①自己紹介のパート
ダイレクトマーケティングとアトリビューション
有園:株式会社博報堂DYメディアパートナーズの宮腰さんとは、3年くらい前に初めてお会いしました。私は、これまで10年以上に渡り、博報堂DYグループの皆さんと仕事をしてきましたが、宮腰さんの第一印象は「いままでに出会ったことのない人種の人が出てきたな」でした。それくらい、インパクトが大きかったです。宮腰さんが携わっているお仕事の話を聞いて「それって、今でいうアトリビューションと同じですよ」と声をかけたことを覚えています。あれから3年以上経って、お仕事の内容は変わっているかもしれませんが、あらためて自己紹介をお願いします。
宮腰:入社以来、ダイレクト保険や通信販売などのお得意先様を担当させていただき、ダイレクトマーケティング業務に携わってきました。マーケティングプロモーションのゴールを何らかの注文獲得に設定したときに、メディアをニュートラルに評価し、クリエイティブと併せてプロモーションの効率化・効果最大化をプラニングするという業務から私のキャリアはスタートしています。
有園さんと知り合った3年前は、テレビや新聞・チラシ経由で、問い合わせや注文を電話で受け付ける通信販売の業務のほかに、徐々にウェブだけで注文を獲得する広告主様の業務の割合が増えていた時期でした。
最初から、ウェブマーケティングありきでトレンドを追いかけていたわけではなく、顧客獲得チャネルのひとつにウェブもあるというところからスタートしています。
そこからいまは、だいぶ変わりました。顧客獲得チャネルとしてのウェブの存在が圧倒的になって、私の業務もウェブでの獲得が軸になっています。それまでのテレビやチラシから電話で顧客を獲得する業務経験を活かして、現在はウェブでの顧客獲得を考える上で、テレビやチラシも含め、オフラインとオンラインのメディアとクリエイティブを統合してアトリビューションを応用する視点になっています。
有園:当時はマス広告、確かテレビCMを出稿して、紙の広告かコールセンターかウェブサイト経由か分かりませんが、コンバージョンにどのような影響を与えるのかを統計的に分析していると聞き「それはオフラインアトリビューションに該当しますよ」と話をしたのが最初だったように思います。
宮腰:そうでしたね。
有園:そこから段々と、ウェブの方に入ってこられたわけですね。宮腰さんというと、博報堂DYグループの中でも最先端のことに取り組まれている印象があります。せっかくなので、宮腰さんがどのような考えでお仕事をされているのか。また、紹介できる事例があれば伺えますか。
オンラインのアトリビューション分析
宮腰:携わっている仕事は大きく分けて2つあります。ひとつは、チャネルが複数ある、広告主様のパターン。来店とウェブとか、電話とウェブとか、複数チャネルでの申し込みが、同じコンバージョン1として計測される世界。もうひとつは、ウェブで完結するものです。
私自身の役割は、オフラインだけを使うにせよ、オンラインを使うにせよ、コンバージョンの目標があって、それを達成するために1年間どのように運用していくのか、マスメディアも含めた運用をディレクションしている業務ばかりです。自動車メーカや情報通信系、カードローンや保険、あるいはエネルギー系など、お得意先様の業種はさまざまです。。それだけ、オフラインとオンラインを統合したアトリビューションという概念は広い応用が可能ですし、話を聞いていただける状況にもなっています。
有園:お忙しいですね。
②アトリビューション分析の昨今について
アトリビューションには4つのレイヤーがある
有園:宮腰さんと初めて一緒に仕事をしたとき「アトリビューションも、いくつかのレイヤーがあるよね」という話をしました。
宮腰:しましたね。
有園:CPAを見ていくラストクリックレベルでの「ラストクリックアトリビューション」があり、それはデイリーでやること。その上に「オンラインアトリビューション」があって、それは一か月単位で見ていく。さらに上には「オフラインアトリビューション」があり、四半期に一回くらいできたら良い。最後に、マーケティング予算以外、ビジネスでの予算配分という経営レベルの「ビジネスアトリビューション」があり、レイヤーごとに役割が違うという話をしました。
宮腰さんの話を伺っていると、モデルを別々に分けていて、オンラインアトリビューションとオフラインアトリビューションのモデルが違うのですね。オフラインのアトリビューションモデルは、大枠としてのリスティング広告とDSPとテレビCMと交通広告と、年間でそれぞれの予算を、どうするべきか回答を出す。決まった予算の中で運用レベルまで落とし込むとなると、オンラインのアトリビューションをしないと落ちていかないから、そこは違う回帰分析とかをかけて、それぞれの答えを出していくのかなと思いました。イメージとして。
