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再現性が高く「投資効果」が読みやすいネット広告戦略のポイントは? 広告代理店に依頼する時の注意点も解説 | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」 からご覧ください。
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載9回目】
「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝える9回目の連載では、「広告戦略」について解説します。
SNSでつながっている「界隈」の人たちに、いかに情報を届けるかが重要
ネッタヌ
石田
まさかアーティストのファンの皆さんから一気に注文がくるなんて思わないよね。
ただ、ファン同士は主にSNSを通じて広くつながっているんだ。自分のプライベートでのSNS利用を振り返ってみてもらうと、まさにそんな使い方をしていると思う。
ネッタヌ
石田
もちろん。仕事用のX(旧Twitter)アカウントだけじゃなくて、スポーツジム仲間と交流するためのアカウント、趣味の情報だけを取得するアカウントと複数を使い分けているよ。
この「目的や使用用途によってSNSアカウントを分ける」というのはすでに一般化しているよね。
ネッタヌ
ECのマーケティングを展開する上で、SNSの活用は避けられない時代ですね。いかにSNSでつながっている人たちの「界隈」に情報を届けるか、そこが重要ですね。
石田
前回のキャラクターグッズについては、「知らない間にアーティストのファンの『界隈』に情報が届いていた」と言えるよね。マーケティングとしては、まずこの事実を「察知」することが重要。
ネッタヌ
石田
うん、そうだね。
前回まで「情報管理」の話をしてきたけれど、今回からは「広告戦略」の話をしたいと思う。ECの新規集客というと、ネット広告の活用を思い浮かべる人が多いんじゃないかな。
ネッタヌ
SNSは不確実だけれど、ネットの広告戦略は「投資効果」が見えやすい
石田
先ほども話した通り、SNSといかに付き合うかは現在のECの重要なポイントになっている。ただ、EC事業を計画的に成長させるためには、ネット広告の活用が不可欠なんだ。どのネットショップも最終的には必ずネット広告のお世話になることになる。
ネッタヌ
前回のキャラクターグッズみたいにSNSの波に上手く乗れると良いんですけどね。
石田
そう。今ネッタヌ君が言った言葉がSNS戦略の難しさを表している。SNSって「不確実」なものなんだ。
情報があって、情報を受け取る人がいて、その情報を受け取った人がまた他の人に情報を伝える。この流れができないとSNSで情報は拡散していかない。自社でできるのは情報を出すという「仕掛け」であって、拡散はある意味「他人任せ」になるわけだ。
ネッタヌ
拡散してもらうためにインフルエンサーやアンバサダー的な人に何かしらの特典を与えるのはどうなのですか?
石田
もちろん流行りの手法ではあるけれど、それってある意味「広告」だよね。なにかしらの特典を出しているわけだから。ここは切り分けが難しいところだけれど、「ブランドを応援してくれるアンバサダー」の組織化はSNS戦略だろうなというイメージはあるね。
ネッタヌ
うんうん。ただ、アンバサダーさんがどれくらい活動してくれるかは縛れないですからねぇ。
石田
そうなんだよ。それに対して、ネット広告は自社が予算を出せば確実に掲載される。広告のクリックがゼロということはほとんどないし、広告掲載後のデータが閲覧できるので運用・改善を繰り返すことができる。
ある程度、広告コストに対する売り上げや新規顧客の獲得単価などの投資効率が見えてくれば、EC事業の計画にも落とし込みやすいんだ。「今期はこのくらいの広告予算を使えば、これくらいの新規顧客獲得が見込める」っていうね。
これは企業規模が大きくなればなるほど重要なことだよね。
ネッタヌ
たしかに、広告予算は直接「売上コスト利益」に関係するからわかりやすいですよね。それに比べるとSNS戦略はいまいち運用に対する「投資効果」が見えにくいのかもしれない。
石田
ネットの広告戦略は「投資効果」が読みやすい。この言葉を覚えておいてもらえると良いね。
SNS戦略と比べて、ネット広告は「投資効果」が読みやすい
「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を運用する方法とは?
