ネットショップ担当者フォーラム

購入済の服などから最適なコーデを提案する「SENSY CLOSET」を提供、カラフル・ボード

9 years 4ヶ月 ago
ユーザー満足度の向上などを目的に夢展望がすでに導入を決定

感性学習のパーソナル人工知能「SENSY」を展開するカラフル・ボードは7月6日、ユーザーが過去に購入した服とECサイトで販売されている服を自由に組み合わせてコーディネートできるサービス「SENSY CLOSET(センシークローゼット)」の提供を開始した。

女性向けファッションECサイト「夢展望」への導入が決定しており、ティザーサイトで受け付けを始めている。

「SENSY CLOSET」は提携するファッションECサイト内のアイテムと、所有アイテムを自由に組み合わせてコーディネートを作ることができるサービス。

対応ECサイトで購入したファッションアイテムは自動連携保存されるため、他の対応サイトで購入したアイテムを組み合わせたコーディネートも作成できる。

連携された購入済みファッションアイテムや保存したコーディネート情報をパーソナルAI「SENSY」が学習。ユーザーに合わせた最適なコーディネートも提案できる。

「SENSY CLOSET」のイメージ

夢展望では以下の4点を理由に導入を決めた。

  1. ユーザー1人ひとりの好みに合う提案を行うことで新たな発見と購買動機を創出
  2. 事前にコーディネートをイメージすることによる購入後のユーザー満足度向上
  3. ユーザー自身が似たような服を持っているかを確認できることによる返品率の低下
  4. 「SENSY CLOSET」の新しいユーザー体験による再訪率の向上

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

「デジマート」で楽器の買取サービスを開始、リットーミュージック

9 years 4ヶ月 ago
登録すると買い取り可能な複数店舗に査定を行うことが可能

音楽関連の出版を行うリットーミュージックは7月4日、楽器のECモール「デジマート」で、買い取りサービス「デジマート買取サービス」を開始した。ユーザーは買い取ってほしい楽器を登録すると、複数の買い取り可能店にまとめて査定を申し込むことができ、そのなかから買取店を選ぶことができる。

「MY楽器ページ」にユーザーの楽器・機材を写真付で登録すると、「MY楽器ページ」を通じてまとめて査定依頼することができる。登録した楽器の買い取り可能店舗の一覧ページから、申し込みすることも可能。その後、詳細な金額が楽器店から提案され、承認すると買い取りとなる。

出店している楽器店は、査定・買取対応できる楽器について登録しておくと、ユーザーが査定・買取依頼をした際に対応店として表示される。あらかじめ型番データベースに査定額を入力しておくことで、スムーズな査定フローが可能。下取りの際、お得な金額で買い取る設定も可能という。

ユーザーと出店している楽器店が「デジマート」上で楽器の買い取りができるようにすることで、サイトの活性化につなげる。

リットーミュージックの「デジマート」が買い取りサービスを開始

「デジマート買取サービス」

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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中川 昌俊

店舗のIoT化めざすアパレルのTSI 利用状況をビックデータ化し消費者行動を把握

9 years 4ヶ月 ago
店舗分析プラットフォームなどのリテールネクスト社が提供する店舗IoTプラットフォームを導入する

TSIホールディングスは店舗のIoT化に向けた取り組みを強化する。

分析データの活用で顧客満足や業務改善を進めているEC事業に比較し、既存店舗では消費者の行動情報収集が遅れている。オムニチャネル化を推進するTSIは、実店舗の既存システムでは多様化する消費者行動データを把握できないため、新しい仕組みの構築が急務と判断。

日本のアパレル企業としては初という、店舗分析プラットフォームなどのリテールネクスト社(本社は米国カリフォルニア州)が提供する店舗IoTプラットフォームを導入する。

リテールネクスト社は数百以上のグローバル小売ブランドに対し、店舗内各種データの計測、コスト削減、売上アップ促進のための支援などを行っている。

TSIが導入する店舗IoTプラットフォームは、ビデオ分析機能や携帯デバイスのWi-Fi検出機能、POS(販売時点情報管理)データ連携などの情報源を活用。消費者がどのように店舗を利用しているかを把握できるようにするもの。

TSIは消費者の店舗利用状況をビックデータ化し、店舗の通行量、入店率、顧客属性、コンバージョン率などを分析。入店率やリピート率を向上し、販売スタッフの人員数や配置の最適化を図る。

店舗のIoT化めざすアパレルのTSI 利用状況をビックデータ化し消費者行動を把握。リテールネクスト社が提供する店舗IoTプラットフォームを導入

まずは「パーリーゲイツ」広尾店にIoTプラットフォームを導入(画像は「パーリーゲイツ」のECサイト)

オムニチャネル化を進めるTSIホールディングスは前期(2016年2月期)から、EC事業を担う傘下のTSIECストラテジーを通じ、商品の店頭受け取りや店頭在庫確認などができるブランド単位のオムニチャネルサイト(O2Oサイト)の推進などを強化している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

7/11スタートの「楽天市場EXPO2016」。今年の見所を楽天の担当者に聞いてみた

9 years 4ヶ月 ago
楽天市場EXPO2016事務局の村田恵亮氏に聞いた

楽天は7月11日から、2016年後半の戦略共有、勉強会の場を「楽天市場」出店者に提供する「楽天市場EXPO」を開催する。2016年は大阪会場からスタートし、東京、札幌、福岡の4会場で実施。テーマとして設定した「クオリティ」に込めた意味や取り組み内容、見所などを「楽天市場EXPO2016」事務局の村田恵亮氏に直撃。

開催会場は6→4へ集約し、1会場ごとの内容を充実

――「楽天市場EXPO2016」のテーマは「クオリティ」ですが、その意味は。

「楽天市場」が現在、掲げているテーマは「クオリティ」です。消費者に対して、“安心・安全なショッピング体験とは何なのか”ということをしっかり伝えたいという想いから、「楽天市場EXPO2016」のテーマも「クオリティ」にしました。

