1.「データフィード連携」という名のキラーテクノロジー
「データフィード」という言葉をご存じでしょうか。「データフィード」とはあるシステムAにあるデータを別のシステムBに受け渡すために互いの項目を一致(フォーマット化)させて送信する仕組みのことを指します。さまざまな広告プラットフォームが乱立する現在においては、「データフィード」と「広告」を連携させる「データフィード連携」はもはや必要不可欠になっています。今回は、「データフィード連携」をフル活用することによってまさに「革命」をもたらした事例をご紹介します。
1-1.リスティング広告における「データフィード連携」とは
リスティング広告における「データフィード連携例」をいくつかご紹介します。「データフィード」とは「商品ID」や「URL」などの情報がフォーマットに則って記載されたデータの集合体です。(図1)
(図1)
商品リスト広告(PLA:Product Listing Ads)
ご存じの方も多いと思います。あらかじめ「データフィード」を登録しておくことで、商品の画像や価格などをGoogleの検索結果に表示することができる広告です。
広告カスタマイザ
2014年秋にローンチされた比較的新しいテクノロジーです。あらかじめ「データフィード」を登録しておくことで、文字通り広告文を動的に変えることが可能です。
共通しているのは、「データフィード」さえ用意しておけば、「動的に」広告を配信できる、という点です。では、なぜそれがリスティング広告の成果に大きな影響を与えるのでしょうか?
1-2.なぜ今「データフィード連携」がアツいのか?
例えば、商品が数万点以上にのぼるサイト(ECや不動産など)を運用しているとしたら、すぐにでも「データフィード連携」を活用すべきです。すべての商品群をリスティング広告でカバーすることは限りなく不可能で、巨大なコンテンツ資産のパフォーマンスを充分に発揮できていない可能性があります。
また、細かなキーワードの設定や在庫状況に合わせた広告の停止など、それまで人海戦術で行っていたリスティング広告の運用管理が容易になり、大幅に運用コストを下げることにもつながります。
さらに、大幅に下げた運用コストをより上流の工程など別のことへ掛けることが可能になります。顧客属性の分析やメディアの選定など、オーディエンスと向き合うことに費やしたり、クリエイティブなどコミュニケーション方法の検討に費やしたりすることで、マーケティングの効果を高められます。
「データフィード活用」の有効性をより具体的にするために、これまでの広告運用にまさに「革命」をもたらした、ある事例をご紹介しましょう。
2.「データフィード連携」、それはまさに「革命」をもたらした
前述のとおり、「データフィード連携」はまさに「キラーテクノロジー」です。そしてそれは、リスティング オートフライトと連携することでさらなる進化を遂げます。
2-1.商品点数30,000点を超えるECサイトが抱えていた課題
商品点数30,000点を超える女性向けECサイトを運用しているT社では、リスティング広告を複数のメンバーで運用していました。トップページとカテゴリトップだけでも100以上のページがあり、それらをランディングページとした膨大な数のキーワードを日々人手で運用していました。運用の結果、一定の成果はあがっていましたが、在庫状況やシーズナリティとも歩調を合わせる必要があり、運用負荷は高まっていきました。しかも、商品詳細ページは、リスティングの受け皿として全く機能していませんでした。
2-2.リスティング オートフライトによる「データフィード連携」
ジャストシステムのリスティング オートフライトに問い合わせをいただいた際、最も課題に感じておられたことは「運用負荷」でした。しかしヒアリングを重ねる中で、30,000点以上の商品が常にあること、それらのページがリスティング広告の受け皿として機能していないことを知り、「データフィード連携」を活用すれば劇的に成果をあげられることを確信し、実際に運用することになりました。
リスティング オートフライトの「データフィード連携」では主に下記のことを行います。
「データフィード」に基づく「キーワード生成」
あらかじめ用意した「データフィード」から最適なキーワード群を自動的に生成します。
「広告文自動生成」
「データフィード」から自動的に最適な広告文を複数生成します。
「自動入札調整」
「在庫状況」などと連携し、自動的に入札調整を行います。
これらを24時間365日、超高速で運用・改善しつづけます。つまり、「超高速PDCA×30,000」というスケールの運用が行われることになります。
結果は1か月で出ました。リスティング広告経由のWEBサイトの流入がプラス200%以上と、劇的に増加したのです。活用されていなかった30,000ページ以上におよぶ商品詳細ページのすべてがリスティング広告の受け皿になることで、爆発的なトラフィックをもたらしました。
成果は運用面にも現れました。リスティング オートフライトを導入することで、それまで人海戦術で行っていた、キーワードやキャンペーン、広告グループの管理から解放され、運用コストが20%以下に改善されました。広告運用に割いていた膨大な工数を、よりクリエイティブな仕事に傾けることに成功したのです。
