ネットショップ担当者フォーラム

久原本家がシステム会社のフォービスと資本業務提携、情報システム体制を強化

2 years ago

「茅乃舎だし」の通販事業などを手がける食品メーカーの久原本家グループ本社は、通販システムのパッケージとフルスクラッチ開発のフォービスに出資、資本業務提携を締結したと2月13日に発表した。

フォービスの家永慎太郎代表取締役(写真左)と久原本家グループ本社の河邉哲司社主
フォービスの家永慎太郎代表取締役(写真左)と久原本家グループ本社の河邉哲司社主

久原本家グループ全体のIT構想にフォービスが参画。EC領域の新規ビジネスへのソリューション提供、久原本家グループの情報システムレベルの抜本的な底上げ支援などに取り組んでいく。情報システム体制の抜本的強化を期待。EC領域の事業拡充をめざす。

久原本家グループとフォービスは、グループの生産・物流の基幹システム構築におけるパートナーとしての協業実績がある。事業を相互補完することで双方の企業価値が高められると判断、事業運営を進めるために資本提携に合意した。

久原本家グループは、店舗・EC・通販・飲食といったさまざまな顧客接点を持ったD2Cビジネスを展開。IT活用の重要性が高まっており、久原本家グループ本社はシステム全体の刷新も検討しているという。「日進月歩のD2C領域のシステムを自社で構築していくことは難易度が高く、通販・ECに精通したパートナーとの協業を模索していた」という。

松原 沙甫

リカバリーウェア「BAKUNE」でヒットを飛ばすTENTIAL、担当者が成長戦略を語るCVRアップにつながった商品詳細ページの工夫とは?

2 years ago
コンディショニングブランド「TENTIAL」を展開するTENTIALの自社EC事業が順調に拡大している。利便性の高い決済手段の導入が成長を支えているという。決済手段を軸としてTENTIALのEC成長戦略を解説する
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コンディショニングブランド「TENTIAL(テンシャル)」を展開するTENTIAL。“リカバリーウェア”という新たなジャンルを開拓し、2019年立ち上げの自社ECサイトでヒット商品を生み出している。新規顧客獲得、既存顧客のリピートともに堅調に推移しているという「TENTIAL」の取り組み、EC戦略などを泉 晃治氏(ブランド戦略本部CRMグループGM)と、ECグループの稲垣勇馬氏(テクノロジー本部 プラットフォーム部 ECグループ GM)に取材した。

新たな領域「リカバリーウェア」を開拓

TENTIAL(テンシャル)のミッションは「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」。中西裕太郎CEOなど元アスリートがコアメンバーとなり創業、コンディショニングブランドとして身体をサポートする製品を展開している。

製品は「Night Conditioning」「Day Conditioning」の2ジャンルで構成。日常から24時間365日コンディショニングを行う製品の開発・販売を手がける。「Night Conditioning」はリカバリーウェアを中心とした睡眠関連製品、「Day Conditioning」は日中の生産的で快適な仕事環境をサポートするワークウェアやサンダルなどを手がけている。

TENTIALが展開する2つのジャンル「Day Conditioning」「Night Conditioning」
TENTIALが展開する2つのジャンル「Day Conditioning」「Night Conditioning」

「リカバリーウェア」ヒットの軌跡

「Night Conditioning」のメイン商材はリカバリーウェア。通常のルームウェアやパジャマといったアイテムと異なり、血行を促進して疲労回復をサポートする機能性ウェアという位置付けが特徴。素材にはセラミックスを配合した特殊な繊維を使用し、就寝時に着るパジャマタイプや、スウェットタイプ・シャツタイプなど、さまざまなアイテムをラインアップし認知拡大を図っている。

展開するリカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」シリーズ
展開するリカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」シリーズ

TENTIALのブランド戦略本部CRMグループでマーケティングを担当する泉晃治氏は、次のようにリカバリーウェアの開発に着手した理由を説明する。

プロのアスリートの方々にヒアリングすると、睡眠に対する課題が深刻だと感じました。そこでTENTIALは、2021年にリカバリーウェアの開発・販売に乗り出しました。(泉氏)

TENTIAL ブランド戦略本部 CRMグループGM 泉 晃治氏
TENTIAL ブランド戦略本部 CRMグループGM 泉 晃治氏
ブランド訴求の一環としてテレビCMの放映も行った
ブランド訴求の一環としてテレビCMの放映も行った

新規顧客の離脱低減、CVRなどTENTIALの成長を支える「Amazon Pay」導入効果とは

新規顧客の離脱を「多くの消費者が使う決済手段の導入」で低減

新規顧客が多いECサイトでの大きな課題がカゴ落ち問題。広告費をかけて購入意欲の高い消費者をECサイトに集客しても、カート内での離脱者が増えてしまえば費用対効果(ROI)が低くなってしまう。そこで、多くのEC事業者が着目するのが、決済手段による買い物の利便性向上だ。

この手段のアプローチでは「多様な決済手段の導入」「多くの消費者が使う決済手段の導入」が大きな選択肢。TENTIALの決済手段はシンプルで、クレジットカード、代引き、そしてAmazonが提供する決済サービス「Amazon Pay」の3種類を、EC事業スタート時に用意した。

「多くの消費者が使う決済手段の導入」として「Amazon Pay」を選んだ理由については、決済時に入力の手間が少なく、購入時に離脱を招きにくいという判断があったという。

ECにおける買いやすさや顧客情報の入力のしやすさは、我々のようにまだ成長中のブランドにとって非常に重要です。購入体験をスムーズなものにするために「Amazon Pay」を採用しています。(泉氏)

購入時に使い勝手が悪かったり、手間がかかると、消費者の離脱を招く。実際、TENTIALのECサイトにおいてもクレジットカードと代引きの場合、購入時の決済フローで離脱してしまう消費者が多いという。

この点について、テクノロジー本部プラットフォーム部ECグループGMの稲垣勇馬氏は次のように説明する。

クレジットカードと代引きの決済手段では、消費者の配送先の住所情報など多くの入力項目があり、それによって離脱が発生するということが起こっています。「Amazon Pay」であれば簡潔なステップで住所情報などが自動入力されるため、決済プロセスの効率化を図ることができます。そこが最も評価しているポイントです。(稲垣氏)

テクノロジー本部 プラットフォーム部 ECグループ GM 稲垣勇馬氏
テクノロジー本部 プラットフォーム部 ECグループ GM 稲垣勇馬氏

「Amazon Pay」の場合はAmazonアカウントでログインして注文内容を確認するだけの、簡単なステップで注文が完了できる。Amazonアカウントに登録している住所などの個人情報やクレジットカードなどの決済情報を活用できるので、改めて情報入力の手間を省くことが可能。その結果、購入フローに入ってからの離脱の低減が期待できる。

TENTIALでもその効果を実感している。自社ECサイトの立ち上げ時から「Amazon Pay」を活用しており、その導入効果の高さを感じていたため、その後ECサイトをフルスクラッチでリニューアルする際も、第一優先で「Amazon Pay」の導入を決めたようだ。

消費者の4割が「Amazon Pay」を選択、リピートは6割の背景に“顧客の安心感”

現在、TENTIALのECサイトの購入者のうちおよそ4割が決済手段として「Amazon Pay」を利用している。プレゼント需要が高まる12月は「Amazon Pay」の利用率は50%を超える。このように購入時に「Amazon Pay」が使えることが、新規顧客の獲得に寄与しているという。

「Amazon Pay」の魅力については、国内の多くの消費者がAmazonアカウントを持っているため、新規顧客の獲得が容易になるという点をあげる。「国内ではすでにAmazonアカウントに住所などを登録している人が多く、そうした人は『Amazon Pay』を利用するとTENTIALのECサイトでも入力の手間を減らすことができるといった点も評価されているのでしょう」(稲垣氏)

「良く使う」「国際的なECサイト」などのAmazonブランドによる安心感をあげたのは泉氏だ。

初めて訪れるECサイトで買い物する時に、個人情報やカード情報などを入力するのが不安で、離脱してしまうこともあるでしょう。しかし、「Amazon Pay」が使えることで、クレジットカード情報などを入力することなく、簡単に購入できるという点は大きな魅力です。お客さまにとっては慣れ親しんでいないECサイトで自身の決済情報を入力しなくてよいという安心感も、「Amazon Pay」の利用を後押ししているのでしょう。(泉氏)

TENTIAL  Amazon Pay 決済 EC

実際にTENTIALの自社ECサイトを利用して商品を購入した購入者からは「『Amazon Pay』があったから購入しました」「(決済が)簡単でよかった」といった声が寄せられているようだ。

なお、新規顧客獲得だけでなく、2回目以降の購入者であるリピーターからも「Amazon Pay」は人気が高い。クレジットカードと代引きを含めたすべての決済手段のうち、リピーターが「Amazon Pay」を利用する割合は6割に迫るという。

「Amazon Pay」ボタンを商品詳細ページに設置でCVRアップ

TENTIALでは、「Amazon Pay」ボタンをECサイト内の商品詳細ページに設置している。カート画面内にボタンを設置する場合に比べて、商品詳細ページであれば、1ページ少ない段階(カートページに遷移する前の段階)で購入に進めるというメリットがある。より少ない操作で購入を完了できるというわけだ。

TENTIALの自社ECサイトでは商品詳細ページに「Amazon Pay」ボタンを設置している
TENTIALの自社ECサイトでは商品詳細ページに「Amazon Pay」ボタンを設置している

TENTIALの自社ECサイトでは、商品詳細ページに「Amazon Pay」のボタンを設置した場合のコンバージョン率(CVR)は、ボタンを設置しない場合に比べて0.14ポイント高いという。カートページに遷移しなくてもすぐに購入ができることから、「すぐに買いたい」という顧客の利便性アップに寄与。その結果として、CVRの向上につながっているようだ。