石田
ただ、多くのEC事業者さんが広告費を無駄に使っているように感じる。広告を活用することはもちろん必要なんだけれど、闇雲に広告を使ってしまっているところがある。
だから、この人財育成講座では「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を活用する、集客の「最適化」について考えていきたい。
ネッタヌ
石田さん、ちょっと質問なんですが。「闇雲に広告を使ってしまう」理由って何があるのでしょうか。
石田
広告という手段が、ある意味目的化している部分があるように思う。新規集客の手段として「ネット広告」一辺倒のEC事業者さんもいるんじゃないかな。実際は、SNS戦略やコンテンツマーケティング、プレスリリースだってあるにもかかわらずだ。
また、ネット広告は本来「自社の改善施策」によってその効率と効果が上がっていくものなんだ。けれども、どこか広告代理店さんを「集客のプロ」と見ていて、新規集客をまるっとお任せしてしまっている部分もある。
このあたりはEC事業者のマーケティング知識が熟成していないことが原因かもしれない。
ネッタヌ
たしかに、広告代理店さんからの「提案を待つ」みたいなことって常態化していますよね。
石田
本来は自社のデータと情報を整理して伝え、広告代理店さんと揉んだ上で「動いてもらう」ものなんだ。
たとえば、去年の今頃どの商品が売れていたのか、その注文データの実績を知っているのはECチームの方でしょう。また、これからECサイトでどのような販売スケジュールを組んでいるか、それも一番よく知っているのはECチームの方。このあたりを共有せずに広告代理店さんの提案を待っても、なかなか良い提案を受けることは難しいよね。
ネッタヌ
あ、今の石田さんの話から「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を活用する方法が見つかった。これはあくまで広告代理店さんに広告運用をお願いしている場合だけど、「“自社主導”で広告代理店さんに動いてもらう」ってことなんだ。
石田
その通り。広告代理店さんも、広告を無駄打ちして成果がいまいち出ない(つまり、費用対効果が良くない)より、広告を最適化して契約を継続、さらに広告予算を増やしてもらった方がうれしいと思うよ。そのためにも依頼するECチームの方がしっかりしないとね。
ネッタヌ
石田
ある。
実際に僕がコンサルティングに入ったEC事業者さんでは月1500万円の広告費を月200万円分削ったけれど、ほとんど効果は変わらなかったんだよ。つまり、広告からの獲得コストが最適化された。これは正直、集客戦略を広告代理店さんにお任せしすぎていたことが原因だね。月1回の定例会議もレポートを確認するだけで終わっていた。
ネッタヌ
ECチームの皆さんも何を指摘すればいいか、何を共有すればいいかわからなかったんですね。
石田
うん。やはり商品の知識は十分にあっても、ECのマーケティング知識が十分ではないECチームがまだまだ多いから仕方ないよね。
あと根本的な「認識の違い」があるかもしれない。広告戦略を考えるとき、この認識を持っておくことが非常に重要なんだけれども。
ネッタヌ
石田
広告はさ、「どの商品を広告に出すか」で大体の結果は決まっているってことなんだよ。だから一番ポイントになるのは「どの商品を露出するか」。
ここを「選択する広告でなんとかなる」「広告代理店さんの工夫でなんとかなる」と思っていると、広告代理店さん任せになりがちなんだよね。この根本的な認識をまず変えることが大切なんだ。
ネッタヌ
前に石田さんが「商品力×提案力×集客力=売上」で、「商品力が一番大事」って言っていたのを思い出しました。
商品力は社内で強化する必要がある
まとめ
石田
じゃあ、今回のコラムを少しまとめるね。
EC事業の計画的な成長のためには広告戦略が必須になる。それは広告戦略には「再現性」があるから。ただ、広告を闇雲に使っているEC事業者も多い。広告代理店さんにお任せするのではなく、自社主導の広告戦略を広告代理店さんと揉んで「動いてもらう」ような関係を構築したい。そのためには自社のデータや情報を共有することが大事。こんな感じだね。
ネッタヌ
石田
次回は「できるだけ効率的に、できるだけ効果的に」広告を活用するための実践的な考え方を紹介するね。題して「逆算のマーケティングを展開しよう」だね。
ネッタヌ
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オリジナル記事:再現性が高く「投資効果」が読みやすいネット広告戦略のポイントは? 広告代理店に依頼する時の注意点も解説 | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座
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