ハンコ業界No.1のECサイト「ハンコヤドットコム」のサイト内検索改善事例を大公開 | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2019年3月20日(水) 07:00
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1999年から印鑑のECサイトを運営しているハンコヤドットコムは、印鑑以外に販促物や印刷系など約40サイトを運営している。顧客の需要や要望に応じて都度、ECサイトを自社で制作してきた。印鑑は1人ひとりの要望に合わせて製造するオーダーメイドが中心で、今必要に迫られて買いに来たという目的買いが多い。商品の特性上、欲しい商品まで最短で辿り着くことが望ましいが、取り扱う商品点数やカテゴリー数が多く、スマホが主要デバイスとなりスクリーンが縮小する中で、こうした課題をハンコヤドットコムはどのように解決したのか?

ハンコヤドットコムが抱えていた課題

印鑑の通販サイト「ハンコヤドットコム」を運営するハンコヤドットコムは、2018年12月に東証マザーズに上場したAmidAホールディングス傘下のEC企業。同じくAmidAホールディングス子会社のAmidAは、Webマーケティング事業を手がける。

「ハンコヤドットコム」の商品の企画・開発から集客・サイト運営を担うのがAmidAで、ハンコヤドットコムは商品の製造・梱包・出荷・カスタマーサポートを手がける体制となっている。

「ハンコヤドットコム」の運営体制
「ハンコヤドットコム」の運営体制

AmidAとハンコヤドットコムは「ハンコヤドットコム」以外にも約40ものECサイトを運営しており、印鑑から名刺、封筒、のぼり、表札など33カテゴリー、20万SKUを扱う。商材の中心は、注文に対して1つひとつ商品を製造するオーダーメイド品。消費者は、膨大な商品の中から、材質、サイズ、書体など、さまざまな条件を考えなければ目的の商品を探し出せないため、どのようなものを買って良いのか商品購入までの手順が分かりづらいという課題を抱えていた

「ハンコヤドットコム」ユーザーが商品を購入する流れ
「ハンコヤドットコム」ユーザーが商品を購入する流れ

マーケティング面を担当するAmidAではこうしたユーザーエクスペリエンス(UX)に関する課題に対し、各サイトで簡単に目的の商品を探し出す方法として、約40サイト共通の商品データベースを構築。材質、サイズ、書体など、消費者の複雑な検索条件に適した検索結果が表示できるようなサイト内検索システムの導入、およびチューニングを実施した。

この改善過程などについて、AmidA取締役兼マーケティング事業部部長の森龍彦氏、改善提案などを行ったビジネスサーチテクノロジ(BST)の代表取締役社長である川邉雄司氏が語り合った。

AmidA取締役兼マーケティング事業部部長の森龍彦氏(写真左)と川邉雄司ビジネスサーチテクノロジ代表取締役社長(写真右)
AmidA取締役兼マーケティング事業部部長の森龍彦氏(写真左)とビジネスサーチテクノロジ代表取締役社長の川邉雄司氏(写真右)
「ハンコヤドットコム」が実施した3つの改善

森龍彦AmidA取締役兼マーケティング事業部部長(以下、森):ハンコヤドットコムは1999年からさまざまなドメインでECサイトを運営してきました。見た目は同じようなECサイトですが、都度、開発・構築する人が異なったので、裏側やデータは統一できておらずバラバラの状態。CMSで作っていればデータも整理できたかもしれませんが、数年前までCMSを使わずにスクラッチで20サイトくらい構築し、運営していました。そのため、印鑑が売れる繁忙期である3月や4月に、1日1回くらいECサイトが止まってしまうような状況。その度にエンジニアがECサイトを立て直して稼働するような状態で運営を続けてきていました。

AmidA取締役兼マーケティング事業部・森龍彦部長
AmidA取締役兼マーケティング事業部部長・森龍彦氏

川邉雄司ビジネスサーチテクノロジ代表取締役社長(以下、川邉):ビジネスサーチテクノロジはこうした状況を改善するために、3つの提案を行いました。1つ目が「ハンコヤドットコム」だけではなく、他のサイトも含めた約40サイトを対象に、サイト内検索で1つの検索プラットフォームを作成して情報提供を行う改善提案です。