カート内の「Amazon Pay」ボタンから決済する場合のフロー(上)と「商品詳細ページ」に「Amazon Pay」の決済ボタンをクリックした場合のフロー(下)。「Amazon Pay」があることでページ移動数を省略できる
カート内の「Amazon Pay」ボタンから決済する場合のフロー(上)と「商品詳細ページ」に「Amazon Pay」の決済ボタンをクリックした場合のフロー(下)。「Amazon Pay」があることでページ移動数を省略できる

「Amazon Pay」CV1からCV2への実装メリットを実感

「Amazon Pay」が従来のCV1から新バージョンのCV2に移行したことも、さまざまなメリットをもたらしているようだ。CV2に切り替わってから、開発の自由度が向上。Amazonアカウントでログインした後、そのままの画面で住所・支払い方法を選択できるようになり、サイトイメージを壊さないデザインを維持できるようになった。

TENTIALもその点を大きく評価。稲垣氏は開発者として開発の自由性があること、そしてAPIもシンプルでわかりやすい点も評価しているという。

APIがシンプルかどうかはとても大事です。CV2の導入に要した期間は3か月程度で、TENTIALではスピーディーに実装できたと実感しています。CV2はわかりやすく整備されており、実装メリットは大きいですね。(稲垣氏)

また、TENTIALでは「Amazon Pay」の「3rd Party Cookie」廃止への対応も高く評価しているという。CV1では「3rd Party Cookie」の読み込みを必要とするウィジェットを埋め込む実装が必要だったが、CV2は「3rd Party Cookie」を利用せずに処理する仕様に変更した。

「3rd Party Cookie」廃止の際、「Amazon Pay」からの案内が迅速でした。当社に伴走してサポートしてくれていると感じます。「Amazon Pay」は、エンドユーザーのプライバシーを保守しつつ、サイト上の利便性を損なわないという、一般的には二律背反しやすいところをきちんと実現している。この点も魅力の一つだと感じています。(稲垣氏)

ブランド認知に「Amazon Pay」は必須、利用促進で購買体験を向上していく

TENTIALでは今後も、自社ECサイトを展開していく上で継続的に顧客の購買体験のさらなる向上をめざしていく方針だ。

たとえばクレジットカードでの決済がスムーズにいかない顧客に対して「Amazon Pay」に誘導するなどして、商品の買いやすさを追求していくという。

ECサイト全体における買いやすさや、お客さまが欲しいものをすぐに購入できるという購買体験が、ブランドの信頼感につながり、ひいては長期的なブランドのファン作りに貢献すると考えています。(泉氏)

TENTIAL  Amazon Pay 決済 EC

ブランドの認知度を高めていく上でも、1つひとつの購買体験が顧客の評価につながるため、TENTIALは購買体験の向上は必須と考える。そのためにも「Amazon Pay」を使ったECサイトの利便性強化を積極的に推進していきたいという。

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キヨハラサトル
吉田 浩章

政府が一定規模以上の事業者を「特定事業者」に指定、「物流統括管理者」の設定など義務付け【物流2024年問題対策】

2 years ago

政府は2月13日、一定規模以上の事業者を「特定事業者」に指定し、「物流統括管理者」の選任や中長期計画作成の義務付けなどを盛り込んだ「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定した。改正案は今国会に提出する。

「特定事業者」の認定基準は、今国会閉会後に調査を実施、政令により指定する予定。

閣議決定した改正案は「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)」「貨物自動車運送事業法」の2案。「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」は「流通業務総合効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)」に名称を変更する。

政府が2月13日に閣議決定した「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」に、一定規模以上の事業者を「特定事業者」に指定、「物流統括管理者」の選任や中長期計画作成の義務付けなどを盛り込んだ
「流通業務総合効率化法」の改正案

「流通業務総合効率化法」の改正案では、荷主と物流事業者に対し、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務を課し、国が判断基準を策定。取り組み状況については、国が判断基準に基づいて指導・助言、調査・公表を実施する内容を盛り込んだ。

一定規模以上の事業者は「特定事業者」として指定。中長期計画の作成や定期報告などを義務付ける。中長期計画に基づく取り組みの実施状況が不十分な場合、勧告・命令を行う。また、「特定事業者」に指定された荷主には、「物流統括管理者」の選任を義務付ける。

2月13日に会見をした斉藤鉄夫国交大臣は改正案について、次のようにコメントしている。

この法案は、「物流の2024年問題」に対応し、荷主企業・物流事業者・一般消費者が協力して、トラックドライバーの賃上げ原資となる適正な運賃導入や、物流の効率化など、我が国の物流を支えるための環境整備を進め、物流の持続的成長を図るためのもの。

瀧川 正実

LINEヤフー執行役員が語る「Yahoo!ショッピング」の2024年戦略+復調の兆しが見えた2023年の振り返り | 通販新聞ダイジェスト

2 years ago
2023年10月、新会社として発足したLINEヤフー。足元では流通額の落ち込みが目立ったが、新たな施策で改善の兆しが見え始めているという。今後「ヤフーショッピング」はどう変わっていくのか?

LINEヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」では、ポイント施策変更などの影響で、2023年上期の流通額が大きく落ち込んだ。ただ、下期からはキャンペーンを復活させたことなどもあり、復調の兆しがあるようだ。10月にはヤフーとLINEが統合し、新会社が発足。ヤフーとLINEのIDの統合を進める上で、コマース事業の果たす役割は大きい。24年は同モールにとってどんな年になるのか。

流通額30%減の月も、財務体質は改善傾向

「昨年、特に上期は経費を抑制したことで、流通額が前年同期を下回る状態が続き、出店者にはご迷惑をおかけすることになった。ただ、数十億円単位の大赤字を生むサービスの財務体質を改善することで、永続的な運営が可能な事業の土台を築くことができた」。LINEヤフー執行役員でコマースカンパニーショッピング統括本部長の畑中基氏は2023年のヤフーショッピングをこう総括する。

ソフトバンクの携帯電話契約者向けに、10%還元キャンペーンを毎週日曜日に実施するなど、高還元率で客寄せをしていた同モールが方針を転換したのは2022年10月。グループの決済サービスやクレジットカードを使用した場合の還元率を5%に引き上げるとともに、毎週日曜日の高還元施策を廃止

「ヤフーショッピング」が打ち出している新たな施策
「ヤフーショッピング」が打ち出している新たな施策

さらに2023年2月からは、毎月5日、15日、25日に実施するセール「5のつく日キャンペーン」に関して、「PayPayポイント」の付与上限を5000ポイントから1000ポイントに減らした。その結果、出店者に開示している2023年3月度における、同モール単体の月次流通額は、前年同月比で30%減という惨憺(さんたん)たる結果になった。

ただ、財務体質は全社的に改善しつつある。そのため、9月頃からコマース事業の広告宣伝費を増やしている。12月のセール「ビッグボーナス」などでは踏み込んだ投資もしはじめており、「手応えをつかみつつあるので、2024年は出店者の期待に応えられる売り場にしていきたい」(畑中執行役員)。

2023年11月ごろから復調の兆し

2023年上期の流通額減少については「想定内だった」(同)というが、出店者からは「打つ手なしだ」など、厳しい声が出ていたのも事実。そのため、上位の出店者を中心に、畑中執行役員が直接出向き、同モールの現状について説明する機会を設けたという。「不甲斐ない結果を謝罪するとともに、2024年3月期の下期については、期待値を超えられるようにしたいという話をした」(同)。

昨秋から販促費の投入を再開したLINEヤフー。ただ、「ばら撒き」ではなく、ある程度財務体質をコントロールしながら、強弱をつけた販促を行う方針だ。その結果、11月頃からは前年同月を上回る結果も出始めているという。

新企画の還元率は合計10%

2024年は1月から新たなキャンペーンを始める。1月14日から3月末までの毎週日曜日、LYPプレミアム(旧ヤフープレミアム)会員を優遇するもので、会員向けに付与されている2%に、「買う!買う!サンデー」4%と、会員のみ付与される4%(1注文あたり5000円以上の決済が条件で、付与上限は5000ポイント)を加え、10%還元するというもの。

2022年10月までの日曜日に行われていた、ソフトバンク携帯電話契約者向けのキャンペーンに近いものだが、今回は、有料会員制度へ加入すれば還元を受けられるため、より参加しやすくなったといえる。

「ヤフーとLINEが経営統合したことで、日本の消費者をほぼカバーする状況だ。これまではキャリアで縛っていたが、究極としては国民全員にLYPプレミアム会員になってもらいたい。そこにお得を提供していくのが新会社の大きな軸なので、コマースについても『会員になったら受けられるメリット』を打ち出し、ヤフーショッピングで買ってもらう。そして、消費者に満足してもらい、また買ってもらうという大きなサイクルをしっかりと作っていきたい」(畑中執行役員)。

審査を厳格化

無在庫転売の対策を強化

ただ、リピート顧客を増やしていく上でネックとなりかねないのが「店舗の質」だ。2013年に実施した出店料無料化以降、出店者数が急拡大した同モールだが、同時に質の良くない店舗が増えたという事実もある。

なかでも目立つのは「自社では在庫を持たず、出店者がアマゾンなどで代理購入した商品を直接消費者に配送する“無在庫転売”を行う店舗」だ。畑中執行役員も「今年度に入ってからそうした店舗が目立ち始めた」と認めた上で「対策は講じており、休店・退店する店舗は増えており、一定の成果は出ていると思う。ただ、モグラ叩きになっている感じもあるので、より対策を強化することで、顧客にとって迷惑な店舗は撲滅していきたい」と語気を強める。

出店審査も厳しく

こうした「無在庫転売」を行っていると思しき店舗には、同一とみられるユーザーが複数回にわたり好意的なレビューを寄せているケースも散見される。つまり「やらせレビュー」だ。「レビューの対策もセットで進めている。ただ、『明らかに同一人物が書いている』ようなレビューでも、その証拠を捉えるのはなかなか難しい面もある。また、デジタルプラットフォーマー規制法があるため、むやみに退店させることはできないので、丁寧な対応が求められる。ただ、パトロールは強化しているので、レビューが不自然な店舗には指導をしたり、最悪の場合は退店させたりしている」(畑中執行役員)。

また、出店審査の厳格化も進めている。特に個人事業主に関しては、この半年で出店へのハードルがかなり高くなっているという。

「優良配送」商品の検索優遇、賛否は?

