米Amazonは3月10日、健康に関する質問への回答や医療記録の説明、診察予約、処方箋の更新といった管理などを支援するAIアシスタント「Health AI」を、「Amazon.com」とAmazonアプリで提供開始したと発表した。
オンライン診療と対面診療を組み合わせた年会費制の総合診療サービス「One Medical」アプリ内で提供していた機能を拡張したもので、近く米国のすべてのユーザーに提供を拡大する予定という。

「Health AI」は、ユーザーの健康状態や医療履歴に基づいたパーソナライズされた洞察やガイダンスを提供し、必要に応じて医療提供者につなぐエージェント型AI。Amazonは「医療は本来、個人的で、つながっていて、必要なときに利用できるべきだが、現実は複雑で摩擦が多い」とし、その課題の解決を狙う。
なおAmazonは、「Health AI」は医療提供者との関係を補完するためのものであり、単独で診断や治療を行うものではないと強調している。
「Health AI」は、個人の健康情報がなくても一般的な健康関連の質問に回答する。ユーザーが許可すれば、医療記録(病歴、服薬、検査結果、臨床ノートなど)にアクセスし、検査結果や診断の説明、症状や薬に関する「より正確でパーソナライズされた」回答を提供する。
専門的なケアが必要な場合は、メッセージ、ビデオ、対面などでアプリ「One Medical」の医療提供者につなぐ。また「Amazon Pharmacy」や任意の薬局での処方箋更新の管理にも対応。必要に応じて「Amazon.com」から関連するヘルスケア製品を提案する。
「Health AI」の利用は「Amazon Health」ページからサインアップして開始する。アクセス権が付与されるとメールで通知され、Amazonヘルスプロフィールにログイン後、チャット形式で健康に関する質問を入力できる。
パーソナライズでは、医療データ共有システムのHIE(Health Information Exchange)を通じて医療記録へのアクセスを許可できる。対象には病歴、服薬状況、検査結果、臨床ノートなどが含まれる。
さらにビタミン剤や血圧計など、Amazonで購入した関連商品の履歴も参照可能。たとえば、喘息患者がインフルエンザの季節に咳を訴えた場合、「Health AI」は既存の診断や服薬情報、過去の発作履歴などを踏まえて追加質問を行い、症状の深刻度を判断する。
「Health AI」は健康状態の文脈から症状の意味を説明し、次の行動を判断するための情報を提示する。専門的なケアが必要な場合は「One Medical」の医療提供者へ接続し、処方箋更新の依頼も可能。
「Health AI」が回答できる質問の例は次の通り。
新規導入オファーとして、米国のPrime会員が「Health AI」を利用すると、30以上の一般的な症状について「One Medical」の医療提供者によるダイレクトメッセージ診療を5回まで無料で受けられる。対象例には風邪、インフルエンザ、アレルギー、結膜炎、脱毛などが含まれる。
Prime会員や「One Medical」会員以外でも「Health AI」自体は利用可能。無料枠を超えてメッセージ診療を受ける場合や非会員の場合は、1回29ドル(14日間の無制限フォローアップメッセージ付き)を支払うか、「One Medical」のメンバーシップを購入することで診察を受けられる。米国のPrime会員は、「One Medical」のメンバーシップを通常199ドルの半額となる年額99ドルで利用できる。
Amazonは、「Health AI」とのやり取りは医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律HIPAAの準拠環境で行われ、会話内容は暗号化と厳格なアクセス制御で保護されるとしている。
また「Amazon One Medical」や「Amazon Pharmacy」から取得した健康情報(PHI)を、Amazonストアの一般商品のマーケティングやAmazon Adsには使用しないとも説明している。
開発は「One Medical」の臨床リーダーと共同で進めた。臨床安全性や緊急対応について広範な評価を実施し、臨床医レベルのパフォーマンスを満たす、またはそれを上回ることを確認したという。
「Health AI」には患者の安全を守る複数のガードレールを組み込んでおり、臨床的な推奨に確信が持てない場合は誤った助言を出すのではなく、人間の医療提供者へ誘導する設計としている。
エアークローゼットはこのほど、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」で、ユーザー自身がアイテムを選択できる「セルフセレクト」機能の提供を開始した。従前はスタイリストによる提案からアイテムを選ぶ形式のみだったが、顧客自身が選ぶこともできるようになった。
自分で選ぶ体験と、プロに任せる体験が相互に作用することで、利用を重ねるほど提案精度が高まり、ユーザーにとって納得感のある装いに近づいていくことを見込む。
スタイリストによるアイテム・コーディネートの提案という「airCloset」の基盤価値を生かしながら、顧客体験を「セルフセレクト」によって広げることで、「任せる」と「自分で選ぶ」両方の顧客体験を設計。顧客の利用シーンに応じたファッション体験を提供する。
セルフセレクトで選ばれたアイテムは、単なる利用履歴にとどまらず、「その時点で何を着たいと感じているか」というユーザーの意思を示すデータとして蓄積する。これらのデータは、ユーザーによる評価や着用履歴といった実績データとあわせて、スタイリストがカルテなどで参照し、次回以降のスタイリング提案に活用する。
auコマース&ライフは、KDDIと共同で運営するECモール「au PAY マーケット」で、ポイント還元率が最大50%となる「超BIGお買い物ラリー」を、3月13日(金)から3月20日(金)までの8日間で実施する。
「超BIGお買い物ラリー」は、「au PAY マーケット」にログインし、期間中にキャンペーンページからエントリーしたユーザーに対し、買い回りの店舗数に応じて「Pontaポイント(au PAY マーケット限定)」を還元する企画。
2店舗での購入では購入金額の5%、6店舗以上の購入では最大16%の還元となる。還元率は、1店舗での購入で1%、2店舗で同5%、3店舗で同8%、4店舗で同10%、5店舗で同12%、6店舗以上で同16%。
3月13日は、毎月3日・13日・23日に実施するキャンペーン「三太郎の日」の特典と合わせて、最大50%のポイント還元となる。その他、ハズレなしの特典ガチャ、対象商品・店舗で利用可能な50%以上割引クーポンの配布、さまざまな商品の限定セールを行う。
会員向けの特典プログラム「買い得メンバーズ」の還元率は最大10%、店舗からのポイント還元」は最大19%、3月13日の「三太郎の日」特典は最大5%。
「Pontaパス」会員かつ「au PAY マーケット」会員であるユーザーには、特典ガチャで最大2万円割引クーポンを進呈する。還元上限は3000ポイント。
開催日時は、ポイント還元は2026年3月13日午前0時から3月20日午前9時59分まで。特典ガチャによる最大2万円割引クーポンの進呈は、3月14日午前0時から3月20日午前9時59分までを予定している。
3月13日の「三太郎の日」の開催日時は、同日午前0時から午後11時59分まで。「三太郎の日」特典では、「Pontaパス」会員かつ、「au PAY マーケット」の買い物で「au PAY カード」で支払ったユーザーに対し、最大5%の「Pontaポイント(au PAY マーケット限定)」を還元する。その他、複数店舗の買い回りでポイント還元する「超BIGお買い物ラリー」の特典とあわせて、最大50%のポイント還元となる。