――2015年までは名古屋、仙台を含めた6会場での開催でした。今回は4会場です。

名古屋、仙台の会場に参加していた方々を、東京や大阪の会場に来てもらうようにする狙いです。今まで出会えることができなかった店舗と知り合いになる機会を設けようと考えました。

そのために、各会場で「ベテラン店長お悩み相談室」という部屋を設置し、3~5人のベテラン店長と、10~20人の参加者が相談できる場を設けました。東京、大阪会場では3回ずつ開催します。

ほかに、も店舗同士が交流・親睦を深める場を多数用意しています。

「楽天市場EXPO2016」事務局の村田 恵亮 氏

村田 恵亮 氏

――「楽天市場EXPO2016」の見所は。

2016年は4会場で基調講演を行います。朝から1日を通して参加いただきたい。

今回は、ECを専門としていない外部の講師を多く招いています。たとえば、「電波少年」などのプロデューサーなどを務めた土屋敏夫氏は、「コンテンツ作りという点でメディアと店舗運営はすごく似通っている」というお話をします。

若者の生活アナリストとしてテレビなどに出演している原田曜平さんが、「今の若者たちの消費心理とどのような商品開発が必要か」といったお話を行います。

元楽天の役員で多くの著書を手がける尾原和啓さんと、予防医学の研究者である石川善樹氏、登山家で手の指9本の大部分を失いながら、単独・無酸素でのエベレスト登頂をめざす栗城史多氏がトークセッションを行います。楽しく仕事を続けるための秘訣などをお話します。

ECの専門家ではない人たちが、「楽天市場」の店舗さん向けにお話をするのは、こうした機会しかないので、お勧め講演です。

今回、東京会場は東京国際フォーラム、大阪会場は大阪国際会議室で開催しますので、会場自体はかなり広くなりました。そのため、1日では見て周りきれないほど多様なイベントを行います。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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中川 昌俊

アフィリエイターに送るニュースメールの「送信頻度」と「周期」 はどうすればいい? | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

9 years 4ヶ月 ago
アフィリエイターはセールスマン。ニュースメールで販売代理店と同様の情報を提供しよう(第12回)

アフィリエイト向けキャンペーンの告知として利用されることが多いニュースメールですが、広告主の都合で紹介してほしい時だけに送信しても、多くの反応があるわけではありません。「この広告主からのメールは有益だ」と認識してもらい、常に開封してもらえるように、定期的に情報提供する必要があります。

「この広告主からのメールは読もう」と思ってもらうには?

ニュースメールはすべてのASP共通で利用可能な機能ではありませんが、利用できるASPを選択しているなら、その時点で他の広告主より有利と言えます。ぜひ活用していただきたい機能の1つです。

ですが、活用できている広告主はそう多くありません。一方通行の情報を送りつけ、アフィリエイターから敬遠されている広告主も多々見受けられます。まずは、「アフィリエイターに役立つ情報とは」「喜ばれるニュースメールとは」といった視点を持ちましょう

繁忙期やセール時にきちんと情報を見てもらうためには、「この広告主からニュースメールが届いたら読む」という関係になっていることが不可欠です。特にお知らせしたい重要なメールを読んでもらうためには、アフィリエイターにとって有益なニュースメールを定期的に、継続して送信することが必要です。

不定期発行のメールは印象に残らない。定期的に有益なニュースメールを発行して、認知度を高めよう。

通常のメルマガとニュースメールの違い

エンドユーザー向けのメルマガの例…2016年7月8日(金)発売開始! 待望の新製品! 今なら在庫あり。即日発送可能です! ギフトにもご自宅用にも! ご注文お待ちしております!
アフィリエイター向けのニュースメールの例…2016年7月8日(金)発売開始! 主に30代後半の男性からのご予約を多数いただいております。プレゼント包装でのご注文も多く、ご家族やご友人への贈り物としてご好評いただいています。
エンドユーザー向けのメルマガの例(左)と、アフィリエイター向けのニュースメールの例(右)

個人アフィリエイターは、実際に商品の購入体験があるエンドユーザーの場合もあります。しかし、あくまで商品の販売に協力してくれるパートナーなので、情報提供の際はお客様扱いをしないように気を付けましょう。

現在配信されているニュースメールを見ると、エンドユーザー向けのメールマガジンをそのまま流用しているケースがあります。

これは、アフィリエイターを「お客様」や「顧客」として扱う行為として見られ、特に有力アフィリエイターから敬遠されます。アフィリエイターは商品やサービスを紹介してくれるセールスマンです。販売代理店や販社と同様の情報を提供しましょう

例えば新商品発売のお知らせをしたいなら、

  • 正確な発売日時
  • どんな人にニーズのある商品なのか
  • どういった傾向で売れているのか

といった、顧客層をイメージできる情報を加味することが望ましいです。また、製品化までにこだわったポイントや、商品を購入したユーザーの声なども喜ばれます。

×悪い例…メールの送信頻度が多すぎる/送信周期が決まっていない/件名が分りいくい/情報が薄い
○良い例…旬の情報がある/更新のネタに使える/成果獲得のアドバイスがある/広告主担当者の人柄が見える
ニュースメールの悪い例(左)と良い例(右)

送信頻度は隔週1回の月に2回がベスト

筆者がセミナーでお話しさせていただくなかで、一番ご質問いただくのがニュースメールの送信頻度についてです。

各社ASPにより機能や送信上限に差はありますが、自由度の高いASPでは毎日送信している広告主も見受けられます。しかし、目新しい情報がなければスパムフォルダ行きになるか、メール拒否のためアフィリエイターから提携解除されてしまいます。

せっかく商品やサービスに興味を持って提携してくれたのに、ニュースメールの送りすぎで提携解除になってしまうのは非常にもったいないことです。

経験上、ベストは月2回。最低でも月に1回は送るようにしましょう。

これは、アフィリエイターに「頻繁すぎる」と感じさせず、また広告主側の運用に支障のない範囲で行うのに適しているのでお勧めしています。

商材やサービスによって週1回、また日替わりでセール情報が掲載されるようなショップでは、有益な情報ならば毎日送信しても問題ないケースもありますが、自社にとって他の業務を圧迫せず、更新のネタに困らない、ベストな周期で送信するようにしましょう。周期を決めたら何より大切なのは継続して情報提供を行うことです。

