第1章商談獲得に影響する要因を構造で捉えろ
あなたたちがこの記事をクリックした理由はわかっている。「ウェビナーを開催すればラクに集客できて商談も獲得できる」と信じ込み、現実は無残な敗北を喫しているからだ。
開催はしている。参加者も集まる。でも商談にならない
——そう頭を抱えているウェビナー担当者は、あなたたちだけではない。Bizibl Technologies(以下、Bizibl)が実施した「ウェビナーマーケティング実態調査2024」(n=105)によれば、ウェビナーに関する課題として「商談獲得」を挙げた担当者は61.9%にのぼり、全項目中トップだ。
では、なぜ商談が取れないのか。よくある答えはこうだ。
集客が足りないから
コンテンツが弱いから
それは間違いではない。だが、それだけで片付けてしまうのは、根本的に診断を誤っている。商談獲得の失敗には、必ず「発生したフェーズ」がある。
ウェビナーの成果は「掛け算」だと理解しろ
ウェビナーで商談を獲得するまでには「申し込み → 参加 → アンケート回答 → リスト作成 → 架電 → 商談」という階段がある。そしてその各ステップには、成果を左右する変数が存在する。
この図の何が重要か。それは、上流の失敗が下流に必ず波及するという事実だ。アンケート回答数がゼロなら、優先度の高いリストは作れない。リストが作れなければ、どの参加者に最初に電話すればいいかわからない。わからないから全員に同じ優先度で架電する。全員に同じトークで話す。結果、商談が取れない。
これはウォータースライダーではなく、ドミノ倒しだ。上流で一枚倒れると、下流のドミノまで全部倒れる。
「どのフェーズが漏れているか」を先に特定しろ
ウェビナー担当者が陥りがちな罠がある。それは「すべてを同時に改善しようとすること」だ。集客も、LPも、コンテンツも、フォローも、全部一気に手を入れようとする。結果、何も変わらない。
正しい順序がある。商談獲得に最もダイレクトに影響するフェーズから手をつけろ。
では、そのフェーズはどこか。データがある。Biziblが実施した「インサイドセールス(IS)1,000人調査」では、IS担当者が「商談につながった要因」として挙げた上位項目が明確に示されている。
上図に書かれた「商談化の要因」を見ろ。
- アンケートで課題を明確に回答していた
- 過去の資料請求、行動履歴があった
- マーケ部門からの情報共有が詳細だった
——これらがすべて、架電する前の情報の質に関わる要因だ。
逆に、IS担当者が抱える「課題」の筆頭には、次の2つが挙がっている。
- 優先順位のつけ方・ホット判定
- 情報不活用
つまり、ISは「誰に最初にかけるか」が判断できず、「持っている情報を使えていない」から商談が取れないのだ。この問題は、集客メールの件名を磨いても解決しない。開催中のコンテンツを改善しても解決しない。開催後フォローの設計を変えることでしか解決しない。
この記事では、商談獲得への影響が大きい順に各フェーズを解説していく。順番は、次のとおりだ:
- 開催後フォロー(この記事で紹介)
- 開催中(中編で紹介。5/18公開予定)
- LP・申し込み(中編で紹介。5/18公開予定)
- 集客(後編で紹介。5/25公開予定)
- 企画・ハウスリスト(後編で紹介。5/25公開予定)
第2章「開催後フォロー」のアンチパターンと打ち手
ウェビナーが終わった瞬間、あなたは何をしているか?
ウェビナーが終わった直後、あなたの頭の中はどうなっているか?「ご参加ありがとうございました」と参加者にメールを送ってひと段落——そう思っているなら、それがアンチパターンの入口だ。
ウェビナー終了の瞬間こそ、商談獲得の本番が始まる合図だ。ところが多くの現場では、この「開催後」のフォロー設計が最も粗い。
全参加者のリストをISに渡す。ISは上から順番に電話をかける。つながらなければ1回で終わり。全員に同じトークで話す——これのどこが「フォロー」なんだ!? ただの電話ごっこだ!
