電通デジタルが実施した「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査」によると、商品認知フェーズではオフラインが多いが、購入経路検討フェーズではオンラインの割合が増加していることがわかった。
商品認知の場所、「ファッション」「家電」はオンラインが多い
ユーザーが商品を知る場所ではオフラインが多い傾向だった。特に「ドリンク(お酒以外)」「お酒」「日用雑貨」など日常的に消費する商品カテゴリはオフラインで商品を直接認知するケースが多い。
一方、比較検討をじっくり行う傾向が強いであろう「電化製品・インテリア・ホビー」「ダイエット・健康」「ファッション」「美容・コスメ」はオンラインでの商品認知の割合が高かった。
商品認知フェーズにおけるオンライン/オフラインのシェア(n=3000、出典:電通デジタル)
購入検討経路ではオンラインが増加
購入検経路討フェーズでは、すべてのカテゴリでオンライン接点が増加した。「ダイエット・健康」カテゴリでは80%を超えており、ユーザーは商品認知後にオンラインを活用している傾向がある。
カテゴリ別 購入検討経路(n=3000、出典:電通デジタル)
ECモール、メーカー直販ECも主要購買場所に
カテゴリ別に購買チャネルをみると、オフラインチャネルが優勢ではあるが、ECモール、メーカー直販ECサイトなどのオンライン接点も主要購買場所として選ばれており、購買行動のデジタル化が進んでいる。
カテゴリ別 購買チャネル(n=3000/複数回答可、出典:電通デジタル)
化粧品は各フェーズでオンラインが多い
化粧品の各フェーズにおける接点を見ると、どの段階でも上位5位内にオンラインが入っていた。商品の購入を促す体験だけではなく、多角的な体験提供の場が必要であることがうかがえる。
化粧品カテゴリのチャネルジャーニー(上位5位順不同、出典:電通デジタル)
嬉しいサポート上位は「お得」「発送・到着の通知」
ユーザーが嬉しいと感じたフォロー・サポートでは、各カテゴリに共通して、クーポンやキャンペーンなど「お得な情報」や「発送や到着のお知らせ」の数値が高かった。
お得情報のなかでも、ポイント活用に関するサポートが他の設問より高い数値となり、購買体験向上に必須な要素となっていると捉えられる。また「電化製品・インテリア・ホビー」カテゴリでは、問い合わせに関する更なるサポートを求めていることが顕著に表れた。
嬉しく感じたフォロー・サポート(n=3000/複数回答可、出典:電通デジタル)
収集しているポイント「2つ以上」が多い
積極的に貯めているポイントの種類を年代別に見ると、どの年代でも「2つ以上」の割合が半数近くを占めており、1つのポイントを集中的に集めるのではなく、複合的にポイント収集を行っており、ポイント収集がユーザーに広く浸透していると考えられる。
また、「嬉しく感じたフォロー・サポート」でもあるように、ポイント活用においても購買体験向上に欠かせない要素となっており、ポイントインセンティブ設計がますます重要になると分析している。
「積極的に貯めている」ポイントの種類
ライブコマースには「利便性」を求める傾向
「ライブコマース」「XR(クロスリアリティ)」といった次世代コマースに関する興味関心を見ると、「ライブコマース」ではリアルタイム動画利用による「詳細がわかりやすい」「実際に体験したような気持ちになれる」「実店舗に行かなくてよい」「質問ができるため安心」といった利便性を求める傾向があった。
現在のECサイトだけでは表現が難しい、インタラクティブ性を含んだリアルタイムな接客を感じられる購買形態に、ユーザーは興味関心を寄せていると言える。
「XR」は「ライブコマース」の2倍以上の回答数があり、ユーザーの興味関心の高さがうかがえる。販売空間の拡張で得られる体験、利便性にまんべんなく興味を示しており、新たなECプラットフォームとしてユーザーの視野に入っているようだ。
次世代コマースに関する興味関心(出典:電通デジタル)
情報提供のみではなく、双方向のやりとりができる新たなコミュニティ形成も更なるCX向上のカギと捉えることができる。
調査実施概要
- 調査タイトル:「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査」
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2022年9月5日~2022年9月8日
- 調査対象:全国の20歳~69歳、3000人
- 商品一覧:下記、主要11カテゴリに含まれる30商品
ファッション/美容・コスメ/食品・スイーツ/ドリンク(お酒以外)/お酒/日用雑貨/ダイエット・健康/医薬品・コンタクト・介護/ペット用品/電化製品・インテリア・ホビー/キッズ・ベビー・玩具
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オリジナル記事:商品認知はオフラインが多数も、購買行動はオンラインが増加【ECと店頭を横断した生活者の購買行動調査】
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