宮腰:計測できるデータの粒度や質によってレイヤーを分けていますね。オフラインのデータは、オンラインのようにCookieでつながった経路データではないですから、なんらかの回帰式でモデル化するしかないですね、手法的に。たとえば年間の予算配分を計算するには、オンライン・メディアも、オフライン・メディアと同列に扱う必要があって、オンライン・メディアならではの詳細なデータでも次元を落とし数値をサマライズして扱う必要がでます。だから、分けていましたし、扱うデータの粒度と質に合わせてレイヤーを分けるべきです。
有園:実際は分けていたけれど、オンラインのアトリビューションをやる中で因果が出てきそうだと仮説が立って、そこにオフラインのアトリビューション分析もかけているということでしょうか。
オンラインとオフラインを接続する
宮腰:たとえば、年間の予算を策定するところでは、オフラインアトリビューションの枠組みで、オンラインメディアもどれくらい使うか、使えるかをシミュレーションすればよいわけですね。でも、実際にプロモーションをはじめて見ると、オフラインのモデルでは、日々起きる運用の悩みには答えられないことがわかります。オンライン・メディアの運用の機微が、データの次元を落とす際に、欠落するんですよ。実際には運用努力でなんとかしたりしているのですが、よりアトリビューション・マネジメントを広げていくには、「これではマズイ」と。
そこで最近、「つなぐ」ことに注目しているんです。(資料①)獲得に近いレイヤーが右側のセールスのレイヤーですが、ここにウェブのトラフィックが決まってセールスが決まるモデルになっています。トラフィックを決めるメディアは別にあって、親しみや知名のような認知指標につながっています。何かの変数で接続してあげるんです。取得できるデータの違いからオフラインのアトリビューションの世界とオンラインのアトリビューションの世界はつくることができるモデルが最初から違うので、もっと大局的に購買プロセスのモデルをつくるようにしたんです。
オンラインのアトリビューションの世界、オフラインのアトリビューションの世界、その上にビジネスの世界、ブランドの世界かもしれませんが、それらを何かの変数でつなげることによって、購買プロセスのアトリビューションを描けるようになっています。いまは次第にこのような大きなモデルの概念が求められていると思います。
有園:いまの話ですと、(資料①)テレビがきていて、リスティング広告のクリックからブランディング系のキーワード経由で入ってくるのは、指名系のワードにつながってきているという流れと、ニュアンスは近いですか。
宮腰:近いですね。一つのモデルで最後のコンバージョンまで描かれていますが、分けてからつないでいるんです。大きな宇宙があって、その中に銀河があって、惑星が存在していることに近いイメージです。ウェブの世界まできたら、VTCなど分析してオンライン・アトリビューションに落とし込んでいます。
パス図を読み解く
宮腰:ただ、アトリビューションというと、パス図のようなグラフィカルなモデル図ができていれば、モデルができたと錯覚している方が多いような気がします。
有園:こういう絵は、オンラインだけでなくオフラインも含めてパス図を作ったときに、いまはある程度、想定で線が引かれていますが、実際には粒度が違うので綺麗な線は引けないということでしょうか。
宮腰:オンラインとオフラインの両方から、獲得までのパス図を作ることは可能です。たとえば、Yahoo! JAPANのバナー広告を一枠、出稿したとします。そこからクリックが何件発生して、CTRが何パーセントで、そこからコンバージョンが何件発生して、CVRが何パーセントというのが直接ルートとしてあって、これだけ出稿すると何インプレッション稼げて、何インプレッション稼げたことによって、検索が何クリック発生して、ここからコンバージョンが何件獲れますという話になります。ここのパスも、アシストのCTRが出て、アシストのCVRが出るという形になります。この線に全部が入っている形です。
有園:Yahoo! JAPANに掲載したバナーをクリックしなくても、その後に自然検索が起こっているだろうという、ビュースルーサーチコンバージョンみたいなものが獲れるということですね。
宮腰:はい。それも、何インプレッションであれば、どれくらいのビュースルーサーチが発生して、その上でのコンバージョンが発生するかどうかは、数字をもとに作ります。その絵は、実際には経路までとれているデータを使って分析しています。
有園:実データでやるわけですね。
宮崎:それを書き起こすと、パス図にはなります。構造方程式などで相関関係から描いていくオフラインのアトリビューションと、Cookie単位で経路がデータ取得できているオンラインのアトリビューションと、全く異なる方法でも、モデルを表現すると同じようなパス図になってしまうんですね。
でも、この1本のパスが表現している内容が全然違うわけです。構造方程式の場合は、ある変数とある変数の相関をもとにした関数になりますが、経路データをつかった場合は、明確な因果関係になります。
有園:相関と因果、要因は違うということですね。