なぜ、そこまでの成果をあげることができたのでしょうか。秘密のひとつはリスティング オートフライトの独自アルゴリズム「SLAT: Statistical and Linguistic Ad Technology」を活用した超高精度のテキストマイニングによる広告文の自動生成技術にあります。
3.超高精度テキストマイニングによる広告文生成
リスティング オートフライトの「コアエンジン」を支える独自アルゴリズム「SLAT: Statistical and Linguistic Ad Technology」は、さまざまな基盤技術を複雑に組み合わせて構築されています。ここではそのひとつでもある「N-gram」を題材に、テキストマイニングの代表的な手法を紹介します。
3-1.基盤技術のひとつ「N-gram」とは
「N-gram」とは、わかりやすく言うと語句と語句のつながりやすさのことを指します。例えば、「リスティング広告のCPAを下げる」という自然文であれば、「リスティング」と「広告」がつながる頻度、あるいは「広告」と「CPA」がつながる頻度、といった関係を分析し、対象になるワードとの関連性を分析するテキストマイニングの基盤技術のひとつになります。
3-2.「R」を使った「N-gram」分析
今回も、フリーの統計ソフトである「R」を使用して実際にテキストマイニングをしてみましょう。使用する素材は前回の記事「リスティングの地域ターゲティング最適化でCPAが約半分に~統計が語る、あるインテリアショップの改善事例~」です。「R」についてはこちらの記事がわかりやすいかと思いますので、ご参照ください。また、今回のテキストマイニングでは「RMeCab」というパッケージ(プラグインのようなもの)を使用します。「RMeCab」についてはこちらをご参照ください。
「R」と「RMeCab」をインストールして、テキストファイルを用意したら、あとは下記のコマンドを入力するだけです。
> library(RMeCab)
> res=Ngram("test.txt",type=1,pos="名詞",N=2)
しばらくすると分析が終わりますので、下記のコマンドを入力して結果を出力します。
> resf=res[order(res$Freq,decreasing=TRUE),]
> resf
結果は以下のようになりました。
Ngram
Freq
350
[首都-圏]
14
287
[圏-以外]
9
89
[Y-社]
8
409
[地域-ターゲティング]
8
164
[クリック-単価]
6
304
[広告-コスト]
6
341
[社-担当]
6
342
[者-様]
6
406
[担当-者]
6
33
[1-.]
5
214
[リスティング-広告]
5
254
[回帰-分析]
5
388
[全体-CPA]
5
4
[,-000]
4
77
[CPA-確率]
4
162
[オート-フライト]
4
213
[リスティング-オート]
4
218
[ロジスティック-回帰]
4
271
[関東-圏]
4
458
[平均-クリック]
4
「広告」というキーワードを見ると「広告-コスト」や「リスティング-広告」が多く見られます。つまり、「広告」というキーワードは「コスト」や「リスティング」との関連性が高いと分析できます。
このように、アルゴリズムを用いて自然文を解析し、その文脈を機械的に理解しようとします。
ここまでご覧になられたならばおわかり頂けるかと思いますが、「N-gram」はもちろんテキストマイニングにおいては「どれだけ多くの自然文データの分析結果を保有しているか」が精度の鍵になります。ジャストシステムは30年の歴史の中で蓄積された膨大な自然文データを保有しています。それらの大規模データベースが、通常のテキストマイニングを、他社には真似できない、より高精度なものにしています。
例えば、キーワードが「子供服」の場合、下記の様な広告文が自動的に作成されます。
タイトル:お買い得な子供服が充実
説明文:欲しかったアイテムがきっと見つかる!
また、キーワードが「新生活」の場合は下記になります。
タイトル:新生活に役立つ商品を多数ご用意!
説明文:収納用品を買うなら/ジャストショップ
これらはあくまで例にすぎません。リスティング オートフライトには他社にはマネできない独自の技術があり、それらが「キーワード自動生成」や「広告文自動生成」に十二分に活かされているのです。
4.リスティング オートフライト×「データフィード連携」という最強タッグ
「データフィード連携」を活用することで、リスティング広告のパフォーマンスをさらに向上させ、かつ運用コストも大幅に下げることが可能です。特に商品点数の多いECサイトや不動産サイトなどではより有効です。そこにリスティング オートフライトの独自アルゴリズムが加われば、まさに最強タッグといえます。
5.実際の独自アルゴリズム「SLAT」を使用したシミュレーションを無料で受け付けています
現在リスティング オートフライトでは、実際に使われている「独自アルゴリズム:SLAT」を用いてシミュレーションを実施し、「キーワード候補リスト」や「流入数」などの成果をご案内しています。下記のボタンから簡単にシミュレーションの申し込みが可能ですので、お気軽にお申し込みください。
永久流入スイッチ