今回のキャンペーン企画では、出店店舗とのコラボレーションセールも同時開催する。
マルイの出店店舗「Brand Square by OIOI」では周年祭を開催。期間中新作ファッションや人気のシューズを中心に全品10%のポイント還元を実施する他、「Pontaパス」会員限定や初めて「Brand Square by OIOI」を利用するユーザーに割引クーポンを進呈する。春の装いをトータルでサポートする。開催日時は3月13日午前10時から3月18日午前9時59分まで。
「使用期限30秒の生ビタミンC美容液」などを展開する「公式 Yunth Online Shop」では、全商品対象でポイント還元・割引クーポンの配布などを行う。開催日時は3月13日午前10時から3月18日午前9時59分まで。
掃除ブランドを展開する「レックダイレクト 激落ちくん バルサン 公式メーカー」では、対象商品が10%のポイント還元となる他、ホコリ取り「トレループ」シリーズが50%割引になるセールなどを行う。開催日時は3月16日午前10時から3月20日午前9時59分まで。
「mog-mog」では、仙台牛タンを半額以上の割引価格とするセールを開催。最大1000円割引となるクーポンの配布や、1000円で購入できるコーナーを用意する。開催日時は3月16日午前10時から3月20日午前9時59分まで。
米Amazonは、Amazon内で取り扱いのない商品も「見つけて買える」体験の拡張を進めている。米国では「Amazon.com」やAmazonショッピングアプリの検索結果などに外部ECサイトの商品を表示し、購入までの導線を用意する「Shop Direct」を展開。また外部ECサイトでの購入手続きをAmazonのAIエージェントが代行する「Buy for Me」を手がけている。
「Shop Direct」は、「Amazon.com」やAmazonショッピングアプリで商品を検索した際、Amazonストアで販売していない商品も表示するもの。ユーザーは「Shop Direct」ボタンをタップすると外部ECサイトへ遷移し、購入手続きを進めることができる。外部サイトへ移動する前には「Amazonを離れる」旨を通知し、Amazonから購入していると誤解しないよう配慮している。
Amazonは3月11日、外部EC事業者が「Shop Direct」に容易に参加できるよう、Feedonomics、Salsify、CEDCommerceといったサードパーティフィードを通じて商品カタログを接続できるようにした。フィード連携で、カタログ、価格、在庫をリアルタイムで自動同期できる。Amazonの検索結果だけでなく、AIショッピングアシスタント「Rufus」経由でも露出を狙えるとしている。今後は外部EC事業者が直接フィードを投入できるポータルの提供なども予定しているという。
「Buy for Me」は、Amazonショッピングアプリで提供するベータ版の機能で、Amazonで販売していない商品を外部ブランドサイトで購入する際、AmazonのAIエージェントが購入手続きを代行するAIエージェント。
ユーザーはAmazonの決済画面で配送先住所や税金、送料、支払い方法などを確認し、その後、Amazonの配送・決済情報を用いて外部ECサイトで購入を完了する。購入後はブランドから注文確認が届き、Amazonアプリ内の「Buy for Me Orders」タブから追跡もできる。
「Shop Direct」と「Buy for Me」は、「Amazon上にない商品を買えるようにする」という点では共通しているが、購入完了までの設計が異なる。
「Shop Direct」はユーザーが外部サイトへ遷移し、外部ECサイト側で購入を完了する。一方、「Buy for Me」はAmazonアプリ内で注文内容を確認し、AmazonのAIエージェントが外部ECサイトでの購入手続きを代行する。言い換えると、「Shop Direct」は送客、「Buy for Me」は代理購入となる。
「Shop Direct」は、自社商品を検索しているAmazonユーザーにリーチするための合理的な方法を出品者に提供する。フィードを使えば、出品者はカタログ、価格、在庫をリアルタイムで簡単に同期し、ユーザーとの関係を維持できる一方、有意義なトラフィックと売り上げを促進できる。顧客はさらに多くの品ぞろえにアクセスできるようになる。(Amazonのコアショッピング担当副社長 アマンダ・ドーア氏)
インターファクトリーは3月11日、クラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」と、決済サービスを展開するJammのオンライン銀行引落システム「Jamm」のシステム連携に合意したと発表した。インターファクトリーによると、ECプラットフォームとして連携合意するのは初めてという。
「Jamm」は銀行口座から直接、即時支払いができる手数料が安価なA2A決済サービス。A2Aとは「Account to Account」の略称で、クレジットカード網などの既存ネットワークを介さず、銀行口座間で直接決済する仕組み。
ユーザーは支払い画面で「Jamm」を選択するだけで、全国308の金融機関に対応した銀行口座から即時に引き落としが完了する。また、決済金額の1%を値引き還元する仕組みを用意している。
加盟店向けには、未回収リスクのない構造により手数料1.8%(2027年以降2.2%)の低料率を実現する。
セキュリティ面では、ID/Password/PINが存在しないPasskey認証を組み込んでおり、不正決済の実行が難しい決済手段という。
連携の背景についてインターファクトリーは、若年層のクレジットカード離れ、3Dセキュア(EMV 3-D Secure)によるカード決済のCVR悪化、不正決済の増加などをあげた。セキュリティと利便性を両立するために、クレジットカード以外の決済手段を戦略的に拡充する必要性が高まっていると説明している。また、都度決済に加えてサブスクリプションなど継続決済のニーズが高まっていることから、自動引き落としに対応できる決済手段への需要も増しているとしている。
今回の連携により、EBISUMARTを利用するEC事業者は「Jamm」を新たな決済手段として導入できるようになる。通常の物販だけでなく、定期購入(サブスクリプション)や見積からの注文にも対応を予定している。
「EBISUMART」の標準構成の加盟店であれば、大きなシステム改修を伴わず、簡単な登録手続きのみで「Jamm」を追加できる。初期投資を抑えながら、オンライン銀行引落を新たな決済手段として導入できる点を訴求する。
インターファクトリーは、今回の連携でEC事業者の収益性向上と売上機会の最大化を支援し、ユーザーにとっても快適な購買体験の実現に寄与するとしている。
また、今回の連携を皮切りに、EC事業者の成長フェーズや商材特性に応じた決済体験の高度化をJammと共同で検討していく予定としている。
AI広告プラットフォームを展開するMolocoは3月11日、ボストン コンサルティング グループ(BCG)との共同調査レポート「AIディスラプションインデックス:AIによって一変する消費者の『発見』」を発表した。
調査では、世界のトップマーケター(シニアマーケティングリーダー)の67%が、AIによりカスタマージャーニーに大きな変革が起こると予想していることがわかった。
「AIディスラプションインデックス:AIによって一変する消費者の『発見』」は、消費者向けの大規模言語モデル(LLM)やAIアシスタントがもたらす影響を分析し、消費者向け事業を展開する17業界を対象に、「AIディスラプション(AIがもたらすリスクに対して自社ビジネスがどの程度脆弱か)」と「顧客関係の強度(十分に顧客関係を築けているか)」の2軸で定性的・定量的に評価した。