架電フォローには、成果を左右する要素が3つある:
- 誰に
- 何回
- 何を言うか
この3つを設計せずして商談は生まれない。
3つの要素について、ひとつずつ叩き込む。
打ち手1「誰に」——優先順位をつけて架電しろ
ISのリソースは有限だ。全員に同じ回数・同じ品質でフォローできるなどと思うな。だから「誰から先に電話するか」の設計が命綱になる。優先順位をつける根拠は2つある。「アンケートの回答内容」と「ウェビナー開催前後の行動履歴」だ。
アンケートでは次の3軸で回答を取る:
- 状況(サービスに関する見込み客の状況)
- 課題(何に困っているか)
- ニーズ(サービスへの興味度)
この3軸の回答に点数を振ってスコアリングし、高スコアの人から優先的に架電する。これが「遠交近攻」——関心度の高い層から近い順に攻める、架電設計の基本だ。
この設計がいかに重要かを示す実績値がある。Biziblでは2025年5月に開催・参加したウェビナーの申し込み者408名を、「関心度の高いリスト」と「低いリスト」に分類して架電した結果、高いリストの商談獲得率は40%、低いリストは3.3%という結果が出ている。同じリストの中でも、誰に先にかけるかで商談獲得率に12倍以上の差が出るのだ。
さらにスコアリングには副次的な効果もある。IS担当者は「そんなに興味なさそう」という主観判断で架電をためらいがちだ。しかし客観的な条件——業界・役職・導入検討時期——がそろっていれば、主観の「興味薄」はノイズに過ぎない。スコアが数字で可視化されることで、ISの判断を主観から客観に引き戻せる。
打ち手2「何回」——1回で諦めるな
電話したけど出なかった
——それで終わりにしていないか?
1回の架電でつながる確率はおよそ30%だ。つまり1回かけただけでは、70%の見込み客に声すら届いていない。3〜4回架電して初めて、ようやくつながるケースが多い。4回かけても出なければ、それは意図的な回避と判断して一旦止める——これが現場で機能している運用ルールだ。
そんなに電話する時間がない
こういうあなたに言っておく。時間がないのは全員に電話しようとしているからだ。優先順位をつけて、かけるべき人の数を絞れ。絞った相手に3〜4回かける。それが正しい時間の使い方だ。
打ち手3「何を言うか」——全員同じトークは商談の無駄遣いだ
電話がつながった。しかし、アンケートで「集客に課題がある」と答えた人に、「先日のウェビナーはいかがでしたか?」と聞いているなら、それは完全に機会損失だ。無意味な会話である。
集客にお悩みとのことでしたが、弊社の◯◯機能で解決したお客様事例があります
——これが個別化されたトークだ。
IS担当者にウェビナーの内容を事前に共有しているか? CRMに「過去の架電履歴」や「参加履歴」を記録しているか? これができていないと、毎回ゼロベースで話すことになる。せっかくウェビナーという接点を持ったのに、その文脈を捨てて電話しているのと同じだ。
また、いきなり「商談しましょう」とハードルの高いオファーを出していないか? 相手がまだ検討初期であれば、「30分の相談会」や「壁打ち」のような低いハードルのオファーを入口にするほうが、結果的に商談につながりやすい。商談を獲ろうとして商談を逃すな。
この記事は、前中後編の3回に分けてお届けする。中編となる次回は、「開催中」「LP・申し込み」フェーズのアンチパターンと打ち手を紹介する。
(中編は5/18公開予定)
Bizibl Technologiesのウェビナー情報
『100人集めて商談ゼロ?ウェビナーに潜む「バケツの穴」を塞ぐ方法』
- 開催日時: 5/14(木)、15(金)、18(月)、19(火)
- 詳細&申し込み: https://attendee.bizibl.tv/sessions/seqBFeppFYxu