宮腰:違いますね。ここがいま、世の中では混在してしまっているんです。かたや、統計に携わる人や、マスメディアを中心としたマーケターの人たちの中は、構造方程式モデリングを使って、オフラインまでを相関関係で見ていくという人もいらっしゃいます。もちろん因果関係を含んだやり方もあるにはあります。
ところがこれは、ウェブのプロモーションを運用している側からいうと、実用に耐えないものなんです。なぜならば、テレビCMをどれくらい出稿したから検索でこれくらい獲れるという間には運用の要素がいっぱい入ってくるわけです。100パーセントでインプレッションを買うべきなのか、1位入札すべきなのかどうか、そのときにCPCがどれくらい上がるのかによって決まってきますので、これを一緒くたに扱う構造方程式モデリングで分析したからといって、ウェブの獲得までを扱えていたわけではないんです。
反対にオンラインのアトリビューションだけやってらっしゃる方にとって、オンラインのプロモーションにマス広告がどのような影響を与えているのかというのは、同じようなユニークなデータとして扱えるわけではないので、相関を見るしかない。
どちらにせよ因果関係がはっきりわかるわけではないんです。因果関係を構造方程式モデルにするときも、分析する側が「こういう構造なのではないか」と仮説を当てはめます。分析から自動的に因果関係がでてくるわけではありません。それで最近、最も実用に耐えうる因果関係に、ウェブの運用という概念も入れていくことに取り組みはじめました。
ここで描いたことは、テレビCM単体では、ウェブのコンバージョンを誘発しないという割り切りをしています。あくまで、検索総量までは恐らく、テレビCMの影響を受けているだろうと。
検索総量が決まったら、運用の段階に入っていきます。そこでやっているのが、こういうイメージなんですが、運用のインプレッション総量が決まってくると、そこに対して、何パーセントまでインプレッションを買っていこうかとか、そのときのCPCはいくらになるのかということを、別のモデルをつくっています。
有園:なるほど。構造方程式モデリングのパス図では描ききれない、運用に関わるレイヤーのものに関して、別のモデルを作って分析をしていると。これからいくと、回帰分析とかをしていくのでしょうか。
ここのCTRとかCPCとかインプレッションとか、それぞれごとに相関のあるなしを調べていくイメージでしょうか。
宮腰:そうです。このようなやり方をしている理由は、有園さんが執筆された『リスティング広告 プロの思考回路』(アスキー・メディアワークス)にも書いてありましたが、要素っていっぱいあるわけですよね。2位入札が良い場合もありますし、CVRと掲載順位が相関する場合もありますし、それらは全て運用の知恵ですよね。そういう運用の知恵も含めてモデルに組み込みたかったからです。
運用経験からくる経験値
有園:そうですね。そこは『リスティング広告 プロの思考回路』でも私が執筆したパートですが、書いていることは私の運用経験からくる経験値です。その経験値は広告主ごとに違うので、広告主ごとにデータを使って、その経験値が統計の観点から確からしいものであるかどうかというのを、きちんと分析をかけて運用に活かしていこうという話でしょうか。
宮腰:近いです。業種や会社のポジションによって、1位をとったほうがよいのか、2位でもよいのかといった、順位とコンバージョンの関係や、1位になるとCPCが極端に上がるけれど2位か3位であれば、あまり変わらないなども、業種によって、あるいは、キーワードによって全て異なります。
むしろ、モデルを作るというのも、出来たものに頭から当てはめていくという考え方ではなくて、その会社にとってコンバージョンを獲得するまでに、どのようなルートをたどっているのかをひとつずつ洗い出して、小さなものを組み合していくという作業に変換することです。
1つのモデルに全てを当てはめ、全てに通用するという80年代のシステム論のような考え方は、データを扱える人が限られていた時代においては良いかもしれません。しかし、いまは全ての人がデータを扱える状態なので、分析を専門家に委ねた汎用モデルを当てはめるのではなく、各会社の傾向を確かめる手段として分析を活用していけばよいのではないかと、そのように最近、思っています。
クライアントごとにモデル化
有園:インプレッション数、順位やクオリティスコアは、おそらくリスティング広告だと、広告主によっては何百万キーワード、何千万キーワードとなるので、さすがに全部はやっていないと思いますが、主要なプランド指名の検索キーワードか、一般のビックワードと言われるようなものなど、キーになるキーワードについては個別に回帰分析をかけているのでしょうか。
宮腰:そうですね。
有園:同じようなことをDSPやアドネットワーク、純広告やバナー広告でもやっていらっしゃるのでしょうか。