調査によると、AIの浸透による企業への影響は4つに分類されるという。
このうち「Breached(破壊)」には、旅行、小売・Eコマース、ニュース・パブリッシングなどがあげられており、AIが発見と比較を加速することで高い変革リスクに直面するとした。MolocoとBCGは、これらの領域では顧客関係の強化と、自社プラットフォーム内へのAI導入が不可欠だとしている。
「Undefended(無防備)」には、モバイルゲーム、マッチング、ソーシャル、生成AIプラットフォームなどを例にあげ、中程度の変革に直面する一方で、パーソナライゼーションとAIパートナーシップを通じて顧客関係をロイヤリティへ転換することが課題だとした。
「Secured(安泰)」では、ファイナンスサービスやフィンテック、メディア&ストリーミングなどを列挙。従来からの信頼性と規制により変革リスクが最も低いとしつつ、効率化やパーソナライズされたエンゲージメント推進におけるAI活用の機会があるとした。
「Contested(激戦)」は、生産性アプリなどを例に、顧客との強い関係を持つ一方でサービス変革リスクにも直面しており、自社サービスへのAI統合の方法を定義できる強い立場にあると整理した。
BCGのパートナーでレポート共著者であるジョルジョ・パイザニス氏は、AIが消費者のブランド接点を根本的に変えているとし、マーケターは「発見」「サービス」「顧客関係」の3つの防御力を構築する必要があるとコメントした。
MolocoのCMOで共著者のポール・ダーシー氏は、消費者行動が「検索」から「回答」へ移行することで、幅広い業界のデジタルブランドとの接点が分断されるリスクがあると指摘。長期的な顧客関係やアプリなどのデジタル接点、ブランドとロイヤリティを強化する戦略に注力する重要性をあげた。
調査に参加したMIXIのみてね事業本部副部長兼プロダクト開発部部長の平田将久氏は、AIの普及でブランドと消費者の接点が分断されるリスクがある一方、文脈に根ざした深く強固な顧客関係の価値が再定義されていると指摘。AIが介在しても揺らがないブランドロイヤリティの構築を最優先し、顧客とのダイレクトな接点を強化する方針を示した。
今回の調査はMolocoが5地域(北米、欧州、アジア太平洋、中南米、中東・アフリカ)のシニアマーケティングリーダー283人への調査と、合計ダウンロード数が2000億回を超える3200以上のアプリのパフォーマンスデータを、Molocoのプラットフォームを通じて集計・分析した。なおデータには、Molocoの広告主から得られた匿名化されたバーティカルベンチマーク(継続率、ユーザー価値、獲得コスト、オーガニックと有料トラフィックソースの指標など)が含まれる。
電通デジタル、CARTA HD、電通、セプテーニの4社は3月5日、電通が発表した「2025年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を広告種別や取引手法別などの切り口で分析し、さらに2026年の予測を加えた「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を公表した。
電通グループの発表によると、2025年の日本の広告費の総広告費は前年比5.1%増の8兆623億円だった。インターネット広告費は前年比10.8%増の4兆459億円となり、総広告費全体の50%を占めた。
2025年のインターネット広告媒体費は前年比11.8%増の3兆3093億円。ビデオ(動画)広告、特にSNS上の縦型動画広告の伸長が市場拡大をけん引した。
インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、構成比で最多の38.7%を占める検索連動型広告は、前年比7.4%増の1兆2814億円。ビデオ(動画)広告は前年比21.8%増の1兆275億円となり、推定開始以降で初めて1兆円を突破。構成比は30%を超えた。
一方、ディスプレイ広告は、過去数年横ばい傾向だった運用型を中心に回復。上昇傾向に転じて同10.4%増の8449億円で構成比は25.5%となった。
インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比12.5%増の2兆9352億円で、構成比は88.7%。
予約型広告は前年比9.1%増の3042億円となり、成果報酬型広告は前年比3.9%減の699億円となった。
広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体に占める構成比で最も高く、38.7%だった。
次いで、運用型のビデオ(動画)広告が、前年に続き運用型のディスプレイ広告を上回り26.3%。
ディスプレイ広告は、予約型が前年比1.2%減と緩やかな減少となった一方、運用型は前年比11.5%増で、全体の成長を押し上げた。
ビデオ(動画)広告は前年比21.8%増の1兆275億円となり、広告種別の中で最も高い成長率だった。
内訳は、動画配信媒体の動画枠内で配信されるインストリーム広告が5246億円で構成比51.1%、Webサイトのバナーやアプリのフィードなどに配信されるアウトストリーム広告が5029億円で構成比48.9%と、ほぼ同水準となった。取引手法別では、運用型広告が84.6%を占めた。
ソーシャル広告は前年比18.7%増の1兆3067億円となり、引き続き2ケタ成長を続けている。インターネット広告媒体費に占める構成比は39.5%で、40%台に迫る水準だった。
種類別では、SNS系が5508億円で構成比42.1%、動画共有系が5126億円で構成比39.2%、その他が2434億円で構成比18.6%。動画共有系の割合が前年からさらに増加した。
物販系ECプラットフォーム広告は前年比12.5%増の2444億円となった。前年は緩やかな成長にとどまったが、2025年は二桁成長となり「再成長の局面」を迎えたという。
物価高騰を背景に、実質負担を抑える節約志向(セール、ポイントバックなど)の生活者へのアプローチが増加した。
4社は、2026年のインターネット広告媒体費が前年比8.3%増の3兆5840億円へ拡大すると予測している。
2026年のビデオ(動画)広告は前年比14.7%増の1兆1783億円になると予測し、2ケタ成長の継続を見込む。また、アウトストリーム広告とインストリーム広告は、ほぼ同等の成長になるとみている。
電通が発表した「2025年 日本の広告費」によると、2025年(1~12月)の総広告費は8兆623億円(前年比5.1%増)となり、2021年から5年連続で成長、4年連続で過去最高を更新した。
媒体別では、インターネット広告費が前年比10.8%増の4兆459億円と1996年の推定開始以来初めて4兆円を超えた。動画やSNS広告が伸長し、総広告費に占める構成比は50.2%と初めて過半数に達した。マスコミ四媒体の広告費は同1.6%減の2兆2980億円と微減。プロモーションメディア広告費は同2.0%増の1兆7184億円だった。
4兆459億円に拡大したインターネット広告費は前年比で3942億円増。動画広告を中心に成長した。SNS上の縦型動画広告をはじめ、コネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ受像機)などの動画広告需要が高まり、市場全体の拡大に寄与。「インターネット広告媒体費」は前年比11.8%増の3兆3093億円となり、2ケタ成長だった。
