一般社団法人軽貨物ロジスティクス協会が実施した「宅配サービスの利用に関する実態調査」によると、再配達が有料になる場合の負担額の許容範囲は「100円まで」が6割となった。
調査は直近1年以内にECやTV・カタログ・雑誌・新聞通販による「宅配サービス」を利用した全国の20~69歳の男女1000人を対象にインターネット調査を実施。調査期間は2024年10月7日から10月8日。
直近半年での再配達や再々配達の経験
再配達は全体で「毎回」「ほぼ毎回」が合わせて10.5%となった。年代別に見ると、男性20歳代が「毎回」「ほぼ毎回」と回答した割合が33.3%と他の年代と比べ最も高かった。一方で、50~60歳代は男女ともに再配達経験が低い傾向にある。
男性20代の再配達経験が飛びぬけて高い結果となった
再々配達は、経験が「ない」の回答が8割以上だった一方、20歳代男性では「ない」が6割と低い。「毎回」「ほぼ毎回」が合わせて23.5%となるなど、20歳代男性は再配達・再々配達ともに高い傾向となった。
「再々配達」の経験率も男性20代が抜きんでてトップに
再配達が有料化した場合の1回あたりの利用負担額の許容範囲
「100円まで」が最も多く61.3%で、次いで「200円まで」(17.9%)となった。年代・性別では、男女とも50・60歳代は「100円まで」の回答が多かった。再配達が多い傾向のある男性20歳代は3割が「200円まで」と回答した。
再配達が多い傾向にある男性20代は「200円まで」の回答が多く
受け取りをサポートする各種宅配サービスの利用率
「時間指定サービス」が24.5%と最も高く、「置き配」(10.6%)、「配送状況追跡アプリ」(10.5%)、「再配達」(5.2%)と続いた。
「置き配」の活用率は10%にとどまった
再配達が配達員にコスト負担がかかっていることへの意識
全体の78.4%が再配達にコストが発生している意識があることがわかった。年代別で見ると、男女とも20歳代は「はい」の回答数が低い。また、「時間指定サービス」「置き配」などのサービスを利用しているユーザーほど配達員のコスト負担を意識していると回答する割合が高かった。
再配達の多い傾向にある若い年代ほど配達員のコスト負担への意識が低い傾向に
さらに調査では「再配達を複数回行った場合でも、配達員に入る収入が変わらないことを知っているか」についても聞いた。「はい」の回答は58.1%となり、配達員のコスト負担に関する設問と比べて20ポイント低かった。
コスト意識に比べ再配達による配達員の収入変化がないことの意識は低い結果に
宅配サービス利用時の意識
「いつも確実に受け取るよう意識し、受け取ることができている」との回答は35.3%にとどまった。「確実に受け取るため各種サービスを活用し、受け取ることができている」は31.8%、「確実に受け取っている」との回答は合わせて67.1%だった。傾向として、物流問題や再配達問題を理解していると回答したユーザーほど、確実に受け取っていることがわかった。
「確実に受け取れている」は全体の7割弱に
「物流の2024年問題」の認知
「聞いたことがあり、内容についてもよく理解している」は21.7%だった。「聞いたことがあり、内容についてもある程度理解している」は35.6%。「物流の2024年問題」を理解しているユーザーは全体の6割に満たない。年代別で見ると、男性の50・60歳代で「理解している」と回答した割合が高かった。
「物流の2024年問題」への理解は全体の6割以下にとどまっている
配送を行っている物流業界が直面している課題について、「聞いたことがあり、内容についてもよく理解している」という回答がもっとも多いのは「再配達問題」(31.3%)。次いで「人手不足(高齢化による引退など)」(30.1%)、「労働環境の悪化(長時間労働や休日休暇の不足など)」(27.5%)、「低収益(送料無料や運賃の低迷、燃料費や維持費の高騰など)」(24.4%)だった。
物流業界の各課題について「よく理解している」はそれぞれ3割程度に
軽貨物ロジスティクス協会では今回の調査をふまえ、「軽貨物業界が抱えるさまざまな課題への理解はある程度浸透しつつある一方、十分に認知や理解が進み解決に向かっているとは言い難い状況であることが明らかとなった」とまとめた。「『再配達問題』については知らない層の再配達の利用割合が高く、主に若年層に多く見られることから、業界として若年層を中心に再配達問題への理解を深めていく取り組みが必要であると考えられる」とした。
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オリジナル記事:再配達が有料になったら? 負担許容額は「100円まで」が6割。再配達・再々配達依頼が多いのは20歳代
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