宮腰:全体としては、そこまでやっています。ただ、手順があります。コンバージョンはゴールなので、大事なのはコンバージョンの中で、大きな意味をもつ塊なのかどうかです。大きな塊のなかにブランドの指名キーワード群を入れることは、多くの会社で大事なことです。その次に、どのような群がくるか。ある会社にとっては、ビックワードや商品カテゴリであることも。例えば、医療保険とか、がん保険とかですね。
有園:コンピューターとか。
宮腰:はい。車でいうと、コンパクトカーやSUVなどのボリュームを見て、塊に対して因果関係が立てられるかどうかです。立てられるものについては見ていきます。立てられないものについては、自然発生のものだと割り切ることも大事だと思うんです。
コントロールできないOTHERとして扱うと判断した後に、数字を使って相関係数や誤差の範囲であるとか、きちんと数字として説明しきれるものであるのかを判断して、組み合わせていく段取りをとっています。リスティング広告は、塊を作ることが大事です。DSPや純広告になると、影響する割合ではリターゲティングがある程度のボリュームがあり重要だと思いますが、クリックして直接コンバージョンすることは、ウェブの世界だけで見ると良いものだと思います。
有園:なるほど。
リターゲティングについて
宮腰:いったん、マス広告からの影響は置いておきましょう。リターゲティングについては、第三者配信やクリックスルーコンバージョンで、リターゲティングに至る前に、どこから入ってきたのかを見たとき、これがウェブの中だったら良いのですが、最近よく見かけるのは、最初は自然検索できた人が、最後はリターゲティングでコンバージョンするパターンや、リスティング広告で入ってきたのに、その後はビックワードで検索し、最後はリターゲティングでコンバージョンするといった変化です。
指名キーワードの自然検索で入ってきた場合、マス広告との相関を見るといった遡り方をして、リスティング広告だけでなくリターゲティングやDSPなど、分析の幅を広げています。重要なのは、最初にグルーピングしてボリュームを見ることです。
構造方程式モデルの誤解
宮腰:オフラインとオンラインを統合するアトリビューションの代名詞として構造方程式モデルのようなパス図をよく見ますが、運用の実態まで組み込まれたモデルではないんです。分析する側に運用のナレッジがない、ということもあります。でも複雑なパス図になっていると、気持ちが落ち着くというか、わかった気がしちゃうんでしょう。
有園:いかにも高度な分析をしているような気がしてきてね。
宮腰:ところが、僕は、ここ1年で2件も見たのですが、モデルを見て笑ってしまったことがあって。複雑な絵にはなっているんですが、因果関係がめちゃくちゃなんです。1件目は、当たり前の関係が組み込まれていただけ。ある商品(A)のテレビCM・新聞・リスティングを出稿すると、ある商品(A)のコンバージョンが増えます。ある商品(B)のテレビCM・新聞・リスティングを出稿すると、ある商品(B)のコンバージョンが増えますと。その結果、コンバージョンの合計は何件になります。これは、商品ごとのコンバージョンを目的変数にした重回帰を足し算しただけの、当たり前の関係です。
広告を出稿したらコンバージョンが増える。これって重回帰分析をするまでもなく、ダイレクトレスポンスマーケティングでは当たり前のことなんです。モデル化する必要のないことを、小難しく説明しているケースがひとつありました。
有園:なるほどね。
宮腰:そして2件目は、分析して非常に複雑なパス図が現れたのですが、ひとつずつ見ていくと、1日前にリターゲティングの接触があり、3日前にリターゲティングの接触があり、と7日前まで遡っているんですよ。これってリターゲティングの接触の回数を数えているだけなんですよね。
有園:よくありますよね。リターゲティングの接触が続いている絵って。
宮腰:最初に何をすべきか検討する場合、リターゲティングって最初にできることではないので、意味がないんですよ。アウトプットが複雑だと、さも構造化されているように思えてしまいますが、そんなのは大間違いで、モデルの中にきちんとした因果関係、これは仮説として与えないと出てきませんが、因果関係を考察して組み込まれているかが重要なんです。それは自分でその商品の市場や購買プロセスを考察していないとできないわけです。数字を見る能力と、コンピューターを操作する能力と、分析の知識だけではだめなんです。
有園さんが『リスティング広告 プロの思考回路』(アスキー・メディアワークス)で書いていらっしゃったことは、僕の思ってきたことと違うこともありましたが「こういう観点で、こういうことが当てはまる業種もあるんだ」と気づきがあり「トライしてみよう」って思うことが多くて、ヒントがつまった本でした。必ずしも当てはまるわけではないので、自分のなかに「これとこれは因果関係がある、ない」のセットを持っていないとモデル化は出来ないんですよ。
単純なモデルほど本質をえぐり出す力がある
