ウェビナー主催者必見!ライブ配信の設計~進行管理ツールが無償公開

ライブ配信に不慣れな担当者でも抜かりなくウェビナーの設計~進行管理ができる! 無償の『ライブ配信ディレクション』シート(by株式会社エンタミナ)を小寺信良氏が徹底解説
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いま、多くのノウハウ共有がウェビナーで展開されている。

ウェビナーを自社主催する場合、高度な技術は外部の配信業者にお願いするとしても、コンテンツの企画、講師の手配、現場の仕込みやリハーサル、本番の進行管理といった「ディレクション」は、ウェブ担当者が担うことになる。

ウェビナー運営に不慣れな担当者が、外部の配信業者をハンドリングするにあたり、プロを相手とする打ち合わせでふんわりした話しかできず、呆れられるというのは避けたいところだ。

そんな中、ウェビナーの打ち合わせから本番までの「ディレクション」を抜かりなく行えるという、プランニング&マネジメント支援ツール『ライブ配信ディレクション』シートが登場した。しかも、無料配布だという。

今回はこのツールがどのように役に立つのか、その中身を徹底分析してみたい。

執筆:
小寺信良(こでら・のぶよし) テレビ番組、CM、プロモーションビデオのテクニカルディレクターとして10数年のキャリアを持ち、「難しい話を簡単に、簡単な話を難しく」をモットーに、ビデオ・オーディオとコンテンツのフィールドで幅広く執筆を行なう。メールマガジン「小寺・西田のマンデーランチビュッフェ」も好評配信中。

エンタミナ

開発元:
ウェブディレクション・カンパニー
株式会社エンタミナ

田口真行氏が代表を務める株式会社エンタミナは、クリエイティブ事業とエデュケーション事業を通じて、様々なケースに対応するプロダクト&サービスを提供。全国各地の企業を対象とした「ウェブディレクター育成研修」や、世界初となるウェブディレクターのスキル可視化サービス「ディレクション検定」、ウェブディレクター向けのオリジナルプロダクトを販売する「ウェブディレクターショップ」など展開。

「プランニング(設計)」と「マネジメント(進行管理)」の両立

ライブ配信ディレクション』シートを開発したのは、株式会社エンタミナだ。代表取締役の田口真行氏は、自らもウェブディレクターとして20数年のキャリアを持ち、現在多くのウェブコンテンツの制作やコンサルティングに携わる。また、ウェブディレクターの育成研修自社主催のウェビナーを数多く展開しており、今回の『ライブ配信ディレクション』シートは、同社がこれまで蓄積してきた「ディレクション」のノウハウを凝縮したものとなっている。

ウェビナーといっても、その中身は様々だ。したがってその段取りや進行を司るディレクションシートも、すべてのケースに当てはまるとは限らない。だが映像制作のキャリア37年の筆者が見た限り、かなり網羅的にポイントを押さえてある。このシートを活用すれば、外部の配信業者とのチームプレーにも十分対応できるだろう。

では早速中身を見ていこう。今回は仮にカメラ4台、出演者3名でのパターンを想定して記入してみた。

「プロジェクト概要」シート

最初のシートは、「プロジェクト概要」。シリーズやタイトル、配信元などの基本情報のほか、リハから本番までの大まかなスケジュール、関係者の記入欄がある。また過去と今回の実績比較、発生したトラブルや改善に向けた対策まで残せる記入欄があるのも特徴的だ。

関係者全員が把握しておくべき情報を記した「プロジェクト概要」シート

このシートは、ウェビナーに関わる社内外のスタッフ全員が把握しておくべき情報を記載しておく、いわば“表紙”。それと同時に、企業内で積み上げていく実績記録でもある。ウェビナー後の実施報告書なども、このシート1枚見れば書けるようになっている。

「配信設定」シート

2ページ目は、「配信設定」。配信技術担当者には不可欠な情報である配信URLやビットレートなどの技術情報を記入する。

配信URLなどの技術情報をまとめた「配信設定」シート

要件を整理することで、必要な機材が見えてくる

「現場レイアウト」シート

3ページ目以降は、配信システム周りのプランをまとめたシートとなる。「現場レイアウト」は、配信現場に持ち込む大まかな機材構成と配置、そして出演者の立ち位置をまとめたものだ。特にこれは社外のセミナールームを借りた際に、継続してウェビナーを実施する際の運用ノウハウとしてためておける。ウェブ担当者交代で引き継ぎする場合、場所ごとの細かい情報まではなかなか伝えられないこともあるが、このシートを活用することで、情報伝達と共有がスムーズになる。

