ヤフーと、中国のECモール大手、淘宝網(タオバオ)が共同運営している中国人向けECモール「淘日本(タオジャパン)」が5月17日に閉鎖することが明らかになった。「タオジャパン」は「タオバオ」のユーザーが「ヤフーショッピング」に掲載している商品を中国語で購入できるモールとして10年6月に開設。当初から自動翻訳の精度が低く購入しにくいと指摘されていたのに加え、両国間の法規制の問題で取り扱える商品が制限されていた。さらに東日本大震災による放射能汚染への不安から、日本商品を購入するユーザーが減少し、流通額を伸ばせなかった。
「タオジャパン」は「ヤフーショッピング」の約3000万点の商品のなかから、ブランド品、家電製品、ファッション商品など800万点を中国語に自動翻訳して掲載。注文が入った商品はアリババが代理購入し、中国の消費者に届ける仕組みをとっている。
開始直後に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件をめぐって、中国各地で反日デモが始まるなど反日感情が高まった。この影響で、日本から入ってくる商品の多くが税関で止まった。現金化に時間がかかることから、中国向けの販売を中止するEC事業者が増加。掲載商品点数の拡大を目指していたが、逆に減少する状況となっていた。
「タオジャパン」の開設と同時に「ヤフーショッピング」内に開設していた、「タオバオ」の商品が日本語で購入できるサイト「ヤフーチャイナモール」も5月17日にサービスを終了する。「ヤフーチャイナモール」も自動翻訳の精度の低さにユーザーから不満が上がっていたほか、送料が高く中国商品の低価格性が発揮できなかったことから流通額が伸びなかった。
ヤフーはモールの相互連携は中止するものの、タオバオとの提携は続けていく考え。中国向けECについても再度取り組んでいく予定だ。「現状のシステムではうまくいかないことが分かったため、早期に打ち切ることにした。仕切り直して、再度中国ECに挑戦したい
」(広報)としている。
・淘日本
→ http://japan.taobao.com/
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