有園:複雑にやるのが良いわけではないって大事ですよね。学生時代に当時、東京大学の経済学部学部長だった岩井克人先生の『貨幣論』(筑摩書房)を読んで感銘を受けたことを思い出しました。世の中には国ごとに貨幣があるので、たくさん貨幣があるという前提で考えると複雑になるけれど、世の中に貨幣が一つしかないと仮定して「世界貨幣」という概念で、すべての商品が売買交換できるという単純なモデルをつくり、その「世界貨幣」を前提に資本主義の脆弱性をえぐり出すという仕事をしています。彼は、ハイパーインフレーションで資本主義が崩壊するという可能性について論じています。その本の中で、単純なモデルほど本質をえぐり出す力があるということが書かれています。
僕は、その考えに影響を受けています。岩井先生は不均衡動学の理論という難しい分野の論文を専門書では書いているのですが、一般書では単純なモデルこそ本質をえぐり出す力があるということを分かりやすく書いていらっしゃっていて「そのとおりだな」って思ったことがありました。
アトリビューションであれ、その他の広告の分析であれ、モデルを作ることが多々ありますが、最初は単純なモデルをつくって、きっちり本質を見抜くことをしてから、複雑なモデルに移っていくことが大事であることを、宮腰さんの話を聞いて、あらためて感じました。
正しく、シンプルに
宮腰:シンプルさは大事ですね。でも、シンプルさの誤解もあります。テレビCMを出稿したら検索数が平均で1.2倍の差があるというデータがあったとき、すべてのケースで1.2倍を当てはめるといった単純な取り組みはたたき台にはなりますが、これもさらに因果関係を考察する努力を怠っており、数字がでればいいという勘違いをおこしています。
有園:そのシンプルさは間違っていますね。
宮腰:シンプルさの考え方が違うんですよ。大事なのは、シンプルな因果関係を描くことだと思うんです。それがシンプルなモデルってものになると思います。AをやったらBがこうなって、そのあとCがどうなってという、いろいろなことに応用できる因果関係を見つけることが、一番大事な考えるべきポイントですね。
③広告会社のあるべき姿
広告会社のあるべき姿
有園:宮腰さんがやっていらっしゃることって、旧来の広告会社がやっていることとはイメージが違うように思います。宮腰さんが特殊なわけではないと思いますが、宮腰さんは、ご自身で統計的な作業もされていると伺っています。得意先への定例会にも参加されてプレゼンし、そこで出た宿題は持ち帰ってご自身あるいはチームで分析をされていることと思います。その結果は、マス広告の方にも「こういった結果が出ているから、こんな風にクリエイティブを作ったほうがよいのではないか」とか「ターゲットを変えたほうがよい」とか「訴求点を変えたほうがよい」みたいな、他にも影響を及ぼす動きをされていると思います。
そうなると「広告会社の人って、そこまで分析とかするんだっけ」という感想をもつのですが、いま、宮腰さんのような仕事をしている方は増えているのでしょうか。いま、ビックデータなど、データを取り扱い、分析することが求められているので、今後、宮腰さんのような人を増やしていかないといけないのかもしれません。そのような状況下で、御社の中での課題や、今後どのような人を必要としているのかを、お話しいただけると有難いなと思っているのですが。
宮腰:大きく言うと、広告会社で働く人間、総合広告会社にせよ、ウェブ広告の専門会社にせよ、得意先にとってのマーケティング領域の専門アドバイザーであるという立場は変わらないと思います。プロフェッショナルアドバイザリーサービスなわけですよね。
得意先の役に立つ助言が、どういう人によってなされるのかを考えていくと、これまでは、ビジネスの感覚を持ったクリエイターや、専門知識を有したコンサルタントでした。有名クリエイターなどは、時代の感覚を自分の中に取り込んで「いまこういうことをやっていくと、あなたの会社は世の中の人に受け入れられますよ」「このようなイメージを抱いてもらえると、ビジネスとして成長できますよ」といったアドバイスをしていました。かたや、MBAをとっていてマーケティングの専門知識をもっている方によるコンサルティングでは、いろんなフレームワークや調査データをつかって戦略的な提案をおこなってきました。
有園:ストラテジックプラナーとかでしょうか。
宮腰:たとえば、そのような存在ですね。そうしたこれまで広告会社に存在した類型とは別の形で、経営者へのアドバイザーとして存在しうるのが、増えているデータの中から意味のあるアドバイスを抜き出したり、創造してアドバイスできる人間です。
クリエイティブな才能をもったクリエイターや、MBAなどの知識や専門的な能力をもったマーケターが、膨大なウェブ・データを分析することはほとんどないわけです。ですから、データを読み解き、アドバイスすることを得意とする存在が、生きていける土壌ができたのではないかと思っています。僕としては、世の中が求めているという感覚は、あまりないのですが、そのようになりたいと思って、これまでやってきました。
マーケターは刑事