現場ごとの実施状況を運用ノウハウとして残せる「現場レイアウト」シート

機材の配置や出演者の立ち位置、そこに必要な備品を含む情報は事前に決めておかないと、本番当日の進行が乱れムダな時間を多くとられてしまう。それを避けるためには、事前準備が重要となる。機材はどこに置けるのか、電源は何箇所何口取れるのかといった情報を共有しておくと、何mで何口のテーブルタップを準備すればいいのかが見えてくる。機材で大電力機器が複数台ある場合は、一箇所に集中しないようプランニングしておこう。

またオンライン経由で参加するリモート出演者がいる場合は注意が必要だ。実はライブイベントのリモート出演は、技術的にチェックすべきポイントが多い。このあたりはリハーサル前段階から入念なチェックと備えをしておこう。

「カメラ/マイク」シート

続いては、撮影機器(カメラ)と収音機器(マイク)の詳細情報。撮影にどんなカメラとレンズを組み合わせるか、また音声を収音するマイクはどの機種がベストか事前に計画する。専門機器の選定は、最初は映像や音響に詳しい人の意見を参考に進めると思うが、いつ何を使ったかを情報として蓄積しておけば、次回以降にも応用ができる。

カメラ、マイクの細かな設定を記録として残せる「カメラ/マイク」シート
ユーザーに届ける映像(画づくり)を設計する「カメラショット/ミキシングショット」シート

また外部の配信業者と協力してウェビナーを実施する場合は、「カメラ/マイク」のシートの記入は配信業者に任せてもいいだろう。「こういう画づくりをしたい!」という要望が配信業者にきちんと伝えれば、そこに必要な機材を専門家目線でセレクトしてくれるだろう。

あくまでもコンテンツのプランニングは、主催者側主導であるべきだ。機材面でわからない部分は配信業者に助けてもらうにしても、機材の性能ありきになってしまって、本来やりたかったことからずれていかないように心がけたい。そうした「脱線」を防止すると言う観点でも、このシートは有用だ。

「スライド/サウンド」シート

次はスライドを再生するPCや、サウンドを再生する機器を管理するシート。ここでは外部の講師が持ち込むPCの仕様も踏まえた上で、機材ごとにどんなケーブルを用意すればいいのか、変換器は必要なのか、入力数は足りるのか、といったことが配信事業者に伝わる事が重要である。

ウェビナーを彩る演出に必須の機器情報となる「スライド/サウンド」シート

配信現場では、使用する機材や求める演出によって、メインの機材が変わってくる。使用する画像や音の素材はどのような機材から出すのか、また何系統あるのかという情報が早めにわかっていれば、メイン機材がスムーズに決まり、配信システムの設計を迷うことなく進められる。

本番に向けたプランニングの落とし込み

最後7ページと8ページは、ここまでまとめてきた情報を、本番へ向けた具体的なプランニングへと落とし込む部分となる。

「ワイヤリング」シート

7ページ目は、ここまでリストアップした機材を具体的にどう結線するのか、映像と音声の流れを示す「ワイヤリング」シート。配信装置までの流れだけでなく、アーカイブ収録はどうするのか、演者へのモニターの返しはどうするのか、といったシステム設計を行う。

映像や音声の信号の流れをまとめる「ワイヤリング」シート

ビギナーの場合は、最初から自力でシステム設計を行うのは難しいだろう。そんなときは配信業者と相談しつつ、このシートを作っていくことをおすすめする。経験を積んでいくことで、今後同様の配信を行う際の参考にできる。また本番が終われば、以降の改善にも活かせるだろう。

加えてこのシートの右側は、会場のサイズに合わせてどのぐらいの長さのケーブルが何本いるのか、何と何の変換ケーブルが必要かといったことがチェックできる。ケーブル1本足りないだけで現場が混乱することもありうるので、ここはきっちりチェックしておきたい。

ウェビナーの設計・進行管理の要、「進行表」

「進行表」シート

8ページ目は、ウェビナー全体の「進行表」シート。演者の台詞をまとめた台本は別途用意すると思うが、このシートでは具体的に出演者のどの台詞をキッカケとしてビデオスイッチングをするのか、どのタイミングでスライド送りを行うのかといった、オペレーション側の機器操作を含めた段取りを書き込んでおく。当然1ページでは収まらないので、このシートが何枚も続くことになる。映像・音響のオペレータとの連携を密に行い、安定した進行を実践するためにも重要である。

