デロイトトーマツが実施した2024年度の「国内富裕層意識・購買行動調査」によると、富裕層は一般消費者と比べてEC利用率が高く、特に「飲料(清涼飲料・アルコール)」や「日用品」では一般消費者より1割以上EC利用率が高いことがわかった。
デロイトトーマツは、国内富裕層のライフスタイルや消費行動などを把握するため5月に世帯年収2000万円以上の全国20歳~79歳の男女1821人を対象にWebアンケート「国内富裕層意識・購買行動調査」を実施した。
商品購入時の利用チャネルについて調べたところ、一般消費者・富裕層ともに店舗中心の購買傾向だった。日常的な消費である「食料品(生鮮/加工食品・惣菜)」は8割、「飲料(清涼飲料水)」は7割が「店舗で購入する」と回答。一方、一般消費者と比較すると「(併用含め)ECで購入する」と回答した割合は高く、特に「飲料(清涼飲料・アルコール)」や「日用品」では一般消費者と比べ1割以上EC利用率が高かった。
商品カテゴリ別の「店舗で商品・サービスを購入・予約する際に重視していること」の上位を比較すると、富裕層はより「味」「鮮度」「機能性」「利便性」といった品質や「デザイン」「ブランド・メーカー」といった個人の好みを重視する傾向に。ただ「食料品」「飲料」「外食」以外の商品カテゴリは回答割合に差があるものの、一般消費者と同様に「価格」や「コストパフォーマンス」が最上位となり、経済的価値を重視している。消費意欲が活発な富裕層においても、価格と価値のバランスを意識した消費・購買行動がうかがえる結果となった。
日用品は富裕層・一般消費者ともに価格とコスパを重視
生活に関する価値観について、一般消費者は節約や貯蓄を重視する意向が高いのに対し、富裕層は「ウエルビーイングな生活を重視したい」「他より少し高価であっても上質なものを生活に取り入れたい」「人生の価値を高める特別な体験を重視したい」といった生活の質を高める意向が高かった。また富裕層の7割以上が「自分の好きなことに対しては支出をいとわない」「趣味や好きなことを深く極めたい」と回答。個人の興味を追求するために時間や資金を惜しまない傾向がうかがえた。
富裕層の生活意識は「質」重視。消費は「サポート」重視
消費に関する価値観については、世帯年収に関わらず7割が「自分が気に入ればブランドや評判は気にならない」、6割が「情報に踊らされることにうんざりしている」と回答。一般消費者は半数以上が「何よりも値段やお得さを最優先したい」と回答。富裕層の6割は「自分にあう商品・サービスを提案してほしい」「自分向けにカスタマイズできる商品・サービスに魅力を感じる」「接客やサービスを受けるときのサポートの充実度を重視している」と答えた。充実したサポートを重要視していることがわかった。
デロイトトーマツでは調査結果から、富裕層を①社会的な「伝統派」②品質・好み重視の「個性派」③合理性・実用性重視の「堅実派」④トレンドに敏感な「先進派」⑤いずれにも左右されない「無色派」――の5タイプに分類。富裕層のターゲットやアプローチを広げるにあたっては「消費行動や嗜好に関するデータの活用による、自社および未来のターゲット層の理解を深め、適切なタイミングで個々に求める価値を踏まえた提案が必要」とまとめている。
デロイトトーマツは富裕層を5つのタイプに分類して分析した
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オリジナル記事:世帯年収2000万円以上の富裕層はどんな消費行動をする? 一般消費者に比べてEC利用率は高い傾向
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