有園:実際、そのような環境が整いつつある中で、宮腰さんはご自身の役割を、どのようにお考えですか。
宮腰:刑事だと思っています。
有園:刑事コロンボの刑事ですか。
宮腰:そうです。刑事コロンボとか、相棒とかの刑事です。経営者の方々の一番の仕事って判断することですよね。判断するのは裁判官や判事の仕事です。
有園:最後は、経営判断ですもんね。
宮腰:経営判断をしていただく前に、誰が容疑者でありそうかを見つけ出してくる役割が、刑事だと思うんです。データの世界でいうと、とにかくデータを集める、証拠を集める鑑識のような役割も兼ねています。
これは、データを扱うのが得意で、統計の知識があり、プログラミングが書ける、データをハンドリングするスキルが高い方々がやっていく仕事だと思います。経営と現場の間をつなぐ役割ですね。事実を整理し、ナイフについていたDNAはこのようなもので、逃走経路はこのあたり。一体、この事件を引き起こした犯人は誰なのか。それを見つけない限りは、施策には落ちないし、判断はできません。事実を積み上げ、分析し、一番、疑わしい人間を見つけ出す。これも推測なんです。
課題を、見つける力、解く力、使わせる力
有園:裁判官みたいな人がいます。(資料②)これが経営者ですね。裁判官が判断するために必要なデータを集めてくる人が、刑事ですね。きちんとジャッジするための示唆を与えるわけですね。
いま「データサイエンティスト」が流行っています。この言葉をよく耳にします。宮腰さんのお考えでは、データを分析する人と、データを分析するだけでなく示唆を与えるまでが出来る人を分けているように思うのですが「データサイエンティスト」というのは、その両方が出来る人のことをいうのでしょうか。
宮腰:この点については『会社を変える分析の力』(講談社現代新書)の著者である、河本薫さんの主張が正しいと思っています。当然、データをいじるスキルは必要ですが、データをいじる前に、問題を発見して分析する前提を作る、課題を見つける力が必要だと河本さんはおっしゃっています。僕も、それがまずは必要だと思っています。そして、その問題を解く力。これが分析の力です。最後に強調されているのが、使わせる力です。分析の結果を経営者が活かせるよう変換するところまで出来ないと、データサイエンティストではないのではないかと思っています。
有園:課題を、見つける力、解く力、使わせる力。
宮腰:By河本薫さんです。
有園:たぶんいま、データを操作する人はいます。もちろん、課題を見つけて、解いて、使わせる力も備わっていて、ハンドリングできる人もいますが、ハンドリングすることしかできない人は、データサイエンティストではないということでしょうか。
宮腰:私の知る限り、業種によってばらつきがあります。IT系企業の場合、分析する力、つまり解く力の強い方が多い印象です。
広告会社はどうかというと、問題を見つける力のある人は多いけれど、解く力のある方が少ない。私たち広告、マーケティング側から見ると、解く力のある方というのが、とてもポテンシャルを持っている方々なのではないかと思っています。
解く力を持つ方が、マーケティングの観点から仮説を立てる、問題を見つける力を養っていく、自ら高めていくことができれば、いままさに、データサイエンティストになるポテンシャルの高い方なのでしょう。
有園:それは、広告会社から見てということですね。
宮腰:なぜかというと、いくら見つける力と使わせる力があっても、もとのデータ自体を見ていないと焦点を絞るべきところを見つけ出せないんです。刑事に例えた理由もそうなんですが、現場百遍っていう言葉が昔から好きで、それこそ私が分析するときも相関係数とか誤差なんかを読むだけではなく、重視するのは最初のデータセットです。
データセットをどう作るかで、分析結果ががらりと変わってきますので、正しいデータセットを作っているかどうかが非常に大事なわけです。もしくは、変数をどういう定義でつくっているか、どのようにデータを抽出してきたか。これをやらない限り、データサイエンティストにはなれません。
発言が矛盾するかもしれませんが、データハンドリングの側を十分やっているからこそ、見つける力と使わせる力が備わってくるわけで、見つける力と使わせる力だけ持っていると思っていても、いまこれだけデータが膨大な時代で、データを見ていない限り、正しい分析はできないんですよ。
ですから、さきほど両方やるのか片方でよいのかという話が出ましたが、言ってみれば両方です。軸足がどちらにあるかの違いはあると思いますが。
有園:そうだとすると、大阪ガスの河本さんがおっしゃっているような、課題を発見する力があって、課題を解き、広告主さんに使っていただくために使わせる力が必要で、これは説得力のあるソリューションに落とし込む力でしょうか。広告主さん側で「これを使いたい」と思ってもらえるように。このような3つの力を持っている人が、広告会社にはいなければならないということですね。
宮腰:そうですね。
プログラミングのスキルは必須?
