ぼくたち・わたしたちの老後のリアル | イケダノリユキのCommunitainment Blog

イケダノリユキのCommunitainment Blog - 2009年11月1日(日) 02:04
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突然ですが、みなさん、老後のこととか考えますか?


まあ、何気ないときにふと考えることはあるかもしれませんが、ガッツリ考えることってそんなにないですよね。老後の不安と言えば、公的年金がこういう状況だと、なんといっても生活資金なわけですが、(↓)の本を読んでみて背筋が凍りました


まぢで、やんばいです。


●野尻哲史著「退職金は何もしないと消えていく」講談社


Taishokukin


●野尻哲史著「なぜ女性は老後資金を準備できないか」講談社


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何がやばいって、とにかく私たちの思い描く「老後のプラン」ってのが何の根拠もなく「何となく何とかなるんだろう」と思っているってこと。これが本当にまずい。ちゃんとしないと、何ともならない、しかもそれが相当まずい、ってことが本書を読むとわかります。「軽くヤバイ」(古)どころじゃない!みんなで目を覚まそう!って本気で思いました。


本書では、人生を左右する5つのリスクとして、


リスク① 思った以上に長生き
リスク② 減らない退職後の生活費
リスク③ 忍び寄るインフレ
リスク④ 「引き出しすぎ」の怖さ
リスク⑤ 偏った資産形成


を紹介していて、それぞれとってもわかりやすく解説してくれています(だからこそ余計に怖さが実感できるんですが)。


60歳~65歳の退職金を受け取ったシニア1000人に行ったアンケートによると、56.8%の人が「老後が不安である」と答えているそうです。また別の調査では、36.6%の人が退職後の準備について「満足していない」と回答していて、退職後の準備について56.2%の人が「もっと勉強しておくべきだった」と回答しているそうです。


俗に、退職後の生活資金は1億円必要だ、とも言われます。が、平均的な50代家庭の貯蓄は1600万円。そして、平均の退職金は2100万です。合計して3700万円。公的年金は65歳から給付されますから、前倒し申請をしない限り5年間は自己資金で食いつながなければなりません(さらに、これからの時代、どれだけの人が2000万円もの退職金がもらえるのかすら定かじゃありません)。

老後の生活資金は思っているほど減らない
ということは本書にも書いてありますが、仮に夫婦2人で30万円で暮らしたとしても年360万円×5年=2,160万円。貯蓄の半分以上は使ってしまう計算です。さらに、公的年金もどうなるかわからない上、医療費や自分の親や自身の介護などの費用もかさむ年齢になるわけです。


また、夫婦の場合、夫が亡くなった時点で給付額はほぼ半額(とある試算:夫婦22.3万円→妻のみ13.5万円)になってしまいます。女性は夫よりも平均11年長生きするというデータがありますが、そのときはすでに貯蓄額が底をうっており、13万円くらいの公的年金では自身の生活すらままならず、施設に入るなどの選択肢も奪われてしまいます。


この前、「婚活時代」 と 「結婚の条件」というエントリーで、「50歳の時点で結婚していない人は、1975年までは2~3%だったのが2005年現在、男性15.4%。今後その数は増え続け、今の若者の25%が一生結婚しないだろうと予測される」ことを紹介しましたが、これからの日本は超高齢・超単身世帯社会を迎えるのです。今現在とは違う様々な課題が出てくることは間違いありません。


マーケターになりたてのころ、好きでよく国立社会保障・人口問題研究所のデータとか見てたんですが、その頃は2000年、2050年、2100年の人口ピラミッドとか、どこか遠い世界のことだと思ってました。(↓)は2055年の人口ピラミッド。クリックすると動きます(人口問題研究所のページに飛びます)。


80歳以上の男女比が明らかに女性に偏っているのがわかりますね。105歳以上の女性が多いのもポイントです。つまり、既婚・独身に関わらず、相当な数の高齢者女性の「おひとりさま」が増加するわけです。施設に入れるかどうかは、シビアですが、これまたお金次第。


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遠い将来だと思っていた2050年も、いまや40年後。日本の人口はいまから2700万人減少して約1億人。そのうち、4000万人が60歳以上で、さらに1000万人は85歳以上の超高齢社会です。僕は1973年1月生まれ(団塊ジュニアど真ん中)なので、2050年といったら78歳。後期高齢者ど真ん中です。自分自身がそこに入るわけです・・・。街を歩いていて10人に4人が60歳以上、10人に1人が85歳以上の社会。この頃は、働き手1~1.5人で1人の高齢者を支える状態なので、僕らの子ども世代の厚生年金はとんでもないことになっていると思います。


(↓)は厚生労働省が発表している平均余命表(平成18年:簡易生命表)。ちなみに、0歳のときの平均余命を「平均寿命」と言い、ある年齢のときの余命を「平均余命」というようです。


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仮に、平均寿命の80歳くらいまで生きたとすると、そこからの平均余命はさらに8.45年もあるってことです。自分がいつ死ぬかはわからないので、必然的に老後の生活資金は余裕を持っておかなければならないわけですが、ほとんどの人は貯蓄も少なければ投資(運用)もしてなければ、大半が自らが「不安」とする「公的年金」頼みになってしまっているという事実。


落合信彦の「20代のときは貯金なんてするな!全て自己投資せよ!20代から老後が不安と貯金するやつはブタ野郎だ!」という言葉に触発され貯金を全額自己投資してきた若かりし頃も、気づけば36歳。もうそろそろ考え始めなきゃいけないのかも・・・。


このテーマ、ちょっと興味深すぎるので(個人的に、という以上に、仕事として)、これから追っかけて行きたいと思います。


みなさん、まずはこの2冊の本、読んでみてください。「あっそ、俺(私)には関係ない」ってこと、絶対にないので!


ぜひ。


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