川邉雄司ビジネスサーチテクノロジ代表取締役社長
ビジネスサーチテクノロジ代表取締役社長・川邉雄司氏

川邉:恐らく、大きなデータベース(DB)の統合プロジェクトみたいなことをやろうと思うと大変な作業になります。僕らが提案したのは、DBは各ECサイトでバラバラでも、もう1つ各サイトのハブになるような検索用のDBを作り、それをうまく活用してナビゲーションを見せるといった改善提案です。

2つ目は指名買い、キーワード検索の改善です。キーワード検索をする消費者は、欲しいものをある程度イメージされています。こうした購買意欲が高い消費者に対し、きちんとナビゲーションできるキーワードサジェストの機能実装を提案しました。

3つ目は、カテゴリー一覧もターゲットにすること。キーワード検索は購入意欲が高いユーザーが多いのですが、訪問という母数で見るとカテゴリーから探すユーザーが圧倒的に多いリアル店舗でいう特定のカテゴリーの商品を並べた「棚」を、ECサイト上でも再現しました。

「ハンコヤドットコム」のサイト内検索。カテゴリー検索も多く、「印鑑」を選択すると、さまざまな印鑑が一覧表示されるようにしている
「ハンコヤドットコム」のサイト内検索。カテゴリー検索も多く、「印鑑」を選択すると、さまざまな印鑑が一覧表示されるようにしている

:「ハンコヤドットコム」のお客さまは、比較的、目的の商品の用途は明確なんですよね。使用イメージははっきりしている。だけど、商品名がわからない――そんな商品が多い。そんな時にどうやって探せばいいのか?という課題を、カテゴリー一覧で解決しようと。探し方がわからない人たちに対するアシストを、サイト内検索で提供しているのです。

ビジネスサーチテクノロジーが行った3つの提案
ビジネスサーチテクノロジーが行った3つの提案
コンバージョンレートは5倍にアップ

川邉:ビジネスサーチテクノロジのサイト内検索サービスを「ハンコヤドットコム」に導入したところ、大きな改善効果を出すことができました。サイト内検索を利用したユーザーと、Webサイト全体のユーザーの比較になりますが、コンバージョンレートは約5倍1セッション当たりのPVは約4.6倍もサイト内検索利用者の方が高い直帰率は約42%少ない結果になりました。

改善実施後の効果
改善実施後の効果

:サイト内検索を使うユーザーは、ある程度、能動的という側面があるので数字に反映されやすいところはあると思いますが、それを含めても、購入意欲の高いサイト内検索利用者をいかに逃がさないかというところが数字で表れたと思います。最短で目的の商品までたどり着くようにサイト内検索周りを改善したからこそ大きな改善数値が生まれました。こうした設計にしなければ、見込み客を逃がしていた可能性がありますから。

川邉:キーワード検索を利用するユーザーに対しては、ゼロ件ヒットを防ぐ改善を進めました。サイト内検索結果の該当が0件になってしまっているキーワードは何かを精査し、それがヒットするように改善する積み重ねですね。あとは検索の評価。1検索あたりのPV数を注視しています。キーワードによっては1検索あたりのPV数がすごく高いケースがある。欲しい商材は決まっていてサイト内検索で探すけれど、検索結果の1ページ目で見つからないため次から次へとページを移動しているんだろうなという仮説を立てる。こうしたデータを見ながら、当社では検索の評価をしています。

:印鑑は製品自体にあまり違いが出しにくい商材のため、ECサイトの利便性が重要になってくると思うんです。サイト内検索の精度やゼロ件ヒットを無くすといったほんの少しの使い勝手の差の積み重ねが、最終的なコンバージョンレートの差に影響してくると考えています。印鑑はあまりリピート商材のように見られないのですが、「ハンコヤドットコム」でのリピート購入は多いんですよね。お客さま的に、印鑑は手続きの関係上、どうしても買わなきゃいけない商材。でも、材質や書体など買い物を終えるまで間にいろんな煩雑さがあり、印鑑購入はフラストレーションがつきまといます。それを買いやすく、使い安いECサイトにするといった小さな改善が、コンバージョンにつながってくるんですよね。

750社以上が使うビジネスサーチテクノロジのサイト内検索サービス

ビジネスサーチテクノロジは、コーポレートサイトのほか、ECやポータルサイトのサイト内検索を手がけている。主なクライアントはコーポレートサイトでは雪印メグミルクやサントリーホールディングスなど、ECサイトだと、メガネスーパー、タビオ、カインズなど。750社以上に導入実績がある。サイト内検索「probo(プロボ)」、ECサイト内検索「probo EC(プロボイーシー)」を中心としたサービスを提供している。

