスタッフが着用するイメージを紹介する動きが活発化しています。ECサイトとソーシャルメディアが連動しながら、画像中心で感覚的に購買意欲の喚起、購入イメージを提案する「Visual commerce」の動きが加速する予感がします。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート③ インスタグラム画像活用サイト

インスタグラム画像活用サイト

2015年も注目ワードとなっていた「パーソナライゼーション」機能の実装事例が増えていたことも特徴的でした。

パーソナライゼーションの主な機能では、自社ECサイトに搭載される「サイト内検索システム」「レコメンド機能」「レコメンドメール」などがあります。米国では特に、レコメンド機能を搭載したサイト内検索の重要度が高まっているようです。

少ない接点でも、サイト訪問者に最適なおすすめ商品を表示する仕組みで、米国のユニクロが実装し、効果を上げているようです。日本でも画像付きサーチが広がっていますが、「AI的」な機能がプラスされたツールの広がりも注目しておきたいところです。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート③

ユニクロUSAのECサイト

日本でHOTワードの「オムニチャネル」は……

Amazon以外のeコマースプラットフォーム(モール)企業もブースにおいて、自社の成長やサービスの利用促進を訴求していました。

たとえば「eBey」や「Rakuten」(写真)、ファッションを扱う「Ferfetch.com」(流通額前期比72.1%増)、家電系のモール「Newegg.com」(同40.1%増)、ハンドメイド商品などを扱う「Etsy.com」(同23.8%増)の活用、それらをサポートするツールなども紹介されていました。

世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」の展示会レポート④

「Rakuten」のブース

全体を通して見てみると、成長を続けているAmazonのマーケットプレイスなどのモールを最適に活用するためのソリューション、自社サイトの利便性を高めてファンを増やしていくツールの進化が特徴的でした。

一方、日本で注目を集めている「オムニチャネル」という表現はほとんど見られませんでした。One to Oneマーケティングは“当たり前”となり、スマホを中心に「画像・イメージ」で情報収集やEコマース体験を行っていくことの重要性を感じました。。

展示会の様子

次回は、eコマースの進化型を感じることができる、シカゴの街中での事例を中心にレポートします。

立川 哲夫

株式会社いつも.事業推進部 部長兼グローバルEC戦略担当

大手企業・メーカー系企業のEC事業の新規参入と多店舗化支援を得意とし、ここ2年で3回の米国EC先進事例を収集しながら、日本企業に合ったオムニチャネル戦略立案と実行サポートを行っている。最近は中国モール向け越境EC新規参入プロジェクトの責任者として中長期視点で海外EC比率を高めるサポートも行っている。

立川 哲夫

営業利益率は約17%! TV通販ショップチャンネルが19期連続増収を続けるビジネスモデル

9 years 4ヶ月 ago
テレビ通販最大手ジュピターショップチャンネルの2016年3月期の売上高は前年比2.2%増の1395億円

テレビ通販最大手ジュピターショップチャンネルの2016年3月期の売上高は前年比2.2%増の1395億円となり、創業以来19期連続の増収だった。ネット通販売り上げの割合は2割程度と推測されるため、300億円前後だったとみられる。

6月29日付の官報によると、営業利益は242億8800万円(前年比9.0%増)、経常利益は248億500万円(同8.0%増)、当期純利益は164億5900万円(同13.4%増)。

ケーブルテレビや衛星放送などを通じて、全国2914世帯(2016年3月末時点)にテレビ通販番組を無料で視聴できるように放映し、商品を販売するビジネスモデル。一部、地上波の番組枠購入といった番組枠の取得に関する費用がかかるものの、基本的に大きなプロモーションへの投資は必要としない。

売上高営業利益率は約17%(2015年3月期は約16%)。一般的な小売業の多くが1桁台という最終利益率で落ち着くことを考えると、高水準の利益体質を続けている。

営業利益率が約17%のTV通販。19期連続増収を続けるショップチャンネルのビジネスモデル

出典は6月29日付の官報

ショップチャンネルは2013年3月期を初年度とした「新中期経営計画」(5か年計画)を策定。①さらなる商品力・番組力・オペレーションの強化による収益基盤の拡充②顧客基盤の維持・拡大③インターネット販売の強化・拡大④海外(アジア)市場への新規事業展開──の4点を重点施策として取り組んできた。

ネット通販の分野では、通販サイトだけで視聴可能な生放送番組「ネットライブ」を2015年11月から開始。毎日深夜0時から原則1時間の生放送を行っている。

新聞チャネルにも進出し、2015年12月には全国紙のうち2紙の朝刊に新聞広告を展開、新たな顧客の獲得、売り上げ増加に貢献したという。

開局19周年を迎えた2015年11月1日には、1日の売上高が14億円を超え、これまでの過去最高を記録した。

2017年3月期をスタートした4月には、掃除機の1日の販売金額が約8億円となり、1日あたり1商品での販売額の過去最高記録を約8年ぶりに更新している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

シニア層がよく使う通販サイトは? 8割が「楽天市場」「Amazon」で買い物を経験

9 years 4ヶ月 ago
利用経験が多いのは大手モールで、シニア層の8割は「楽天市場」「Amazon」、「Yahoo!ショッピング」が55%

ネット通販で買い物を経験したシニア層の8割は「楽天市場」「Amazon」を利用したことがある――。

MMD研究所がこのほど発表したシニア層のネット通販利用動向などの調査で、こんな結果が明らかになった。

シニア層のネットショッピングはモール利用が多い

シニア層が利用したことがある通販サイトは「楽天市場」が1位で80.7%。「Amazon」が80.2%で続いた。

3番目に多かったのが「Yahoo!ショッピング」で55.7%。上位3サイトはモールが占めた。

各ブランドやメーカーといった独自ドメインの通販サイトの利用は31.3%にとどまっている。

シニア層がよく使う通販サイトは? 8割が「楽天市場」「Amazon」で買い物を経験① MMD研究所の調査

シニア層が利用したことがある通販サイト(回答者数は884人)

シニア層が2016年にネット通販で購入した商品は?

最も多いのが「生活雑貨・日用品」で54.5%、「食料品」が53.4%で続いた。

シニア層がよく使う通販サイトは? 8割が「楽天市場」「Amazon」で買い物を経験②MMD研究所の調査

2016年に入ってネット通販で購入した商品(回答者は827人)

ネット通販を利用するシニア層は購買力が高い

総務省がまとめた2015年の消費実態把握調査によると、ネット通販を利用している世帯は39歳までが45.2%、50~59歳までは38.2%と比較的高い数値となっているが、60~69歳になると22.1%まで急激に低下し、70歳以上では11.1%にまで減少する。

ただ、ネット通販を利用したことのある世帯における1世帯あたりのECへの年間支出額は50~59歳が40万7988円でトップ。60~69歳が39万9336円、70歳以上が38万7804円で続いている。いずれも平均の37万5720円を上回る。

ネット通販を利用する世帯数が最も多いのは39歳までだが、ECを利用する世帯に限ると支出額が高いのはシニア層。EC事業者はこうした傾向も把握しておく必要がありそうだ(関連記事はこちら)。

調査概要

  • 調査名:2016年シニアのスマートフォン利用に関する調査
  • 調査期間:2016年6月17日~6月19日
  • 有効回答:884人
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:スマートフォンを所有する60歳~79歳の男女

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

Facebook幹部があかす動画EC成功のひけつ「最初の3秒とおもしろさが重要だ」 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