今から定期送信するなら木曜、金曜以外がお勧め

筆者が数年前に広告主だった時は、毎月第2・第4木曜日の19時に送信していましたが、今は木曜日と金曜日にアフィリエイター向けのニュースメールを配信する広告主が増えました。特に金曜日は多いので避けた方が無難です。

これから配信周期を決めるなら木曜日、金曜日以外がお勧めです。最近だと、平日なら月曜日か火曜日。休日の配信が可能なら土曜日や日曜日も良いでしょう。

送信先は、主に提携済みのアフィリエイターとなります。個別やグループでの送信が可能なASPもありますが、まずは提携関係のあるアフィリエイターに対して全配信(提携済みアフィリエイターに、同一のメールを送ること)をしていきましょう。

◇◇◇

顧客向けメールマガジンとは違うこと。また、更新頻度を決めたほうが良いことをご理解いただけたでしょうか? 次回も引き続き、アフィリエイト向けニュースメールのコツをお伝えします。

鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさ」に目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

鈴木 珠世

アスクルがアマゾンを追随! 「ロハコ」が出店者も募る「直販+マーケットプレイス」へ移行 | 通販新聞ダイジェスト

9 years 4ヶ月 ago
他の事業者が出店して商品や役務(サービス)を販売できるマーケットプレイスを展開する体制に変更する

アスクルは運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」を“アマゾン型”に移行させる。現状、アスクルによる直販のみの展開だが、早ければ今夏以降にも他の事業者が出店して商品や役務(サービス)を販売できるマーケットプレイスを展開する模様。

競合のアマゾンがすでに展開しているような「直販+マーケットプレイス」を展開することで、効率的に「ロハコ」の売上規模や流通総額を増やす狙い。また、それによる他社からの手数料や広告収入など新たな収益源の確保を図り、いまだ先行投資で赤字が続く、「ロハコ」の収益改善に貢献させたい狙いもあるようだ。

アスクルは8月3日開催の定時株主総会で定款の変更を行う。主な変更点は自社の事業を従来の「商品等の販売」から「商品等の販売ならびにその取次ぎ、代理および仲介」とすることだ。同社によればこれは「ロハコ」においてマーケットプレイス事業を始めるための変更だという。

アスクルの「ロハコ」が“アマゾン型”へ移行 「直販+マーケットプレイス」へ
7月5日に定款の一部変更を発表した。赤線部分が「マーケットプレイス事業」を始めるための変更とみられる(画像は編集部が加工・追加しました)

『ロハコ』は購入頻度の高い日用品を中心をした品揃えで、すでに年間120回程度も買い物頂けるお客様が多くでてきた。こうしたお客様に日用品だけでなく、例えば、“アパレル”や“スポーツ用品”などライフスタイル全般で必要となる商品をワンストップで提供して利便性を高めたい」(岩田社長)として、日用品以外の購入頻度の低い、いわゆるロングテール商品の取り扱いにあたって、売上規模の拡大で年々、増加に一途をたどる物流コストの圧縮の観点や、物流拠点のスペースの関係からも「当社の物流センターを通過しない売り上げを増やせることはビジネス上、非常の良いこと」(岩田社長)とし、従来のように自社で在庫を持って直販で展開するよりも、アスクルが直販する商材とは重ならない商品に関しては他社に「ロハコ」に出店してもらい、展開した方がよいと判断した模様だ。

出店者にとっても前述した通り、年間120回程度も利用する優良顧客を持ち、年間約330億円の売上規模を誇る「ロハコ」は“売り場”として魅力があり、アスクルとしても一定のトラフィックと規模感と持ち始めた現段階を踏まえて、マーケットプレイス開始に舵を切った模様だ。

なお、「ロハコ」では「無印良品」や「成城石井」など有力有店舗小売業者の商品を集めた専用コーナー「ロハコモール」をすでに展開中だが、“モール”とは言え、アスクルが当該商品を仕入れ販売する直販モデルとなっている。

マーケットプレイスの具体的な詳細は不明だが開始時期については「8月の株主総会の定款変更の承認を受け次第、なるべく早く始めたい」(同)とする。また「(マーケットプレイスを始めるので)皆さん、出店してくださいという形にはしない。あくまで『ロハコ』のお客様にとって利便性の高まる商品のほか、サービスを検討していく」(岩田社長)とし、少なくともスタート当初はアスクル側が選んだ事業者に出店を促す形を採る模様だ。なお、マーケットプレイスの出店料や手数料率などは明らかにしていない。

アスクルでは「ロハコ」におけるマーケットプレイスの導入で直販では販売が難しい商材などをカバーして品ぞろえの迅速な拡充を図る狙い。また、出店者からの手数料収入などの新たな収益源を確保や、さらにマーケットプレイス導入で顧客数や流通総額を増やし「ロハコ」内で掲載するネット広告の収入アップも狙う考えだ。すでに取引先のメーカーから一定の出稿を得ているようだが、広告主を出店者などへ広げることも可能となりさらなる広告収入増につなげたい狙いもありそう。

「ロハコ」は先行投資段階としていまだ年間30億円強の赤字が続いている。今後も当面、規模拡大を優先する意向だが、「主力事業の法人向けオフィス用品通販であげた利益を食う格好であるため、一部の株主などからはより早期の収益化を望む声もある」(アナリスト筋)ようで、粗利率が高い化粧品や健康食品、医薬品などの商材ジャンルの拡販や物流コストの圧縮などと並行し、マーケットプレイス事業に着手することで利益面の改善を急ぎたい意向もあるようだ。

競合のアマゾンは直販に加えて、近年、マーケットプレイス事業を強化しており、それにより、効率的に取扱商品数を増やしてさらに流通総額を拡大させている模様。「直販+マーケットプレイス」という“アマゾン型”へ移行するという「ロハコ」も同様に規模拡大を図ることができるのか。行方が注視されそうだ。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
アスクルの「ロハコ」 マーケットプレイスを展開へ、"アマゾン型"に移行(2016/07/07)

