星野リゾートに学ぶ “強い会社” のつくり方 | ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc.

ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc. - 2010年8月5日(木) 22:53
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星野リゾートという会社があります。

皆さんご存知の通り、星野リゾートは徹底した顧客満足度の追及と、経営破たんした旅館やホテルを次々と再生させていく卓越した現場力でとても話題になっている会社です。

2泊3日の夏休み。せっかく箱根・強羅の温泉旅館でゆっくりするなら、星野リゾートのことをもっと深く研究してみよう。そして、いまよりもっともっと良い会社、もっともっと現場力の強い会社になっていくために必要なエッセンスを見つけたい、そんな気持ちから下記2冊の本を読んでみました。

● 『星野リゾートの教科書~教科書通りにやってみよう!!』(中沢康彦著・日経トップリーダー編・日経BP)

星野リゾートの強さには、3つの理由があると思います。


  1. トップダウンによる明確なビジョン(「リゾート経営の達人になる」)の提示
  2. 明確な経営指標とその周知徹底(①顧客満足度、②売上高経常利益率20%、③環境基準に関する達成度を示すエコロジカルポイント)
  3. 徹底した現場主義(とにかく現場の一人ひとりが発想し、議論し、実行することを奨励する)


この3つが、とにかくブレない。すべての活動は、これらを実現するための手段として徹底されています。

とは言っても、これらを徹底させ、結果を出し続けるためには、相当な努力と精神力が必要です。星野社長は、どう意思決定をしているのか。そこに焦点を当てたのが、この本です。

星野社長は、「企業経営には、経営者個人の資質に基づく “アート” の部分と、論理に基づく “サイエンス” の部分がある。でも自分にはアーティスティックに経営の意思決定をしていくセンスも自信もない。だからサイエンスによる経営手法を徹底して学ぼう」と考えたそうです。

でも、僕も現場で社長業をやっていると、正直、昔、中小企業診断士を取るときに必死で勉強した数々の経営理論とかは、若干古臭くて現場ではあまり役に立たない、なんて思ってしまう。

しかし、星野社長は、「教科書に書かれていることは正しい」と断言しています。さらに、「教科書通りでうまくいかないとしたら、それは理解が不十分で、取り組みが徹底されていないからに違いない」と指摘しています。

星野社長の周りでも、教科書通りに経営をしている人はほとんどいないそうです。でも、1991年に佳路さんが社長に就任して以降、社員のモチベーションアップ、サービスの改善、旅館やホテルにコンセプトメイクも、経営者として実践してきた全ては、教科書で学んだ理論がベースになっているそうな。

いやでもベースはベースで、星野さん独自の視点でアレンジをさせてるんでしょ? 結局、理論をそのまま実践したってうまくいきっこない、と思いますよね?

でも、これについても、星野社長は異を唱えています。これについては、本の選び方のところで説明されています。


<本の選び方>

Step1:本を探す
書店に1冊しかないような古典的な本ほど役に立つ

Step2:読む
1行ずつ理解し、分からない部分を残さず、何度でも読む

Step3:実践する
理論をつまみ食いしないで、100%教科書通りにやってみる

とのこと。


実践において重要なのは、とにかくそこに書かれていることは【全て】やり尽くすことなんだそうです。例えば、「ポイントは3つある」と書かれている。でも、とりあえず手がつけやすい2つしかやっていない。これでうまくいかないのは当たり前。ポイントは3つある、と書かれているなら、その3つをとにかくやり切る。1つか2つやっているから良い、というものではないんだそうです。アレンジもしない。全てやり尽くし、そこからアレンジするんだそうです。ううむ、耳が痛い。

本の中では、星野さんが星野リゾートの経営を承継し、これまで七転八倒してくる過程で直面した課題、それに対する教科書と実践法について、様々なケースごとにまとめられています。

役に立つだけじゃなく、感動すらしちゃいます。ぜひご一読を。


そして、もう一冊はこちら。

● 『星野リゾートの事件簿』(中沢康彦著・日経トップリーダー編・日経BP)

こちらは、先に紹介した『星野リゾートの教科書』にも登場する事例も含め、豊富なケーススタディがまとめられています。

星野社長は、「事件が会社を強くする」と考えているんだそうです。この本の中には、文字通り、星野リゾートを襲った多くの事件と、それに対峙するスタッフや星野社長のやり取りがドキュメンタリーとしてまとめられています。

巻頭で紹介されていた、アルファリゾート・トマムの経営再建に力を与えた「雲海テラス」の事例が紹介されていて、思わず目頭が熱くなってしまいました。星野リゾートのプロジェクトX的な本かもしれません。


最後に、『星野リゾートの教科書』で紹介されている主な教科書(ビジネス書)を下記にまとめておきます。

● 『競争の戦略』(マイケル・E・ポーター・ダイヤモンド社)

● 『マーケティング・マネジメント 基本編』(コトラー&ケラー著・ピアソンエデュケーション)

● 『The Myth Of Excellence』(Fred Crawford著・Crown Business)

● 『売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則』(アル・ライズ、ジャック・トラウト著・東急エージェンシー出版部)

● 『いかに「サービス」を収益化するか』(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編・ダイヤモンド社)

● 『真実の瞬間』(ヤン・カールソン著・ダイヤモンド社)

● 『One to One マーケティング』(ドン・ペパーズ、マーサ・ロジャース著・ダイヤモンド社)

● 『ブランド・エクイティ戦略』(デービッド・A・アーカー著・ダイヤモンド社)

● 『ビジョナリー・カンパニー』(ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス著・日経BP)

● 『1分間顧客サービス』(ケン・ブランチャード、シェルダン・ボウルズ著・ダイヤモンド社)

どれもビジネスや経営理論の古典で、昔読んだことがある本も多いんじゃないでしょうか。でも、これをこれを機に、再度読み返してみると良いかもしれませんね!

<最後に>

星野社長は、全てのスタッフに「この会社で過ごせてよかった」と思ってもらえるようになりたい、と話しています。「星野リゾートの社員は、人生の大切な時間をこの会社で過ごし、そしていつか会社を去っていく。そのときに『星野リゾートで過ごせてよかった。あの職場はとても幸せだった』と思ってもらえるようにしたい」と。

これは単に「従業員満足:Employee Satisfaction」を言っているのではありません。「満足」というよりも、「誇り」に近いもの

トライバルメディアハウスも、そこを目指して行きたいと思っています。

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