9 years 4ヶ月 ago
Facebook社のeコマース部門長は「TVCMや公式サイトに載せる30~90秒のビデオとは違い、最初の3秒が最も重要」と説明

Facebook上でユーザーは毎日、1億時間分の動画を閲覧しています。Facebook社のeコマース部門長であるジェレミー・ルイス氏は、「小売事業者はFacebook上で動画プロモーションを試してみるべきだ」と指摘します。ネットユーザーを見込み客から購入客にするための伝統的なマーケティングファネルは、すでに効き目がないと指摘します。

インターネットリテーラー社主催のカンファレンスで、ルイス氏は次のように語りました。

私たちはさまざまな方法で商品を発見しています。そして、さまざまな方法で商品をリサーチし、さまざまな方法で購入しています。だから、小売事業者が消費者に合わせる必要があるのです。

モバイルがさらに普及しているなか、ECサイトを運営している企業ではモバイルの最適化が急務の課題となっています。

モバイルは重要”なのでなはく、“モバイルが重要”なのです。私たちは情報を得たり、ニュースを見たり、娯楽のためにモバイルを使っています。消費者にリーチするために、モバイル以上に良い方法はありますか?

ルイス氏はこのように説明します。

Facebook社のeコマース部門長であるルイス氏によると、1日1000個ものペースでアプリがiOSやアンドロイドのストアに毎日、申請されているそうです。この数字を見ても、アプリのニーズが高いことがわかります。また、購買プロセスの45%にはモバイルが関わり、2015年は購買の37%はモバイルで行われたそうです。

Facebook社によると、ミレニアル世代(1980年から2000年までに生まれた世代)の83%はモバイルで商品を調べ、69%がモバイルで商品を購入しています。また、61%が小売事業者のアプリをダウンロードし、44%がアプリ経由での買い物を好んでいるそうです。

モバイルの重要性は増していますが、モバイルだけに注力すれば良いわけではありません。「すべてのマーケティング担当者は、動画プロモーションを学ぶべきです」とルイス氏は指摘。それは、1億時間分の動画が毎日、Facebookで見られているからなのです。

「動画制作を恐れるべきではありません」と語るルイス氏は、Facebook動画はテレビコーマシャルや公式サイトに載せる30~90秒のビデオとは違い、最初の3秒が最も重要と説明しています。動画が面白くなければ、スクロールされて飛ばされてしまうからです。

また、Facebookのタイムライン上で自動的に動画が流れるとき、音声は出ません。ですから、Facebookの動画にはテキストを入れるといった工夫が必要になってきます。

多額の制作費用は必要ありません。スマートフォンで録画した動画だって構わないのです。最も重要なことは、動画について学びながら、テストを重ねていくことです。

このように説明するルイス氏によると、2020年までにモバイルデータの75%は動画になるそうです。

動画を導入することによって、小売事業者と消費者の接点が多様化していきます。たとえば、インターネットリテーラー社発行の「EC事業者 トップ500 2016年版」の140位にランクインしたケイト・スペード社は、消費者の注目を集めるために、Facebookで動画広告を展開しています。

その後、商品が掲載されたカルーセル広告を表示し、消費者が広告経由で直接購入できるようにしているのです。ルイス氏は「パターンが1つしかない広告を出稿している企業よりも、関連性のある広告をミックスして表示している企業の方が、良い結果を生み出しています」と説明します。

関連性のある広告をミックスして展開するには、まず簡単なA/Bテストから着手し、どの広告に効果があるのかをテストしてみるのが良いそうです。

ルイス氏は、Facebookメッセンジャーについても言及。小売事業者はメッセンジャーをビジネスと結び付けることが可能だと言います。メッセンジャーを使えば、企業は消費者と1対1のコミュニケーションを取ることが可能になります。

たとえば、男性・女性向けのアパレルを販売する「エバーレーン社」(インターネットリテーラー社発行「EC事業社 トップ500 2016年版」の314位)は、Facebookメッセンジャーを通じて購買確認のメッセージを送信。発送や追跡番号の連絡もメッセンジャーを通して行っています。また、その消費者が興味・関心を持ちそうな商品紹介もメッセンジャーを利用しています。

  • 「Internet RETAILER」のオリジナル記事はこちら

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

「LOHACO」で1時間ごとの配送時間指定が可能に

9 years 4ヶ月 ago
前日夜間に30分単位の時間を通知、10分前にもプッシュ通知

アスクルは6月28日、ECサイト「LOHACO(ロハコ)」において、1時間単位で受け取り時間を指定できるサービスを提供すると発表した。8月末から東京5区、大阪3区で実施し、今後順次対象地域を拡大していく予定。利用者が荷物を待つための在宅時間を短縮することで利便性を高める。事前通知などを行うことで配送時の不在率を下げ、再配達のコストを削減する。

8月末から本格開始する新受け取りサービス「Happy On Time」は、「LOHACO」での購入時に、荷物の受け取り時間を指定。配達前日の夜間に、「LOHACO」のアプリを通じて配送時間を30分単位で顧客に知らせ、到着10分前にも直前の通知をアプリのプッシュ通知で送るというサービス。

「LOHACO」は通常、2時間単位で配送時間が指定できるが、新サービス開始後は1回あたり3900円以上購入すれば無料で1時間単位での時間指定ができるるようにする。利用者は指定された配送時間に在宅していれば、荷物を待つ時間の無駄が省ける。

アスクルの「LOHACO」が配送の新サービス

10分前の通知イメージ

また、同日内であれば、アプリ、サイトから直接、商品の受け取り時間の変更や、再配達の依頼をすることが可能。急遽受け取れなくなった場合でも、商品が届けられる前に、時間変更を行い配送コストの削減につながる。

2016年5~6月、東京都江東区において2時間単位で配送時間を指定するサービスを試験導入したところ、不在率は6%にとどまったという。国土交通省が2015年に発表した不在率23.5%と比較し、大幅に改善している。

配送の時間指定を細かくすることで配送者の積載率が低下、コストアップにつながることも懸念される。アスクルでは企業向け通販の荷物と混載することで積載率を高めていくとしている。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

LINEで簡単に査定できるサービスを開始、コメ兵

9 years 4ヶ月 ago
スマホのカメラで写真を撮影し「LINE」で送信すると、30分程度で査定金額が提示される仕組み

コメ兵は6月28日、「LINE」を使い簡易な査定を行う新サービスを開始した。買い取りには「値段がつくかわからない」といった不安があるため、未体験者はなかなか利用しにくいケースがある。「LINE」で簡単に査定できるようにし、買い取りを気軽に体験してもらえる環境を提供する。

「LINEで査定」サービスは、「KOMEHYO公式LINEアカウント」に登録した後、スマートフォン・携帯電話で査定したい品物を撮影。その写真とあわせてモデル名・購入時期などのコメントを送信すると、30分程度でコメ兵から査定金額の目安が送られてくる仕組み。

その後、コメ兵の実店舗に商品を持ち込み買い取ってもらうほか、ネットで無料宅配キットを取り寄せて発送すると買い取りが完了する。

関東・中部では、6月20日にテレビCMを開始。7日間で査定の申し込みが2000件を超えたという。

今後は、Webで動画広告も配信し、多くの人にLINEで簡単に査定できることを知ってもらう。こうした環境を整備し、買い取り申し込みを身近なサービスにしていく考え。

「LINEで査定」のイメージ

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

ヤフーがサービス分野のネット通販を7月スタート、先行するAmazonを追随

9 years 4ヶ月 ago
商材登録の受付を6月28日から開始、スタート時は100社近い事業者の出店を想定する

ヤフーは7月中旬、労務やサービスに関する「役務サービス」商材のネット通販を始める。商材登録の受付を6月28日から開始し、スタート時は100社近い事業者の出店を想定。「役務サービス」商材で先行するAmazonを追随する。