通販新聞

中小ECが生き残るには?/ヤマト運輸「YES!」新バージョン | 週間人気記事ランキング

9 years 4ヶ月 ago
2016年7月1日~7日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

1位のタイトルにある「象はアリのことを気にかけないけど、アリは象のことを気にかけないと死ぬ」は、Googleアナリティクスの専門家・カグア!の吉田氏の言葉です。大手の動きから流れをつかんで、次の一手を考えましょう。

  1. 「象はアリのことを気にかけないけど、アリは象のことを気にかけないと死ぬ」。中小ECの生き残り術

    tweet17このエントリーをはてなブックマークに追加

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2016年6月27日〜7月3日のニュース

    2016/7/5
  2. 大幅バージョンアップしたヤマト運輸の通販システム「YES!」。その詳細は?

    tweet7このエントリーをはてなブックマークに追加

    従来に比べより簡単に操作できるようにした一方で、深く使いたいショップにはより深く使うための機能の充実を図った

    2016/7/4
  3. スマホで最も使うECサイトは「Amazon」。次いで「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」

    tweet18このエントリーをはてなブックマークに追加

    スマートフォンからネットショッピングを楽しむユーザーは4857万人で、前年同月比15%増

    2016/7/5
  4. コンバージョン約10倍の事例! ソーシャルで成果を出すコンテンツの作り方、教えます

    1桁台で推移していたコンバージョン件数を、10か月で約10倍に伸ばしたソーシャル活用術

    2016/7/1
  5. チャットでの簡単な質問に自動回答する「AI Messenger」を開始、サイバーエージェント

    チャット対応の人的コストを削減し、365日24時間対応可能に

    2016/7/4
  6. 越境ECを始める事業者に上限100万円の補助金制度、主たる対象はTPP交渉参加国が条件

    中小機構が募集開始、新たに越境ECサイトを構築、もしくは出店する事業者が対象

    2016/7/4
  7. 楽天が湘南江の島で海の家、「Rakuten Beach CAFE」でグルメなどを販売

    楽天市場で人気のグルメを販売するほか、各種イベントを開催

    2016/7/5
  8. 今年の夏は何が売れる? 猛暑日の「Yahoo!ショッピング」売れ行きで探る2016年夏対策

    飲料カテゴリが前年同期比80%増と取扱高が急増。ノンアルコールビールが同280%増、地ビールが同60%増で推移

    2016/7/6
  9. 自由にサイトデザインを変更できるECサイト構築ソフト、システムインテグレータ

    HTMLの知識がない人でもがマウス操作で直観的にデザインできるという

    2016/7/5
  10. 越境EC、オムニチャネル、マルチデバイス、重要テーマに対応するECサイト作りの鍵

    ECプラットフォーム選びの重要なポイントは「カスタマイズ」「アップデート」「セキュリティー」

    2016/7/5

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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EC サイトの業績が一目でわかる管理ツール「DAIZU」の提供を開始、インテージテクノスフィア

9 years 4ヶ月 ago
Google Analyticsに蓄積されたEC サイトの閲覧データを、わかりやすくレポート

ITソリューション提供のインテージテクノスフィアは7月7日、運営するECサイトの重要指標が一目でわかるようにする管理ツール「DAIZU(ダイズ)」の提供を開始した。短時間でECサイトの現状が分析できるようになることで、継続的なサイトの改善や目標設定に活用できる。

「DAIZU」は、面倒な名操作や専門知識を必要とせず、重要な指標の身を1画面にまとめてレポートするツール。Google Analyticsに蓄積されたEC サイトの閲覧データをわかりやすくレポートし、エクセルなどにまとめることができる。まとめたエクセルデータをツール上で担当者に送ることも可能となっている。

売り上げ、訪問数、購入率、客単価など各指標の目標値を設定することもでき、達成度をあわせたレポートもすぐに作ることができるという。

対応するECサイトはGoogle Analyticsに対応したECサイトだけで、モール店などは対応していない。

価格は1サイトあたり月額5000円から利用できる。初回のみ30日間の無料試用を可能としている。

レポート画面のイメージ

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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中川 昌俊

加藤公一レオ氏のベストセラー「100%確実に売上がアップする最強の仕組み」の中国語版を出版

9 years 4ヶ月 ago
出版を皮切りに、中国での事業展開も

売れるネット広告社は7月6日、加藤公一レオ氏の著書「ネット広告&通販の第一人者が明かす100%確実に売上がアップする最強の仕組み」の中国語版が、北京聯合出版公司から出版され、中国全土での販売を開始したと発表した。

同書は2015年3月にダイヤモンド社から出版された通販ノウハウ本で、日本の大手メーカーが実施した数百通りの「A/Bテスト」の中から、レスポンス率や費用対効果が劇的に向上した事例を公開している。出版後、Amazon総合ランキングで第1位となるなど好評だったため、北京聯合出版公司から要望があり、中国語版を発行したという。なお、中国語版は日本語の書籍をそのまま翻訳したもので、中国向けの編集、追記などは行っていない。

売れるネット広告社では、本書籍の中国全土での発売を皮切りに、中国でも通販コンサル兼ネット広告代理店事業を展開していく。

「ネット広告&通販の第一人者が明かす100%確実に売上がアップする最強の仕組み」の中国語版

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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中川 昌俊

「LOHACO」の売上高が300億円を突破、前期比64.2%増に

9 years 4ヶ月 ago
テレビCMやヤフーと連携したポイント施策などにより新規ユーザーを獲得

アスクルは7月5日、2016年5月期業績を発表。日用品ECの「LOHACO」の売上高は、計画していた300億円を突破し、前期比64.7%増の328億4500万円となった。

認知度向上のため大都市圏を中心にテレビCMを放映したほか、山手線、中央線など首都圏4線でトレインジャンクを行った。また、メーカーと協力しながら、販売状況などをメーカーと共有する「ECマーケティングラボ」の参加社による大型販促策が奏功。ヤフーと連携した販促ポイント増額の施策も新規ユーザーの獲得に寄与した。