有園:旧来型のマーケットインサイト、コンシューマーインサイトに対して「こういうクリエイティブが良いですよ」と提案するクリエイター、ストラテジックプラナーのように事業戦略まで語れる人も引き続き必要ですが、データを使いソリューションまで導き出せる人も必要になってきたということですね。
宮腰:そうですね。
有園:そのような生き方もあると。そうすると、広告会社で働く人はプログラミングもできたほうがよいのではないかと思ったりするのですが。
宮腰:僕は、できたほうがよいと思います。世の中にマーケティング系のデータっていっぱいあります。アクセス解析のデータであれば、自分のパソコンで過去1年間分くらいのローデータをごそっと引き出すことができます。一般公開されている市場動向の調査データなどもたくさんありますし、統計局ホームページからごそっと引き出すこともできます。
そのような時代に、私たち広告会社、マーケティングプラナーたちは、パソコンを、メールを読んだりウェブサイトを見たりするためだけに、使っていてよいのかということです。マーケターが、与えられたパソコンでメールとウェブサイトだけを見て、あとは机上の空論のようなマーケティングプランを立てているとしたら、料理人にたとえると、コンビニで買ってきた料理をレンジでチンして出しているようなものなんです。オープンデータを集めてくるようになってから、コンビニで買ってきた料理に自分の空想でちょい足しするような世界になってきたわけです。
なぜ、僕が広告会社に勤めるものたちがプログラミングまでできたほうがよいと考えているかというと、データを使うというのは、スーパーで食材を買ってきて、自分の好きなように料理をしていくためには、SQL(シークェル, エスキューエル)を自分でたたいたり、Ruby(ルビー)とかPython(パイソン)でプログラミングを書けて、ローデータを加工したりというところまでいかないといけわけです。僕らはマーケティングのプロですから、ここまでいく気概を持って取り組むべきではないかと思うんです。
たとえば、有園さんがやっていらっしゃるウェブのオンラインのアトリビューションの世界でいうと、APIをたたくことも必要になってきますよね。そのためには、インターネットがなぜつながっているのか、APIの仕組みはどうなっているのかといったことまで把握していないと、机上の空論になってしまいますよね。
有園:なるほど。いまの話でいうと、アタラでもっているプロダクトに「glu(グル―)」というものがあります。「glu(グル―)」は、レポーティングツールであり、分析ツールでもあります。ヤフーとグーグルのプロモーション広告のAPIをたたいてデータを持ってきてソリューションに落としているんです。
それを、ネット専業の広告会社を含め広告業界でやる方がいなかったので、サービスにしようということでつくったプロダクトです。そこが皆さん分かっていれば、同じことをやってきたかもしれませんね。そういう意味では、ウェブのAPIまで理解して分析できれば、より幅が広がるなって思います。
ちょっと余談ですが、「読み・書き・ソロバン」っていいますよね。10年ぐらい前には、ビジネスの「読み・書き・ソロバン」は、「英語・会計・IT」と言われていました。いまは、それが、「英語・会計・プログラミング」になっているんじゃないかと思います。ITって、エクセルやパワーポイントができますとか、インターネットで情報取得できますってレベルじゃ意味がないので、やっぱり、プログラミングかなと。とくに、情報やコミュニケーションに関わる仕事をする広告会社の人は、プログラミングができるレベルじゃないと時代についていけないと思いますね。
クリエイターはテクノロジーに強い
宮腰:広告の世界で、テクノロジーを取り入れる速度が一番速いのは、クリエイターなんです。
有園:分かる気がします。
宮腰:マーケターの方が遅いのは心配ですが。いま、ほとんどの広告写真はフィルムではありませんね。ときどき、フィルムにこだわる方もいますが。フィルムの時代から、広告会社のクリエイターって、なぜこのレンズで撮影するのか、焦点距離がどれくらいで、縁がどれくらいで、引き伸ばし方をどうするのかまでをやっていたわけですよ。
ところが、コンピューター、データとなると、そこまでやらなくなってしまうのはおかしいなと。昔、コンピューターで音楽を作れるといったら、イメージするのはYMOさんや坂本龍一さん、富谷勲さんだったりするわけです。確かな音楽理論があって、高価なシンセサイザーで作曲するようなイメージです。
有園:坂本龍一さんは東京藝術大学にいき、教授と異名をとるぐらい音楽理論にも造詣が深くて、ピアノも弾けて、クラシックの知識もある人が、YAMAHA(ヤマハ)のDX7(ディーエックスセブン)などをつかって作曲していたわけですね。
宮腰:YMOさんのときはProphet Vなどアナログなシンセサイザーで。昔は、膨大な知識量を吸収して、大学を出て理論的にやらなければならないという。日本人って、テクノロジーとの接し方が誤っていて、難しくとらえがちなんです。
ところが、音楽の世界って、たとえば石野卓球さんは座学で研究されたわけではないですが、家でシンセサイザーをいじっていたら面白い音ができて、それが世界で売れたりします。写真も昔は、決定的な瞬間というと、アンリ・カルティエ=ブレッソンなどのマグナムという国際的な報道写真家のグループが有名だったわけです。でも、いまは、糸井重里さんのウェブサイトでも「味写」というのを集めていますが、一般の人が決定的な瞬間を撮影して、それを投稿しているわけですね。いまでは誰でも決定的瞬間は撮影できるようになっているんです。知らず知らずのうちに。
宮崎駿監督の作品「風立ちぬ」主人公のモデルにもなった堀越二郎は、膨大な設計図面を作って、一生に何度あるか分からない飛行のためにテストを繰り返してきましたが、いまはこれですよね。テクノ手芸といわれている、自分で配線して電子工作をはじめられるキットが売られているわけです。小さいLinux(リナックス)が入ったRaspberry Pi(ラズベリー・パイ)という手のひらサイズのチップで何度も実験できます。