取り扱う「役務サービス」商材は、七五三の着物やウェディングドレス、アウトドア用品や家電などの「レンタル」、家事代行(炊事洗濯、エアコン清掃、庭木の手入れなど)、トイレ・キッチンなどの「リフォーム」、レジャー施設やレストランの「サービスクーポン」。「Yahoo!ショッピング」でこうした商材の注文・購入ができるようにする。

ヤフーによると、独自ドメインで事業を展開している家事代行企業、レンタル事業者、リフォーム事業者なども、物販と同様に「集客」が最大の課題になっているという。

こうした「役務サービス」提供企業にヒアリングを重ねたヤフーは、「Yahoo!ショッピング」でも「役務サービス」商材の提供が可能と判断した。

ヤフーでは事前に、「Yahoo! JAPAN」サービス上で取引がある事業者を中心に「役務サービス」の案内を一部先行して開始。多くの企業から引き合いがあるという。7月中旬の開始時には80~90社の出店を見込む(事業者の出店についてはこちらを参照)。

ヤフーは「Yahoo!ショッピング」の集客力、出店料無料といったメリットやを生かして、市場規模4兆5000億円、年間成長率10%と言われるサービス商材市場に本格参入する。

ヤフーがサービス分野のネット通販を7月スタート、先行するAmazonを追随。サービス分野の市場規模は4.5兆縁

「役務サービス」商材を取り扱うモールでは、Amazonが「アマゾンマーケットプレイス」で先行して展開。お坊さんの手配、ウエディングのプロデュースなどの「役務サービス」商材を専門事業者を通して販売している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。「TrueView for Shopping」の活用ポイント | EC初心者でもわかるデータフィード完全入門

9 years 4ヶ月 ago
認知と購買の両獲りを狙える新タイプのYouTube動画広告「TrueView for Shopping」の詳細と使用方法を解説

「動画広告には興味があるけど、直接的な売り上げにはつながらないんじゃないの」と二の足を踏んでいませんか? そんなことはありません。認知と購買の両獲りを狙える新タイプのYouTube動画広告「TrueView for Shopping」は、EC事業者にお勧めの販促方法。注目を集める背景とその仕組み、効果を出すための活用ポイントを紹介します。

成果を上げた「TrueView for Shopping」活用事例

まずは「TrueView for Shopping」を活用した国内外の事例を紹介します。

海外事例(家庭用品のEC事業者「Wayfair」)

「True View For Shopping」を活用したWayfairでは、導入前と後に行ったキャンペーンの成果を比較したところ、インプレッション(広告の掲載回数)あたりの収入が導入前と比べて3倍に拡大しました。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント①
スマートフォン上での「TrueView for Shopping」広告の掲載イメージ(出典はIntroducing TrueView for shopping、編集はフィードフォース)

国内事例(Zoffオンラインストア)

新商品(2015年11月末に発売)の販促キャンペーンとして活用した水原希子さん登場のCM動画上に、出演者がかけている眼鏡やサングラスなどの商品情報を表示しました。このキャンペーンでは、計画よりもCPCを低く抑えながら購買までつなげることができたという成果が出ています。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント②
PC上での「TrueView for Shopping」広告の掲載イメージ(右側の商品情報が配信された商品情報の広告。クリックするとZoffオンラインストアの商品詳細ページへと移動します)

両サイトとも、「商品名をコピーし、検索画面を開いて検索する」というユーザーの手間を省くことで、商品を購入したいという視聴者の負担を軽減、購買までをスムーズにサポートしています。

「TrueView for Shopping」の仕組みを理解しよう

前回に引き続き、「TrueView for Shopping」広告について、もう一度概要を説明します。

「TrueView for Shopping」とは、YouTubeの動画広告(TrueView動画広告)上に、動画に関連する「商品の情報」を表示し、そこから自社ECサイトに誘導できる仕組みです。これは2015年の5月に発表された広告形式で、またの名を“ショッピング向け TrueView キャンペーン”と言います。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント③
「TrueView for Shopping」を使った誘導の仕組み

動画を見て商品に興味を持ったユーザーは、カード形式でオーバーレイ表示された商品情報をクリックすると、ECサイトの商品詳細ページに移動することができます。消費者へのアピールの仕方という点ではテレビショッピングによく似ています。

「Googleで商品を検索する」という手間を省き、購買までのアクションを簡略化するのが大きな特徴。先行している海外ではすでに従来施策比で3倍の収入につながったという事例も出てきています。

「TrueView for Shopping」はなぜ注目されているのか?

理由は大きく2点。環境の変化によるトレンドと、これまでになかったタイプの広告であることです。

動画視聴機会の増加で、動画広告に注目が集まる

まず1つは、「動画視聴」が一般的になったこと。そして、それに伴う「動画広告」への期待があります。

2015年のニールセンの調査では、YouTubeのスマートフォンからの利用者は3000万人超と発表されており、これはスマートフォンでインターネットを利用するユーザーの80%が利用していることになります(ニールセンの調査結果)。

いつでもどこでも持ち歩ける小型デバイスの登場で、空き時間に動画を閲覧する行動が増えています。そして、テレビ以外の端末で動画を視聴することが一般的になってきていることも踏まえると、肌感覚としてもしっくりくるのではないでしょうか。

この動画人気を受け、動画というメディアを活用した広告も注目されています。スマートフォン向け動画広告の伸びが期待されていて、2017年には1093億円、2020年には倍増となる2009億円(うち、スマートフォン向けで57 %を占める)に達するという調査結果(サイバーエージェントの調査結果)もあります。

1つの広告で認知と顧客獲得の両取りが狙える

これまでは「認知獲得手段」というイメージが強かった動画広告ですが、「TrueView for Shopping」はその概念を打ち破りました。商品情報とセットで訴求することができるのです。従来の広告にはなかった「認知と購買の両獲り」が狙えるようになり、まさにEC事業者向きの動画広告といえるでしょう。

次のような悩みを抱えるEC事業者の課題を解決する策として期待されています。

  • リスティング広告で集客し、リターゲティング広告で刈り取る、というだけではどうしても先細りしてしまう
  • 動画は成果までつながったのかがはっきり見えにくいのが不安

合わせて、Googleが大事にしているマイクロモーメントという観点からも、理にかなった広告です。マイクロモーメントとは、「人が何かを知りたい、見つけたい、観たい、買いたいと思ったときに、反射的にスマートフォンやタブレットに向かう、その瞬間のこと」。スマートフォンの利用頻度が高い世の中では、消費者が“買いたい”と思った瞬間にリーチできているかどうかが、広告の効果に大きく影響してくると考えられています。

つまり、動画を見て「この商品がほしい」と思ったときにすぐ購買ページへ移動できるという体験の重要性が高まっているということです。もちろん「TrueView for Shopping」はモバイル上でも同様に表示されるため、ユーザーの「買いたい!」という瞬間をしっかりと捕まえることができます。