今期(2017年5月期)の「LOHACO」の売上高は前期比46.1%増の480億円を見込む。取扱商品数を現状の3倍にまで拡大させることで、検索ユーザーの集客を増やす。また、ブランド認知度を高めるため、引き続きテレビCMの放映や各種宣伝販促を行っていくことで、現在60%ほどの消費者認知度を85%まで高める考え。また、メーカー協賛による販促策も昨年以上に行っていく。

物流の改善も進める。ロボット導入により24時間フル稼働化を図るほか、新たな物流センターを開設することで、より細かな物流サービスを提供していく。

LOHACOの売上高推移

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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中川 昌俊

日本で2社目。「セシール」がアリババの「天猫国際」の新サービス「官網同購」に参加

9 years 4ヶ月 ago
「天猫国際」との交渉、システム開発、運営管理などの業務は、EC支援などのユー・シー・エルが担当

ディノス・セシールの通販ブランド「セシール」は7月、アリババグループの「天猫国際」内で展開している中国向け越境ECサイト「セシール旗艦店」が、日本企業で2社目となる新サービスに参加する。

「官網同購」(カン・ワン・トン・コウ)と呼ばれる「天猫国際」内のサービスで、海外と「天猫国際」内のECサイトをさまざまなAPIで連動させるもの。自動翻訳機能や決済機能も有している。

海外サイトのクオリティや品ぞろえなどを「天猫国際」内の店舗で実現するのが目的で、利用企業は運営コストを抑えながら、リアルタイムで多くの商品を「天猫国際」内にUPすることができる。

「官網同購」は韓国、台湾のファッションメーカー企業などが先行して参加。現在のところ、日本企業は1社のみという。

今回の「天猫国際」との交渉、今後のシステム開発、サービス開始後の運営管理などの業務は、EC支援などのユー・シー・エルが担う。

ユー・シー・エルによると、「官網同購」を使った店舗と「天猫国際」通常出店を比べて、「(「官網同購」を使った店舗は)3~5倍の売り上げをあげているという結果が出ている」という。

日本で2社目。「セシール」がアリババの「天猫国際」の新サービス「官網同購」(カン・ワン・トン・コウ)に参加

海外企業で「官網同購」を活用している企業と日活用企業の比較

このデータは、アリババからユー・シー・エルが提供を受けたもの。「天猫国際」上で、「官網同購」を利用して出店したアパレル企業と同時期に通常出店を行ったアパレル企業の売上比較となっている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

「えびすマート」でオンライン決済サービス「Paidy」の導入が可能に

9 years 4ヶ月 ago
「えびすマート」と連携し、大手ECサイトでも「Paidy」を簡単に導入できるようにした

エクスチェンジコーポレーションは7月6日、オンライン決済サービス「Paidy」を、ECサイト構築パッケージ「えびすマート」を利用しているECサイトに導入できるようにしたと発表した。

「Paidy」はこれまで、大手ECサイトへは個別に導入を進めてきた。「えびすマート」と連携し、大手ECサイトでも簡単に導入できるようにして流通額の拡大を図る。

「Paidy」は携帯電話番号とメールアドレスを入力するだけで利用できるオンライン決済サービス。利用代金は月の利用料金をまとめてコンビニなどで支払うことができるほか、「分割払い」にも対応。代金の未払いリスクに対しても、100%の支払い保証を行っている。

「えびすマート」はインターファクトリーが提供するECサイト構築パッケージで、拡張性に優れ、最新機能をすぐに実装することなどで人気を集めているシステム。

ショッピングカートとは異なり、独自機能を求めるECサイトが導入しているため、大手サイトが多い。今回、「えびすマート」の標準決済として「Paidy」が導入されたことで、大手ECサイトの「Paidy」利用が進む可能性がある。多くの消費者に利用され、認知度が高まることも考えられる。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

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中川 昌俊

「再配達依頼のために料金が必要」金銭要求の詐欺未遂事件が発生し、国交省が注意喚起

9 years 4ヶ月 ago
国交省の職員を名乗る人物が自宅を訪問し、金銭を要求する事件が発生した

国土交通省は7月6日、職員を名乗る人物が自宅を訪問し、「宅配便の再配達を依頼する際に料金が発生するようになった」などと騙って金銭を要求する詐欺未遂事件が起きたと発表した。

国交省は一般家庭に出向いての勧誘、金品を要求することは行っていないとして注意を呼び掛けている。

国交省によると7月5日20時頃、国交省の職員を名乗る人物が岐阜県在住の一般の方の自宅を訪問。名刺を渡し、「今後、再配達を行う際は消費者が料金を払う必要がある。送り手側にも対応が必要で、10万円を払うと優先的に扱われる」と話し、金銭を要求したという。

国交省では全国の地方運輸局、宅配事業者等に周知し、一般消費者への情報提供に努めるとしている。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

450万円以上もネット通販で買い物する中国人を囲う「アリババ・パスポート」の真相 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

9 years 4ヶ月 ago
「アリババ・パスポート」は、年間30万元(約465万円)もの買い物をする“お得意さま”に向けた招待制プログラム

アリババ社のECサイトを利用する“お得意さま”のお気に入りブランドは「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「マイケル・コース」などです。

小売事業者は、“お得意さま”に喜んでもらうための努力は惜しまないもの。中国のオンラインマーケットプレイスを牽引するアリババグループホールディングスも例外ではないようです。

アリババ社は2014年、招待制プログラム「アリババ・パスポート」をスタートしました。中国のオンライン消費の半分を占める「タオバオ」「Tmall」で、少なくとも年間30万元(約465万円)もの買い物をする“お得意さま”向けのプログラムです。

中国のeコマースを牛耳るアリババ社は先日、「アリババ・パスポート」会員の動向と、サービスに関するレポートを発表しました。

中国では「Aパス」と呼ばれている「アリババ・パスポート」の会員数は明らかにされていません。4億人のアクティブユーザーを抱えるアリババ社のECサイトで買い物をする消費者の1万人に1人が「Aパス」会員だそうです。

