デジタル時代に浮き彫りになるTVCMの2つの欠点 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2015年2月23日(月) 21:15
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 1982年私が広告会社に新卒で入社したとき、TBSで「クイズ100人に聞きました」の1社提供を同期が担当していました。当時は「この『100人に聞きました』の一番メジャーな回答をすぐに想起できることがアドマンの資質かもしれないね。」と言っていたのを思い出します。しかしデジタルマーケティング時代の今日、100人どころか1万人いても最もマイナーな回答までデータを使ってすべて「言い当ててしまう」ことが求められていると言えます。

 データドリブンに「シナリオ設計」をしてマーケティング施策を企画実施することで初めてデータは成果に結びつきます。

 データ分析からファインディングスがあっても、「ふ~ん。なるほどね。」と感心しているだけでは、マーケティング的には何の意味もありません。

 データドリブンにマーケティング施策を企画実施するには、そういう経験のある人でないといわゆる「シナリオ設計」のイメージが出来ないでしょう。いくら統計や数学に強いデータ分析のプロでも、その知見だけではダメなのです。
 
 では、マーケティングコミュニケーションに従来携わってきた伝統的な広告会社の人材のスキルがあればいいのかというと、そう簡単には行かないのが実態です。がっぷりデータと向き合うことが出来るかどうかは当然のことですが、まずもって、伝統的な広告会社では文化的に、「ひとつの文脈に修練させること」をやってきました。よって、コミュニケーション開発においては「できるだけ多くの人が、少しでも反応するように」つくるのが習い性となっています。しかし、前述の「100人に聞きました」ではないのですが、これからは、「このセグメントの人たちが強く反応する文脈はコレ」また、「別のこのセグメントの人たちが強く反応する文脈はコレ」というように複数のターゲットとそれぞれの「琴線にふれる文脈」を設計することが必要です。

 さて、本論ですが、この「出来るだけ多くの人が少しでも反応するように」つくることがTVCMの欠点になってきました。「みんなに刺さる」は「誰にも強く刺さらない」ことであり、「みんなに刺さる」ようにつくると、みんなが自分事化しないようになってしまいました。

 そして、TVCMのもうひとつの欠点。むしろこちらが重要かもしれないのですが・・・。
CMで特定のターゲットに刺さるようにつくると、そうでない既存の顧客ないし見込み客が離反してしまうということです。
 とかくTVCMを使うということは、マススケールつまり大きな売上を上げる商品であり、多くの消費者を獲得しなければいけない商品です。しかし、そのためにはいくつかの複数の層を対象にしなければならないのですが、その中のひとつのターゲット層または新たなターゲット層に刺さるようにCMをつくると、そうでない層の人が「これは自分向けのブランドではなくなった。」とブランドから離反してしまうリスクがあるということです。

 例えば、CMタレントを替えると、「このタレントがこのブランドのユーザーということなら、私は違う。」と思わせるコミュニケーションを図らずもしてしまう。

 「みんなに刺さる」は「誰にも強く刺さらない」、でも「ある層に強く刺さる」をつくると、顧客でいて欲しい別の層の人に「私は違う」と思わせるリスクがある。

 これが現代におけるTVCMの欠点です。

そこでオンラインの出番です。

ターゲティング出来るということは、「当てたい広告を当てたい人に当てる」ということだけでなく、「当てたくない人には当てない」ことでもあるのです。

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