こうしたスマホ時代の消費者行動は今後も加速していくと考えられるため、Facebookなどの他媒体でも、同様の広告フォーマットが登場する可能性があります。

「TrueView for Shopping」の利用に必要な5点

「TrueView for Shopping」を実際に使用するためには、下記の5点が必要になります。

  1. 自社商品情報の「マスターデータ」
  2. 商品情報を提供する「データフィード」
  3. Google マーチャントセンターアカウント
  4. AdWordsアカウント
  5. 広告動画

まず、「自社商品情報のマスターデータ」を社内システムのデータベースから抽出します。そのマスターデータを広告に適した形に加工し、配信する仕組みが「データフィード」です。データフィードにより「Googleマーチャントセンター」に配信された広告用商品データは、Googleの審査後に広告として活用できるようになります。あとは「AdWordsアカウント」で自社の「広告動画」とひも付けて広告キャンペーンの設定を行っていきます。

広告キャンペーンの詳細設定方法についてはAdWordsヘルプもご参考ください。

この各要素と、全体の仕組みとの関係を図で説明すると次のようになります。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント④ 商品マスターデータ データフィード Googleマーチャントセンター Google AdWords
「TrueView for Shopping」を利用するために必要な要素

「TrueView for Shopping」の広告効果を左右するのは「データフィード」です。というのも、広告の商品画像やタイトルなどの広告クリエイティブに関する情報は、すべてデータフィードによって決まるからです。

データフィードを効果的に活用して、広告の成果を高めるためには2つのポイントを抑えておきましょう。

商品データを広告に適した形に加工する

Googleマーチャントセンターに商品データを登録するためには、まずGoogleが規定する仕様に沿った必須項目を用意する必要があります。その上で、広告効果を高めるためにデータそのものの調整(チューニング)が重要になってきます。たとえば、商品のタイトルの先頭にブランド名をつけ、目に付きやすくするなどの加工です。

フレッシュな情報を配信する

広告運用を開始ユーザーが興味を持って商品情報をクリックしたのに、ECサイト上では在庫切れ表示が……という状況になると、せっかくの広告が無駄になってしまいます。そのため、可能な限りサイト上の情報と合わせていけるように、データフィードの配信頻度がポイントになります。理想的には1日1回以上の更新をめざしたいですね。

成功のカギ、データフィードを用意する方法

広告効果の重要なカギを握るデータフィードですが、その構築・運用に関しては大きく3つの選択肢があります。それぞれにメリット/デメリットがあるため、自社の状況に合わせて適切なものを選択する必要があります。

  1. 手動で商品情報を加工して、定期的に登録する
  2. 加工・自動更新する仕組みを自社で開発する
  3. データフィード専門ベンダーに依頼する

商品点数がそれほど多くない場合や、これからデータフィードを使った広告を試してみようとしている担当者の方は、まずは手動による加工からスタートしてみてもいいでしょう。その後、より成果を上げるための改善策としてシステム化、外部化を検討するという方法です。

商品点数が300点以上あったり、在庫変動が多い場合などについては、手動での対応では本来の広告パフォーマンスが発揮できない懸念がありますので、最初からある程度の自動化を視野に入れた計画をおすすめします。

外部のベンダーに依頼する場合は、業界ごとのベストプラクティスを活用して運用を開始することができるため、比較的早い段階で結果の判断を下すことができます。また、近年では広告代理店がデータフィードベンダーと協業しているケースも増えてきていますので、悩んだ場合は広告運用をお願いしている広告代理店に相談してみるのもよいでしょう。

谷垣 進也

株式会社フィードフォース

谷垣 進也(たにがき・しんや)

知財系ベンチャー企業にて事業企画・マーケティングに従事後、MAベンダーでのマーケティングコンサルタントを経て、2015年より現職。フィードフォースでは主にデータフィード最適化サービス「DF PLUS」のマーケティングおよび広報を担当。

谷垣 進也

自社ECの転換率を上げるモールIDを使った決済代行 | いつも.ECコンサルタントが明かす売り上げアップにつながるEC最新情報

9 years 4ヶ月 ago
モールに比べて検索流入が多い自社ECサイトで転換率が悪くなってしまうのは当然のこと。しかし、いつも.のコンサルタントがオススメする自社ECサイトの転換率を上げる方法を使えば一気に転換率が倍に!?
自社ECの転換率を上げるモールIDを使った決済代行

みなさまこんにちは。株式会社いつも.コンサルタントです。今回は、自社サイトの転換率を向上させるモールIDを使った決済代行をご紹介しましょう。

自社ECサイトと大手モールとの違いで顕著なのが転換率(CVR)の違いです。そもそも自社ECの転換率が低いのは、ECに来る顧客導線の違いに起因します。モールの場合、「お買い物をしよう」と思ってお客様が来店するのに対して、自社ECの場合は検索サイトからの流入が多くなり、情報収集目的など購買意欲が低い場合も多く、その違いがどうしても転換率を下げる原因になってしまいます。

さらに、自社ECサイトでの初めての購入には新規会員登録が必要だったり、クレジットカード番号の入力が必要なことなども転換率を下げる原因になります。

しかし、その転換率を向上させることができれば、売上UPに直結するだけでなく、集客にかける広告の費用対効果も高くなるため、収益を改善することが可能です。

その転換率向上のため、いつも.でも顧客にオススメして効果を上げているのが、『モールIDの決済代行』です。

モールIDの決済代行とは、楽天・Amazon・Yahoo!などが各社ECのプラットフォームと提携して展開しているサービスで、自社ECサイトの決済を行う際に、大手のモールIDを入力するだけで決済が行えます。

ユーザーからすれば、初めて来店する店で住所や電話番号などの個人情報の他にクレジットカードの情報を入力するのは手間もかかる上にセキュリティ的にも不安を感じ、気軽に商品を購入するという流れに障壁ができています。

しかし、モールの代行決済を使えば、よく使うIDを入力するだけで決済できるため、その障壁を感じることなく商品購入を行え、結果として転換率が向上するのです。

転換率が向上する理由を安心・簡単・便利・お得という利用者にとっての4つのメリットでご説明してみましょう。

  • 安心 初めて商品を購入する際、認知度のまだ低い店舗の場合でも普段利用している大手モールの決済なら安心して利用することができます。
  • 簡単 たとえばスマホからであれば1本指で沢山の情報を入力する必要があり、自宅住所やクレジット情報など多くの情報を入力するのが面倒で離脱してしまう可能性が高くなってしまうのですが、モールのIDならば簡単に入力が可能です。
  • 便利 モールIDの入力で簡単に買い物ができるため、スマホからの購入がとても便利になります。
  • お得 よく利用するモールで使えるポイントが付与されるため、お得にお買い物ができます。

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このようにユーザーにとってのメリットがはっきりしているため、弊社が導入をオススメしたある企業様では、以下のように導入前後3ヶ月比較で、全体の転換率が18%改善しており、特に新規のユーザーは47%も改善するという高い効果がはっきり出ています。

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決済代行を利用する際には、TOPページやヘッダーなどファーストビューでモール決済ができることをキチンと表記しておくことも転換率を向上させるためには重要です。もちろん決済代行を利用すればその分手数料がかかりますが、転換率が上がれば集客コストに対する回収効果が上がるため、まだお試しでない事業者様で、ご利用中のECカートシステムが対応している際には、是非導入をオススメします。

・ECに関する経営や売り上げアップのご相談は株式会社いつも.にお気軽にお問合せください。
・また、より実践的な情報がいつも.の本「ECサイト[新]売上アップの鉄則119」に掲載しています。
ご興味のある方はぜひご購入ください。

株式会社いつも. 入山

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
自社ECの転換率を上げるモールIDを使った決済代行(2006/06/15)

株式会社いつも.