マスコミ四媒体由来のデジタル広告費における「テレビメディア関連動画広告費」は前年比23.3%増の805億円。「物販系ECプラットフォーム広告費」はECの普及もあり同12.5%増の2444億円だった。「インターネット広告制作費」は、動画広告の制作本数の拡大もあり同4.0%増の4922億円へと増加した。インターネット広告費の内訳などは次の通り。
「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」の全てで減少となった。
OpenAIが、「ChatGPT」上から消費者がECサイトの商品を直接購入できる「Instant Checkout(インスタント・チェックアウト、即時決済)」計画を修正しました。今後は、「ChatGPT」内に構築される「各小売事業者のアプリ」を戦略の中核に据える方針です。
現在、「ChatGPT」におけるショッピング体験は大きな転換点を迎えています。OpenAIは、チャット画面上で支払いを完結できる「Instant Checkout」の優先順位を下げ、代わりに各事業者が提供する「ChatGPTアプリ」を通じた決済体験を重視する方向へと舵を切ったと報じられました。
OpenAIと決済大手のStripe(ストライプ)が共同開発した「エージェント型コマース・プロトコル(ACP)」は、今後も活用される見通しです。しかし、「ChatGPT」の回答画面に表示された商品リストからそのまま購入する仕組みではなく、今後はアプリを通じた取引を支える「インフラ」としての役割を担うことになります。
この流れを受け、大手小売のTargetは2025年11月、「ChatGPT」内で動作するアプリのβ版を公開。ほかにも結婚準備プラットフォームのThe Knot、DoorDash、Instacartといった有力企業も、OpenAIのアプリエコシステムへの参画を表明しています。


OpenAIの広報担当者は『Digital Commerce 360』の取材に対し、「販売事業者やユーザーの現状に即し、より価値ある体験を提供できるよう、コマースへのアプローチを進化させています」と回答しました。
この回答は、“「ChatGPTアプリ」を通じた決済体験への転換”を先行して報じたニュースメディア『The Information』の記事内容を裏付けるものです。OpenAIの広報担当者は、こう説明しています。
私たちは、「ChatGPT」での商品検索や発見の体験を素晴らしいものにすることを最優先しています。そのなかでACPは、購買プロセスのあらゆる場面でユーザーと販売者をつなぐ基盤となります。一方で、決済機能は各事業者の「アプリ」内へと集約し、よりスムーズな購入を可能にしていきます。
今回の戦略変更から、OpenAI側もある現実を認めたと言えます。それは、店舗ごとの在庫状況、売上税の計算、価格設定といった複雑な取引要素は常に最新である必要があり、各事業者が自ら管理するアプリを通じて対応する方が適切であるという点。今回の決定は、これまでの運用で得られた知見に基づく、現実的な改善を反映したものといえるでしょう。
OpenAIの広報担当者は、「共に知見を積み重ねてきたパートナー企業に感謝すると共に、この分野での開発を継続し、さらなる詳細を共有できることを楽しみにしています」と説明しています。
この動きは、ECプラットフォーム大手Shopifyのハーレー・フィンケルスタインCEOの発言とも合致するものです。ShopifyやEtsyは2025年、「ChatGPT」の決済機能をいち早く導入した初期パートナーでした。
フィンケルスタイン氏は2026年3月3日に行われたカンファレンスで、AIショッピングにおいて「Shopify」が重視している点として、取引データの一貫性を保つこと、そのデータを「自社の強み」として守り抜くことが極めて重要であると強調。そして、独自のデータを管理し続けることが、長期的な競争力にいかに不可欠であるかを訴えました。
決済は単なる支払い行為ではありません。そこにはサブスクリプション、在庫管理、配送、税計算、さらには多様な販売オプションといった、取引に付随するあらゆる要素が含まれるのです。
Shopifyには数百万の販売者が集まっており、そこから生まれる膨大な取引データがシステムを賢くし、一度勢いがつけば自然に成長が加速する「フライホイール効果(好循環)」を生み出すのです。
フィンケルスタイン氏は、AIによる商品発見において、OpenAI、Google、Microsoftの3社を主要なパートナーとしてあげました。これらの企業は、AIエージェントを通じて「Shopify」加盟店の商品がユーザーに見つかるよう支援しています。
同時にShopifyはGoogleと、AIエージェントが消費者に代わって購買関連のタスクを実行する「エージェンティック・コマース」を推進する新標準プロトコル「Universal Commerce Protocol(UCP)」を共同開発。フィンケルスタイン氏は「UCP」について、「どんなAIエージェントでも、『Shopify』のすべての販売者とスムーズにやり取りできるようにするための共通ルールです。これにより、AIアプリを通じた買い物が、実際のネットショップと変わらないほど快適なものになります」と説明しています。
千趣会は3月10日、ECサイト「ベルメゾンネット」で、身体を動かしにくい人も自分らしく着こなせる“インクルーシブ”なアパレル商品の販売を開始した。障害や病気のある人向けに服の直しサービスを展開するキヤスクと協業、商品を開発した。
キヤスクは、障害や病気のある人々に対し1800点以上の服の直しを行ってきた企業。千趣会の担当者は「見た目と機能の両立は大きな挑戦だったが、キヤスクとの協業が突破口となった」とコメントしている。
障害や病気がある人の「着やすい」と「着たい」に着目し、千趣会の通販事業「ベルメゾン」で人気のトップスやボトムスをベースに開発した。脇や裾がスナップボタンやファスナーで大きく開閉できる設計によって着脱しやすく、ケアをする人の負担も軽減する。「見た目は普段の服」のため、着る人は自分らしいファッションを楽しめる。
千趣会は定番の商品を活用することで開発コストを抑え、ユーザーの手が届きやすい価格にしている。価格は、長袖ポロシャツが税込2990円(サイズ展開は120~160cm)、ロングパンツ (長ズボン)が同2490円(サイズ展開は120~160cm)など。
まずはキッズウェア7型、レディスパジャマ1型の販売を開始。4月1日からはディスウェアを新たに5型、追加販売する。
従前、障害や病気のある人向けの衣類は機能性が重視され、デザインの選択肢が限られたり、販売ルートが限られたりする課題があった。
商品開発のために行ったアンケートでは、機能性以上に「通常の商品と見た目が変わらないこと」が43.3%で最も高かったという。
そこで、千趣会はキヤスクと協業し、着る人の困りごとを反映しながら、「ベルメゾン」で人気のデザインを生かした。
キングジムの完全子会社で、家具ECのぼん家具は3月10日、法人・個人事業主を対象とした会員制ECサイト「ゲキカグ Business」を開設した。
「ゲキカグ Business」は、オフィス家具、収納家具、キッチン家電などを法人向けの特別価格で販売する会員制サイト。 オフィスの開設・移転、飲食店の多店舗展開など、“複数買い・定期的な家具調達” が発生する法人や個人事業主を主なターゲットとしている。
「ゲキカグ Business」の特長は次の通り。
直販ならではの価格設定で販売する。「ゲキカグ Business」に会員登録した購入者向けには、さらに安く、特別価格で1点から販売。大口注文の際は、ボリュームディスカウントの見積もりにも対応する。
自社工場内で専門スタッフが家具を組み立て、完成した状態で指定の納品場所へ配送する「完成品サービス」を提供する。
全国どこでも全品送料無料とし、送料はぼん家具が負担する。トータルのコストを明確にし、ユーザーが安心して注文できるようにする。