この1年のヤフーショッピングで、店舗の懸念材料となっているのが「優良配送」に対応した商品の検索優遇だ。同制度は、出店者が顧客に提示する商品の配送日を示す「お届け希望日」を、受注日プラス2日以内としている商品かつ当該出店者の出荷遅延率が一定水準未満である場合にのみ出店者が設定できる表示で、商品検索結果で上位表示されやすいような優遇措置を講じている。

ただ、“無在庫転売”とみられる店舗が上位に表示されることもあるなど、「検索優遇により、消費者にとって非常に買いにくいモールになってしまった」(ある業界関係者)ことが、流通の低迷につながっているとの見方も出ていた。

流通額の約半分が「優良配送」商品

ただ、これに対して畑中執行役員は「優良配送の商品とそうでない商品で比較すると、優良配送の商品を買った顧客の継続率は後者より数倍高い。特に、新規顧客が優良配送の商品を買った場合、その後の定着率は非常に高いというデータが出ている。つまり、顧客からは(検索優遇に対する)一定の評価を得られているということ。この1、2年やってきたことは間違っていない」と断言する。すでに、総流通額のうち、約半分が優良配送に対応した商品の売り上げになっている。

畑中執行役員は「(検索優遇が流通額の減少につながっているという意見もあるが)私自身は上手く行っていると思っている。何よりもリピート率を増やしているという数字が出ている」と自信を示す。一方で「優良配送と検索ロジックのバランスが難しいのは事実。店舗の意見も踏まえながらロジックは日々改善している」と話す。

「商品券」はリピーター育成に手応え

8月からは「5のつく日」の付与特典を、同モールでのみ利用できる「ヤフーショッピング商品券」に切り替えた。これに関しては「想定以上にリピート率が増えている。仮想モール外で使われいていたポイントがモール内で使われるようになっている」という。

ただ、PayPay経済圏とのバランスも踏まえて「商品券にすごく効果があるからといって、いきなりいろいろな場面で発行することは今のところ考えていない」とする。

「ポイントばら撒き」に依存しないモールの醸成へ

復調の兆しが見えてきたヤフーショッピング。とはいえ、再度販促費を投入しはじめたことで離れていた顧客が戻ってきただけ、という見方もできる。昨年2月、Zホールディングス(現LINEヤフー)の川邊健太郎社長Co―CEO(当時)が、「2020年代前半に国内物販Eコマース取扱高ナンバー1をめざす」という、これまで掲げてきた目標を撤回した。ただ、畑中執行役員は「コマース事業としては、日本で一番をめざすという方針は変わっていない」と強調する。

これまでのように「ポイントばら撒き」だけでは一番にはなれない。楽天市場やアマゾンにはない、ヤフーショッピングの強みとは何か。畑中執行役員は「LINEユーザーにとって買いやすいモールにすることだろう。LINEアプリ内で、ヤフーショッピングの商品を簡単に購入できるようになるのがLINEユーザーにとっての最大のベネフィットだし、当社だからできることだ」と語る。

これまで多くのLINEユーザーにとって、ヤフーショッピングは必ずしも身近な存在とはいえなかったが、同社はそこを「伸びしろ」と捉える。「ポイントばら撒き」だけではない、独自の強みを作れるかが、同モールの行く末を左右するだろう。

LINEヤフー執行役員が語る、今後の「ヤフーショッピング」

LINEヤフー 執行役員 畑中基氏
LINEヤフー 執行役員 畑中基氏

流通額の減少は想定内

――2023年のヤフーショッピングを振り返って。

22年末から急速に販促費を絞ったため、当然のことながら流通額が前年同月を下回る時期が続き、出店者にもご迷惑をおかけした。ただ、これまでのように数十億円の赤字を垂れ流す財務体質が改善されたため、より永続的にサービスを提供するための土台はできた。一方で、出店者の期待値を下回る結果になったが、足元のセールには踏み込んだ投資を行っているので、手応えはある。24年は出店者の期待に応えられる売り場にしていきたい。

――流通額の減少は想定通りだったのか。

事前にさまざまなシミュレーションをしたが、想定内だった。ただ、4月頃から上位ストアを中心に行脚したが、厳しい声はいただいた。不甲斐ない結果で申し訳ないと謝罪するとともに、24年3月期下期から反転させるということはしっかりと説明した。

――上位店からはどんな声が出ていたのか。

他の仮想モールもコンディションがいつ変わるか分からないし、一本足打法では苦しい。引き続きヤフーショッピングには期待しているが、現状の流通額減少については何とかしてほしい、といった声が多かった

――販促費投下を再開したが、額は以前より少ないのか。

スポットでは以前を超えることもあるだろうが、引き続き財務体質改善を意識しながら、踏み込むところは踏み込むというように、強弱をつけていく。

2024年1月~3月の新キャンペーンでは“お得”訴求

――1月14日からはLYPプレミアム会員向けに日曜日のキャンペーンを始める。

今回の経営統合により、これまでにない大きな顧客の塊が生まれた。PayPayユーザーも含めれば、ほぼ日本人全員をカバーする規模だ。究極としては、国民全員に会員になってもらうつもりで、しっかりと“お得”を提供していくのが新会社の軸。コマースについても、会員になってもらうメリットを打ち出していく。ヤフーショッピングでリピート購入してもらうための大きなサイクルをしっかりと作っていくのが狙いだ。

――日曜日のキャンペーンは3月で終了するのか。

今のところは3月までを予定している。その後、キャンペーンをどう組み込むかについては、結果を見てからということになるだろう。それなりの金額を投資するわけだが、テストの意味合いもある。どんなキャンペーンが消費者にとってわかりやすく、出店者にメリットがあるのかを検討していきたい。

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通販新聞

カリモク家具のブランディング経営戦略、オンワードの自社EC9割のデジタル戦略などが学べるECイベント【2/27開催】

2 years ago
【ネッ担オンラインイベント】EC事業を展開する著名企業の担当者から、自社ビジネスに役立つヒントを学べる! 11講演すべて無料で聴講できる「ネットショップ担当者フォーラム 2024 冬」を2月27日(火)に開催

2月27日(火)に開催する「ネットショップ担当者フォーラム 2024 冬」は、シャープ、カリモク家具、オンワード、土屋鞄製造所(登壇は親会社のHARIZURY)、わかさ生活、エドウィン、cadreといった企業が登壇。オンラインで開催します!

「ファン拡大の取り組み」「顧客体験改善」「SNSを活用したファン作り」「ブランディング」などのテーマについて、企業の責任者などが講演。11講演すべて無料で聴講できます。

3講演以上を視聴した方のなかから、抽選で50人に「Amazonギフトカード」をプレゼントする視聴特典を用意しています。この記事では、編集部おすすめの講演の見どころ、「Amazonギフトカード」の視聴特典をご紹介します。

ネットショップ担当者フォーラム 2024 冬

見どころ① カリモク家具のブランディング経営戦略~変化対応、若年層開拓、デジタル活用などカリモク家具の事例~

11:00~11:45 KA-1 オープニング基調講演

国内トップレベルの国産高級家具ブランドとして知られるカリモク家具。中高年のみならず若年層にも支持されるブランド力の源泉とは何でしょうか?

木にこだわり、国産にこだわる商品開発を軸とした「カリモク家具のブランド力が高い理由」、時代の変化に対応する「変わる消費者ニーズへの対応」、新たな顧客層の開拓「『カリモク60』を通じた若年層開拓」、デジタル化に対応するための「EC、SNSなどのデジタルコミュニケーション、全方位の顧客タッチポイント拡大」を、カリモク家具の山田取締役が解説します。

カリモク家具株式会社 常務取締役 営業推進部統・新市場営業部統括 山田郁二氏
カリモク家具株式会社 常務取締役 営業推進部統・新市場営業部統括 山田郁二氏
工業高校のインテリアデザイン科を卒業後、カリモク家具販売株式会社に入社。在庫管理、関西の営業などを担当。1990年代後半に立ち上げた業務改革チームへ営業側のメンバーとして参画し、ブランドマネジャー制の導入を推進。営業推進部部長としてマーケティング組織の構築などを進める。営業企画・商品企画・広告宣伝・広報に加え、「カリモク60」ブランド責任者兼務。

見どころ② 自社EC比率約9割のオンワードが取り組むデジタル戦略

11:00~11:45 KB-1 オープニング基調講演

EC化率は3割、EC売上のうち自社ECサイトが占める割合は86%(2023年度上期実績)のオンワードグループ。

セッションでは、「実際に感じるアフターコロナでの顧客行動の変化」、顧客理解や顧客体験といったECビジネスを進める上での基本戦略、これからの店舗、EC、デジタルマーケティングに求められることなどを解説します。

株式会社オンワードデジタルラボ 代表取締役社長 株式会社オンワード樫山 EC戦略グループ長 山下哲氏
株式会社オンワードデジタルラボ 代表取締役社長 株式会社オンワード樫山 EC戦略グループ長 山下哲氏
2006年に株式会社オンワード樫山に新卒入社。販売、営業を経て、2012年にEC部門へ異動。セールス、サイト全体運営、ECロジスティクスを担当する傍ら、全社在庫の一元化や、ECシステムリプレイスなどのプロジェクトに参画。2020年にオンワードグループ全体のデジタル事業をサポートする新会社(株式会社オンワードデジタルラボ)に出向後、カスタマーサクセスに向けた会員基盤運用やシステム運用、デジタルマーケティング全般を統括。2023年より株式会社オンワードデジタルラボ代表取締役社長に就任し、株式会社オンワード樫山EC戦略グループ長を兼務。
ネットショップ担当者フォーラム 2024 冬

視聴特典

視聴登録し、3講演以上を視聴した方のなかから、抽選で50名様に「Amazonギフトカード」をプレゼントします! 当選は発送を持ってかえさせていただきます。

<注意事項>

  • 登録内容に虚偽や不備があった場合はご応募を無効とさせていただきます。
  • ご応募はお一人様1回限りとさせていただきます。代理登録は行えません。
  • 電話番号・メールアドレスは所属会社、団体発行のもののみ有効です。
  • フリーメールアドレスでのご登録はキャンペーン対象外となります。
  • キャンペーン主催は株式会社インプレスです。
  • AmazonはAmazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
◇◇◇

明日はまた別のオススメ講演をお伝えします!