アリババ社が定義する“お得意さま”とは、一般的な消費者の5.5倍も多く買い物をする人たちのこと。アリババ社のレポートによると、そのような“お得意さま”の数は2020年にはイタリアの人口と同等程度まで拡大。その数はなんと、6100万人まで広がる見込みだそうです。

多くの「Aパス」会員は、40歳以下の裕福な女性が中心で、海外ブランドが大好き。会員の60%が女性、40%が男性です。「Aパス」会員の60%は1980年以降生まれで、60%以上が世帯年収60万元(約930万円)以上の家庭で暮らしています(中国の平均世帯年収は110万円強)。

また、「Aパス」会員の3分の1は民間企業の幹部、それ以外には専業主婦、限定版のレゴ(プラスチック製の組み立てブロックの玩具)おもちゃセットなどを収集するような特別な趣味を持つ顧客もいます。

「タオバオ」「Tmall」で450万円以上も買い物する中国人を囲う「アリババ・パスポート」(Aパス)の秘密

アリババ社では、1人ひとりの「Aパス」会員にサービススタッフが付き、嗜好に合わせた商品提案、アフターサービスを提供しています。それ以外にも、特別割引、返品時の送料無料、オフラインパーティへの招待といった特典を与えています。

アリババ社によると、アメリカの化粧品会社「エスティローダー」、イギリスの掃除機ブランド「ダイソン」、高級車メーカーの「マセラッティ」とタイアップを行い、限定商品やカスタマイズ商品などを「Aパス」会員向けに提供しているそうです。

たとえば、「マセラッティ」は「Aパス」会員に向けて、新車「レヴァンテ」の先行予約受付を実施。1台あたり99万9800元(約1550万円)もする車100台が、「Tmall」でたった18秒で売り切れたという事例があります。

アリバパ社のレポートによると、「Aパス」会員の90%は、買い物の60%をオンラインで行っているそうです。平均的なオンラインショッパーの2.6倍の頻度で買い物を行い、10倍もの金額を消費します。

また、「Aパス」会員は海外旅行によく行くため、一般的な消費者よりも輸入アルコールの消費が多いという特徴があります。

イタリアの高級アパレルブランド「モンクレール」、日本の化粧品ブランド「資生堂」も人気です。「Aパス」会員のなかで人気の高いブランド(カテゴリー別)は次の通りです。

アパレル:リン・エディション・リミット、ユニクロ、Mo&Co、モンクレール、Rumere

スキンケア:資生堂、SK-Ⅱ、ラメール、クレドポー、エスティローダー

化粧品:クレドポー、シャネル、ディオール、YSL、カネボウ、アルマーニ

バッグ:ルイヴィトン、コーチ、シャネル、MCM、グッチ、マイケル・コース

:UGG、Ecco、ナインウェスト、スケッチャーズ、スチュアート・ワイズマン、フェラガモ

中国における最新のeコマース情報は、インターネットリテイラー社発行「中国 EC事業トップ500社 2016年版」(英語)で確認することができます。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

日本のオムニチャネルはどう変わる? 米国シカゴから見えてきた近未来のeコマース | IRCE2016から見えた米国eコマース最前線

9 years 4ヶ月 ago
今後の日本では何が起きる? 世界最大規模のeコマースイベント「IRCE」からEC事業者に役立つ最新情報を紹介(vol.4)

連載の最終回となる今回は、世界最大規模のeコマースイベント「IRCE(Internet Retailer Conference+Exhibition)」が開催されたシカゴの街中で見たオムニチャネルの実情、eコマースの近未来を感じることができた米国現地の状況をレポートします。

メーカーが直接販売する動きが加速

「オムニチャネル」で有名なメイシーズやブランドショップが集まるシカゴの一等地を歩いていると、抜群の存在感を示していたのがスポーツブランドの「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」。日本でたとえると、表参道か銀座の一等地に店舗を構えているイメージです。2015年に「アンダーアーマー」の全体売上高は4500億を突破し、前年比20%増で成長。eコマース事業も急速に伸びています。

店舗では、カテゴリーごとに巨大オブジェや壁面を最大限に活用してビジュアル訴求を実施。「店舗で見て楽しむ」仕掛けを施し、「リアル」だからこそできる情報発信を行っていました。

一方、デジタルとの連携も実施しています。2階のゴルフコーナーに設置した試打エリアでは、ゲーム形式でコースのシミュレーションをしながら試打を行うことが可能。会員登録すると、スコアやランキングなどの結果を自分宛にメールで送信できるようにするなど、デジタル連携を意識した仕掛けも行っています。

「アンダーアーマー」の店内にあるゴルフ試打エリア

「アンダーアーマー」の視察で感じたのは、有名ブランドを持つ企業やメーカーが、一等地に旗艦店やショールーム的な店舗を構え、直接販売で売り上げを拡大しながら、ネット連携で消費者との接点を直接増やす動きが目立っていること。

日本でもメーカーが既存の流通が抱える垣根を越え、ネット販売を含めて「直接販売」に本腰を入れる動きが加速していく予感がしました。今後、百貨店やGMなどには脅威の存在になる可能性があります。

アンダーアーマー店舗の入口写真

複数のソーシャル活用が必須に

ユニクロがシカゴで展開する店舗も視察しました。ネットで注文した商品を受け取るためのカウンターが設置され、「オムニチャネル」化を推進していることが垣間見えました。

もう1つ特長的だったのがソーシャルを使った販促です。「Facebook」「Instagram」「Pinterest」「YouTube」「Twitter」という米国で主流になっている5つソーシャルを使った訴求はもちろん。急速に広がっている「Snapchat(スナップチャット)」も含めて、情報発信とフォロワーを増やすさまざまな取り組みを行っていることです。

米国ではすでに4つ程度のソーシャル活用は当たり前。多いところでは6つも活用、それぞれのソーシャル特徴を生かした情報発信を行い、拡散を通じて集客やファン作りにつなげています。日本でも20代の顧客を取り込むためには、複数のソーシャル活用が必須になっていくと感じました。

