タオバオ、京東、易迅ら大手モール同士が繰り広げた“舌戦”が中国EC市場を盛り上げた1日 | 上海で働く駐在員の中国EC市場リポート | ネットショップ担当者フォーラム | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2015年2月16日(月) 07:00
このページは、外部サイト ネットショップ担当者フォーラム の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「タオバオ、京東、易迅ら大手モール同士が繰り広げた“舌戦”が中国EC市場を盛り上げた1日 | 上海で働く駐在員の中国EC市場リポート | ネットショップ担当者フォーラム」 からご覧ください。
中国に駐在し、実際にECも手がけるエフカフェの高岡正人取締役が中国ECの状況をレポート(vol.2)

中国EC市場では、ECモールが市場をけん引しており、なかでも最も大きなモールがTmall(天猫)である。とはいえ、他のモールも流通額を伸ばしているため、モール間で競争の激化が進んでいる。そんななか、2014年12月にそれぞれのモールのトップページを使って行われた“舌戦”。多くのメディアからこの“舌戦”の模様が取り上げられ、中国全体のEC市場の盛り上がりに寄与した。今回はそんなユニークな取り組みを紹介。

さらにシェアを伸ばすTmall

中国のEC市場を盛り上げるために(?)、モールサイト(BtoC)が行った“舌戦”。「Tmall(天猫)」「京東(JD.com)」などモールのトッププレーヤー同士が行った“舌戦”は、話題を呼び消費者を集めることにつながった。まずは、中国のモールサイトを運営するプレーヤーを説明、そして、モールサイト同士が行った“舌戦”の模様を紹介する。

中国ではネット通販の流通総額のうち、Tmall(天猫)をはじめとするモールサイトがマーケットシェア全体の90%を占めている。このモールサイトだが、2014年はTmall(天猫)のシェアが63%でナンバー1。次いで京東(JD.com)が19%となっている。

京東(JD.com)は中国最大級の電化製品などを販売しているECサイト&モール。アマゾンのようにプラットフォームを運営しながら自身も売り主というビジネスモデルだ。

2014年の中国EC市場(BtoC)における流通総額に占めるシェア

ちなみに数年前のデータだとTmall(天猫)のシェアが50%だったので、近年大きくシェアを伸ばしていることがわかる。

中国ECはモール同士で戦い、EC市場を盛り上げている

2014年12月12日に、taobao(タオバオ、Tmallと同じアリババ・グループで中国最大のCtoCサイト)のイベントで、日本ではあまり考えられないことが起きた。

11月11日は前回記事(1日で1兆円以上を売り上げる「独身の日」から学ぶ中国EC市場の可能性)で紹介した「独身の日」の約1か月後。タオバオで「双12淘宝万能盛典」というイベントが12月12日に行われた。

その日に起きたのが各モール同士による“舌戦”。トップページでモール同士の戦いが勃発したのだ。最初に仕掛けたのはタオバオ。

“真心便宜,不然是狗”,
(意訳)「私達は本当に安いんです。もし安くないならそれは犬になってしまいます」

意訳してもよくわからないと思うので、補足を。ここで指摘された犬は、「京東」のことを指している(京東のキャラクターが犬のため)。中国のことわざで「嘘つきは犬の始まり」という言葉があり、そこから引用して上記のようなキャッチコピーのアイコンを掲載したのだ。

「タオバオ」のアプリトップ画像

「タオバオ」が掲載したキャッチコピーに、京東(JD.com)が反応した。

“拒绝假货,不玩猫腻”暗指
(意訳)「偽物は販売しません。猫のようにずるいことはやりませんから」

ここで指摘された猫はTmall(天猫)のキャラクターのことで、同じグループのタオバオを指している。

「京東」のアプリトップ画像

さらに驚くことは、トップ2サイトにとどまらず、その他モールも次々に参戦したのだ。

家電製品を中心としたモールの「易迅」は、wechatなどを展開するテンセントグループだったが、2014年3月に京東(JD.com)グループ入りしたモール運営会社。トップページに次のように記載した。

 “不猫腻,真心低”
(意訳)「猫のようにずるいことはしないです。本当に安いです」

「易迅」のアプリトップ画像

1999年に創業し、2010年にニューヨーク市場へ上場、本を中心に現在は総合通販サイトの「当当」もトップページに次のように記載した。

 “敢不玩猫腻,敢不低是狗”
(意訳)「猫のようにずるいことはしないです。安くなければ犬になってしまいます。」

「当当」アプリトップ画像

このように、ライバルの弱点を攻撃する様子は、まるでどこかの国の選挙戦を見ているようだった。

モール中心のマーケットだからこそモール同士で戦い、凌ぎを削る姿は中国ECの独自性を感じる。モールも本気で指摘しているのではない。冗談交じりに(まぁ冗談の割には直球な気もするが)、他社についてユーモアを交えてユーザーに伝え、多くのメディアから取り上げられるようにしている。それが、中国全体のEC市場が盛り上がることに寄与しているのだ。

本当に面白いマーケットだと今回もつくづく感じた出来事だった。

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:タオバオ、京東、易迅ら大手モール同士が繰り広げた“舌戦”が中国EC市場を盛り上げた1日 | 上海で働く駐在員の中国EC市場リポート | ネットショップ担当者フォーラム
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

上海で働く駐在員の中国EC市場リポート
記事カテゴリー: 
タグ: 
高岡 正人
株式会社エフカフェ 取締役

1975年生まれ。2003年立命館大学政策科学部卒。コンサルティングファームにて企業変革コンサルティングを経て、2005年有限会社フリースタイルカフェ(現エフカフェ)の創業に参画。取締役に就任。

日本、中国、ASEANでネット通販事業に特化したコンサルティング、運営支援を行い、1カ月の半分を中国・上海で過ごす。

銀行等での講演多数。また日経ネットマーケティング等で執筆。最近では銀行等の海外支援事業部と連携し、日本からアジアへのネット通販進出を支援している。

メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アクセシビリティ
広義には、障害者、高齢者を含むすべての人間が、同じレベルでサービスや機器、施設を ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]