連携ミスやトラブルを回避するための「進行表」シート

この進行表の出来いかんによって、本番のクオリティが全く変わってくる。他社のウェビナーを見て、「段取り悪いな……」とか、「リハーサルしてないの?」といった不満を持ったこともあるだろうが、そうした失敗は、このような進行表もなく、スタッフ間の段取り打ち合わせが不十分な場合に起こるのだ。

現場での意思疎通の風通しを良くするためにも、進行表はシンプルに伝わりやすく、必要なことを要点を押さえて網羅してあるというクオリティに仕上げたい。

20年におよぶディレクション経験を体系化

実際に『ライブ配信ディレクション』シートを使って、ウェビナーのプランニングを行ってみたが、段取りに必要なところを押さえつつ、ワークフローとしても綺麗にまとまっているという印象を持った。

このツールがあれば、配信に必要な情報の落とし込み場所がきっちりしているだけでなく、これまで打ち合わせで足りなかった要素や、なんとなく現場の勢いだけでやっつけていた部分がクリアになる。安心して本番までもっていける「ディレクション」ツールである。

これだけのノウハウの塊を無償公開するに至った経緯を、エンタミナ代表取締役の田口氏に伺った。

田口真行氏

田口真行(たぐち・まさゆき) 氏

株式会社エンタミナ 代表取締役
ウェブディレクター協会 主宰

1999年、フリーのウェブディレクターとして独立後、株式会社デスクトップワークス(現:株式会社エンタミナ)を設立。企業サイトのディレクションを手がける傍ら、攻殻機動隊トリビュートアルバムのアートディレクションやSKYPerfecTV!『DesktopTV』のプロデュース、セミナーイベント主催など幅広く活動。ウェブディレクター育成機関『ウェブディレクタースクール』、ウェブディレクション支援ツール『Webディレクター手帳』、書籍『ディレクション思考』、ウェブディレクターの能力を可視化する業界初の試み『ディレクション検定』などの独自サービスを展開。動画制作や動画配信にも意欲的に取り組んでおり、2014年~2020年の6年間で1,300本以上のライブ配信を実施。

Facebook@TaguchiMasayuki

今や多くの企業が、自社のマーケティング活動やブランディング活用にライブ配信を積極的に活用し始めています。この状況は、かつて多くの企業がウェブサイトを立ち上げていった時代とよく似ているなと感じています。

ウェブサイト制作においてもプランニングとマネジメントを担う「ディレクション」は重要ですが、そもそもディレクション業務は体系化が難しい……。そこで、弊社は2017年にウェブ制作のサイトプランニング&プロジェクトマネジメントを支援するツールとして「Webディレクター手帳」を開発したのですが、それは「ディレクションの体系化」への挑戦でもありました。

「プランニング(設計)&マネジメント(進行管理)=ディレクション」は、あらゆるコンテンツ配信に必要なものです。もちろんこれは、ウェビナーを含むライブ配信にもあてはまります。それはクオリティや成果に大きく影響するものです。その必要不可欠なディレクションに、今回の『ライブ配信ディレクション』シートをご活用いただくことで、事前準備はもちろん、本番の進行にお役立ていただけると思ってます。

私たちのこれまでの経験とノウハウ、そして20年に及ぶ「ディレクションの追求」が皆さんそれぞれの現場にお役に立てるなら、何より嬉しいことです(田口氏)

「ディレクション」こそがクオリティの要

ビジネスとして行うウェビナーは、出演者や技術者など複数のスタッフで構成されるチームで動いていく。リアルタイムな一発勝負の現場では、まさに「ディレクション」が、クオリティを担保する要となる。

事前準備のプランニングと進行管理のマネジメントを担うのが「ディレクション」であり、それはプロジェクトを統括する担当者の役割。このツールがあれば、ライブ配信に不慣れなビギナーでも、まずどこから手を付けて、どういう流れで業務を進めていけばいいのかがわかるはずだ。

場数をこなしていくと、このシートだけではフォローしきれない規模感のライブ配信を手掛けることもあるだろう。あくまでもこのシートはビギナーへのとっかかりを目的に作られており、これで物足りなくなってきたら、それは上級者の登り口に立ったということである。これをベースに、自分で拡張していくのもアリだ。

またエンタミナのほうでも、今後はより幅広いケースへの対応や使い勝手の向上を目指して、頻繁にアップデートを重ねていくとしている。一度ダウンロードして終わりではなく、時折オフィシャルサイトをチェックしてみるといいだろう。

ぜひ『ライブ配信ディレクション』シートを活用して、より良いウェビナーを運用していただきたい。

『ライブ配信ディレクション』シート
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