ユニクロの受付カウンター

もはやオムニチャネル対応は当たり前に

毎年訪問しているディスカウントストアの「ターゲット」。オムニチャネル取り組み事例として頻繁に取り上げられる企業です。

画期的な変化を感じることはできませんでしたが、簡単な注文はもちろん、短時間での商品配送、店舗での受け取りを簡単に行えるアプリを訴求していました。店舗内にソーシャルでの発信を行うための場所を設置。地道な取り組みとはいえ、着実に進化していることが実感できました。

前回の連載をご覧になればわかるように、米国の流通業界では「オムニチャネル」対応するためのシステム統合/プラットフォームリニューアルはおおむね終了。オムニチャネル対応は「経営戦略のなかでは当たり前の取り組み」として進化をさせていくタイミングに入ってきています。

日本よりは3年程度進んでいる状況ですが、課題を乗り越えた取り組みや失敗も含めて米国企業の事例は参考になるはずです。

ターゲットの注文アプリの紹介

米国視察から見えた3つのキーワード

eコマースの最先端を確認するための米国視察から、eコマースを成長させるためのキーワードとして3つのことを感じました。

アマゾンを中心とした成長モールの活用」「オムニチャネルをごく普通の取組みとして進化させる」メーカー系企業のダイレクト販売の強化」です。

この3つのキーワードのどれかに経営資源を集中し、AIやパーソナライゼーションといったテクノロジーやソーシャルを活用すること。米国を含めた先進事例を参考にして事業に取り込んでいくことが貴社のeコマースの成長につながると確信しています。

立川 哲夫

株式会社いつも.事業推進部 部長兼グローバルEC戦略担当

大手企業・メーカー系企業のEC事業の新規参入と多店舗化支援を得意とし、ここ2年で3回の米国EC先進事例を収集しながら、日本企業に合ったオムニチャネル戦略立案と実行サポートを行っている。最近は中国モール向け越境EC新規参入プロジェクトの責任者として中長期視点で海外EC比率を高めるサポートも行っている。

立川 哲夫

リピート購入はどう増やす? 継続利用を狙い「インク革命.COM」がTOPページを大刷新

9 years 4ヶ月 ago
ログイン中のユーザーが閲覧するトップページは、以前購入した商品が一番上に表示されるように設計

インクなどのECを手がけるシー・コネクトは7月5日、プリンターの互換インク通販サイト「インク革命.COM」を全面刷新、リピート購入を増やすための対策を施した。

会員登録済みでログイン中のユーザーが閲覧するトップページに関し、以前購入した商品が一番上に表示されるように設計したのが刷新ポイント。リピーターが再購入しやすい環境を整えた。

インク商材には、

  • 特定のプリンターでは特定の型番のインク、トナーしか使えない
  • 1台のプリンターしか使わないユーザーが多い

といった特性がある。こうした要素を踏まえ、以前購入した商品が一番上に表示されるようにしたという。

前回商品を購入した日付、所有ポイントとその有効期限、登録済み住所(商品配送先)への商品配送期間など、ユーザーが確認したい情報をファーストビューとしてまとめた。

リピート購入はどう増やす? 継続利用を狙い「インク革命.COM」(シー・コネクト運営)がTOPページを大刷新①
リピーター会員向けTOPページ(リニューアル後)
リピート購入はどう増やす? 継続利用を狙い「インク革命.COM」(シー・コネクト運営)がTOPページを大刷新②
通常のTOPページ(リニューアル後)

新規・リピーターを問わずに一律で同じTOPページを表示していたこれまでの運営方法を変更したのは、継続的に「インク革命.COM」を利用してもらうため。

シー・コネクトによると、「(会員の)極力、余分な手間を減らし、直感的に買いやすくすることが必要だと考えた」。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

低コストでオムニチャネルを構築する「アプスタECエディション」を提供、ドリームネッツ

9 years 4ヶ月 ago
スマホアプリに顧客情報を集約することで、システム負荷を軽減

ECサイト構築パッケージのドリームネッツは7月4日、キングジムと共同で、スマホアプリを入口として店舗・ECサイトのショッピングを便利にするオムニチャネル構築パッケージ「アプスタECエディション」の提供を開始した。

「アプスタECエディション」は顧客にスマホアプリを使ってもらうことで、顧客情報やポイント情報などをスマホアプリ側に集約する。店舗とECサイトのポイント・顧客・在庫といった情報を一元化するシステムの構築には、膨大な投資が必要だが、「アプスタECエディション」は低コストでオムニチャネル展開が可能になるという。

ポイントやクーポンなどはECサイト、実店舗の来店時に共通で利用できる。

在庫情報に関してはシステム側で一元化し、共通化を図る。

アプスタECエディション

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

コスメブランド「THREE」がECサイトを開設、ポーラ・オルビスグループのACRO

9 years 4ヶ月 ago
ECサイトではスキンケア、メイクアップ、サプリなど約280点を取り扱う

化粧品ブランド「THREE」を展開するポーラ・オルビスグループのACROは7月11日、「THREE」公式ホームページにECサイトを開設し、通信販売を開始する。

これまでカウンセリングを通じて商品を販売してきたが、「短時間で買いたい」「商品を指名買いしたい」といったニーズが増加。ECサイトの開設でこうしたユーザーのニーズに対応する。

ECサイトではスキンケア、メイクアップ、サプリなど約280点を取り扱う。

「THREE」は2009年に誕生したコスメブランドで、百貨店などでカウンセリングを通じたて売り上げを伸ばしてきた。

国内は百貨店や直営店などで計76店舗、海外はタイ・台湾など計20店舗を展開。2016年1~5月は売上高が前年比50%増で推移し、新規顧客数は約2倍になっているという。