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ZOZO、ヤマト運輸からの配送費用値上げで「ゆっくり配送」「送料変更」を検討へ

2 years ago

ヤマト運輸からの配送費用値上げ要請を受け入れたZOZOは、消費者から徴収する送料ポリシーの変更、複数注文を1件の配送にまとめるための「ゆっくり配送」導入を検討する。

国際情勢、円安、労働人口減少に伴うコスト上昇、物流2024年問題への対応の必要性を背景に、ZOZOはヤマト運輸による配送費用の値上げ要請を受け入れることを決定。「値上げ幅は非開示」(栁澤孝旨副社長兼CFO)で、4月から値上げが適用される。

配送費用の値上げによってコストが上昇するが、コスト削減などで収益性を維持する。自社努力による他コストの削減、複数注文を1件の配送にまとめるための「ゆっくり配送」導入、消費者から徴収する送料ポリシーの変更――を検討する。

ヤマト運輸からの配送費用値上げ要請を受け入れたZOZO 自社努力によると他コストの削減、複数の注文を1件の配送にまとめるための「ゆっくり配送」の導入、消費者から徴収する送料ポリシーの変更――を検討する
配送費用値上げへの対応(画像はZOZOのIR資料からキャプチャ)

「ゆっくり配送」は配送までのリードタイムを広くすることで複数の注文を1つにまとめ、配送コストの低減や物流業務の平準化などにつなげる施策。3月からテスト運用を開始する。

送料ポリシーの変更は、消費者から徴収する送料の値上げ。現在の配送1件あたりの送料は税込250円、即日配送は同350円。

なお、「3点の何に比重を置くかなどは現時点では未定」(柳澤氏)としている。

瀧川 正実

「Shopify」でワンステップ決済を実現できるフォーム一体型LP作成ツール「CommChat(コムチャット)」とは

2 years ago
決済フォーム一体型のランディングページを制作できるというハックルベリーの新サービス。その特徴と、期待できる効果を解説する

「Shopify」では購入フローの長さが課題であり、カゴ落ちやCVR改善の解決が簡単ではなかった。「Shopify」規定の決済フローを介するため、LPを差し込むことができず、悩む事業者も多かったのではないか。

購入フローの長さがEC事業者の課題にあがっていた「Shopify」。これに起因するカゴ落ちなどの課題を解決するツールを、「Shopify」向けアプリの開発などを行うハックルベリーが開発した。フォーム一体型のランディングページ(LP)を通じてワンステップ決済を実現する「CommChat(コムチャット)」。商品の購入フローが1ページにまとめることができ、エンドユーザーはチャット形式で回答するだけで決済まで完了できる仕組みだ。「コムチャット」開発責任者の須佐和希氏に取材した。

「コムチャット」の特徴とは?

「コムチャット」は最短1日で導入できるチャットボット。初期費用は0円で、利用は月1万円から。サービスの提供対象は主に「Shopify」利用事業者。だが、「Shopify」で構築していないWebページにも対応する。

「コムチャット」の特徴

  • フォーム一体型のチャットボット形式で「Shopify」標準決済が可能
  • 最短1日で導入可能
  • 社内にエンジニアがいなくても、マーケティング担当者だけで操作可能
  • チャットボットの作成数は制限なし
  • 初期費用0円、月額費用月1万円から利用可能

特徴は、チャットボットの会話を通じてフォーム一体型LPを生成し、そのページ内で決済まで完了できること。チャット形式に回答するだけで決済できるため、従来のフォーム一体型LPよりも離脱率改善、CVR改善につながるという。

ハックルベリー 須佐和希氏
ハックルベリー 須佐和希氏

「Shopify」の購入フローは、決済フローの長さが課題でした。入力の手間、ページ遷移数の多さ、会員登録の手間といったマイナス要素などから、決済フローで約7割の顧客が離脱してしまうという調査データもあります。決済までできるフォーム一体型LPにより、「コムチャット」はワンステップ決済を実現、カゴ落ち・カート落ちといった課題の解決につながるサービスです。単品販売、定期販売どちらのLPでも利用できます。また、LPではなく商品ページへの設置も可能です。(須佐氏)

チャットボット型のワンステップ決済によるCVR改善効果のイメージ
チャットボット型のワンステップ決済によるCVR改善効果のイメージ

「コムチャット」を試験導入した企業約100社のうち、90%以上が導入効果を感じているという。試験導入は2022年12月頃から開始した。

導入企業の効果実感
導入企業の効果実感

「Shopify」でワンステップ決済を実現するサービスは「コムチャット」が初めて。「Shopify」では商品購入の際、「Shopifyペイメント」を通さなければならない仕様のため、フォームをLPに埋め込むことができなかった。「コムチャット」はこの課題を解決するツールで、LPへの埋め込みを実現する。

なかには、「Shopify」から外部のフォーム一体型LPに遷移させて決済させる事業者もいるが、これは「Shopify」上の規約に抵触する可能性があるという。こういったリスクを軽減させることができる。

運用フローの手軽さに強み

特別な知識がなくてもマーケターだけで導入・構築・運用できる。あらかじめ用意されているシナリオからチャットボットを作成し、運用することが可能。「マーケティング担当者だけでPDCAを高速で回せる」(須佐氏)

運用上の特徴は次の通り。

  • チャットボットの作成:「Shopify」の商品URLを「コムチャット」運用画面で入力
  • シナリオの追加・並び替え:ドラッグ、ドロップで可能
  • チャットボットのテンプレートカラーは14色を展開
  • チャットアイコン画像、ヘッダーカラー、テキストなどの細かいカスタマイズも可能
チャットボット型の決済フロー(イメージ)
チャットボット型の決済フロー(イメージ)

「コムチャット」の導入は最短1日。導入後のチャットボット作成は最短10秒です。「コムチャット」は思い立ったらすぐに作成できる点が強みの一つ。シナリオ改善のフローも難しくないため、感覚的に改善できるところもポイントです。

一般的なチャットボットは、1つのチャットボットを作成する度に2か月以上の開発期間が必要になるので、その間に売上アップの機会損失が生じてしまうことも多々あります。
(須佐氏)

「コムチャット」導入の流れ
「コムチャット」導入の流れ

アップセル・クロスセルを狙える決済フローを実現

「Shopify」で構築したサイトの場合はURLの指定によってチャットボットを表示できる。それ以外の構築サイトでも、タグを埋め込むことで表示可能だ。

「Shopify」で構築したサイトでのチャットボット表示設定
「Shopify」で構築したサイトでのチャットボット表示設定

「コムチャット」の導入を特におすすめしたいのは、ECサイトの売り上げをアップさせたい事業者さん、インハウスのマーケターなど自社のCVR改善に苦慮している担当者さん、決済フローでの離脱率ダウンをめざすECサイトなど。チャットボットを通じて、決済時に別商品の合わせ買いを促すこともできるので、アップセルにも効果が期待できます。(須佐氏)

チャットボットの表示例月額1万円から利用可能
チャットボットの表示例月額1万円から利用可能

契約期間は6か月から。1CVあたり400円の従量課金制としている。最低利用料金は月額1万円。「月額最低利用料金は、リーズナブルな価格を自負しています」(須佐氏)

「コムチャット」の運用費用と契約期間
「コムチャット」の運用費用と契約期間

将来的には「コムチャット」によるワンステップ決済の離脱分析ができるレポート機能の提供も予定している。

レポート機能のイメージ
レポート機能のイメージ
高野 真維

QR・バーコード決済利用は72.8%。利用しているQRコード決済の上位は「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」

2 years ago

MMDLaboが運営するMMD研究所が実施した「2024年1月決済・金融サービスの利用動向調査」によると、利用しているQRコード決済の上位は「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」だった。予備調査の対象は18歳~69歳の男女2万5000人、期間は2024年1月19日~1月22日。

普段の支払い方法「現金」が最多

普段利用している支払い方法について、直近1か月の支払い方法の割合を聞いたところ、最多は「現金」(78.1%)で、次いで「クレジットカード」(57.0%)「QR・バーコード決済」(47.1%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 普段利用している支払い方法の割合
直近1か月の普段利用している支払い方法(n=25000/複数回答可、出典:MMD研究所)

利用しているクレジットカード上位は「楽天」「イオン」「PayPay」

クレジットカードの利用は、79.9%が「利用している」と回答。クレジットカード利用者に現在利用しているクレジットカードを聞いたところ、「楽天カード」(53.7%)が最も多く、次いで「イオンカード」(20.8%)「PayPayカード」(20.1%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているクレジットカード
現在利用しているクレジットカード(n=19967/複数回答可、上位10位抜粋、出典:MMD研究所)

「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」がQR・バーコード決済上位に

スマートフォンを所持しているユーザーにQR・バーコード決済の利用について聞いたところ、72.8%が「利用している」と回答した。

現在利用しているQR・バーコード決済は、「PayPay」が64.5%で最多。「楽天ペイ」が34.4%、「d払い」が29.3%で続いた。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているQR・バーコード決済
現在利用しているQR・バーコード決済(n=16557/複数回答可、上位10位抜粋、出典:MMD研究所)

スマホの非接触決済、上位は「モバイルSuica」「楽天Edy」「iD」

スマートフォン所有者にスマートフォンの非接触決済について聞いたところ、35.7%が「利用している」と回答した。

現在利用している非接触決済は「Suica」(32.0%)が最多で、次いで「楽天Edy」(20.4%)「iD」「Visaのタッチ決済」(それぞれ19.9%)だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているスマートフォンの非接触決済
現在利用しているスマートフォンの非接触決済
(n=8107/複数回答可、上位10位抜粋、出典:MMD研究所)

