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「ウェビナーをしても商談にならない…」なら、フォロー設計を叩き直せ! 獲得率を12倍に上げる方法

Bizibl Technologiesによる「ウェビナー商談獲得ブートキャンプ」始動。現場にはびこるアンチパターンと、商談を獲得するための打ち手を、前中後編の3本で叩き込む。

前田 考歩(Bizibl Technologies)[執筆]

7:05

第1章商談獲得に影響する要因を構造で捉えろ

あなたたちがこの記事をクリックした理由はわかっている。「ウェビナーを開催すればラクに集客できて商談も獲得できる」と信じ込み、現実は無残な敗北を喫しているからだ。

開催はしている。参加者も集まる。でも商談にならない

——そう頭を抱えているウェビナー担当者は、あなたたちだけではない。Bizibl Technologies(以下、Bizibl)が実施した「ウェビナーマーケティング実態調査2024」(n=105)によれば、ウェビナーに関する課題として「商談獲得」を挙げた担当者は61.9%にのぼり、全項目中トップだ。

Q. 現在ウェビナーに関して「課題」に感じていることを教えてください

では、なぜ商談が取れないのか。よくある答えはこうだ。

集客が足りないから

コンテンツが弱いから

それは間違いではない。だが、それだけで片付けてしまうのは、根本的に診断を誤っている。商談獲得の失敗には、必ず「発生したフェーズ」がある

ウェビナーの成果は「掛け算」だと理解しろ

ウェビナーで商談を獲得するまでには「申し込み → 参加 → アンケート回答 → リスト作成 → 架電 → 商談」という階段がある。そしてその各ステップには、成果を左右する変数が存在する

ウェビナーで商談を獲得するためのプロセスと変数

この図の何が重要か。それは、上流の失敗が下流に必ず波及するという事実だ。アンケート回答数がゼロなら、優先度の高いリストは作れない。リストが作れなければ、どの参加者に最初に電話すればいいかわからない。わからないから全員に同じ優先度で架電する。全員に同じトークで話す。結果、商談が取れない。

これはウォータースライダーではなく、ドミノ倒しだ。上流で一枚倒れると、下流のドミノまで全部倒れる。

「どのフェーズが漏れているか」を先に特定しろ

ウェビナー担当者が陥りがちな罠がある。それは「すべてを同時に改善しようとすること」だ。集客も、LPも、コンテンツも、フォローも、全部一気に手を入れようとする。結果、何も変わらない。

正しい順序がある。商談獲得に最もダイレクトに影響するフェーズから手をつけろ

では、そのフェーズはどこか。データがある。Biziblが実施した「インサイドセールス(IS)1,000人調査」では、IS担当者が「商談につながった要因」として挙げた上位項目が明確に示されている。

Q. 商談がスムーズにいったリードには、どのような共通点がありましたか?

上図に書かれた「商談化の要因」を見ろ。

  • アンケートで課題を明確に回答していた
  • 過去の資料請求、行動履歴があった
  • マーケ部門からの情報共有が詳細だった

——これらがすべて、架電する前の情報の質に関わる要因だ。

逆に、IS担当者が抱える「課題」の筆頭には、次の2つが挙がっている。

  • 優先順位のつけ方・ホット判定
  • 情報不活用

つまり、ISは「誰に最初にかけるか」が判断できず、「持っている情報を使えていない」から商談が取れないのだ。この問題は、集客メールの件名を磨いても解決しない。開催中のコンテンツを改善しても解決しない。開催後フォローの設計を変えることでしか解決しない。

この記事では、商談獲得への影響が大きい順に各フェーズを解説していく。順番は、次のとおりだ:

  1. 開催後フォロー(この記事で紹介)
  2. 開催(中編で紹介。5/18公開予定)
  3. LP・申し込み(中編で紹介。5/18公開予定)
  4. 集客(後編で紹介。5/25公開予定)
  5. 企画・ハウスリスト(後編で紹介。5/25公開予定)

第2章開催後フォロー」のアンチパターンと打ち手

ウェビナーが終わった瞬間、あなたは何をしているか?

