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ワサビのEC一元管理システム「WASABI SWITCH」がWalmartと連携。ウォルマートへの出品を支援

8ヶ月 2 週間 ago

管理システムを提供するワサビは3月24日、EC一元管理システム「WASABI SWITCH」がWalmartと連携を開始したと発表した。日本のEC一元管理システムでは初めてのAPI連携という。

Walmartと「WASABI SWITCH」はAPI連携でシステム連携を実施する。WalmartとAPI連携sて在庫管理などを行うには、次の条件を満たす必要がある。

「WASABI SWITCH」を利用中のパートナー企業
商品返品用のアメリカ国内住所を用意できること(法人・個人は問わない)

連携を希望する既存パートナー企業は、ワサビのサポート担当またはサポートアカウントまで連絡することで、連携開始手続きを進めることができる。

Walmartアカウントの発行はワサビが実施。ワサビは「大企業だけでなく中小企業にもWalmartへの出店機会が大きく広がる」としている。Walmartとの連携により、「WASABI SWITCH」を通じて幅広い商材をWalmartのオンラインマーケットプレイスに出品できるようになる。

宮本和弥

三陽商会、30歳代の働く女性がターゲットのEC専用ブランド「BIANCA(ビアンカ)」を発売へ

8ヶ月 2 週間 ago

三陽商会は3月28日、30歳代の働く女性をターゲットとしたEC専用の新ブランド「BIANCA(ビアンカ)」を発売する。3月21日から三陽商会公式オンラインストア「SANYO ONLINE STORE」にティザーページを公開。3月28日に「BIANCA」公式サイト&ストアをオープンする。

「BIANCA」はEC展開に特化する。働く女性をターゲットにオンタイムからオフタイムまでさまざまなシーンに対応できる上品さとトレンド感のあるアイテムを、購入しやすい価格で提案する。想定顧客層は30歳代をコアとした30~45歳の働く女性。中心価格帯としてはジャケットが2万3100円~3万3000円、シャツ・ブラウスが1万3200円~1万9800円などとしている。

三陽商会は3月28日、30歳代の働く女性をターゲットとしたEC専用の新ブランド「BIANCA(ビアンカ)」を発売する
「BIANCA」の2025年春夏ビジュアル

拡大を続けるファッションEC市場に対する戦略の一環として、「BIANCA」を通じて30歳代を中心とした新規顧客の獲得。ECビジネスのさらなる強化と顧客基盤拡大による継続的な成長を図る。

三陽商会はEC成長戦略の一環として、2023年9月に自社オンラインストアを「SANYO ONLINE STORE」としてリニューアル。商材の拡充と定価販売強化に取り組んできた。自社ECにおける在庫運用の改善や専用商材による品目拡大を進めるなかで、EC専用ブランドを開発することにした。

会員制度「SANYO MEMBERSHIP」会員の年齢推移を分析したところ、購入者の平均年齢が上昇傾向にあり、なかでもECユーザーの平均年齢は全体の購入者平均年齢よりも高く、特に39歳以下のECユーザーが少ない傾向にあることが判明した。

そこで、30歳代の女性をターゲットとしたEC専用の新規ブランド「BIANCA」を立ち上げ、ブランドポートフォリオの拡充と新たな顧客層の獲得をめざすことにした。

鳥栖 剛

2024年のギフト市場規模は2.7%増の11兆1880億円の見込み。2025年は1.5%増の11超3510億円の予想

8ヶ月 2 週間 ago

矢野経済研究所は、2024年の国内ギフト市場規模は前年比2.7%増の11兆1880億円になる見込みだと発表した。

国内ギフト市場に関する調査結果によると、2023年の国内ギフト市場規模は小売金額ベースで前年比3.4%増の10兆8930億円、2024年は同2.7%増の11兆1880億円を見込む。国内ギフト市場は今後も拡大するとし、2025年の国内ギフト市場規模は同1.5%増の11兆3510億円と予測している。

2024年のギフト市場規模は2.7%増の11兆1880億円の見込み。2025年は1.5%増の11超3510億円の予想
ギフト市場は伸び率は減少も拡大基調は継続の見込み

2020年から2022年はギフトを贈る場面ごとで、コロナ禍がプラスとマイナスに作用したものが存在した。ほかにも外部環境による好不調の波があるものの、ギフト市場全体では堅調に市場は拡大。伸び率は減少するものの、今後も拡大基調は継続する見込みとしている。