カード式の非接触決済は「WAONカード」がトップ

カード式の非接触決済の利用は58.6%が「利用している」と回答。現在利用している非接触決済は、トップが「WAONカード」(33.3%)で、「Visaのタッチ決済」(33.1%)「Suica」(25.1%)と続いた。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているカード型の非接触決済
現在利用しているカード式の非接触決済(n=14660/複数回答可、上位10位抜粋、出典:MMD研究所)

利用している銀行口座上位は「ゆうちょ」「楽天」「三菱UFJ」

銀行口座の利用について聞いたところ、89.3%が「利用している」と回答した。現在利用している銀行口座は、「ゆうちょ銀行」が58.5%で最も多く、次いで「楽天銀行」が28.6%、「三菱UFJ銀行」が26.0%だった。

MMD研究所 決済・金融サービスの利用動向調査 現在利用しているカード型の非接触決済
現在利用している銀行口座(n=22318/複数回答可、上位10位抜粋、出典:MMD研究所)
調査実施概要
藤田遥

佐川急便、包装資材を値上げへ。一部エクスプレスバッグを5円引き上げ

2 years ago

佐川急便は4月1日、一部マテリアル販売商品を値上げする。

値上げするのは、「エクスプレスバッグA-L」「エクスプレスバッグA-S」。

「エクスプレスバッグA-L」は1枚あたり53円(税込)から58円(同)に、「エクスプレスバッグA-S」は41円(同)から46円(同)に値上げする。改定の理由は、経済情勢の変動、原油価格、諸資材価格の高騰などとしている。

佐川急便は4月1日、一部マテリアル販売商品を値上げする
一部マテリアル販売商品の価格改定内容

佐川急便は2023年4月に、包装資材などマテリアル販売商品43品目の価格を引き上げた。他の配送キャリアでは、ヤマト運輸が2022年11月に包装資材の値上げを実施。日本郵便は2024年4月にゆうパック包装資材10品目の料金を改定する。

業務効率化やコスト削減などを進めているが、企業努力で原価高騰分を吸収できない状況にあるようだ。

瀧川 正実

日本郵便、石川県奥能登地域宛て「ゆうパック」の引き受けを局留扱いで再開

2 years ago

日本郵便は2月15日、全国からの石川県奥能登地域宛て「ゆうパック」の引き受けを再開した。なお、差し出しの方法は郵便局留扱いとする。

対象商品は「ゆうパック」で、運賃料金表が適用される荷物に限る。「ゆうパケット」「ゆうメール」に加え、保冷、代金引換、着払などの取り扱いは対象外。

引き渡しの対象となる郵便局は、輪島郵便局、門前郵便局、町野郵便局、珠洲郵便局、能都郵便局、松波郵便局、柳田郵便局、穴水郵便局。なお、穴水郵便局乙ケ崎分室では1月19日から局留「ゆうパック」の取り扱いを開始している。

保管期間は10日間。期間経過後、連絡することなく荷物を戻すことなどを引き受け条件としている。送り状には該当する郵便局名と郵便番号の記載を求めている。

日本郵便は2月15日、全国から石川県奥能登地域宛て「ゆうパック」の引き受けを再開
送り状の記載例

 

瀧川 正実

アルペン、ECの物流網強化とDXの加速を目的にEC旗艦倉庫を愛知県に開設

2 years ago

アルペンは2024年春、愛知県稲沢市にECの旗艦物流倉庫「中京フルフィルメントセンター(中京FC)」を開設する。

「中京FC」の延べ床面積は3万3604平方メートルで地上3階建て。愛知にEC専用倉庫を開設することで、西日本エリアへの配送期間を短縮する。

アルペンが愛知県稲沢市に新設するECの旗艦物流倉庫「中京フルフィルメントセンター(中京FC)」
中京FCの外観イメージ

愛知県にはメイン拠点となるディストリビューションセンター(在庫型物流センター)があり、千葉県の東日本フルフィルメントセンター(FC)よりも迅速な商品供給、店舗向け在庫共有が可能となる。取り扱いアイテムの拡大と在庫高の調整を実現するという。

ECで販売する商品の「撮影」「採寸」「原稿作成」といった「ささげ機能」のスペースを拡張。さまざまな商品カテゴリーの販売サイト登録を迅速に行うなど、強固で効率的な物流体制の構築をめざしていく。

中京FCにはギークプラス社製の自動搬送ロボット29台を導入。ECビジネスの成長に応じて順次拡張していく。導入するロボット棚の高さを1.2倍に変更し、保管スペースを増加することで保管効率も向上させる計画だ。

中京FCにはギークプラス社製の自動搬送ロボットを導入
ロボット棚

アルペンは2018年から、1つ目のEC倉庫である東日本FC自動搬送ロボットを導入し、現在は216台のロボットが稼働している。ロボットの導入により、2023年時点で生産性は4倍向上(2018年比)し、出荷リードタイムを2分の1に短縮(2018年比)している。

生産性や保管効率の向上、需要に合わせた倉庫内のレイアウト変更に加え、アルペンのオーダー特性に応じたロジックの変更・プログラミングの構築など、従来の東日本FCにおける実績から、中京FCでも自動搬送ロボットの導入を決めた。

アルペンは「ECサービスレベルの向上」に向けて、ビジネスの成長に応じた段階的な自動化と省人化へ投資が必要と判断。2018年にEC物流拠点である「東日本FC」を開設し、中京FCは中京エリア初の自社EC専用倉庫となる。

アルペンの2023年6月期におけるEC売上高は250億円強。連結売上高は2445億4000万円で、EC化率は10%程度。

松原 沙甫

ニトリがECマーケットプレイス事業に進出/ヤマトHDなどが出資するファッション通販プラットフォーム「60%」とは【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

2 years ago
2024年2月9日~2024年2月15日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ニトリがECマーケットプレイス事業に進出、他社出品でECの成長戦略を加速

    ECの成長戦略、ビジネス機会の創出に向けたチャレンジとして、マーケットプレイスの本格導⼊に取り組む

    2024/2/9
  2. ヤマトHD、三菱UFJキャピタルなどが出資するファッション通販プラットフォーム「60%」とは

    「60%」はアジアのブランドを日本市場へ展開することで着実に成長を遂げてきたという

    2024/2/13
  3. 【LINEヤフーの2023年4-12月期】eコマース取扱高は3.1兆円、国内物販系取扱高は四半期ベースでプラス成長に転換

    2023年10-12月期(純第3四半期)の比較では、国内物販系取扱高は前年同期比同1.7%増の8236億円となり成長率がプラスに転換した

    2024/2/14
  4. ジャパネット、アイリスプラザ、赤ちゃん本舗、ベルーナ、コーナン商事などが導入予定の後払い決済「アトカラ」とは

    三井住友カード、GMOペイメントゲートウェイ、GMOペイメントサービスが2月7日から提供した後払い決済サービス「アトカラ」の特徴とは?

    2024/2/9
     
  5. テクニウムがDMG森精機ユーザー向けのクローズ型BtoB-ECサイトを新規構築、プラットフォームに「ecbeing」を採用

    テクニウムが採用したECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」は、1999年のサービス販売開始。大手や中堅企業を中心に1600サイト以上の導入実績がある

    2024/2/9
     
  6. 【I-neの人事制度改訂】「昇給率改善」「有給を“ストック”できる休暇制度」とは?

    I-neは2024年から変革した、人事制度と給与制度の取り組みとは? 2025年度に売上高550億円をめざす中期経営計画の達成も踏まえた設計という

    2024/2/13
     
  7. ポイント経済圏の総合満足度トップは「PayPay経済圏」。58%が「経済圏を意識してサービスを利用」

    MMD研究所の「2024年1月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」によると、最も意識している経済圏のトップは「楽天経済圏」だった

    2024/2/13
     
  8. アダストリアとサンリオが語るファン作りを促進するための“メタ施策”+メタバースの可能性とは?

    アダストリアでメタバース事業をけん引する島田淳史氏が解説する、ECとメタバース事業の親和性や、企業による実際の取り組みに焦点を当てる連載。第5回の今回は、サンリオのメタバース事業を担う町田雄史氏を招き、リアルだけでなくメタバース空間でもファンを楽しませる仕組みに迫る

    2024/2/14
     
  9. LINEヤフーのショッピング事業取扱高が回復、4Qは1ケタ後半~2ケタの成長率を見込む

    ショッピング取扱高は、2023年10-12月期(第3四半期)までに四半期ベースで5四半期連続でマイナス成長。2024年1-3月期(第4四半期)はプラス成長への転換を見込む

    2024/2/14
     
  10. 「通貨」「決済方法」「関税」。海外への販売で避けられない課題を解決する「Global-e」のソリューションとは

    海外ファンが多いジャパンブランド。越境EC支援サービス「Global-e」の導入で、日本のECストアはどう変わるのか?

