フォードのソーシャルメディアマーケティング初年度の軌跡。 | SEO Japan

SEO Japan - 2010年5月26日(水) 16:02
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完全な状態のオリジナル記事は 「フォードのソーシャルメディアマーケティング初年度の軌跡。」 からご覧ください。
フォード・モータースのソーシャルメディア責任者であるスコット・モンティ氏がフォードがソーシャルメディアマーケティングを行うようになってからの最初の1年間を振り返る記事。フォードがソーシャルメディアを活用していることは日本でも知っている方も多いと思いますが、担当者自ら詳細に語るこの回顧録、改めて参考になる点も多いのではと思います。ちなみに2009年7月に書かれた記事になります。2年目の記事も近日中に配信予定です。 — SEO Japan



本日で、フォード・モーター・カンパニーに加わり、ソーシャルメディアの取り組みのかじ取りを行うようになってから丁度1年が経過したことになる。たった1年の間にいろいろなことが起きた。
昨年、米国だけでなく、世界の自動車産業が史上稀にみる大不況に見舞われた。昨年の12月だけをとっても、破産の申請がされ、ここ10年間で最大の四半期および年間の赤字を計上し、そして、我が国有数のブランドの複数が政府から緊急支援を受けることになった。
私が家族をミシガン州に呼ぶことに決めた直後、上述の事態が発生したのだ。なかなか出来ない経験である。
私はこのサイトで時折フォードでの経験について紹介してきた。このブログで取り上げる話題の範囲を読者の方々のために、出来るだけ広げたかったからだ。しかし、かなり多くの読者の方々から、フォードの活動に関する詳細を知りたいと言うリクエストが届くようになったため、1周年を記念して、この1年間に起きたことを振り返ろうと思う。
これはシリーズ記事の1本目であり – 長い記事になることが予想される。わがままを許してほしい。

序章


私は一年ちょっと前にフォードに入社する意図を発表した。このエントリを読み直していて、当時自分が未来の展開よりも、背を向けることについてばかり考えていたことに気付いた。今にして思えば、自分を待ち受けている未来に対する印象については微塵も感じられない。フォードで仕事をする機会に、当時、私はとても興奮していた – 何しろフォーチュン 10の企業であり、アメリカ、そして、世界を代表する企業のソーシャルメディア戦略を任されたのだ。ソーシャルメディアの戦略家なら、誰だってワクワクするはずだ。しかし、実はデトロイトに引っ越すと言う考えは、私にはピンとこなかった(私は東海岸のエリート主義者だったからだ)。実際に納得することが出来なかった。
リサーチをして、フォードの目標を理解して初めて、真剣に考えるようになった。最終的にフォードは、2008年4月に黒字に転換することに成功した – フォードを黒字にすることを目指したCEOのアラン・ムラリー氏の計画よりも、1年早く目標を実現したことになる。また、製品のラインアップを確認したところ、私が想像していたフォードとは違った。デザインはオシャレで、海外のブランドを凌ぐインテリアを装備し、ハイブリッドのテクノロジーを採用し、ほぼ全ての車種で低燃費を実現するエンジンの開発が行われていた – そしてデジタルコミュニケーションにおいて業界をリードしようと言う決意も感じられた – これが私が新たに発見したフォードだ。そして、同社を訪問した際、出会ったすべての人々 – 例外なくすべての人々は – 知的であり、フォードを献身的に支え、情熱を持って仕事に取り組んでいた。
つまり、私は勘違いをしていたため、迷っていたのだ – デトロイトとフォードにとっては日常茶飯事のことである。時は流れ… – デトロイトで生活を始めてから1年が経過した – 今なら思い描いていた印象が完全に誤っていたと言いきれる。

初期の進展
リーダーが新たな役割を引き継ぐ際、通常、その人物は最初の30日、60日、もしくは90日でどれだけ稼げるかによって判断される。 – 4年間でデジタルコミュニケーション分野で頂点に立つと言うフォードの崇高な目標を達成するためには、チームワークが欠かせないことは明白であった。そのため、私は出来るだけ多くのスタッフと会い、進行中の工程を理解し、ソーシャルメディアの戦略に取り掛かった。
因みに、私はソーシャルメディアに関する任務(私の肩書はデジタル & マルチメディア・コミュニケーション・マネージャーである)の他に、TVとラジオの放送を担当するチーム、そして、フォードのメディアサイト等を管理するデジタル配信チームをまとめる役割も担っていた点を申し上げておこう。これらのチームはフォードへの注目を維持する取り組みを見事にこなしてくれた。[昨年の8月、優秀なソーシャルメディアの担当者を失い、まだ代わりのスタッフが入社していない - しかし、もうすぐこの状況は好転するはずだ。]
初期に私たちが自由に使うことが出来たアセットは以下の通りだ:

フォードのソーシャルメディア・プレスリリース(SMPR) – フォードのソーシャルメディア・エージェンシー – ソーシャルメディア・グループと言った方がよいだろう – は、フォードおよび製品の課題に関する15種類のSMPRを作成し、定期的に更新した。ワードプレスでサイトを構築し、RSSフィードを利用した。また、フリッカーの写真およびユーチューブの動画を掲載した。
フリッカーのチャンネルは – クリエイティブコモンズ・ノン-コマーシャル・アトリビューション 2.0 ジェネリックライセンスの下で利用した。つまり、私たちの写真は情報源を明示し、その写真から収益を得ていないなら、自由に利用することが出来る。
ユーチューブのチャンネル – 大半は資料映像用であるものの、他の場所では手に入れることが出来ないクリエイティブなコンテンツばかりである。

初期の結果は目覚ましかった: SMPRのマテリアルは5,000本以上のエントリおよび記事に利用され、フリッカーの写真は12万回以上閲覧され、ユーチューブのチャンネルは500名以上に購読してもらい、140の動画が120万回以上視聴されたのだ。

アクティビティ/戦略策定の拡大


戦略を微調整しながら(私の未来の展望に関する嗅覚は鋭い)、私たちは存在感を増す試みを行った: 多数のツイッターのフィードを作成したのだ(@Ford、@FordDriveGreen、@FordMustang、@FordCustService等)。そして、フェイスブックを積極的に活用し、ブログでの交流も始めた。このようなアクティビティは意図的に行われた。私は業界の部外者として、フォードには一般市民に対する顔がなかった点を理解していた。ブルーオーバルの裏側から顔を表に出させることで、フォードに人間味を与える取り組みを始めた。私はさらに個人的なブランドまで活用した – 便利だからではなく、フォードの方向性と一致していると確信していたからだ。また、それは私がフォードに加わるまで構築してきたネットワークであった。そのため、延長するのはごく自然な流れに思えたのだ。
ツイッターはフォードにとってはとても有効なツールであった。事実、多数の役目を担っていた: フォードが耳を傾けている点を示す; 顧客と1対1のコミュニケーションを取ることが出来る – 公な場で交流を実施することが出来る(オーディエンスにリアルタイムで知ってもらえる); フォードがソーシャルメディアの良さを理解していることを示す。
この戦略を策定した際、私たちは全世界のフォードのスタッフ(マネージャーからシニアエグゼグティブに至るまで)に声をかけた。最終的に、以下の点を実現することが出来るほど柔軟な戦略が必要だと言う点に気付いた:

顧客、従業員、退職者、ディーラー、ファン、株主に話しかける;
ソーシャルメディアの利用を希望するフォードのあらゆる部門に適用する(人事、通信、IT、マーケティング、製品開発、カスタマーサービス等);
ソーシャルメディアの導入の地域の違いおよびテクノロジーの浸透状態によって変更を加える。

そして、最終的に、フォードのソーシャルメディア戦略はこのようになった:
フォードの従業員と株主をつなぎ合わせることで会社に人間味を与え、必要に応じてお互いにつながりを持ち、その過程で価値を提供することを可能にした。
ちょうど同じ頃、フォードはワシントンにて – 財政支援を求めるのではく(フォードは2年前に自らの資産を担保にして巧みにローンを組んでいた)、自動車産業を支援するために公聴会に臨んでいた。それにも関らず、私たちはすぐに同じ町の競合者と同一視にされてしまった。私はフォードを守るためにブログ、フォーラム、そして、ツイッターで、最終的に理念を分かってもらえるようなエントリを作成することが出来るまで、日夜問わず戦った。そんな中、私たちは手当たりしだいの一度きりのアプローチでは、持続することが出来ない点を身をもって学んだ。より効果的な解決策が求められたのだ。

ザ・フォード・ストーリー
そこで、サンクスギビングの週末をまたいだ5日間、私たちは一連のアクティビティと部門を超えた調整を大胆に行い、ザ・フォード・ストーリーを作成した。

これはフォードにとっては大きな勝利であったと言えるだろう。なぜなら、フォードを前に推し進めるワン・フォード・ミッションを実践し、そのデザインと優れたコンテンツが大きく取り上げられ、注目を集めたからだ。私たちは、自分たちが戦略を忠実に実践している点を裏付けたかったため、すべてのページに人物を配置した – [...]
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