豊富なサイト内検索サービスの導入実績を踏まえ、サイト内検索を利用するユーザーと、非利用ユーザーのコンバージョンの違いを次のように説明する。

サイト内検索ユーザーと、それ以外のユーザーのコンバージョン率を比較すると、大体3%から8%違います。これはどのサイトも概ね同様の結果となります。(川邉社長)

サイト内検索利用者と非利用者によるCVRの差異
サイト内検索利用者と非利用者によるCVRの差異
ポップリンク利用者のコンバージョン率は2.4倍

次に、川邊社長は「ポップリンク」を導入したメガネスーパーの事例を解説した。

メガネスーパーが運営するECサイトでは、検索窓にキーワードを入れると、キーワードサジェストと合わせて、キーワードに該当した商品画像や情報が表示される。メガネスーパーの場合、コンタクトレンズを求めるユーザーなど、定期的に購入する既存ユーザーが多く、ユーザーがすべてのキーワードを入力しなくても、サジェストされたキーワードと画像から商品ページにたどり着くようにしている。

キーワードを入力するとサジェストされたキーワードや商品画像と情報が表示される
キーワードを入力するとサジェストされたキーワードや商品画像と情報が表示される

メガネスーパーにおける導入効果は、サイト全体と比較して、ポップリンク利用者のコンバージョン率は約2.4倍サイト内検索ユーザー利用者数が128%に増加検索利用者のPVは約4倍だった。

メガネスーパーさんはコンタクトレンズのECなので、ほとんどが目的買いで、且つ買う商品が決まっている。欲しいときに、すぐに商品へたどり着けることが大事です。ECサイトの売り上げを伸ばすには、「ちょっとの差」が重要。それは、決済手段、配達速度、サイト内検索を通じた購入までの導線……なんでもいいので、少しの差がコンバージョンにつながると川添さんはおっしゃっています。

メガネスーパーさんでは、キーワードサジェストと同時に、キーワードに該当した商品が検索窓の下に表示されるナビゲーションが大きな特徴。ピンポイントで欲しいものが決まっている消費者は、いちいち検索結果から商品を探すという手間が省ける。こうした使い勝手の良さを「ポップリンク」で提供しています。(川邉社長)

メガネスーパーでの導入効果
メガネスーパーでの導入効果
ランキングコンテンツを実装

ビジネスサーチテクノロジは2018年12月、Webサイトにランキングコンテンツをタグの設置で実装する「ポップランキング」の提供を開始した。ECサイトにおけるランキングコンテンツは、スタッフの手によって更新されるケースが多い。これを商品データと売上データ等を組み合わせることで、自動で更新できるようにした。

「ポップランキング」のイメージ
「ポップランキング」のイメージ

あるECサイトにランキングコンテンツを導入したところ、サイト全体のユーザーと比較して、ランキングコンテンツ利用者の直帰率が下がり、1セッションあたりのページ閲覧数、コンバージョン率、売り上げは高い実績を残した。

ECサイト内のランキングは魅力的なコンテンツであるものの、手間と時間といった運用上の課題が大きな壁となる。「ポップランキング」は、売り上げのみを軸としたランキングだけではなく、商品属性やカテゴリー、購買情報などさまざまな軸を組み合わせてランキングを表示することができる

ランキングコンテンツを導入したECサイトの効果

サイト内検索が売り上げに貢献することは事実。ただ、サイト内検索そのものを再検討するのはハードルが高いという方も多いでしょう。まずは実際にナビゲーションの改善で効果が出るか、「ポップリンク」であれば既存の検索窓で試していただけます。

また、コンテンツ施策を検討されているのであれば、おそらく今まで手動で更新していたランキングコンテンツの自動運用は是非ご検討ください。サイト内だけでなく広告やメルマガのLPにも、「ポップランキング」はタグを貼るだけで自動更新できる多軸のランキングコンテンツの実装が可能です。

自社のリソースは有限。専門的でシステムが絡むような施策は、我々のような外部リソースの活用が重要だと考えます。我々にとっても、我々のサービスを一般ユーザーが便利にお使いいただき、お客様企業の売上増加、また、お客様ご担当者様の業務効率化と評価に貢献できたらと考えています。(川邉社長)

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オリジナル記事:ハンコ業界No.1のECサイト「ハンコヤドットコム」のサイト内検索改善事例を大公開
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石居 岳
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