請求書払いに対応する。見積書はサイト上で、ユーザー自身が作成できる仕様。領収書はユーザーがマイページから発行できる。インボイス制度にも対応する。
アンドエスティは、ECサイト「and ST」に出店ブランドの商品を検索キーワードに連動して優先表示する検索連動型商品広告を導入した。リテールメディアソリューションなどを展開するSupershipが提供するサイト内商品広告ソリューション「S4Ads」を採用し、実現した。出店ブランドの販売促進とサイト収益の最大化を図る。
「and ST」は2170万人(2026年2月末時点)を超える会員基盤を持つファッションプラットフォーム。アンドエスティHDグループのブランドに加え、外部企業の出店が拡大している。取り扱いブランド・アイテム数の増加に伴い、ユーザーに最適な商品との出会いを創出しつつ、出店ブランドの販売機会を最大化する仕組みが求められていた。
「S4Ads」は、ECサイトを広告媒体化するサイト内商品広告ソリューション。メーカーやブランドなどの商品サプライヤー向けの広告出稿機能をECサイトに組み込める。検索連動型の広告配信機能や運用のためのダッシュボードをワンパッケージで提供しており、サイト運営者は既存の検索エンジンを切り替えることなく、検索連動型広告を導入・運用できる。出店者は少額から手軽に広告出稿が可能。2025年7月には生成AIを活用した「検索データ自動生成機能」を搭載し、EC事業者が商品マスターに手を加えることなく広告収益を向上させる機能強化を実施している。
「S4Ads」は、入札単価だけでなく、検索キーワードとの関連度や商品実績を掛け合わせた独自のスコアリングで広告表示を最適化する。アンドエスティは、ユーザー体験を損なわずに広告収益を創出できる点を評価し、「ユーザー体験」「サイト収益」「出店ブランドの販売促進」を同時に実現できるソリューションとして採用を決めた。
ZOZOは3月9日、OpenAIの対話型AI「ChatGPT」の新機能「Apps in ChatGPT」に対応し、アプリ連携を開始した。「Apps in ChatGPT」は、「ChatGPT」上の会話中に外部サービスのアプリ機能を呼び出して利用できる連携機能。「ChatGPT」上の会話を通じて、ファッションコーディネートアプリ「WEAR by ZOZO」のコーディネート提案、ファッションEC「ZOZOTOWN」のアイテム情報をシームレスに提供する。
アプリ連携を通じて、「ChatGPT」上での会話内容に応じて、「WEAR」「ZOZOTOWN」のコーディネート画像および関連アイテム情報から、画像とテキストでコーディネートやアイテムを提案する。提案には「WEAR」が保有する1400万件以上のコーディネート投稿データ(2025年12月時点)を活用し、シーンや天候、好みのテイストなど、会話から得た条件に合わせて提示する。
ZOZOは、ファッションの情報探索には「イメージはあるが言語化が難しく、検索しても求める情報にたどり着きにくい」という課題があるとし、会話を通じて曖昧な要望を整理・具体化できる点を今回の連携の狙いにあげている。
利用について「WEAR」「ZOZOTOWN」の会員登録は不要。「ChatGPT」上で「ZOZO」のアプリ連携を行うことで利用できる(「ChatGPT」の利用にはログインが必要)。使い方は、「ChatGPT」のアプリ一覧から「ZOZO」を選択して初回連携し、メッセージ冒頭で「@ZOZO」と呼び出して質問することで提案を受け取ることができる。
ZOZOは今後、「ZOZOTOWN」「WEAR」「似合うラボ」などで得たデータを活用し、ファッションに特化した独自の対話型AIエージェントの開発も進めるとしている。
総合通販のdinosは3月10日、ファッションブランドの1つ「So Close,(ソークロース,)」のカタログ2026夏号を発刊し、サステナブルな素材を使ったアイテムの特集企画を掲載した。自社ECサイト「ディノスオンラインショップ」でも特集企画ページに掲載している各商品を販売している。
「So Close,」のデジタルカタログ2026夏号は「ディノスオンラインショップ」で3月9日から配信している。
「So Close,」2026夏号では、「SUSTAINABLE CASUAL カジュアルを、もっとサステナブルに」のタイトルで合計12ページの特集を企画し、サステナブル素材を使った商品を紹介している。アイテムの合計は16種。リサイクル、アップサイクル、オーガニック、アニマルフリーなど、さまざまなサステナブル素材を使用している。
「So Close,」では、これまでにもサステナブルファッション商品を取り扱ってきたが、多数のアイテムをそろえた“サステナブル特集企画”としての掲載は今回が初の試み。「SDGs」の観点からファッション領域でもサステナブルな取り組みへの関心が高まっており、環境にやさしい素材を用いていることがdinosの顧客の商品選びのポイントの1つになっているという。サステナブルな素材のバリエーションの幅が増えていることを受け、今回の企画を決めた。
dinosは2021年に「サステナビリティビジョン2030」を策定し、3つの重点領域「健やかさ」「多様性」「自然環境」を設けている。今回のサステナブルな素材を使ったアイテムの特集企画は、環境負荷を軽減する素材を使用した商品企画や、脱炭素をめざした「ディノスの森」の植林活動などに続く「サステナビリティビジョン2030」における取り組みの一環。
dinosは「『カジュアルを、もっとサステナブルに』という観点から、選んだ“好き”が環境負荷軽減につながるサステナブルファッションの価値を『So Close,』を通して提案していきたい」としている。
イトーヨーカ堂は3月9日、「イトーヨーカドー」「ヨークフーズ」「ヨークマート」など197店舗と、自社ECサイト「イトーヨーカドーネット通販」にて、「2026年母の日・父の日ギフト」の予約注文を受付開始した。ラインアップは定番のフラワー&スイーツセットに加え、「一緒に食べられる」スイーツの展開数を前年比約1.5倍に拡充している。

イトーヨーカ堂によると、近年、「母の日」「父の日」のギフトはモノを贈るだけでなく、一緒に過ごす時間を大切にする傾向が高まっているという。そこで、一緒に食べられるスイーツのラインアップを拡充した。果物専門店の「銀座千疋屋」や「帝国ホテル」に加え、うなぎ、焼肉、ハンバーグといった、家庭でぜいたくな時間を味わえるメニュー12品を新たに展開している。
また、従前に続き、「Happy早贈りギフト」キャンペーンも行う。4月20日までの注文で、5月5日〜8日の配送となる対象商品は、本体価格から10%割引で販売する。
2026年の新たな取り組みとして、「イトーヨーカドーネット通販」で「ソーシャルギフト」サービスを開始。送り先の住所が不明でも、メールやLINEでURLを発行し、ギフトを贈ることができる。なお、ソーシャルギフトは「Happy早贈りギフト」の10%割引の対象外。
注文受付期間:「母の日」ギフトは3月9日~ 5月5日/「父の日」ギフトは2026年3月9日~ 6月14日
「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。23回目の連載は「SNS活用の本質」をテーマに解説します。
ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。
つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。
「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。
ネッタヌ君、こんにちは!