ソーシャルギフトは認知が加速、着実に市場拡大

調査では、トピックとして相手の住所を知らなくてもSNSやメールなどを通してギフトを贈ることができるソーシャルギフト(e-Gift)に注目。近年認知を一気に獲得し、若年層を中心にギフトの贈り方として定着している。 従来、ソーシャルギフトはギフトの配送や保管の手間を要さないことから、法人企業による販促用途でのメリットが高く評価されていた。コロナ禍において“非接触型”での贈呈方法とその手軽さが改めて評価され、個人間での利用が一気に加速している。 ギフト専門のECサイトだけでなく、百貨店やカタログギフトのECサイトもソーシャルギフトサービスを導入。昨今では、ギフト事業を主力としていないブランドにおいても、自社サイトにサービスを導入する動きが活発となっている。

ソーシャルギフトは、ギフトを受け取った人も手軽さを知ることにより、利用意欲を喚起されることも多い。法人・個人利用を問わず、ソーシャルギフトを受け取ったことから“贈る側”へ立場を変えるサイクルが生まれやすいという。また、贈ることができるアイテムも多様化し、フォーマルなギフトシーンでも利用されるようになっている。

このように、ソーシャルギフトを取り巻く環境が劇的に変化。今後も、利用者、アイテム、シーンの3軸での多様化が着実に進んでいくことで、ソーシャルギフト市場は着実に規模を拡大させていくと分析している。

調査概要

  • 調査期間: 2024年10月~12月
  • 調査対象: ギフト卸・メーカー、小売(百貨店・量販店・専門店・通販)等
  • 調査方法: 矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用
鳥栖 剛

ファミリーマートが始める「ファミマふるさと納税」とは? 返礼品を全国の店舗で引換可能

8ヶ月 2 週間 ago

ファミリーマートは3月25日から、独自のふるさと納税サービス「ファミマふるさと納税」を開始する。1000円から寄付可能で、返礼品は全国のファミリーマートで取り扱う商品20種類から始める。寄付後に全国の店頭ですぐに引き換えられるのが特長。

ファミリーマートが始める「ファミマふるさと納税」とは? 返礼品を全国の店舗で引換可能
1000円から寄付可能。返礼品を店頭で受け取ることができる

水やタオルなど寄付後に店頭ですぐ引き換え可能

「ファミマふるさと納税」は、ファミマのアプリ「ファミペイ」からふるさと納税できるサービス。「ファミペイ」から専用サイトに移動し、自治体と返礼品を選び寄付をすると、即時で「ファミペイ」内に返礼品の電子クーポンを付与する。なお、寄付金の決済はファミペイ決済のみ。届いた電子クーポンは全国のファミリーマートの店舗でいつでも利用できる。クーポンの有効期限は発行から90日間。

返礼品の第1弾は、ファミマプライベートブランド「ファミマル」のミネラルウォーター「新潟県津南の天然水」や「今治タオルハンカチ」。そのほか、サラダチキンスティックなど、ファミリーマートの店舗で取り扱いのある定番の商品20品で1000円から寄付できる。

ファミリーマートが「ファミペイ」ユーザーを対象に実施した調査によると、「ふるさと納税での困りごと」の1位は「返礼品がいつ届くのか分からない」(41.3%)だったという。こうしたユーザーの声と、昨今の宅配便の運転手不足の深刻化に対する負荷低減の考えから「ファミマふるさと納税」を開発したという

「新潟県津南の天然水」の返礼品を携えて「ファミマふるさと納税」に参画する新潟・津南町は、「多くの方が津南町に触れる機会が増え、地域振興や観光推進などの町の発展につながることを期待している。身近なファミリーマートのふるさと納税サイトで寄付ができるため、これまで手続きの煩雑さを感じていた方も利用しやすい。全国の物流網を活用することで、配送の効率化や地域の特産品の販路拡大にもつながり、持続可能な地域経済の発展に貢献できると期待している」(新潟県中魚沼郡津南町・桑原悠町長)とコメントしている。

鳥栖 剛

TikTokが禁止されれば、予算はInstagramへ

8ヶ月 2 週間 ago

WARCがティックトックについて分析したレポート「Platform Insights: TikTok 2025」を作成。アメリカでティックトックの禁止措置が実現しないと仮定した場合、世界のティックトックの広告収入は2025年に324億ドルに達し、ソーシャル広告費全体の11%を占めると予測している。ティックトックが禁止されると、最も恩恵を受けるのはインスタグラムで、ユーチューブやスナップにも支出が流れるという。