データが膨大にあり、分析するツールも膨大にあるわけです。低価格なものから高価格なもの、簡単なものから複雑なものまで。ではなぜ、そこに自分は行かないのか、自分から取り組んでみないのか。取り組むときに、難しいものと思わず、気楽にやってみるべきなんですよ。
テクノロジーとの関わり方を変える
有園:それがテクノロジーとの関わり方なのでしょうか。
宮腰:特に、広告のクリエイティブの世界は、Macintosh(マッキントッシュ)が登場してからの世界ですが、デザイナー自身がAdobe Illustratorでデザインをするようになりました。昔は、デザイナーが手書きした原稿を、マッカーと呼ばれるMacintosh(マッキントッシュ)使いの人が起こして、さらにそれを製版していく段取りがありました。
でも、いまはデザイナーが自らMacを使ってデザインしています。広告会社のアートディレクターも自分でやるようになりました。自分でできる範囲が、どんどん広くなって、いろいろなクリエイティブが実現できるようになりました。僕らのいる分析の世界も同じようなっているはずなんです。
有園:クリエイターは、Adobe IllustratorやAdobe Photoshop などを使いこなしているでしょと。分析する側も、広告会社の人間なら、プログラミングできるほうがよいと。
宮腰:クリエイティブでいうと昔は、デザイナーがいて、アートディレクターがいて、Macのオペレーターがいてと役割が分かれていましたが、いまは一人のクリエイターがパソコンを駆使して幅広く手掛けています。
でもいま、マーケティングのプラニングというと変わらないわけですよ。リサーチャー、PR、メディアのプラナー、アナリスト、エンジニアがいて、相変わらず分業の状態です。今、必要なのはデータサイエンティストという呼び名もあり、その延長線上にあるのかは分かりませんが、マーケティングの世界において必要なのは、マーケターとしての気質と、アナリストやエンジニアの側面も兼ね添えて、施策に落とし込むメディアのプラニング、PRのプラニングに変換することのできる人。さきほどの3つの力「見つける力」「解く力」「使わせる力」を兼ね添えていかなければならないと思います。
有園:いまの20代、30代の若い人たちには、研修などでもプログラミングを教える機会を設けると、大いに活躍する可能性が高まるということですね。
ThinkingからTinkeringへ
宮腰:3つの力を身に付けることは、なにも、若い人に限った話ではないと思います。世の中が、広告業界全般にいえることですが、データサイエンティストを特別視しすぎです。「メディアプラナーやマーケターは、自分でデータをいじくろうよ」という運動にしていったほうがよいと思います。いままで、プラナーもマーケターも考えることが仕事になっていくのですが、自分自身にも強制していることは「考える前にデータをいじくる」ということです。ティンカリング(Tinkering)しろよと。
有園:ディズニーの「Tinker Bell」のティンカーですね。ティンカーベルって手先が器用で、物を作る妖精です。
宮腰:あぁ、なるほど。
有園:いじくるのはティンカーですね。
宮腰:大規模なデータベースをつくって、分析の仕組みをつくってと大掛かりなシステムから考えるよりも、自分の手元にあるデータを自分でいじくった結果が、単純な集計でも大きな施策に活かせる大きな発見がある可能性があるわけです。複雑な分析が、必ずしも正しいわけではないんです。いじくっていくことによって経験値が高くなり、できることも複雑になるわけです。
最初は、自宅で日曜大工して椅子を作っていたけれど、段々と出来るようになって、いつしか大工になって家を建てられるかもしれない。研修を用意するよりも、日頃からデータに触れる習慣をつくっていったほうが良いのではないかなって思っています。
「みんなティンカーベルになろう」
有園:ThinkingからTinkeringへ。「みんなティンカーベルになろう」って運動だったらよいんじゃないですか。
宮腰:そういう運動いいですね。
有園:いま、僕もすごく納得したのは、単純なこと、ちょっとしたことが、実はとっても大事なのではないかと。アトリビューションの話をするとき、複雑なモデルの方が、より精度が高いと思われがちで、実際にそうかもしれないんですが、発見って、単純なモデルや単純なことをきっちりやることで見えてくることがあって、複雑になるとかえって見えなくなったりするので、単純なことをやって方向性を見極めて、そのあとに定めた方向性のもと複雑なことをやっていく手順を経ないと、良いソリューションって仮説を設定してやることができないと思うんですよね。
有園:ありがとうございました。
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対談者プロフィール
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株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
ダイレクトマーケティングビジネスセンター
パフォーマンスマーケティング部
アナリティカルプランニングディレクター
宮腰 卓志
MIYAKOSHI Takashi
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【アトリくんの視点】机上の議論ではなく、非常に実際的なアプローチをされていることに感銘を受けました!あるモデルに全体をあてはめていくのではなく、クライアントごとに異なる状況をモデル化し、運用の要素をインストールしていくことは、まさに「現場百遍」で実際のデータに日々取り組まれているからこそ出てくる本物の知見ですね!「広告会社の人間なら、プログラミングできるほうがよい」本当にその通りだと思います。アトリくんもアトリビューション分野のティンカーベルになれるようにがんばります!宮腰さん、大変貴重なお話ありがとうございました!