    2024/2/13
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    アイスタイルが美容・SNS支援のトレンダーズと資本業務提携、BtoB事業のSNSマーケティング支援を強化

    2 years ago
    アイスタイル代表取締役社長 遠藤 宗氏(左)とトレンダーズ代表取締役社長 黒川 涼子氏
    アイスタイル代表取締役社長 遠藤 宗氏(左)とトレンダーズ代表取締役社長 黒川 涼子氏

    アイスタイルはコスメ・美容の総合サイト「@cosme」、ECサイト「@cosme SHOPPING」、実店舗「@cosme STORE」などを運営。これらの事業で蓄積したユーザーの行動データをベースに、BtoB向けの事業では化粧品ブランド向けのマーケティング支援サービスを手がけている。なかでも、SNSマーケティングは注力している領域。美容領域のデジタルソリューションで高い成長余地があると見ている。

    トレンダーズは約1万3000人のインフルエンサーネットワーク「LIN(Life-Influencers Network)」や、SNS総フォロワー数577万人(2023年10月時点)の美容メディア「MimiTV(ミミ・ティービー)」などを運営する。トレンドの分析、インフルエンサーマーケティングなど多岐にわたるソリューションを手がける。

    資本業務提携による具体的な取り組みは次の通り。

    1. マーケティングソリューションの進化と拡大
      両社の営業アセットや強みを生かしかしたソリューション提案を推進。クライアントとなる化粧品ブランドの満足度向上および、新しいサービスの開発に臨む。
    2. グローバルビジネスの進化
      日本進出を検討している海外の化粧品ブランドや、海外進出を企図する日本の化粧品ブランド向けに、SNSを活用した共同のマーケティング支援サービスを開発・推進する。
    3. 美容経済圏の拡大
      「@cosme」のプラットフォームと、トレンダーズが持つインフルエンサーネットワークを掛け合わせ、化粧品以外の市場も視野に入れた美容経済圏の拡大をめざす。
      資本業務提携の取り組みの第1弾として、「@cosme」と「MimiTV」が共同で広告メニューを開発し、SNSとクチコミ・店舗との連動を図る。同広告メニューは2024年3⽉から提供を予定している。

    資本業務提携について、アイスタイルとトレンダーズの代表取締役社長は次のようにコメントを発表している。

    トレンダーズの強みであるSNSマーケティングノウハウを存分に生かし、美容業界に新たな革新を生むことで、日本の美容を世界に誇れる産業・文化へと発展させていきたい。(トレンダーズ 代表取締役社長 黒川 涼子氏)

    化粧品マーケティングを取り巻く環境が大きく変化していくなか、両社の強みを掛け合わせることで、化粧品ブランドとより多くの生活者とが出会える体験を創造し、さらなる業界活性化に貢献していきたい。(アイスタイル 代表取締役社長 遠藤 宗氏)

    アイスタイルは近年、BtoB領域の拡大を加速しており、法人向けにCX(顧客体験)向上サービスを提供するNODEとの協働を発表している。

    アイスタイルがBtoB領域の拡大を加速。CX支援企業と協働し、コスメ・美容ブランド支援の新規事業の立ち上げを検討

    アイスタイルは2024年6月期からBtoB領域の事業を「マーケティング支援」セグメントに刷新し、セグメント売上高・営業利益の拡大に取り組んでいる
    高野 真維2/14 8:30110
    高野 真維

    EC構築プラットフォーム「ecbeing」の流通総額は1.2兆円、導入企業の総受注件数は8300万件【2023年実績】

    2 years ago

    ecbeingは、ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」の2023年における流通総額が前期比25.2%増の1兆2405億円に達したと発表した。流通総額は、「ecbeing」を導入している1600超のECサイト経由売上を合算した数値。

    「ecbeing」の流通総額の推移

    流通総額増加の最大要因は受注規模の拡大という。「ecbeing」導入企業の年間総受注件数は8359万件で過去最高。2019年が約4537万件、2020年は約6233万件、2021年は6479万件、2022年は7377万件だった。

    「ecbeing」の総受注件数の推移

    2023年は店舗を持つアパレル業界などさまざまな業界・業態のECサイト、モール型やネットスーパーなどの大規模ECサイトを構築。法人間取引(BtoB)でのDX化も受注規模拡大に寄与したとしている。

    新規構築ではない既存の「ecbeing」導入サイトでは、顧客のファン化に成功している企業が増加。CRM施策でのF2転換強化やLTV(顧客生涯価値)向上に注力する企業が増え、受注数増にも貢献したという。

    ファン化に成功した企業では、ecbeingのデータマーケティングツール「Sechstant(ゼクスタント)」、レビュー・SNS連携・動画・店舗予約・アプリ・AIチャットボットなどの最新トレンドに特化した「マイクロサービス」の活用も進んだとしている。

    ecbeingの林雅也社長は近年の市場環境を踏まえ、2024年の展望について以下のコメントを発表した。

    BtoCにおいては2023年、Web上での新規顧客獲得コストの増大、過剰な店舗出店状況、生活者のオムニチャネル化が進んだ。この厳しい競争環境のなかで生き残るためには、Eビジネスを構築し、Webとリアルのデータを活用してLTV(顧客生涯価値)を向上させる必要がある。そのため、データ活用の重要性がますます高まっていく。ecbeingはデータマーケティングツール「Sechstant(ゼクスタント)」を中心としたデータ分析から、その結果を活用した施策まで、全方位的な支援を提供していく。

    瀧川 正実

    楽天グループの流通総額は6.9%増の6兆円、SPU改定などの影響で4Qはマイナス成長【2023年国内ECの業績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

    2 years ago
    2023年10-12月期(第4四半期)の落ち込みは、「毎月5と0のつく日」特典や「SPU」の改定、ふるさと納税のルール変更などが影響した

    楽天グループの2023年度(2023年1~12月期)国内EC流通総額は前期比6.9%増の6兆487億円だった。

    楽天グループの2023年度(2023年1~12月期)国内EC流通総額は前期比6.9%増の6兆487億円
    国内EC流通総額の推移(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)

    国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ブックスネットワーク、Kobo(国内)、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、Rakuten24などの日用品直販、Car、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパー、楽天チケット、クロスボーダートレーディングなどの流通額を合算した数値。

    2023年1-3月期(第1四半期)に楽天チケットをモバイルセグメントから国内ECセグメントへ移管、4-6月期(第2四半期)に国内EC流通総額の定義などを一部見直し、数値の遡及修正を実施している。また、2023年9月に楽天ペイ(オンライン決済)事業をフィンテックセグメントへ移管した。

    流通総額のうち成長投資ビジネスは前期比5.2%の3941億円。コアビジネスは同7.1%増の5兆6547億円。

    コアビジネスは、「楽天市場」の流通総額に加え、ブックス、ブックスネットワーク、Kobo(国内)、ゴルフ、ドリームなど。成長投資ビジネスは、Fashion 1st Party、C2C 、楽天西友ネットスーパー、ビューティー、クロスボーダートレーディングなど。

    2023年度の国内EC流通総額の四半期ベースの推移

    • 2023年10~12月期(第4四半期)……前年同期比6.2減の1兆6067億円
    • 2023年7~9月期(第3四半期)……前年同期比15.7%増の1兆5721億円
    • 2023年4~6月期(第2四半期)……前年同期比10.0%増の1兆4542億円
    • 2023年1~3月期(第1四半期)……前年同期比12.2%増の1兆4158億円

    第4四半期の落ち込みは、楽天カード利用でポイント5倍だった「毎月5と0のつく日」特典の変更(2023年12月5日から5倍から4倍に、獲得上限ポイントも3000ポイントから1000ポイントに抑えた)、楽天モバイル会員へのポイント付与を強化する「SPU」の改定(2023年12月1日から)、ふるさと納税のルール変更(2023年10月から)前の駆け込み需要の反動などが影響したとしている。

    なお、楽天グループは楽天ペイの事業移管、SPUや「毎月5と0のつく日」特典の改定、ふるさと納税ルール変更などの影響を除けば、流通額は「プラス成長であった」と試算している。

    楽天グループの2023年度(2023年1~12月期)国内EC流通総額は前期比6.9%増の6兆487億円
    10-12月期(第4四半期)の国内EC流通総額の推移(画像は楽天グループのIR資料からキャプチャ)

    売上高にあたる国内EC売上収益は8856億円で前年同期比10.8%増。国内ECの営業利益は同7.8%増の1025億円。

    なお、2023年12月期連結業績は3395億円の最終赤字(前期は3772億円の赤字)だった。携帯電話の基地局整備に向けた投資が響いている。売上高は前期比7.8%増の2兆713億円で過去最大、「楽天市場」といった国内ECの拡大などが貢献した。

    瀧川 正実

    千趣会の通販売上は18%減の431億円、6年で半減以上の衝撃。デジタル中心へのプロモーションシフトも想定効果を得られず

    2 years ago

    千趣会の2023年12月期連結業績は、売上高が前期比16.4%減の492億2600万円、営業損失は55億5700万円(前期は81億3900万円の損失)、経常損失が56億7900万円(同78億8900円の損失)、当期損失は47億8200万円(前期は109億7600万円の損失)だった。

    主力となる通信販売事業の売上高が同18.0%減の431億4200万円にとどまり、業績悪化の要因となった。通販事業の売上原価率は50.3%と同2.8ポイント改善、売上減の影響で販管費は同17.2%減の274億1100万円。原価率改善と販管費削減で赤字幅は縮小した。

    コスト削減は、高コストのカタログ中心からデジタル中心へのシフトによるプロモーション費用の効率化を進めたため。一方、新規獲得などで期待した効果を得られず売上高の減少に影響した。購入会員数は同37万3000人減の163万1000人、新規・復活購入会員数は同22万6000人減の78万5000人、継続購入会員数は同14万7000人減の84万6000人だった。

    千趣会の通信販売事業の概況
    通信販売事業の概況(画像は千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)

    2022年12月期に「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に重要な疑義を生じさせるような状況」が存在しているとして、決算短信に「継続企業の前提に関する重要事象等」の注記を記載。2023年12月期も赤字を計上したことから、ゴーイングコンサーンの注記が継続している。

    通販売上の急速な縮小、進む事業構造改革

    近年、急速に通信販売事業の売上高が減少している千趣会。1000億円台を維持していたのは2017年12月期までだ(1012億7900万円)。紙媒体のカタログ発行部数を減らし、ECへのシフトを進めてきたが減収が続く。2020年12月期は巣ごもり重要などで増収に転じたものの、その後も減収決算が止まらない。通販売上はこの6年で5割以上減った計算になる。

    通信販売事業の減収要因は、インターネットの活用によるプロモーションが苦戦しているため。カタログおよびインターネットを中心とする通信販売事業は、収益性の向上と成長基盤の構築を目的に、販売促進費を高コストのカタログ中心からデジタルと融合させたプロモーションへシフトして、最適化に取り組んでいる。

