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【海外コラム】マルチチャネルアトリビューションモデルを使用した検索最適化とデジタルマーケティング」 からご覧ください。
Serach Engine Watchにて、先日開催されたClickZ Live San Franciscoにおけるアトリビューションの事例スピーチの内容が紹介されていたので抄訳します。
Optimizing Search and Digital Marketing With Multi-Channel Attribution Modeling [#CZLSF]
http://searchenginewatch.com/article/2360633/Optimizing-Search-and-Digital-Marketing-With-Multi-Channel-Attribution-Modeling-CZLSF
当セッションでは、ビジネスソフトウェアやソリューションを提供するドイツの大手企業SAPが、独自のアトリビューションモデルを作り上げ、ビジネスへ適用してきた経緯が紹介されました。
〜運用当初〜
カスタマージャーニーを知るためにアトリビューションを始めたSAPですが、そのモデルを検証すると、それぞれのチャネルで不適切な貢献度配分を行っていることが判明しました。
〜モデルの検証〜
そこで、均等配分(線型)モデル、接点ベースモデル、時間減衰モデルの3モデルをまとめて検証することで、その仕組みとメリット・デメリットを見いだしました。
また、マクロなレベルだけではなくミクロなレベルでもそれぞれの貢献度を検証することで、重複コンバージョンの影響や、グローバルフリークエンシー、コンバージョンへ貢献する広告や順序などを理解することができるようになりました。
〜タグ環境の整備〜
モデルを検証後アトリビューションモデルの運用のフェーズへ移り、SAPが初めに取りかかったことは、しっかりとしたタグマネジメントとプロセスの構築です。ここにおいて重要なことは、マスタータグが全てのタッチポイントを網羅していることと、個々の要素を正確にタグ付けできるシステムを使用することです。
〜重複チャネルの修正〜
多数のチャネルが重複していたことで必要以上に広告が配信されていたため、改めてそれぞれのプランのフリークエンシーとコンバージョン率を設定し直しました。これにより、ようやくどのチャネルがどの程度コンバージョンに影響するかが明確に数値として得られるようになりました。(下図)
〜予算配分の見直し〜
次に、バナーからSEMへ予算の再配分を行いました。上記の結果より、SEMはファーストタッチの媒体としても、バナーより貢献度が高いことが分かったからです。
〜ミクロレベルでの検証〜
更に、SAP Test Lab(SAPのデジタルマーケティングチームとKBMグループによるコンテンツテストのためのチーム)による過去2年間のデータを集約し、以下の5点の発見がありました。
- 多変量テストを行い的確な視覚的訴求をすることは、コンバージョン数の増加につながる。
- 図より写真を使ったバナーの方がコンバージョンにつながる。
- シンプルな広告コピーの方が効果が高い
- ウェブサイトのCTA(Call to action)を改善し、膨大な数のウェブページへ適用することで、シンプルな方法で多くのコンバージョンを獲得することにつながる
- サプライズは必ずあるので、仮説は必ず検証し事実を確認すること
以上の発見、修正を重ねるうちにコンバージョン数は増加していきました。(下図)
以上が、SAPがアトリビューションを実行していくことで成果を上げていった経緯です。
最後に、最適なアトリビューションモデルを適用するにあたって重要な点は以下の通りです。
• マクロ・ミクロレベルで区別して検証すること。全体のアトリビューションモデルを正しく作り上げた上で、影響を評価するためにミクロレベルで個々のプランを検討する。
• データを正しく読み、最も適切なアトリビューションモデルを適用すること。多すぎるリソースにまどわされ間違ったマーケティングチャネルを選ばない。
• 的確なタグ構成をすること。フルタイムのタグマネージャーの存在が必要である。
• ミクロレベルの個々のプランを最適化するために多変数モデル、テストを適用すること。
【アトリくんの視点】非常に詳細な検証・実験を経てSAP社がアトリビューションを実行し、成果を上げていったことが分かる内容でした! 単純な予算のアロケーションをするだけでなく、ミクロレベルの分析を施策に落としていくことが大切ですね。試行錯誤、変遷の流れをより具体的に知ることができる内容だったので、注意点やキーポイントはとても説得力があります!