Eコマースビジネス支援に特化し、成功に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までを一社完結で提供。

現在、国内最大規模となる7700社以上の企業(2016年6月時点)とサポート実績があります。約4年前から米国Eコマースの成功事例や情報を研究する専門部署(EC未来研究所)を設け、情報収集と発信を実施。そこから日本流のスマートフォン、ソーシャル、O2O、フルフィルメント、CRMなどのコンサルティングも提供している。

株式会社いつも.

よく買い物するECサイトは「Amazon」、2位は「楽天市場」[2016年上半期調査]

9 years 4ヶ月 ago
MMD研究所が6月28日に発表した「2016年ネットショッピングに関する調査」でよく利用するサイトなどを調査

2016年上半期に最も利用したECサイトは「Amazon」。その次によく使ったのは「楽天市場」――。

MMD研究所が6月28日に発表した「2016年ネットショッピングに関する調査」によると、こんな結果が明らかになった。

最も利用する通販サイトは?

6か月以内のネットショッピング利用について「利用した」と回答した77.5%にあたる1392人に、「最近6か月以内に利用したネットショッピングサイトは何ですか」と質問。

最も多かったのが「Amazon」で76.9%。「楽天市場」が48.3%で続いた。3位は「Yahoo!ショッピング」で18.7%だった。「各ブランドやメーカーのネットショップ」は10.5%。

MMD研究所の「2016年ネットショッピングに関する調査」、よく買い物するECサイトは「Amazon」、2位は「楽天市場」[2016年上半期調査]①

6か月以内に利用した通販サイトについて(複数回答)

最も使うデバイスは? 時間帯は?

ネットショップを利用する1392人に、ネット通販時に最も使うデバイスを聞いたところ、最も多かったのがスマートフォン。2015年調査と比べて5.5ポイント増の65.8%。次いでPCが29.7%、タブレット端末が4.5%。

スマホでネット通販を利用する時間帯は夜(20時~23時代)が最も多く59.6%。次いで夕方(17時~19時代)が17.8%。

MMD研究所の「2016年ネットショッピングに関する調査」、よく買い物するECサイトは「Amazon」、2位は「楽天市場」[2016年上半期調査]②

スマホを使ってネット通販を利用する時間帯について

スマホで購入されている商品は?(年代別)

購入した商品を年代別にみると、10代と20代の1位は「本・雑誌・コミック」。一方、30代と40代の1位は「生活雑貨・日用品」で、2位も「衣服・靴・アクセサリー」だった。

MMD研究所の「2016年ネットショッピングに関する調査」、よく買い物するECサイトは「Amazon」、2位は「楽天市場」[2016年上半期調査]③

6か月以内にスマホで購入した商品TOP10(年代別)

調査概要

  • 調査期間:2016年5月24日
  • 有効回答:1797人
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:スマートフォンを所有する15~49歳の男女

なお、今回の調査の詳しいデータ、レポートも販売している。販売価格は16万1000円(税抜)。申し込み方法はこちらを参照

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

LINE上でAIによる会話を行いながらお届け日時や場所の変更が可能に、ヤマト運輸

9 years 4ヶ月 ago
AIによるスムーズな会話で目的のサービスにたどり着く機能も

ヤマト運輸は6月27日、「ヤマト運輸」LINE公式アカウントに会話AIを活用した荷物問い合わせ機能を追加した。今年1月からLINE上で不在通知受取や再配達依頼を可能にしていたが(参考記事)、さらにそれを拡充し、配達日時変更や受け取り場所の変更をLINE上で行えるようにした。

LINEのトーク画面のサービスメニューから「荷物問い合わせ」を選択すると、トーク画面にAIによる自然な提案がなされ、配達状況の確認や配達日の変更ができるようになった。

また、会話の中で各種サービスの内容や料金についても確認できるようになっている。

ヤマト運輸では今年1月にLINE公式アカウントを開設し、配達予定日時の事前通知や不在通知をLINEメッセージで知らせるサービスを開始。ただ、従来は荷物問い合わせ機能を使う場合は、ヤマト運輸のウェブサイトに移動する必要があった。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

中国ECを成功させるためのモール活用、物流のポイントを解説 7/15セミナー開催

9 years 4ヶ月 ago
「天猫」「JD.COM」といった2大モールなどを活用した越境ECのほか、越境EC物流の最新事例などを紹介

トゥルーコンサルティングとアルプス物流は7月15日、「中国向け越境ECセミナー」を東京都内で開催する。参加料は無料。「天猫」「JD.COM」といった2大モールを活用した越境ECのほか、その他モールへの出店事例、越境EC物流の最新事例などを紹介する。

市場規模60兆円の中国EC市場では、「天猫」「JD.COM」が約80%を占めると言われており、日本から直接製品を販売することができる「天猫国際」「JD World wide」へ本格参入する企業が急増している。

こうした大手モールのほか、越境EC物流などの内容を踏まえて、中国向けECで成功するためのポイントを解説する。セミナーは2講演を用意している。

  • 中小企業が成功するための中国越境EC参入法(トゥルーコンサルティングの萱沼真吾CEO)
    ・現地モールのリアルと活用方法
    ・BtoB販路を狙う戦略
    ・低コストでの現地モールの運営と拡大方法
     
  • 中国向けEC成功のカギは越境物流にアリ コスト&お届け時間80%減も! 「特別区」を活用した新越境物流モデル(アルプス物流の国際物流部・蛯谷優氏)
    ・中国向け越境EC物流の本命モデル
    ・4月8日新税制施行後の中国政府の個人輸入規制の動きと対処法
    ・越境ECコストとリードタイム解決策
    ・訪日需要を最大限に取り込む「特別区」活用モデル

開催概要

  • 日時:2016年7月15日(金)14:00~16:30(13:30開場)
  • 場所:TKP東京駅八重洲カンファレンスセンター 8階(東京都中央区京橋1-7-1 戸田ビルディング)
  • 料金:無料
  • 詳細と申し込みhttp://www.alps-logistics.jp/jpn/topics/2016/201606_01.html

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

EC利用時のチャットサポートに7割が満足、ディーエムソリューションズ調査

9 years 4ヶ月 ago
チャットサービスを領して購入した商品は洋服・アクセサリーが最多

SEO施策のディーエムソリューションズは6月27日、Web接客ツールに対するアンケートを実施し、結果を発表した。ECサイト利用時にチャットサービスを使ったことがあるユーザーのうち、約7割が満足しているということがわかった。

調査はネオマーケティング社によるインターネット調査で、5664人に対して行ったもの。2016年6月10日~13日にかけて実施した。

Web接客ツールの認知度を調査したところ、チャットを使った接客サービスは73.8%が「聞いたことも使ったこともない」と回答。ポップアップで表示されるクーポンも58.6%が「聞いたことも使ったこともない」としている。Web接客ツールの導入が進んでいないため、浸透していない状況にあると考えられる。

 

ネットショッピングをした際のWeb接客ツールの利用について(複数回答可)

回答者のうち、ECサイト利用時にチャットサービスを使ったことがある300人に対して、チャットサービスを利用したきっかけを聞いた。

最も多かったのが「配送までの期間を確認するため」(42.7%)。「送料を確認するため」(34.3%)、「素材感の確認のため」(31.0%)と続いた。不安を解消するためにチャットサービスを利用している状況がわかる。