    カタログ配布部数の削減で販促費用は減少したものの、それに伴う売上減少をデジタルマーケティング施策で補いきれないでいる。

    こうした通信販売事業の改善のため取り組んでいるのが事業構造改革。①顧客ニーズの深い理解による提案力(誰に×何を)の向上②カタログ・デジタルの役割分担明確化と融合③顧客の継続利用・ファン化の促進④外部ECモール販売強化――に取り組んでいる。

    顧客ニーズの深い理解による提案力(誰に×何を)の向上

    カタログ発刊のための型数確保ではなく、顧客を深く理解。テーマ・シーズンをより意識した品ぞろえへシフトし、絞り込んだ商品にリソースを集中する。商品力・提案力を高め、定価販売率の向上、粗利率の改善につなげる。

    カタログ・デジタルの役割分担明確化と融合

    顧客の購買行動の分析で、紙施策(カタログ・チラシ・DMなど)とデジタル施策のそれぞれの強みが生きる最適な組み合わせを設計、販促効率を最大化する。EC市場が厳しさを増すなかで、カタログは差別化できるツールとして主に既存会員の販促として活用。デジタルはSEO対策とSNSマーケティングを強化し、新規獲得・コミュニケーションのツールとして効率的に活用する。

    顧客の継続利用・ファン化の促進

    ファン化の促進値引きやポイント付与などの金銭的なインセンティブによる購入誘導に依存するのではなく、商品やブランドに対する信頼や愛着を持ってもらうような取り組みを強化する。

    外部ECモール販売強化

    大手ECモールの寡占化傾向に対応し、「自社および外部ECモール店」の投資配分の見直す。成長チャネルでの売上獲得につなげていく。

    千趣会 再成長に向けたグループの数値計画
    再成長に向けたグループの数値計画(画像は千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)

     

    松原 沙甫

    低価格志向の消費者が増える小売市場で勝ち抜くには? ロイヤルティ向上のための3つのヒント | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    2 years ago
    2024年の小売市場の展望は? デロイトの報告書から、ロイヤルティーアップのための打ち手を見出し、詳しく解説します

    米国の大手コンサルティング企業Deloitte Touche Tohmatsu(デロイト・トウシュ・トーマツ)が小売事業者の経営者に実施した調査によると、およそ半数が「2024年は消費者が企業のブランドや商品に対するロイヤルティよりも、価格の安さを優先する」と予想しました。その報告書では、コロナが与えた影響や、アフターコロナの市場における小売事業者の今後の予測をまとめています。

    2024年の小売市場はどうなる?

    デロイトは2024年の米国小売業界について、主に2つの傾向が今後の市場環境を形成すると予想しています。それは、労働市場の逼迫(ひっぱく)と、長期金利の上昇です。デロイトのエコノミストであるダニー・バックマン氏とアクルル・バルア氏は、次のように指摘しています。

    • 労働人口の伸び悩みによる人手不足が続いているため、企業は労働者に対して、たとえ能力に見合わなくても高い賃金を提示しなくてはならない
    • 長期金利が2010年代後半の低水準に戻る可能性は低い

    デロイトの報告書は、金利の上昇とインフレは全体的に、個人消費に重要な影響を与えたと説明。次のようにまとめています。

    コロナ禍による急速なECの需要増加、サプライチェーンの混乱によって、企業は既存顧客のロイヤルティ維持が困難な状況に追い込まれました。消費者の4人のうち3人はほしい商品の売り切れに直面し、それをきっかけに新しいブランドや店舗を試しました。アフターコロナになり小売市場の流通が正常化し始めると、企業は顧客の店舗呼び戻し、ブランドの呼び戻し、顧客顧客のフォローに注力しましたが、その後、インフレが起こりました。(デロイトの報告書より)

    中国のEC大手「拼多多(Pinduoduo:ピンドウドウ)」が海外向けに展開している越境ECサイト「Temu(ティームー)」のアプリが2023年、アップルストアで最もダウンロードされた国は米国でした。「Temu」は激安の価格訴求が顕著なアパレルECです。

    このことから、ブランド力よりも低価格を重視する消費者が増えているという予想は理にかなっているとデロイトは説明します。

    デロイトの調査によると、小売事業者経営層の約3分の2(64%)は「アフターコロナの潮流となったインフレに消耗した消費者が、購入する商品の数を減らす」と予想しています。このことは、消費財を扱う企業が収益性の高い量販商品に販売の軸足を移すことが懸念されます。

    10月~11月の前年同時期比成長率(2020年から2023年まで)(出典:Deloitte InSightIQ Analysis/インフレの影響を加味)
    10月~11月の前年同時期比成長率(2020年から2023年まで)(出典:Deloitte InSightIQ Analysis/インフレの影響を加味)

    デロイトが提唱するロイヤルティ向上の方法

    デロイトは報告書のなかで、小売事業者が2024年に顧客のロイヤルティー向上、あるいは取り戻すための3つのヒントをあげています。

    ヒント1:ロイヤルティープログラムへの注力

    たとえロイヤルティープログラムの会員であっても、すべての顧客が同じように消費をするわけではありません。デロイトは、ロイヤルティープログラム内に会員ごとのランクを設けることで、小売事業者は、最もロイヤルティーの高い顧客に特別な特典を与えることができると指摘しています。

    会員をランク分けする階層化プログラムは目新しいものではありませんが、プログラムを通じてより効果的な顧客セグメントを行うために、小売事業者は多くの投資をしています。上位層の会員顧客に対する特別な商品提案、特典の提供、 コミュニケーション、さらに、既存会員の上位層への移行を促すことが含まれています。(デロイトの報告書より)

    協業によるブランド力アップ

    ロイヤルティープログラムは、米国のディスカウントストア「ターゲット」、化粧品の小売りチェーン「アルタ」、百貨店チェーン「コールズ」、フランスの化粧品・香水専門店「セフォラ」の事例のように、他社と共同でブランド力を高めることも可能です。

    「ターゲット」は、自社の会員にアップルのサービスの無料トライアルを提供しています。こうした仕組みを採用することで、小売事業者がすべての特典を自社で提供する必要はなくなります。

    コスト分散+二重の特典付与が可能に

    たとえば、消費者が「ターゲット」で「アルタ」の商品を購入すると、「ターゲット」と「アルタ」両方のリワードプログラム(顧客に対して特典や報酬を提供する仕組み)の特典を獲得できます。

    「コールズ」の顧客が、「コールズ」の店舗やECサイトで「セフォラ」の商品を購入する場合も同様です。小売事業者は、航空会社、ホテル、レストランが加入している旅行プログラムとの共同プロモーションも検討するべきだとデロイトは提唱しています。

    消費者向けの特典を他社と協働することで、小売事業者はより多くの認知拡大の機会を得ることができ、より広範な消費者を取り込むことができます。また、特典にかかる費用を他社と分け合って消費者に提供できるため、特典プログラムの収益性アップが期待できます。

    ロイヤルティープログラムによって個人の購買データを獲得できれば、小売事業者は顧客への商品提案をパーソナライズすることができ、さらなる収益性アップにつながる余地を見出せます。このことは、オンラインと実店舗の両方から広範な顧客データを持つ小売事業者にとって、非常に高い価値です。(デロイトの報告書より)

    デロイトは報告書で、「小売事業者の約3分の2が会員データをリテールメディアネットワークの広告主と共有、または共有する予定である」とグループ傘下のデロイトデジタルが発表したレポート「リテールメディアネットワークを活用し、ブランドと消費者のつながりを強化する」(2023年12月)を引用しています。

    ヒント2:オムニチャネルでの購入体験の強化

    デロイトは、たとえオムニチャネルの販売手段を持っていても、オムニチャネル化の不整合や不十分な点があると、ロイヤルティーに悪影響を及ぼす可能性があると述べています。

    デロイトは報告書で、2023年11月21日から23日までの145社のオムニチャネルの度合いを調査。また、2023年12月のホリデーシーズンのオムニチャネル分析レポートを引用しています。それによると、「オンライン購入し、商品を店舗で受け取る(BOPIS)」と「オンラインで購入した商品を店舗で返品する(BORIS)」は多くの事業者で「広く利用可能」でしたが、代替配送の受け取りを提供している小売業者は10社に1社のみでした。
    また、報告書には、

    • 小売事業者の3分の1が返金を受け取るまでにかかる期間を明示していない
    • 12月5日までに、クリスマス到着の発送締切時間を記載していたのは3分の1のみ
    • 12月19日に購入したホリデーギフトの定時配送を提供する17社の主張を検証したところ、ホリデー配送の注文の4分の1近くが12月24日以降に到着していた

    と記載されています。

    デロイトは、コロナ禍によるデジタルの加速がオムニチャネルでの消費者の購買行動に恩恵をもたらした一方、小売事業者は「オムニチャネル間で一貫性のある購入体験」を維持する必要があると述べています。

    コロナ禍によるDX技術のアップグレードや、ラストワンマイルでの配送や返品という新しい選択肢が出てきたにもかかわらず、オムニチャネルで一環した購入体験の提供はしばしば欠落しており、信頼を損なう可能性があります。(デロイトの報告書より)

    デロイトのデータによると、小売事業者の経営層が2024年に期待している事業成長の上位4つは次の通りです。

    • ロイヤルティープログラムの強化(54%の経営層がこれを選択)
    • Eコマースの強化(同44%)
    • 店舗での顧客体験の強化(同36%)
    • オムニチャネル体験の強化(同32%)

    ヒント3:信頼できるAIを活用する

    ロイヤルティープログラムやECサイト、実店舗への来店を通じて小売事業者が取得する消費者行動を基に、小売事業者は商品のレコメンドや、顧客に合わせてカスタマイズしたプロモーションをさらにパーソナライズできるとデロイトは報告書で述べています。

    報告書によると、小売事業者のうち半数は、2024年にAIを活用してパーソナライズした商品レコメンデーションを重視しています。しかし、自社のビジネス全体でAIを効果的に活用する能力に自信を持っている経営層は10人中5人に過ぎないそうです。

