支払い方法は依然として「現金」が圧倒的。キャッシュレスは「スマホ決済」が半年で164%の伸長【マクロミル調べ】

マクロミルは20~69歳の1,000人に対し、キャッシュレス決済に関する調査を行なった。
赤城歩佳(Web担編集部) 2019/6/28 8:00

マクロミルは20~69歳の1,000人に対し、キャッシュレス決済に関する調査を行なった。

日本政府は、2025年までにキャッシュレス普及率が40%に到達することを目標に掲げている。諸外国と比べて日本のキャッシュレス化は遅れているとも言われているが、日本の一般生活者へはどの程度浸透しているのか。2018年10月に実施した調査と比較し、半年という期間でどの程度普及が進んだのかを見ていく。

また、2019年10月の10%増税後の経済対策として、9カ月間のキャッシュレス払いによって買い物金額の2~5%のポイントが還元されることが決まっている。この対策によってキャッシュレス化は進むのか、生活者への影響度合いについても調査した。

97%が依然として「現金」支払い。半年で最も伸長したのは「スマホ決済」

普段どのような方法で支払いをしているのか尋ね、2018年10月に実施した調査結果と比較した。

今回最多は「現金」で97%、次いで「クレジットカード」75%、「銀行振り込み・引き落とし」38%で、これら上位3つは半年前とのスコア差が少ない結果だった。

続いて、4位がSuica、PASMOといった「交通系ICカード」で37%、5位がWAON、nanaco、楽天Edyといった「流通系ICカード」で34%、6位はLINE Pay、Apple Payなどの「スマホ決済」で19%。

“キャッシュレス”の観点で見ると、2位の「クレジットカード」と比べ利用率自体に大きな差があるものの、4位以降の「交通系ICカード」「流通系ICカード」「スマホ決済」は、この半年で伸長していることがわかる。中でも「スマホ決済」が特に伸長しており、半年で164%という結果となった。

支払い方法の利用率 上位6位

スマホ決済のうち「QRコード決済」が躍進。半年で32ポイント増

利用が進む「スマホ」では、どのように決済しているのか。

利用経験率は、「タッチ型決済」が70%で前回調査よりも18ポイント減、「QRコード決済」が67%で前回調査よりも32ポイント増となった。2018年10月時点では、スマホでの支払いは「タッチ型決済」が主流であったが、半年後の2019年4月には「タッチ型決済」と「QRコード決済」がほぼ並ぶ結果となった。

QRコード決済ユーザーの“使い始めた時期”を見ても、「6カ月以内」が60%を占め、この半年で新規ユーザーが劇的に増加している。

スマホで支払いをする際に利用したことがある決済方法
QR決済を使い始めた時期

QRコード決済ユーザーの53%が「キャンペーンや割引などの特典」のために利用

それぞれの“キャッシュレス払い”ユーザーへ、その支払いを利用する理由について尋ねた。

特徴的だったのは、QRコード決済ユーザーの53%が「キャンペーンや割引などの特典」を理由にしており、他のキャッシュレスサービスを抑えて突出していた点。2018年の年末から、PayPayやLINE Payなどによる大型キャッシュバックキャンペーンが走ったことも背景にあるようだ。そして、クレジットカードや流通系ICカード、QCコード決済では70%を超える人が「ポイントが貯まる・使える」を理由にあげた。各サービスのキャンペーンが一定の成果につながっている様子がうかがえる。

また、「お金の管理をしやすい」という理由では、まだ1割に満たない利用率のデビットカードユーザーの37%が選択し、他のキャッシュレスサービスを抑えて1位だった。

各キャッシュレス払いを利用する理由

 

消費税対策「キャッシュレス決済のポイント還元」の認知率は75%

2019年10月に予定されている10%増税の経済対策の1つに「キャッシュレス決済のポイント還元」がある。この対策の認知状況は、「内容までよく知っていた」が18%、「なんとなく聞いたことがあった」が半数超の57%、合計すると認知率は75%であった。

また、この対策によって、キャッシュレス払いが実際に多くなると思うか尋ねると、「とても多くなると思う」が20%、「まあまあ多くなると思う」が47%で、前向きな回答が合計67%で過半数を占めた。

消費増税対策「キャッシュレス決済のポイント還元」の認知状況
消費増税対策「キャッシュレス決済のポイント還元」によって、キャッシュレス払いが多くなるか

調査概要

  • 【調査主体】マクロミル
  • 【調査方法】インターネットリサーチ
  • 【調査対象】全国20歳~69歳の男女(マクロミルモニタ会員)
  • 【割付方法】平成27年国勢調査による性別×年代の人口動態割付/合計1,000サンプル
  • 【調査期間】2019年4月26日(金)~2019年4月27日(土)
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