石田さん、こんにちは。今回もよろしくお願いします!
あれ以降、数値管理表、ちゃんと毎日つけてくれている?
やっていますよ! 実は先日、「アザラシショップ」から問い合わせがあって、「キツネショップ」と一緒にコラボ動画を撮ろうっていうオファーがあったんです。
へえ! コラボ動画か。
それで「アザラシショップ」と一緒に動画を撮ったんですけれど、意外とバズってしまって、思いのほか商品も動いたんですよね。
すごい!
それで、今度は「コアラショップ」とか「カンガルーショップ」の友だちにも、コラボ動画の声をかけてみようかなと思っているんですよ。
ほお……(動物園の動画かな?)
微妙な反応ですね……。
さて、気を取り直して。
ここまでECのマーケティング内製化の本丸であるデータ活用について、何回かに分けて話してきたんだけれど、ネッタヌ君も数値管理表をちゃんとつけてくれているということなので、今回は「もっと深く聞きたい!」テーマについて、話していければいいかなと思っています。
SNSの話が聞きたいです! 「どんな投稿がバズるのか」とか、「どうやったらおすすめの表示に載りやすくなるのか」とか、そういうのはみなさん気になると思うんですよ。
さすがネッ担の読者思いだね。じゃあ今日は、SNS活用のポイントについて考えてみようか。
はい、石田さんお願いします。
まず前提として、このコラムのテーマである「マーケティングの内製化」っていう観点から言うと、SNSのマーケティングの「概念と考え方」を自社のマーケティングチームがきちんと心得て、ある程度の運用を経験した上で、突っ込んだノウハウを求めるならば、専門的な会社と組んだ方がいいと思う。
概念は自社で押さえる。でも究極的には外部と組む。
やっぱり今、トレンドの変化ってめちゃくちゃ激しいでしょ。機能も随時アップデートされていく。その流れに自社のマーケティングチームが1つひとつキャッチアップしていくのは現実的じゃない。
確かに毎月のように何か変わっていますもんね。
マーケティングチームの仕事はSNSだけじゃなくて、マーケティング全体を最適化していくことだからね。もちろん自社でSNSの企画から制作まで全部やってもOKだと思うけれど、いずれにせよSNS活用の概念と考え方っていうのは、まず押さえておいてほしい。
そこがマーケティングチームの内製化の「芯」ですもんね。
まずさ、ネッタヌ君に考えてほしいことがあるんだけれど。SNSのビジネスモデルって何だと思う?
つまり、SNSがどうやって売り上げや収益を上げているかっていう話ですよね。うーん……ちょっと難しいですね。
SNSっていうのは、テキストだったり、画像だったり、動画だったり、そういう大量のデジタルデータを取得しているわけよ。でさ、SNSはその大量のデータを分析している。だから、「データそのもの」を活用することができる。
データそのもの?
そう。たとえば今、何が流行っているか。どういう言葉が使われているか。どういう人が、どういう商品に反応しているか。その商品に対する評価はどうか。みんなが今、何を話題にしているのか。
確かに世の中のトレンドそのものですね。
その1つのモデルがデータに基づいた広告掲載だよね。ECプラットフォームやGoogleと同じく、企業が広告費を払ってSNSに広告出稿する。
それが一番イメージしやすいですね。
ここが重要なんだけれど、「どうやったら投稿が表示されやすくなるか」という話の前に、そもそもSNSの会社は「何で売り上げを上げているのか」「何を価値として提供しているのか」ここを知ることが大事。
石田さんが言いたいこと、わかってきましたよ。
じゃあ、SNSのビジネスモデルを踏まえた上で聞きたいんだけれど、SNSに好まれるアカウントって、どんなアカウントだと思う?
やっぱりまずは、たくさん投稿するアカウントですよね。たくさん投稿すると、SNS側にデータがたくさん溜まっていくので、投稿が多いアカウントかなと思います。
うんうん。
あと、たくさんやり取りを発生させるアカウントもそうかなって。コメントが入って、そこからコメントのやり取りとかが生まれると、情報の精度が上がっていきますよね。あとは、「いいねボタン」みたいに投稿への反応をするアカウントとか。
そうだよね。つまり、根本的にはSNSに好まれるアカウントって、SNSを盛り上げてくれるアカウントなんだよね。
ズバリ! ですね。
投稿がたくさん行われてその投稿に対して反応が生まれて、結果としてより膨大な精度の高いデータが集まってくる。まあ、表現はちょっとアレだけれど、SNSに長く貼り付いている人が、ある意味SNSに好まれるアカウントってことになるわけだ(笑)
そう考えるとわかりやすいです。
じゃあさ、そう考えると、どうやったらSNSに表示されやすくなると思う?
まずはこまめに投稿した方がいいかなって思いますし、投稿に「いいね」やコメントなどの反応がつけば、さらに表示されやすくなっていきますよね。
うん、それはその通り。たださ、SNSそのものを盛り上げるっていう視点で見ると、こういう考え方もできると思わない?