ネットショッピングをした際のチャットサービスを利用したきっかけについて(複数回答可)

チャットサービスを利用して購入した商品ジャンルは45.9%が洋服、アクセサリーと回答。サイズ感や質感などチャットを通じて解消したいというニーズが高いようだ。

チャットサービスを利用した際、購入したことのある商品について(複数回答可)

チャットサービスに対する満足度をたずねたところ、「満足している」が30.3%、「やや満足している」が43.3%。「あまり満足していない」や「満足していない」はいずれも1桁台。

チャットサービスに対する満足度について(単一回答)

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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中川 昌俊

ユナイテッドアローズが台湾に初の海外ECサイトを開設

9 years 4ヶ月 ago
すでに展開しているリアル店舗と連携し、O2O施策を推進

ユナイテッドアローズは7月4日、台湾に自社ECサイトを開設する。台湾ではすでにリアル店舗3店を直営しており、ECサイトの開設でO2Oを推進、海外ECのノウハウを蓄積する。

台湾に新しく開設するECサイトの名称は「UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE(ユナイテッドアローズ オンラインストア)」。ユナイテッドアローズ初の海外ECサイトになる。

新ECサイトでは、「ユナイテッドアローズ」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」の2ブランドを販売する。

UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE(7月4日オープン予定)

ユナイテッドアローズは現在、直営のリアル店舗「ユナイテッドアローズ台北店」「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 台北店」「ユナイテッドアローズ アウトレット林口(台湾)」の3店舗を台湾で運営している。

ECサイトを開設することで、台湾市場でのストアブランドの認知度向上、在庫の流動性向上を図る。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

本店サイトを伸ばすなら知っておきたい! SEO・リスティング広告・アクセス解析の基礎知識まとめ | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

9 years 4ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2016年6月20日〜16日のニュース

意外と知らない人が多いSEO、リスティング広告、アクセス解析の基礎知識。モールではあまり必要とされませんが、本店サイトの運営となると必須です。まずはGoogleに認識してもらう。次に、広告で新規顧客を獲得し、その結果をアクセス解析で確認していきましょう。

「サチコ」を使わないとSEOは始まりませんよ!

Google Search Console(サーチコンソール)を強力なSEOツールとして使うための究極ガイド | SEO Japan
http://www.seojapan.com/blog/the-ultimate-guide-to-using-google-search-console-as-a-powerful-seo-tool

まとめると、

  • 「検索での見え方」は検索結果画面で目立たせたり追加情報を表示させたりする作業を助ける
  • 「検索トラフィック」はサイトへのリンクやキーワードのランキング状況がわかる
  • 「Google インデックス」はクローリング状況やインデックスされているかをレポートする
  • 「クロール」ではGoogleボットのクロール率や抽出されたエラーなどが分かる

サーチコンソールはSEOのために必要……というか、ネットショップをオープンさせた時点で登録が必須のツールです。

Googleにどのように認識されていて、どこに問題があるのかが分かりますし、新規作成ページの情報を送ることもできます。Google アナリティクスとの連携もできるのでお忘れなく。

リスティング広告は仕組みを理解すれば怖くない!

ネット広告で100%確実に売上がアップする最強の仕組み セミナーレビュー | アナグラム株式会社
https://anagrams.jp/blog/seminar-20160525/

【いくらがいいの?】ECでのWEB広告導入と獲得単価(CPA)を考える | ECグロースラボ
http://ec-growth-lab.com/e-commerce/20160621/

まとめると、

  • リスティング広告は「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」の2種類
  • 検索連動型は検索結果に、ディスプレイ広告はアメブロなどのWebサイトに表示される
  • 誰が商品を買ってくれるのか、買いたい時にどうするのか想像すること
  • 目的達成1件にいくらかかったか、いくらならOKと判断するのかを考える

「なんとなくリスティング広告を出稿して上手くいかなかった」という話はよく聞きます。リスティング広告は新規顧客獲得の強力な手段ですので、仕組みを理解して予算を決めてから運用しましょう。

まずは検索連動型から出稿して、キーワードの除外やデバイス、日時を絞った配信を。

Google アナリティクスを見る前に本を読もう!

解析コンサルトが厳選!おすすめウェブ解析書籍8選。 | Ptengine Blog
https://www.ptengine.jp/blog/...

アクセス解析の定番書籍が並んでいます。Google アナリティクスを見てよく分からないことがあると説明の書籍を買ってしまいがちですが、先にアクセス解析の基本を理解しておきたいところです。ただし、売上が少ない場合は時間をかける意味もないので費用対効果を考えておきましょう。

参考ページ

EC全般

非合理な商慣行やバーゲンの悪循環…アパレル業界の問題を経産省が指摘 | Fashionsnap.com
http://www.fashionsnap.com/news/2016-06-20/apparel-supply-report01/

多くのアパレル企業がコスト削減を理由に独自性のある商品ではなく無難な流行品に偏り、価格競争でしか消費者にアピールできない商品が増えているとし、結果として商品の陳腐化と更なるコスト競争を招く悪循環に陥っているという現状を明らかにした。

新商品が出たとたんに30%OFF、そしてあっという間にセール。定価って何?って思う時がありますよね。

リアル店舗が売れなくなるのは当然の結果だと思う。 | Awannyanの女子力向上之書
http://ameblo.jp/a-wannyan/entry-12171954002.html

商業施設での写メNGについての考察。これは価値観の違いなんでしょうね……。買う人がお客さんなのか、拡散する人がお客さんなのか。

楽天市場がガチで嫌いな友人に、楽天を使いたくない理由を聞いてみた。なぜ楽天市場のがお得な場合でも、頑なにAmazonを使い続けるのか? | クレジットカードの読みもの
http://cards.hateblo.jp/entry/rakutenichiba-kirai-reasons/

嫌いなことの理由を挙げだしたらキリがないのは分かっていますが、納得できる部分もあります。

アフィリエイターとのコミュニケーションの第一歩「提携承認メール」をカスタマイズしよう | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/21/23147

アフィリエイターさんは自動販売機じゃないですよね。相手も人だということを忘れずに。

今週の名言

「町田美容院の知恵袋」コンテンツマーケティング事例 - LINEをコンテンツ作りに活用、700超のQ&Aで毎月30人の新規獲得に貢献 | EUIDEAL
http://uideal.net/contents/marketing-case/3979

キャリア14年分の毛髪理論や薬剤知識を、可能な限りすべてサイト上にコンテンツとして残したい。

お客様のために努力してきたことは、最高のオリジナルコンテンツです。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

取扱高は前年比2倍! ヤフー「20周年大感謝祭セール」はTVCM効果で新規ユーザーが拡大

9 years 4ヶ月 ago
2016年3月開催の度末セールと比較すると、新規ユーザーによる購入比率が伸張した

ヤフーが6月16日から開催した「Yahoo!ショッピング Yahoo! JAPAN 20周年大感謝祭セール」(20周年大感謝祭セール)の取扱高が、前年同期比で2倍以上で推移した。具体的な数値は公開していない。

「20周年大感謝祭セール」はCMキャラクターにタレントの宮川大輔さんを起用したテレビCMを積極的に放映。「Yahoo!ショッピング」の魅力やセールのポイントを熱烈な支持者に訴えかける、“選挙演説風”のストーリーを採用した。

ヤフーによると、「(2016年3月の)年度末セールと比較し、新規ユーザーによる購入比率が伸張した」。積極的なテレビCM放映が、新規ユーザーのショッピング利用につながったと推測している。

