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ビジネス小説(良著)を2冊ほどご紹介」 からご覧ください。
美咲本の研究のために(といっても書き終わってからですが・・・)、気になったビジネス小説をいくつか読んでます。一冊目はこちら。
『コトラーが教えてくれたこと 女子大生バンドが実践したマーケティング』(西内啓(著)、福吉潤(著)、北野弘務 (イラスト) 、ぱる出版)
こ、このタイトルはもしや「もしドラ」そのまま・・・と思いきや、これが結構(と言ったら失礼ですが)良著でした。主人公の女子大生が全く人気のないバンドを、大学の先生の力を借りながら見事に人気バンドにまで成長させていくマーケティング物語です。
随所に人間関係の悩み、情景描写、マーケティング理論などがちりばめられていてとっても読みやすい。最後の最後で著者が専門とするソーシャルマーケティング(ソーシャルメディアマーケティングじゃないよ)に話をつなげていく展開も見事でした。
著者は、実際に米国MBAでコトラーに師事した方で、「もしドラ」があるなら、そのコトラー版があってもおもしろいんじゃないか、と知り合いの編集者に語ったところ、実現しちゃったんだそうです。読み物としてもおもしろいので、お勧めです。
2冊目はこちら。
『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』(佐藤義典著、青春出版社)
これもねぇ、ぶっちゃけ「どうなんだろうなぁ」って思って買ったんですよ。本当に期待せず。
そしたらものすごい良著じゃないですか!著者の佐藤さんは、実はロングセラーの『図解 実戦マーケティング戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)の著者だったんですね・・・気づきませんでした、ごめんなさい。
この本は、主人公の女の子(新人OL)が、勤務している商社が経営するイタリアンレストランの再生を任され、あっちへぶつかり、こっちへぶつかり、それでも頑張って、いろんな人の力も借りながら、最後には見事にイタリアンレストランを復活させる、というストーリーです。
イタリアンレストランという誰もが想像しやすい題材をつかって、マーケティングとは何ぞや? 戦略とは何ぞや? ということをものすごくわかりやすく教えてくれる本です。ネタバレするのはもったいないので、是非実際に読んでみてください。「マーケティングなんてわかってるよ!」という方にも必ず新たな発見や「そういえば大切なことを忘れていたな・・・」ということを思い出させてくれるはずです。ものすごく読みやすくて、ためになること間違いナシです。
<蛇足>
骨太本もいいですが、ビジネス小説という形態は、「より深く学びたい一歩手前の人たち」(一番裾野が広い層)にとって、良い入口になるかもなぁ・・・と改めて感じたしだい。
伝えたいことを伝えるためには、余計なこととか「本当はもっとこれもあれも知って欲しい!」ということを極限まで絞り込んで、本質的なエッセンスだけをストーリーの中で腹に落としてもらうことが必要です。伝えられる情報量は通常の本の1/10以下になると思いますが、その分、物語として腹に落としてもらえれば、枝葉の部分がブレないような気がしました。
ちなみに、ほとんど全てのビジネス小説に共通する物語の設定には下記のようなものがあります。
- 主人公は女の子(女子高生、女子大生、OL)
- 性格は天真爛漫、頑張り屋さん、サバサバ系のくせに実は乙女でシャイ
- 本の設定で何かを任される(社長とか会社再生とかお店の再建とか)
- でもズブの素人で途方にくれる
- そこに先生(友達、知り合い、隣人、大学の先生など)が現れ、二人三脚で問題解決に当たっていく
- 絶対に敵(仕事先の上司・同僚、取引先、友人)がいて、ガチンコバトルになる(だいたい負けるけどめげない)
- でも味方もいていつも慰め、勇気づけてくれる
- 最初、結構うまく行き始めて「あ、私いけるかも!」と思う
- でも予想外の問題が発生し、いきなり頓挫して、またもや途方にくれる
- そこでハッと気づくポイントがあり、一心不乱にリカバる
- うまくいってハッピーエンド
※途中で軽い恋愛描写や友情物語などが適宜差し込まれる
ひと昔前に一世を風靡したケータイ小説もお決まりの勝ちパターンがありましたけど、ビジネス小説もそうなのかも。
まぁ、小説家じゃないから物語といっても軽いもので、目的はあくまでストーリーの中で当該テーマで伝えたいことをわかりやすく伝えるためのツールなので、それでもいいのかもしれません。ちなみに、気がつけば美咲本も上記設定を踏襲していました(笑)
ということで、「ビジネス小説」なんて入門者向けでしょ!おいらにはもうイラネ!」と思われる方も、ぜひ何冊か読んでみてはいかが? もしかしたら、新たな気づきが得られるかもしれませんよ。