経済産業省が9月25日に発表した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2023年のCtoC-EC市場規模は推計で前年比5.0%増の2兆4817億円となった。
CtoC-EC推定市場規模(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)
コロナ禍の影響で2020年~2021年はCtoC-ECの利用者が拡大して市場規模も増加。2022年は消費者の実店舗回帰もあり需要が一服し、2023年も同様の状況が続いたため比較的緩やかな伸びとなった。報告書ではメルカリの情報を基に商品カテゴリーの売れ筋についても言及。コロナ禍では消費者の在宅時間が増え、インドアで楽しむエンタメ・ホビー用品が増加。2023年は消費者の外出機会が増加したものの、前年と比べて売れ筋の傾向自体に大きな変化はなかったとしている。
CtoC-ECのカテゴリー別構成比は大きく変化しなかった(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)
CtoC市場の興隆がBtoCのリユース市場に与える影響についても言及。CtoC市場はスマホをベースとするECが主体で手軽に売買が行える利便性に対し、商品査定の厳格さを重要と考える利用者はBtoCのリユース市場を重要視することが考えられるといったニーズの違いを指摘。リユース市場におけるCtoC市場とBtoC市場は「対象となる利用者層や売買を行う商品により、異なるニーズを満たし共存していくことが想定される」(報告書)とまとめた。
一次流通と二次流通の関係性についても説明。二次流通を入口とするブランドの認知拡大や、若年層を中心にリセールバリューを意識した新品購入という購買行動に広がりがあるとし、二次流通が「新品への需要を創出していると見ることもできる」(報告書)とした。
また二次流通事業者と一次流通事業者が相互に保有するデータを連携する動きもあると指摘。二次流通事業者が保有する利用者の行動データを一次流通事業者と連携し、一次流通事業者側で中古市場で売ることを前提とした消費者の購買行動に対応した値付けや販売戦略立案に生かすといった事例もあるという。また、二次流通事業者側が、一次流通事業者が保有する商品カタログデータ等を入手することで、利用者が出品する際の商品情報入力を省き、出品を促進する動きを推進しているケースもある。
そのほか大手百貨店が二次流通事業者と組んで不用品の買い取りや引き取りサービスを手掛ける例もあるとし、「両者が相互補完の関係を築き、双方の市場規模が拡大していくことが期待されている」(報告書)とまとめている。
偽ブランド品など不正出品の対策についても触れた。プラットフォーマーは安心・安全な取引環境を整備するための取組を継続的に進めているとし、目視や自動化の仕組みによる監視と外部機関との連携による対策を行っている。 CtoC-ECの大手プラットフォーム事業者が加盟する「インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会(CIPP)」では、プラットフォーム事業者間の情報交換や権利侵害商品の抑止対策の検討、ガイドラインの策定などに取り組んでいる。そのほか、プラットフォーム事業者自身の強化策として出品基準やルールの厳格化を進めている。
CtoCのプラットフォーマーが進める不正対策の取り組みについても言及(画像は経産省の報告書から編集部がキャプチャ)
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オリジナル記事:【2023年のCtoC-EC市場まとめ】市場規模は5%増の約2.5兆円
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