    一方、デロイトのホリデー調査では、消費者の10人に8人が「人工知能を小売事業者が自社の責任で活用するスキルがあるとはほとんど思っていない。信頼していない」と回答しています。

    小売事業者も、消費者からAIの活用について信頼されていないことを課題と見なしています。回答者のうち4分の3以上が、今後5年間のうちに次世代のAI技術を使用することで、消費者の信頼が損なわれ、プライバシー侵害、監視、透明性・説明責任の欠如、ひいては社内の離職の懸念が高まると回答しています。(デロイトの報告書より)

    デロイトのデータによると、ブランドがAIを使用していることを知っている顧客は、ブランドに対する信頼が44%低下するそうです。信頼を築くために、ブランドはAIの活用に当たって次の4つの要素に焦点を当てるべきだとデロイトは提案しています。

    人間性の追求

    小売事業者はより人間に近いコミュニケーションの構築に焦点を当てるべきです。AIは、顧客の状況に対応できるよう、広範なルールセットで訓練されるべきです。一例として、消費者が家族の亡くなったことを話した場合、お悔やみを述べるようにAIを訓練することなどがあげられます。

    透明性の担保

    小売事業者は、チャットボットを使用する方法と理由を説明し、その目的と機能について具体的な詳細を消費者に開示する必要があります。

    従業員のフォローアップ

    小売事業者は、従業員に不安を与えない環境でAIツールを使用する機会を与えるべきです。AIツールの利点を強調する一方で、ツールが従業員の仕事を奪ったり、従業員の価値を損なうものではないことを明示するべきです。

    信頼性の担保

    小売事業者は、消費者がAIツールに何を期待できるかを明確にし、信頼を促す必要があります。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    アスクルが取り組むドライバーの負担軽減施策。独自配送管理システム「とらっくる」+「仕分け支援アプリ」とは? | 通販新聞ダイジェスト

    2 years ago
    アスクルが取り組む、物流の諸問題改善に向けた対策とは? 記事では、同社による2つのスマートフォン用アプリに焦点を当てる

    4月から施行される働き方改革関連法のトラックドライバーへの適用。自動車の運転業務の時間外労働業務の上限規制が適用され、荷物を運ぶドライバーが不足するいわゆる「物流の2024年問題」から生じるさまざまな諸問題に対応すべく、通販各社では様々な手立てを講じているが、オフィス用品通販大手のアスクルはさらに今後の人手不足を見据えた一歩先を行く物流の効率化策を進めている。アスクルの描く通販物流のこれからとは――。

    2つのアプリで物流効率化

    「2024年問題についてはほぼ対応は完了しているが、さらにこの先に備えて色々な手を打ってやり方を学習している」――。

    日本ロジスティクスシステム協会の調べによると少子高齢化などによる労働者不足やネット販売市場の拡大などで物流の需給バランスが崩れ2030年には物流需要の約36%が運べなくなるという試算が出されている。2024年問題は通過点に過ぎず、今後も自社の商品を確実に顧客に届けるためより踏み込んだ施策を講じていく必要がある。

    アスクルでもその懸念を踏まえて、物流業務の効率化や改善のための新たな施策を矢継ぎ早に展開している。2024年問題への対応はもちろんだが、労働者不足が進み、満足に商品を配送できなくなる事態を迎えるとされる近未来を意識してより踏み込んだ物流の効率化を進めている。

    2024年問題への主要な対策としては物流子会社のアスクルロジストおよびアスクルが配送を委託する物流業者の配送員ら向けに開発した2つのスマートフォン用アプリ「仕分け支援アプリ」および「とらっくる」の導入だ。

    物流効率化に向けたアスクルの取り組み
    物流効率化に向けたアスクルの取り組み

    ドライバーの荷下ろし、仕分け、積み込みをサポートする「仕分け支援アプリ」

    「仕分け支援アプリ」は2021年9月から導入した物流拠点または物流拠点からデポと呼ばれる各地域に設けているラストワンマイル拠点である配送営業所で作業員が行う荷下ろしや仕分け・積み込みなどをサポートするもの。

    具体的には荷物の荷札のバーコードをスキャナで読み込むと端末に配送エリアや配送コースなどによって分けた拠点内での荷物の置き場所が表示されるもので、これまでにように荷札の住所を確認しながらどの置き場所かと考えながら仕分けをしなくともよくなり、経験値により大きく依存する荷物の仕分け作業が誰でも効率よくできるようにした。

    配送業務の負荷を助ける独自システム「とらっくる」

    「とらっくる」は配送ドライバー向けにアスクルが独自開発した配送管理システムでドライバーは同システム搭載のスマートフォン端末を使って道路の混雑状況なども加味した配送ルート計画の作成や配送先に関する配送先の駐車スペースなどのナレッジ情報、日時変更や不在再配達依頼の情報確認などの配送業務に端末の操作で対応でき、配送業務の負荷軽減が図れるもの。

    「とらっくる」の仕組み
    「とらっくる」の仕組み

    この「とらっくる」を物流子会社の配送員だけでなく、アスクルが構築する自社配送ネットワークに参加して荷物のラストワンマイル配送を担う配送パートナー業者のドライバーにも2020年9月から解放。さらに2023年4月からはオープン化してアスクル以外の荷物の配送にもこのシステムの利用を認めた。

    「とらっくる」がカバーする配送関連の機能
    「とらっくる」がカバーする配送関連の機能

    狙いは「地場の中小運送会社が他社の荷物も効率的に配送できるようになり、アスクルの荷物もしっかりと運んでもらえるようになる」とアスクルで物流関連業務を統括する執行役員の成松岳志ロジスティクス本部長はいう。

    主に両アプリの運用によって作業員やドライバーの配送業務やその前段階の仕分け作業など各種業務にかかる時間を短縮化。4月以降、短縮されるドライバーらの労働時間内で必要な業務を行うことが可能になるよう。

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    通販新聞

    LINEヤフーのショッピング事業取扱高が回復、4Qは1ケタ後半~2ケタの成長率を見込む

    2 years ago

    LINEヤフーのショッピング事業の取扱高が回復傾向にある。

    「Yahoo!ショッピング」「LINEギフト」「ZOZOTOWN」「LOHACO」などによるショッピング取扱高は、2023年10-12月期(第3四半期)までに四半期ベースで5四半期連続でマイナス成長だが減少率は改善。2024年1-3月期(第4四半期)はプラス成長への転換を見込む。

    ヤフーとLINEが合併する前の旧ヤフー時代の2022年、「2020年代前半に国内物販EC取扱高No.1」というeコマース取扱高に関する経営目標を変更。従来の「ポイント・販促中心」から、「グループアセットを最大限活用することに注力し、成長と収益性のバランスを両立」に変えた。ショッピングモール事業へのポイント還元投資はいったん抑制し、コストコントロールの範囲内で取扱高の成長に取り組んできた。

    その影響を受け、ショッピング事業の成長率は2022年10-12月期(2023年第3四半期)に前年同期比1.4%減でマイナス成長に転じた(取扱高は4712億円)。その後、2023年1-3月期(同第4四半期)は同13.3%減の3911億円、2023年4-6月期(第1四半期)は同8.0%減の3780億円、2023年7-9月期(第2四半期)は同5.5%減の3982億円。直近の2023年10-12月期(第3四半期)は同1.0%減の4663億円と推移してきた。

    LINEヤフーのショッピング事業の取扱高が回復傾向にある
    ショッピング事業取扱高の推移

    「マーケティングコストの水準が下がったため、この1年はYoYでマイナス成長が続いた」(上級執行役員 コマースカンパニーCEO 秀誠氏)。コスト最適化が一巡した一方、そのコスト水準のなかで、オーガニックでの利用者が増えてきたのが取扱高回復の要因という。

    秀氏は「4Q(2024年1-3月期)の成長率は1ケタ後半から2ケタをめざすレンジ」とコメントしている。

    瀧川 正実

    【LINEヤフーの2023年4-12月期】eコマース取扱高は3.1兆円、国内物販系取扱高は四半期ベースでプラス成長に転換

    2 years ago

    LINEヤフーの2023年4-12月期(第3四半期累計)におけるeコマース取扱高は、前年同期比0.1%減の3兆1318億円だった。このうち、国内物販系取扱高は同0.2%減の2兆2703億円。

    LINEヤフーの2023年4-12月期(第3四半期累計)におけるeコマース取扱高は、前年同期比0.1%減の3兆1318億円
    eコマース取扱高の四半期ベースの推移(画像はLINEヤフーのIR資料からキャプチャ)

    国内物販系取扱高のうち、「Yahoo!ショッピング」「LINEギフト」「ZOZOTOWN」「LOHACO」などによるショッピング取扱高は同4.7%減の1兆2425億円。

    2023年10-12月期(純第3四半期)の比較では、国内物販系取扱高は前年同期比同1.7%増の8236億円となり成長率がプラスに転換。第3四半期における国内ショッピング取扱高は、同1.0%減の4663億円となった。

    コマース事業においては、「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」「ZOZOUSED」によるリユース取扱高は第3四半期累計で同1.3%増の7503億円。「一休.com」「Yahoo!トラベル」「Yahoo!ロコ」「出前館」などによる国内サービス取扱高は同2.9%増の4813億円だった。

    eコマース取扱高の四半期ベースの推移
    四半期ベースの取扱高推移(画像はLINEヤフーのIR資料からキャプチャ)

    コマース事業の2023年4-12月期売上収益は、前年同期比1.7%増となる6115億円。アスクルグループおよびZOZOグループの増収が寄与した。

    連結業績は売上収益が同8.7%増の1兆3468億4000万円、営業利益は同40.0%減の1742億8000万円、四半期利益は同29.0%減の1365億2100万円。前期(2022年3月期)第3四半期に計上した、PayPayの連結子会社化による企業結合に伴う再測定益の影響で、営業利益などは前年同期を下回った。

    松原 沙甫
    確認済み
    1 時間 12 分 ago
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