取扱高は前年比2倍! ヤフー「Yahoo!ショッピング Yahoo! JAPAN 20周年大感謝祭セール」(20周年大感謝祭セール)」はTVCMで新規ユーザー拡大が寄与

「20周年大感謝祭セール」は6月21日まで開催した(画像は編集部がキャプチャ)

「20周年大感謝祭セール」で売れたカテゴリは、「食品・ファッション」「スマートフォン・タブレット・パソコン」「キッチン・日用品」。

年度末セールの売れ筋ジャンルは「食品」「家電全般」「パッケージメディア(DVDなど)だった。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

大塚家具がネット通販を本格再開、ECサイト「IDC OTSUKA オンライン」刷新で商品拡充

9 years 4ヶ月 ago
約70種類に限定していたネット販売商品を、家具やカーテンなど人気商品を中心に約2400種類まで拡充した

大塚家具は6月28日、一部の商品をネット販売するECサイト「IDC OTSUKA オンライン」をリニューアルし、ネット通販を本格再開した。

「IDC OTSUKA オンライン」では家具転倒防止器具など約70種類に限定していた販売商品を、家具やカーテンなど人気商品を中心に約2400種類まで拡充した。

大塚家具の店舗がない地域の消費者への販売、来店後の注文や追加注文といった利用シーンを想定。店頭販売する商品を中心にネット販売し、利便性の向上をめざす。

実店舗を置く関東・東海・関西・九州・東北・北海道のエリアを対象に、広く無料配送エリアを設定。店舗のない地域へは有料で配送する。

ショッピングカートはGMOメイクショップの「MakeShop」を導入している。

大塚家具がネット通販を本格再開、ECサイト「IDC OTSUKA オンライン」刷新で商品拡充

リニューアルした「IDC OTSUKA オンライン」(画像は編集部がキャプチャ)

大塚家具のネット通販は、2009年に社長へ就任した大塚久美子氏(現社長)がECサイトを開設。その久美子氏が2014年7月に解任された後、社長へ就任した大塚勝久氏が社長在任中の2014年11月までに、ECサイトを閉鎖した。

閉鎖したのは、北欧インテリアを販売するオンラインショッピング「Morgenmarked」と、リブセンスと2014年4月に共同で運営を始めた家具・インテリアの通販サイト「kagūno(カグーノ)」。大塚久美子氏と大塚勝久氏の方針の違いが理由と、大塚家具は認めていた。

「IDC OTSUKA オンライン」は2015年9月開設。一部の商品のネット販売にとどめており、ECサイトの本格再開を模索していた。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

オススメだけがレコメンドにあらず。商品詳細到達率を上げる「レコメンド」枠の活用方法 | ECサイトの販売力をUPするユーザスループット最適化(UTO)

9 years 4ヶ月 ago
レコメンドの効果測定と、表示位置とタイミングはどうあるべきか(連載第4回)

前回は、ECサイトの「商品詳細到達率」のKPIを改善するための、サイト内検索の最適化について解説しました。今回も引き続き「商品詳細到達率」をテーマに、ユーザーが「商品を見る」「商品を吟味する」ために便利な「レコメンド」の活用方法について解説します。

商品を複数並べている枠、すべてが「レコメンド」

レコメンドとは、「この商品をチェックしている人は他にこんな商品もチェックしています」というように、商品に対して商品をオススメする「関連商品」に限りません。商品詳細ページへのリンクを含んだ「商品を複数並べている枠」すべてを「レコメンド」と捉えるべきです。

なぜなら、レコメンドは類似商品やセットで購入されている商品を表示するのが目的なのではなく、あくまでも販売力強化のために、多くの商品を見てもらうのが目的だからです。

商品詳細ページへ到達するきっかけとなるレコメンド枠は、関連商品だけでなく、他にも複数あります。例えば、以下のようなコンテンツの切り口です。

商品詳細ページへ引き込むコンテンツのバリエーションと表示例
  • ランキング……今週の人気商品ランキング
  • 新着……新着商品
  • 閲覧履歴……あなたが最近チェックした商品
  • レコメンド……この商品をチェックしている人は他にこんな商品もチェックしています
  • パーソナライズド……あなたにオススメの商品
  • 再入荷……再入荷商品
  • 値下げ……セール商品
  • オーダーライン……今、こんな商品が売れました
  • 特集……○○特集、サイトからのオススメ、掘り出し物

さらに細かく分けると、「ランキング」ひとつを取ってもさまざまな切り口があります。期間と対象を組み合わることで、特徴のあるコンテンツになります。もし1種類のランキングしか使っていないようでしたら、非常にもったいないことだと思います。

ランキングのバリエーション例
  • 日間 閲覧ランキング
  • 日間 購入個数ランキング
  • 日間 売上ランキング
  • 週間 閲覧ランキング
  • 週間 購入個数ランキング
  • 週間 売上ランキング
  • 月間 閲覧ランキング
  • 月間 購入個数ランキング
  • 月間 売上ランキング

購入ランキングと売上ランキングは、サイトによってはかなり出てくる商品が異なります。傾向としては、購入ランキングでは比較的単価の安いもの(アパレルではヘアアクセサリーや靴下など)が出やすく、売上金額では単価の高いもの(コートやバッグ)が出やすいです。

家具と雑貨、家電とサプライ品を扱うサイトでも一目瞭然です。「よく買われるもの」を出したいのか「高いもの」を出したいのかはサイトの戦略に合わせて使い分けると良いでしょう。

商品と購入データの特徴を考えると当たり前のことのようですが、実はレコメンドの特徴とサイトの販売戦略をセットで実施できているところはまだまだ少ないようです。

レコメンドの効果はどう測るのか

レコメンドの活用方法を考える前に、レコメンドの現状の効果について把握しておく必要があります。どうやって効果を測ればよいのでしょうか? ポイントは大きく2つあります。

レコメンドの満足度(レコメンド枠のクリック率/レコメンド経由のカート投入率)
→レコメンド枠の認知と、レコメンドされた商品をユーザーが気に入ったのかどうかがわかる

レコメンドの貢献度(レコメンド経由の購入率)
→最終的にユーザーがレコメンド経由で購入したのかどうかがわかる

これらの数値を取るには、事前に各枠のクリック数と枠経由の購入点数が取れるように設定しておく必要があります。PCとスマホサイトの商品詳細ページとカートページにレコメンド枠を表示している場合は、それぞれの数値がわかるように設定しましょう。

他にも、各枠経由の平均購入単価や購入商品点数、購入金額なども合わせて効果検証できればより良いでしょう。

重要なのは目に入る位置に表示されていること

ECサイトにレコメンド枠を設置するとき、ありがちな落とし穴は、ロジックチューニングにこだわり過ぎてしまうことです。レコメンドの効果を大きく左右するのは、実はデザインやレイアウトといったUIのほうなのです。

PCサイトのレコメンド枠のクリック率

こちらは、PCサイトの商品詳細ページにレコメンド枠(商品画像付き、商品は5件程度)を表示した場合の平均的なクリック率です。

同じロジックでもページ上部の場合はクリック率が10%を超えるのに対し、ページの下だと2~8%に落ち込んでしまいます。「何が表示されているのか」よりも「目に入る場所に表示されているのか」が重要なのです。

UIの改善例としては、以下のようなデータも出ています。

  • 1枠5件の商品表示を1枠30件に増やしたらクリック率が2倍に増加
  • 商品画像を大きくしたらクリック率が1.5倍に増加
  • セール商品の価格を赤字にしてアイコンに割引率を追加したらクリック率が1.3倍に増加

