ウェビナーを開催しても、商談につながらない
——こう頭を抱えているウェビナー担当者は非常に多い。商談獲得の失敗には、必ず「発生したフェーズ」がある。
本連載「ウェビナー商談獲得ブートキャンプ」では、商談獲得への影響が大きい順に各フェーズを徹底解剖してきた。全体の構成は次のとおりだ:
この記事では、「集客」「企画・ハウスリスト」フェーズのアンチパターンと打ち手を叩き込む。
第5章「集客」フェーズのアンチパターンと打ち手
「メールを1通送った」を集客と呼ぶな
ウェビナーの告知メールを1通送って、「集客した」と思っているなら、それは集客ではなく「通知」だ。集客メールは「複数回、切り口を変えて送る」のが基本中の基本だ。
打ち手は2つある。メール配信の設計を見直すこと、そしてメール以外のチャネルを開拓することだ。
打ち手1 メールは「3回、3つの顔」で送れ
同じ件名・同じ内容で何度も送るのはスパムと変わらない。変えるべきは「回数」ではなく「切り口」だ。
実績のある設計はこうだ。
- 1回目(開催1〜2週間前): シンプルな告知メール
- 2回目(開催3〜5日前): 「お役立ちメルマガ風」
——ウェビナーのテーマに関連したノウハウを本文で語り、最後にウェビナーへ誘導する。 - 3回目(開催1日前): 「資料チラ見せ」
——当日使用するスライドの一部を見せて、「続きはウェビナーで」と引っ張る。
これ以外にも、申し込みフォームで申し込み者からの「質問」を募集しているなら、「こんな質問が来ています」といったメールをつくるのも一手だ。切り口は色々ある。頭がねじ切れるほど考えろ。
さらに効果を上げたいなら、セグメントして送れ。ハウスリスト全員に同じメールを送るな。業界・役職・過去の行動履歴によって文面を変えることで、受け取った側の「自分ごと感」が上がる。また、開催直前にだけ送るのも失点である。告知は早く、複数回が原則だ。
打ち手2 「メールだけ」の集客から卒業しろ
多くのウェビナー担当者が集客のほぼすべてをハウスリストへのメール配信に依存している。これは構造的なリスクだ。ウェビナーへの集客チャネルは、メール以外にも複数ある。たとえば、次のようなものだ。
- 自社サイトへのバナー
- 告知記事
- 自社営業担当者による個別案内
- SNS投稿
- プレスリリース
- 共催ウェビナー
- 広告
——これらを組み合わせることで、ハウスリスト外の新規接点を作れる。
特に見落とされがちなのが「自社営業担当者」のチャネルだ。IS・フィールドセールスが商談で接触している見込み客や、過去に失注したリードに対して、「ちょうどいいウェビナーがあります」と個別に案内する動線を作れ。営業が動くだけでターゲット含有率の高い申し込みが増える。
他にも社員のメールのシグネチャにウェビナー情報を掲載したり、社内の名刺データベースなどを活用したりする手もある。使えるアセットは余さず使い切れ。
第6章「企画・ハウスリスト」——上流が腐れば、すべてが腐る
下流をどれだけ磨いても、上流が枯れていれば終わりだ
ここまで5つのフェーズを、商談獲得への影響が大きい順に解説してきた。だが最後に、最も根っこの話をしなければならない。企画とハウスリストだ。
下流をいくら磨いても、上流に問題があればすべてが無効化される。川の源流が干上がっていれば、どんなに立派な水路を作っても水は流れない。
打ち手1 ハウスリストの「量」と「質」を同時に問え
ウェビナーの商談獲得数は、突き詰めれば数字の掛け算で決まる。
ハウスリスト数×開封率×申し込み率×参加率×アンケート回答率×架電接触率×アポ獲得率——この連鎖の最初の変数がハウスリストだ。ハウスリスト7,000件、開封率30%、申し込み率1%で計算すると、ハウスリストからの申し込みは21件になる。
この「21件」という出発点は、ハウスリストの数が変わらなければ変えられない。
「量」だけを追うのも危ない。ハウスリストの数が多くても、自社ターゲットと一致しない属性のアドレスが大量に混じっていれば、開封されず、申し込まれず、参加されない。ターゲット含有率が低いリストは、大きくても機能しない。
さらに見落とされがちなのがアドレスの質だ。「info@」や「contact@」のような部署宛の代表アドレスには、担当者に届かないメールが大量に眠っている。ハウスリストの中に、バイネームアドレス(個人宛メールアドレス)がどれだけあるか、今すぐ確認しろ。
打ち手2 企画はハウスリストにいるリードの「検討段階」に合わせろ
ウェビナーの企画で最も多いアンチパターンは「同じテーマをくり返し開催すること」と「見込み客の関心とズレた企画を立てること」だ。
正しい順序は逆だ。「ハウスリストにいるリードが今どの段階にいるか」から逆算して企画を決めろ。
見込み客の検討段階には、次の3つの階段がある:
- 課題がまだ顕在化していない「認知獲得」段階
- 課題は認識しているが解決手段を探している「興味醸成」段階
- 具体的なソリューションを比較検討している「検討促進」段階
それぞれの段階で、参加者が求めているコンテンツはまったく違う。
「認知獲得」段階のリードが多いハウスリストに、製品デモの詳細な説明ウェビナーを打っても参加されない。逆に、「検討促進」段階のリードが多いのに、上位概念のトレンド解説ウェビナーを開催し続けても、商談への架け橋にはならない。企画は「何を話したいか」ではなく、「誰のどんな悩みを今解決するか」から始めろ。
ハウスリストを定期的にセグメントし、どの段階のリードが多いかを把握した上で企画を立てている組織は、ウェビナーを「商談獲得装置」として機能させられる。
把握していない組織は、毎回「なんとなく役に立ちそうなテーマ」で開催し続けて、数字が伸びない理由もわからないままになる。
おわりに
前中後編の3記事で、次の5つのフェーズを解説してきた:
- 開催後フォロー
- 開催中
- LP・申し込み
- 集客
- 企画・ハウスリスト
すべてを一度に直そうとするな。まず自分のウェビナーがどのフェーズで最も失点しているかを診断し、影響の大きい順から手をつけろ。
ウェビナーで商談を取るのは、才能の話ではない。設計の話だ。
付録
Bizibl Technologiesのウェビナー情報
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