と言いますと?
たとえば、他の人の投稿をリツイートするアカウント。他の人のアカウントの投稿にコメントするアカウント。つまり、自分自身のアカウントだけじゃなくて、他のアカウントの動きを活性化させるアカウント。
ああ、なるほど。
そういうアカウントもSNS側から見ると、「SNSを盛り上げてくれているアカウント」って言えるんじゃないかな。
確かに、自分の投稿だけじゃなくて周りの投稿にも反応するアカウントは、SNS全体の動きを活発にしていますもんね。

今度は逆のことを聞くけれど、どうやったらSNSに「表示されにくくなる」つまり、あまり好かれなくなると思う?
それはもう単純で、アカウントだけ作って投稿もせず見る専門の人じゃないですか。
うん、だよね(笑)。僕もその通りだと思う。実際、ここまでの話を聞いてどう感じた?
SNSに好まれやすいアカウントを作ると、SNSのなかで「強いアカウント」になっていくってことですよね。
そうそう。
そうすると、投稿が表示されやすくなったり、日々の投稿がより多くの人に届きやすくなったりする。結果として、バズる可能性も高くなるってことですよね。
その理解で合っているよ。「バズる」こと自体を意図的に作り出すのは、正直かなり難しい。
ですよね。狙ってできるものじゃない気がします。
でもね、SNSのビジネスモデルから逆算すると、「どうやったら強いアカウントを作っていけるか」っていうのは考えられるし、そこは自分たちでコントロールできる。
バズそのものじゃなくて、強いアカウントを作ることは日々の積み重ねでできる、ってことですね。
こんな風に説明できると、SNS活用の「概念」や「考え方」っていうのがマーケティングチームにも浸透していくと思うんだよね。
確かに、やることが整理されますね。
実際の現場を見ていると、SNSを「メルマガの代わり」みたいに使っている会社さんって、まだまだ多いんだよ。
投稿するだけ、みたいな感じですか?
そう。でもSNSの一番の特長って双方向性なんだよね。自分たちが発信することも大事だけれど、それに対して受け手に反応してもらうこと、そして自分たちが他のアカウントに反応することも、すごく重要。
なるほど。
その「反応」を、自分たちとフォロワーだけじゃなくて、第三者のフォロワーが見るからこそ、情報が拡散していく。
そこが広がりのポイントなんですね。

ちなみに、今のXで一番「表示されやすい投稿」って何だと思う?
もしかして……炎上ですか?
そう。喧嘩している投稿らしいんだよ。つまり炎上だよね。
確かに、めちゃくちゃ目に入ってきます。
炎上ってさ、RTされてコメントのやり取りも多くて、さっき話した「SNSに好まれやすい条件」を悪い意味で全部満たしている。
言われてみると、確かにそうですね。
でもさ、本質的には炎上して一時的に有名になっても、結局は消費されていくだけだよね。
長くは続かない感じがします。
だから、ネッ担の読者のみなさんには、このSNS活用の概念や考え方を知った上で、お客さまやお客さま候補の人たちに好まれる投稿、好まれるアカウントをめざしてほしい。
バズよりも、信頼されるアカウントですね。
今回はSNS活用の話だったけど、自分たちでコントロールできる部分とか、ビジネスモデルから逆算する考え方って、他のマーケティングにも使える話でしょ。
ここでも、「逆算のマーケティング」ですね!
ECマーケティング人財育成は「マーケティングチームの内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。
イルグルムのグループ企業で、ECサイト構築・運用からフルフィルメントまでを一貫して手がけるルビー・グループ。2025年8月に執行役員CMOに就任した恩蔵優氏は、ルビー・グループのV字回復を牽引すると同時に、EC業界全体の構造変革に挑んでいる。ECビジネスの責任者、起業による成功、海外ビジネス、そして上場企業グループでの組織再建。さまざまなバックボーンを持つ恩蔵氏が、ルビー・グループで掲げる「BPOからBPRへ」という新戦略、業界の垣根を超えた「共創」のビジョンについて語った。
恩蔵氏のキャリアは、決して平坦なエリートコースではない。かつて「楽天市場」で急成長を遂げたファッションEC企業「リアルコマース」では専務として現場指揮を執り、組織のスリム化や「宝探し的」な売り場作りでV字回復を実現させた実績を持つ。
その後、LINE社でいくつものEC関連の新規事業の立ち上げに従事し、退職後は自動車関連のIT企業に役員として参画。退任後、貿易会社「Maddler(マドラー)」を起業し、コロナ禍で渡航が制限されるなか、単身で世界中へ買い付けに行き、日本にない海外のヒット商品を紹介する越境EC(BtoC)、及び日本の商品を世界に売るB2Bプラットフォームを構築した。
転機となったのはイルグルムへの参画だ。ロシア・ウクライナ情勢やコロナ禍の影響で、MaddlerはVCからの追加投資が困難に。Maddlerの再構築を進めるなかで、LinkedInを通じてイルグルムの創業者・岩田進社長と出会い、そして入社を決意する。
入社後、最初に着手したのは国内No.1シェアを持つオープンソースCMS「EC-CUBE」の立て直しだった。「EC-CUBE」の開発などを手がけるイーシーキューブ社は当時、組織が疲弊し、セキュリティ問題などで市場の評判も揺らいでいた。
恩蔵氏は2023年4月に現場に入ると、「お前ならどう考える?」と社員の思考を促す組織改革を断行。トップダウン方式からボトムアップへシフトし、未来のために個の知見を活かした組織全体で考えさせる体制に変革した。さらに、制作会社であるボクブロックとの合併を推進し、大規模案件にも対応できる「新生イーシーキューブ」が誕生した(2024年1月)。

EC-CUBEの再建が軌道に乗った後、恩蔵氏に託されたのが、2024年10月にイルグルムの完全子会社となった「ルビー・グループ」の再建だった。当時のルビー・グループは赤字が続いていた。恩蔵氏はマーケティングと営業を統括する立場で転籍、先に参画していた赤澤 洋樹COO(兼イルグルムCFO)と共に経営改革に着手した。
見事、M&Aから1年かけて黒字化とV字回復を達成。現在はこの先の成長を見据え、新たな戦略を掲げた。それは「BPOからBPR(Business Process Reengineering)」への転換だ。
従来のルビー・グループは、ラグジュアリーブランド向けのEC運営代行(BPO)とレベニューシェアモデルを強みとしてきた。しかし、このモデルはブランド側が内製化に舵を切れば契約が終了するリスクがある。
そこで、単なる「代行」だけではなく、顧客の業務プロセスそのものを根本から変革し、仕組み化する「業務改革パートナー(BPR)」へと提供価値を進化させることを宣言した。