あくまで購入プロセスの邪魔にならないように、カートボタンや商品説明文などの表示要素を考慮しつつ、レコメンド枠の効果を上げる改善を繰り返すことが大切です。

レコメンドはタイミングが重要

次にそれらのレコメンドコンテンツをどう並べるのか、タイミングやページを検討します。基本的には、凝りすぎずにシンプルに情報を整理して出すのが正攻法です。

考え方としては、店舗の陳列と同じように枠に意味を持たせ、類似商品を並べて比較検討させたいのか、コーディネート商品を並べてクロスセルさせたいのかを考え、次にそれをどのタイミングでユーザーに見せたいのかを決め、意図する商品が並ぶよう適切なチューニングやフィルタリングを行い、ページ設計をします。

意外に思われるかもしれませんが、「ついで買い」の貢献度が高いのは、カートページでの閲覧履歴であることが多いです。ロジックに凝りすぎず、シンプルに購入の一歩手前のカート画面で、今までそのユーザーが見てきた商品を出すことは、非常に重要なのです。

実際に工夫を積み重ねて効果を上げたサイトは多くありますので、ひとつ事例をご紹介します。

某ECサイトにおける半年間での効果検証

  • サイト全体のPV数が188%増加したのに対し、商品詳細ページのPV数は233%増加
  • レコメンド経由の売上が1.5倍に増加
  • 全体の注文完了数が1.6倍に増加

レコメンドからパーソナライズドへ

最後に、その次のステップにあるのが、「パーソナライズド」です。前述のように「どのタイミングで何をオススメするのか」だけでなくパーソナライズドでは「何をキーとするか」がかなり重要となってきます。

パーソナライズドで最もよく使われるのが、ターゲティング広告にも活用されるユーザーの閲覧や購入など行動履歴データです。

また、より高度なレコメンデーションとしては、リファラや検索キーワード、訪問回数などの行動履歴データを活用したり、会員情報を連携させ、会員属性によって出す商品を変えるといったこともできます。

性別や住所、会員ランク、登録時に取得した好きなブランドなどによってレコメンドを最適化することも可能となり、活用の幅が広がっています。

また昨年から「Web接客」というキーワードでさまざまなソリューションが出てきており、サイト上に商品を最適化して表示するところから、よりプッシュ型へと進化してきています。

シンプルに情報を整理して使いやすいサイトにするだけではなく、積極的に訪問ユーザーへアプローチすることで商品の訴求を強化するというやり方です。

場合によってはカスタマーサポートがユーザーの問い合わせに対してチャットで答え、商品案内をすることもあれば、ポップアップなどの手法で商品を見せることもあります。

あるいは、メールで閲覧した商品や、カートに入れたが購入しなかったカゴ落ち商品を訴求し、再度商品詳細ページへ訪問させるといった施策も出てきています。

「持っているコンテンツをどのように活用するのか」。そのアウトプットの精度を高めることでレコメンドの活用、およびサイトの販売力の強化はまだまだ改善の余地が見えてきています。

◇◇◇

次回は、商品詳細ページからカート投入率を高めるための工夫についてご紹介します。

高橋 敏郎

ナビプラス株式会社

高橋 敏郎(たかはし・としろう)

ナビプラス株式会社 執行役員 セールス&マーケティング部 部長

大学卒業後、インターネット広告代理店にてIT関連メディアやリスティング広告、サイト構築の営業に従事。その後、人材紹介会社におけるインターネット関連企業の採用支援業務などを経て、2010年の会社設立とともにナビプラス株式会社に参画。

現在は、大手EC事業者への営業のほかマーケティングやアライアンス関連業務などを担当している。

高橋 敏郎

BASE、最短2クリックで決済できる共通ID決済サービス「PAY ID」をリリース

9 years 4ヶ月 ago
まずは「BASE」を利用するECサイト20万店舗に、「PAY ID」の導入を進めている

無料でECサイトが開設できるECサイト構築サービス「BASE(ベイス)」を運用するBASEは6月27日、オンライン決済サービス「PAY.JP」で、購入者向けのID決済サービス「PAY ID」の提供を始めた。まずは「BASE」を利用するECサイト20万店舗に、「PAY ID」の導入を進めている。

「PAY ID」は、共通の会員IDを使ってオンライン決済が行える共通ID決済サービス。消費者は「PAY ID」にカード情報を登録するだけで、2回目以降の買い物時に会員IDを使って買い物ができるようになる。

「PAY ID」を利用する20万超のEC店舗(「BASE」で運用する店舗など)において、共通のIDで決済することが可能。BASEによると「最短、2クリックで購入することができる」という。

BASE、最短2クリックで決済できる共通ID決済サービス「PAY ID」をリリース

画面移動のイメージ

「PAY ID」はこれまで、先行してショッピングアプリ「BASE」に導入。最短2クリックで購入できることから、「買いやすい」といった声があがっているという。

「PAY ID」を導入した店舗は、転換率アップや新規顧客の獲得、リピーター獲得の効果ができるとしている。

BASEは2015年にオンライン決済サービスに参入。決済手数料3.0%からという業界最安値水準の手数料で提供している。数行のスクリプトを埋め込みで導入できるといった環境を用意し、年商数億円から数十億円EC企業やこれから本格的にネット通販を始めるといった事業者を対象に事業を展開している。

BASEの鶴岡裕太社長は「PAY ID」のリリースについて、次のようにコメントした。

共通IDで決済できる店舗が増えていけば、それを利用する消費者も増えていく。そういう循環を作っていきたい。中小企業と一緒にモノを売る環境を一緒に作り、価値と価値を交換するプロトコルになっていきたい。

BASE、最短2クリックで決済できる共通ID決済サービス「PAY ID」をリリース。BASEの鶴岡裕太社長

BASEの鶴岡裕太社長

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

Amazon、鈴鹿8耐に初のイベントブース出展

9 years 4ヶ月 ago
特集ページを開設し、タイムセールなども実施へ

Amazonは7月30日、「コカ・コーラゼロ 鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐、31日開催)にイベントブースを初出展すると発表した。あわせて、鈴鹿8耐の特集ページを開設し、タイムセールなどを開催する。

Amazonは2009年10月に「バイク用品ストア」をオープン。ヘルメットやジャケット、マフラー、ハンドルなどを中心に現在110万点超を取りそろえている。イベント出展でAmazonでのバイク用品販売、利便性の高いサービス提供などについて、バイク好きユーザーにアピールする。

イベントブースでは、Amazonで実施予定の「タイムセール」対象商品の展示、限定ステッカーのプレゼントを実施。ライダーのサイン入りヘルメットなどが当たる抽選会やゲーム大会も実施する。

イベントブースのイメージ

鈴鹿8耐の特集ページも開設。鈴鹿サーキット公式Twitterと連動したレースの実況中継をリアルタイムで表示するほか、イベントブースと連動したタイムセールを実施する。バイクツーリング特集およびキャンプ用品特集の紹介を行っていく。

今回の取り組みに関し、アマゾンジャパンの渡辺朱美氏(バイスプレジデント ライフ&レジャー事業本部 統括事業本部長)は次のようにコメントしている。

Amazon では、レース前からオンラインで、また、レース当日はオンラインとリアル双方で、業界関係者そしてバイクファンの皆様と一緒に鈴鹿8耐を盛り上げていく。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊
確認済み
42 秒 ago
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