ウェビナーが終わった直後、あなたの頭の中はどうなっているか?「ご参加ありがとうございました」と参加者にメールを送ってひと段落——そう思っているなら、それがアンチパターンの入口だ。

ウェビナー終了の瞬間こそ、商談獲得の本番が始まる合図だ。ところが多くの現場では、この「開催後」のフォロー設計が最も粗い

全参加者のリストをISに渡す。ISは上から順番に電話をかける。つながらなければ1回で終わり。全員に同じトークで話す——これのどこが「フォロー」なんだ!? ただの電話ごっこだ!

架電フォローには、成果を左右する要素が3つある:

  • 誰に
  • 何回
  • 何を言うか

この3つを設計せずして商談は生まれない。

商談につながる架電の3つの重要要素

3つの要素について、ひとつずつ叩き込む。

打ち手1「誰に」——優先順位をつけて架電しろ

ISのリソースは有限だ。全員に同じ回数・同じ品質でフォローできるなどと思うな。だから「誰から先に電話するか」の設計が命綱になる。優先順位をつける根拠は2つある。「アンケートの回答内容」と「ウェビナー開催前後の行動履歴」だ。

アンケートでは次の3軸で回答を取る:

  • 状況(サービスに関する見込み客の状況)
  • 課題(何に困っているか)
  • ニーズ(サービスへの興味度)

この3軸の回答に点数を振ってスコアリングし、高スコアの人から優先的に架電する。これが「遠交近攻」——関心度の高い層から近い順に攻める、架電設計の基本だ。

架電設計の基本「遠交近攻」

この設計がいかに重要かを示す実績値がある。Biziblでは2025年5月に開催・参加したウェビナーの申し込み者408名を、「関心度の高いリスト」と「低いリスト」に分類して架電した結果、高いリストの商談獲得率は40%、低いリストは3.3%という結果が出ている。同じリストの中でも、誰に先にかけるかで商談獲得率に12倍以上の差が出るのだ。

さらにスコアリングには副次的な効果もある。IS担当者は「そんなに興味なさそう」という主観判断で架電をためらいがちだ。しかし客観的な条件——業界・役職・導入検討時期——がそろっていれば、主観の「興味薄」はノイズに過ぎない。スコアが数字で可視化されることで、ISの判断を主観から客観に引き戻せる。

フォームで取得できる情報には、回答者が「主観的に入力する情報」と「客観的に入力する情報」がある

打ち手2「何回」——1回で諦めるな

電話したけど出なかった

——それで終わりにしていないか?

1回の架電でつながる確率はおよそ30%だ。つまり1回かけただけでは、70%の見込み客に声すら届いていない。3〜4回架電して初めて、ようやくつながるケースが多い。4回かけても出なければ、それは意図的な回避と判断して一旦止める——これが現場で機能している運用ルールだ。

そんなに電話する時間がない

こういうあなたに言っておく。時間がないのは全員に電話しようとしているからだ。優先順位をつけて、かけるべき人の数を絞れ。絞った相手に3〜4回かける。それが正しい時間の使い方だ。

打ち手3「何を言うか」——全員同じトークは商談の無駄遣いだ

電話がつながった。しかし、アンケートで「集客に課題がある」と答えた人に、「先日のウェビナーはいかがでしたか?」と聞いているなら、それは完全に機会損失だ。無意味な会話である。

集客にお悩みとのことでしたが、弊社の◯◯機能で解決したお客様事例があります

——これが個別化されたトークだ。

IS担当者にウェビナーの内容を事前に共有しているか? CRMに「過去の架電履歴」や「参加履歴」を記録しているか? これができていないと、毎回ゼロベースで話すことになる。せっかくウェビナーという接点を持ったのに、その文脈を捨てて電話しているのと同じだ。

また、いきなり「商談しましょう」とハードルの高いオファーを出していないか? 相手がまだ検討初期であれば、「30分の相談会」や「壁打ち」のような低いハードルのオファーを入口にするほうが、結果的に商談につながりやすい。商談を獲ろうとして商談を逃すな。

期待値別のアポイントの設計

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けする。中編となる次回は、「開催中」「LP・申し込み」フェーズのアンチパターンと打ち手を紹介する。

(中編は5/18公開予定)

Bizibl Technologiesのウェビナー情報

『100人集めて商談ゼロ?ウェビナーに潜む「バケツの穴」を塞ぐ方法』

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