この戦略を支える具体的施策として、次の取り組みを進めている。
新サービス「EC-FIND」のリリース
2025年11月にリリースされたこのツールは、生成AIを活用したSEO対策と長年高い実績を誇る広告運用を統合したもので、月額30万円から導入可能。これをフックに、グループ会社とのシナジーを活かしたSNSマーケティングなど、高付加価値な提案を行っている。
「知の集約プロジェクト」
今期最も力を注いでいる施策らしく、EC-CUBEでも成功した、社内に散在していたノウハウや個人の知見を一箇所に集め、プロダクト化するプロジェクトを開始。属人化を防ぎ、組織全体の提案力を底上げすることで、来期には複数の新サービスが生まれる予定だ。
これらの改革により、イルグルムグループのコマース事業売上は垂直統合の効果もあり、2021年の3億円から2025年には20億円へと成長を遂げている。
EC業界に20年以上身を置く恩蔵氏は、業界の未来について「競争から共創へ」というキーワードを強調する。
かつては敵対関係にあった競合の国内カートベンダーの役員とも積極的に交流し、福岡への合同視察や忘年会への参加など、企業間の垣根を超えた関係構築を進めている。
「日本国内だけで戦っていては世界に負けてしまう」(恩蔵氏)という危機感のもと、ベンダー各社が得意分野で補完し合い、手を取り合ってEC市場を育てるエコシステムの構築をめざしているという。
また、大量生産・大量廃棄を前提としたビジネスモデルには疑問を呈し、「本当に必要なものを、必要な人に届けたい」(恩蔵氏)というサステナブルな商取引への回帰を志向している。
「組織は1+1を3にできる場所」――。こう語る恩蔵氏は、ルビー・グループという組織を通じて、日本のEC業界を次なるステージへと押し上げようとしている。
一般社団法人日本越境EC協会(JACCA)は3月、新たな理事体制を発足し、活動方針と運営体制を刷新した。従来のセミナー中心の活動から、企業・支援事業者・行政・金融機関などをつなぐ「参加型プラットフォーム」へと転換し、日本企業の越境EC展開を支援するエコシステム構築を本格化する。
JACCAは、日本における越境EC事業の健全な発展への寄与を目的に、情報共有、人材育成、ネットワーク構築を通じて企業のグローバル展開を支援してきた。
代表理事には、ECMSジャパン代表取締役の小松英樹氏が就任。副代表理事にはジグザグの広報・PR管掌の木村寿人氏、ルビー・グループのグローバルECアライアンス&プロジェクトマネージャーの松山和磨氏が就いた。専務理事はNDCアジア代表取締役の出口允博氏とフォースター代表取締役の川連一豊氏、理事にはジービーシー代表取締役の服部愛子氏が名を連ねる。
JACCAは、世界のBtoC-EC市場が拡大するなか、越境ECは日本企業にとって持続的成長を支える重要戦略と指摘。一方で、「情報の分散」「実務ノウハウの不足」「企業間連携の不足」「業界標準化の遅れ」といった構造的課題が残り、活用は限定的にとどまっているとする。こうした課題を解消し、越境EC展開を「点」から「面」へ広げるため、体制を刷新した。
重点方針は、「参加型プラットフォーム」への転換。誰でも参加できるオープンな協会運営を掲げ、月次ウェビナーを定期的に実施。オンラインとオフラインのイベントを併用し、全国の企業が参加しやすい環境を整備する。
あわせて、最新の市場動向や成功事例、各国の規制・制度に関する専門情報を集約する「Knowledge Platform」を構築。セミナーアーカイブも整備し、知識基盤の蓄積を進める。さらに、越境EC事業者と支援企業のマッチングを促進し、ビジネス機会の創出や業界全体の競争力向上につなげる「越境ECエコシステム」の構築を推進する。
目標として、会員数1000人、パートナー企業50社を掲げる。月次ウェビナーやEC Expo、交流イベントなどを通じて影響力を拡大し、産業基盤の強化を図る方針だ。
日本企業が世界市場で成長するには企業単独ではなく、知識・人材・サービスが連携するエコシステムが不可欠。より開かれた参加型プラットフォームとして、日本企業の越境EC展開を実務レベルで支援する。(JACCA 代表理事 小松英樹氏)
越境ECが成長機会である一方、情報やノウハウの分散、企業間連携不足といった課題がある。ウェビナーやKnowledge Platformで最新動向・成功事例を集約し、「標準ルート」を提示することで挑戦を点から面へ広げる。(JACCA 副代表理事 木村寿人氏)
越境ECに取り組む企業が増える中で、実務の進め方や判断に迷うケースが少なくない。実践的な経験をもとに一歩を踏み出しやすい情報や進め方を共有していく。(JACCA 副代表理事 松山和磨氏)
わかさ生活は3月31日(火)15時00分までの期間限定で、シリーズ累計3400万ダウンロードを突破したスマートフォンゲーム「青鬼オンライン」とのコラボレーション企画を実施している。

期間中、わかさ生活のキャラクター「ブルブルくん」が、特別キャラクターとしてゲーム内(限定マップ)に登場する。コラボレーション限定デザインとして、「ブルブルくん」と「青鬼」が融合したユニークなビジュアルを採用している。
コラボ期間中は、ゲームとECサイトが連動したキャンペーンを実施。ゲーム体験とショッピングを組み合わせた、新しいコラボレーション企画となっている。
コラボレーションを記念して、東京・渋谷にある「CHOOSEBASE SHIBUYA」にてイベントを行う。
コラボレーション期間中、わかさ生活公式通販サイト「わかさ生活SHOPPING」にて、「青鬼オンライン」とのコラボレーション商品を販売する。商品名は「ブルーベリーアイ 青鬼セット」「サンシャインメガネ 青鬼セット」「メノコトフル装備 青鬼セット」などで、価格は2200円~1万円(税込)。
購入者特典として、「青鬼オンライン限定スキン」「コラボレーション限定オリジナルステッカー」を進呈する(ステッカーは通信販売限定特典として、商品発送時に同封)。
「青鬼オンライン」は、ホラーゲームシリーズ「青鬼」をもとにしたスマートフォン向けオンラインゲームで、シリーズ累計3400万ダウンロードを突破するタイトル。青鬼シリーズでは、「青鬼=ブルーベリー色の巨人」という表現が登場するなど、ブルーベリーを連想させるユニークな設定が話題となっていた。
一方、わかさ生活はブルーベリーを使用した健康食品「ブルーベリーアイ」を中心に事業を展開しており、公式キャラクター「ブルブルくん」もブルーベリーをモチーフとしたキャラクター。この“ブルーベリー”という共通点をきっかけに、今回のコラボレーションが実現した。