コメ兵がオンラインに掲載した商品の2014年3月期売上高は前期比25%増の56億円。右肩上がりで拡大している。ECサイト経由での店頭受け取りなど、推進しているオムニチャネルの強化は今年以降も進めていく。店頭を主体としたオムニチャネルをどう実現するのか。藤原義昭IT事業部長が2015年の戦略を語る。
オムニチャネルを推進、お客さまのお買物体験をシームレスに近づける
WEB事業部長
藤原義昭氏
――2015年のEC市場は前年(2014年)と比べてどのような環境になると考えていますか?
国内の消費市場は微減、微増の間になると思いますが、EC市場については増加するだろうと考えています。その理由は大きく分けて2つです。
1つはECのスマホ利用の拡大。検索市場を見ていても、2014年にはスマホがPCを抜き、この勢いは止まらないでしょう。しかしながら、消費者はスマホだけ使うというわけではなく、マルチデバイス化しているため、インターネット接続の時間が増えて行く。結論として、ECへの接触機会も増加するのではないでしょうか。
もう1つは企業のWebへの力の入れ具合がさらに強くなってゆくのではないだろうか。インターネット広告にかける費用の増加に加え、インターネット広告市場を見てもDSPといったアドテクノロジーの進化で、最適な顧客へのリーチが可能になりつつあります。
さらに消費者へ効率的にメッセージが届くようになれば、EC市場自体が拡大するのではないでしょうか。
――今後、成長を持続していくためにはどんなことが必要だと考えますか?
大切にすべきことは、お客さまの「お買物体験」の向上です。「お客さまにとって良い事」を中心に考え、実践していくことを重視しています。
コメ兵のEC事業が成長を続けていくためには、現場力を磨いていくことに最も力を入れる必要があります。当社はインターネット専業ではなく、店舗でのお客さまの接点が一番大きく、重要です。ECサイトだけではなく、店舗も含めたスタッフの商品知識、接客対応力をとても重要視しています。
ECについては、電話オペレーターやメールの返信といった対応も含めて、すべて“現場力”だと考えています。当社はブランドバッグ、高級時計など比較的高額な商品を中心に販売しており、これらは毎日買うものではありません。
数年後、買い直し時にまた当社で購入してもらう――それを決めるのはいまのお客さまへの対応であると考えています。従って、「現場力」を磨くことを第一として取り組んでいく考えです。
――2015年、貴社ではどのようなことに取り組みますか?
具体的に力を入れることとして、特に2つ考えています。
1つ目はオムニチャネルの推進です。店舗スタッフの声を拾っていても、ECサイトを見て来店したという意見が多かった。ECサイトとリアル店舗のイメージや体験の“ズレ”をなくし、お客さまのお買物体験をシームレスに近づけることがオムニチャネル推進にはとても重要です。
従って、ECのお客さまの対応とリアル店舗の現場オペレーションについても教育、仕組み共に、昨年以上に力を入れていこうと考えています。
2つ目はスマホ対策です。当社の顧客層は30~40歳代が中心で、若年層よりもスマホ比率が低いのですが、EC市場のスマホ化の浸透に伴って、中高年齢者の通販のスマホシフトも進んいくでしょう。
まだ爆発的には増えてはいませんが、2015年は準備の年であると考えています。アプリの浸透と、スマホサイトのデザインを含めたUX(UserExperience)に力を入れていく予定です。
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オリジナル記事:コメ兵が手がけるECの成長の源泉は“現場力”「商品知識」「接客対応力」を磨く1年に | 2015年のEC市場を占う! 押さえておくべきポイントは? | ネットショップ担当者フォーラム
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