化粧品ブランド「THREE」を展開するポーラ・オルビスグループのACROがECサイトを開設

開設するECサイトのイメージ

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

今年の夏は何が売れる? 猛暑日の「Yahoo!ショッピング」売れ行きで探る2016年夏対策

9 years 4ヶ月 ago
飲料カテゴリが前年同期比80%増と取扱高が急増。ノンアルコールビールが同280%増、地ビールが同60%増で推移

7月1日から4日の4日間、最高気温が30度を超える猛暑日が続き、ネット通販での売れ行きにも変化が生じている。

2016年はペルー沖の海面水温が低くなるラニーニャ現象の影響などで、日本は猛暑日が増える見通し。猛暑日の売れ筋動向を把握することは、今夏のEC戦略に役立つはず。

ヤフーは「Yahoo!ショッピング」での「梅雨の合間の、真夏並みの暑さ」で起こった消費動向(2016年7月1日~3日の速報値)を調査。取扱高の変動を公表した。

それによると、飲料カテゴリの取扱高が前年同期比80%増と急増。特にノンアルコールビールが同280%増。地ビールが同60%増で推移しているという。

真夏に売れる商材であるかき氷はギフト需要も重なり好調。かき氷(氷菓)は同180%増、ジェラートシャーベットが140%増えている。一方、「家庭用かき氷機」は同10%増と微増にとどまっている。

今年の夏は何が売れる? 猛暑日の「Yahoo!ショッピング」売れ行きで探る2016年夏対策

「Yahoo!ショッピング」ではすでに夏に関する特集がスタートしている(画像は編集部がキャプチャ)

家電の取り扱いも急増している。加湿機能付き空気清浄機は同500%増、窓取付用エアコンが同350%増、壁掛け扇風機が同510%増。

「買って届いた後、すぐに使える」がキーワードとなっており、取り付け工事不要といった商材に注目が集まっている。また、傾向として冷房による乾燥対策で加湿器を併用するユーザーも増えているという。

アパレルも大きく動いている。女性用タンクトップは同56倍増と大幅に急伸。男性用半袖Yシャツも同3倍増で伸びている。

一方、冷房対策としての衣料の動きも目立ってきた。秋冬用のタイツ靴下類が同30%増、レディースカーディガンの中では「アンサンブル」が特に好調で同40%増だった。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

オムニチャネルに対応するためのデータ統合・組織再編成は急務! | いつも.ECコンサルタントが明かす売り上げアップにつながるEC最新情報

9 years 4ヶ月 ago
フロントシステム先行で進化を遂げてきた日本のECに顕在する問題に悩む企業が多数。
fukan

みなさまこんにちは。株式会社いつも.のコンサルタントです。今回は加速するオムニチャネル時代の組織の在り方と経営の舵取りについてご紹介しましょう。

オムニチャネル時代に対応する組織の変化

オムニチャネルが意識される以前は、組織が大きくなればなるほどEC・リアル店舗・システム・カスタマーサポートというように、それぞれの部署のトップが担当部署毎のKPI管理を行ってきました。そのため、部署間で連携するような戦略を持たず、また評価も部署ごとの売上が評価対象となってきたため、同じ社内で顧客や在庫を奪い合うような姿さえありました。今でもまだまだそういう企業は多くあるでしょう。

しかし、顧客データや在庫データの重要性に着目した大企業が、いち早くリアルとEC間の送客を行いはじめ、バラバラだった「部署」と「システム」を統合し、「業務」と「データ」を一元管理し始めたのです。

このような取り組みの結果、リアル店舗でもECでも同じ体験ができるようになり、顧客の利便性は飛躍的に向上しました。また、今まで担当部署のみでしかキャッチアップされていなかった顧客の声が、販売や生産の各現場で共有されるようになり、そこから新しいサービスや商品を短いリードタイムで顧客にお届けできるようにもなりました。顧客、販売、在庫、位置データなど、データをフル活用したマーケティング、マーチャンダイジングが普及し始めているのです。これがいわゆるオムニチャネルです。

このオムニチャネルを実現するためには、全社横断的な連携が不可欠なのですが、ECも店舗もシステムもカスタマーサポートも全てのチャネルを俯瞰して見れる人材が評価の仕方も含めてダイナミックに組み立てを行わないと、部署間の反発を招き、結果上手く機能することが出来なくなってしまいます。

しかし、フロントだけの単機能ECサイトでよかった時代は、もはや終わりに近づいています。競争が激化している市場の中で、顧客を囲い込み、販売シェアを高め、収益率を高め、さらには、新規市場を開拓するためには、これまでの部署ごとのKPIを達成するための戦略ではなく、顧客を中心に据えた顧客ロイヤリティマネジメントの考え方に全社で取り組んでいく必要があります。

以前の記事(http://itsumo365.co.jp/blog/?p=770)でも少しお話しさせていただいたように、顧客との関係性に力点を置き、既存顧客との関係を深め、「1人ひとりの顧客と向き合い、より優れた購買体験を演出することで顧客満足度を向上させ、顧客と強い関係を築く」ことが重要なのです。

既にそのような顧客に主体を置いたマーケティング手法は多く見聞きするようになりましたが、実際にはそれを運用するためのバックヤードシステムが追いついていないのが現状です。例えば、顧客のために物流スピードを上げようと考え、一部の業務を最適化しても、そのツケを別の関連部署が背負い、見えない部分で業務が圧迫され人件費がかさむなど、結果として利益率が悪化してしまうようなことも多く見られます。

先に述べたように全てのチャネルを俯瞰で捉え、再編成できる人材の必要性が高まっています。弊社のようなコンサルタントに依頼する方法もありますが、弊社が提供する物流サービス、「コネクトロジ」のような御社の状況に合わせて物流のプロセスを最適化できるシステムも徐々に出始めています。

・ECに関する経営や売り上げアップのご相談は株式会社いつも.にお気軽にお問合せください。
・また、より実践的な情報がいつも.の本「ECサイト[新]売上アップの鉄則119」に掲載しています。
ご興味のある方はぜひご購入ください。

株式会社いつも.本多

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
オムニチャネルに対応するためのデータ統合・組織再編成は急務!(2006/07/01)

株式会社いつも.

Eコマースビジネス支援に特化し、成功に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までを一社完結で提供。

現在、国内最大規模となる7700社以上の企業(2016年6月時点)とサポート実績があります。約4年前から米国Eコマースの成功事例や情報を研究する専門部署(EC未来研究所)を設け、情報収集と発信を実施。そこから日本流のスマートフォン、ソーシャル、O2O、フルフィルメント、CRMなどのコンサルティングも提供している。

株式会社いつも.
確認済み
40 分 20 秒 ago
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