Platform Insights: TikTok 2025
https://www.warc.com/content/paywall/article/Warc-Data/Platform_Insights_TikTok_2025/en-GB/159437

https://www.mediapost.com/publications/article/403921/if-not-banned-this-year-tiktok-ad-spend-projected.html

noreply@blogger.com (Kenji)

2024年度のアフィリエイト市場は6.5%増の4382億円の見込み、2028年度までに5835億円まで拡大すると予想

8ヶ月 2 週間 ago

矢野経済研究所が3月19日に公表した国内アフィリエイト市場に関する調査結果で、2024年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比6.5%増の4382億円になると予想した。

国内アフィリエイト市場は今後も拡大するとしており、2028年度の国内アフィリエイト市場は5835億円にまで拡大すると予測している。

矢野経済研究所 2024年度のアフィリエイト市場は6.5%増の4382億円の見込み、2028年度までに5835億円まで拡大すると予想
2028年度までの年平均成長率は7.2%と予測する

2023年度+2024年度のEC分野は成長鈍化

2023年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比7.2%増の4113億4000万円。クレジットカード系やカードローンなど金融分野における一部広告主の予算縮小、コロナ禍以降に急拡大したEC分野の成長が鈍化したことで、前年度に比べて成長率は減少したという。2024年度も引き続き金融分野とEC分野において成長鈍化が見られる。

一方、コロナ禍をきっかけとしたオンライン診療に関する法改正で、オンラインクリニック分野のアフィリエイト需要が拡大したという。また、2023年から景品表示法におけるステマ(ステルスマーケティング)規制が実施され、業務停止や罰金処分が課せられている。一部アフィリエイトサービス事業者(ASP)の売上縮小、新興ASPのなかには淘汰されるといった影響も出ると考えられるとしている。

ステマ規制などで市場の健全化が進むと予想

調査ではステマ規制など不正行為などをトピックとして取り上げた。ステマ規制により、メディアやASPにおいて広告であることを隠して商品やサービスを宣伝する不正行為に対する管理体制が重要となっている。

2024年にかけて、これまで不正行為で売り上げを伸ばしてきた悪質事業者に対し、景表法に基づく措置命令、特定商取引法に基づく業務停止命令などが多く課されるようになった。そのため、アフィリエイト業界全体において健全化が進むと見ている。

最近では、SNSやYouTubeなどの広告プラットフォーム上で「著名人なりすまし」の投資詐欺、SNS系ロマンス詐欺が社会問題となっており、各広告プラットフォームの規制はさらに厳格化している。2025年以降、新たな法規制もアフィリエイト業界に導入される見込みで、不正行為を繰り返す悪質業者は徐々に市場から淘汰されていくことが期待されるとまとめている。

2028年度までの年平均成長率は7.2%と予測

国内アフィリエイト市場は今後も拡大していくものの、過去に比べて伸長率は穏やかに推移していくと予測した。市場成長の要因としては、新たにアフィリエイトを利用する広告主やオンラインクリニックのような新規ジャンルからのアフィリエイト参入、若年層アフィリエイターによるメディア参加の増加、新しいECプラットフォームの登場などをあげた。

近年、モール型ビジネスによるアフィリエイト需要が好調に伸びている。加えて、新たな大型ECプラットフォーム運営企業による自社アフィリエイトプログラムが登場する可能性が高いとした。

また、市場の健全化が進展することで、不正が多発している他の広告プラットフォームにおける広告予算がアフィリエイトに流れてくる可能性もあると指摘。こうした要因から矢野経済研究所では2023年度から2028年度までのアフィリエイト市場のCAGR(年平均成長率)は7.2%とし、2028年度の国内アフィリエイト市場規模は5835億円に達すると予測している。

調査概要

  • 調査期間:2024年11月~2025年1月
  • 調査対象:アフィリエイトサービス事業者(ASP:アフィリエイトサービスプロバイダ)、業界団体など
  • 調査方法: 矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンライン含む)ならびにアンケート調査、文献調査併用
鳥栖 剛

あなたは「ソン」をしていない! 「与えた分は必ず返ってくる法則」で、SNS時代の感情をコントロールする【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

8ヶ月 2 週間 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2025年3月8日~3月21日のニュース

仕事をしていると、誰でも辛いときや腹の立つときはあるはずです。また、自分が「ソン」をしているのではないかと被害者意識が強くなることもある。さまざまな情報が自然に入ってくる現代において、ネガティブな情報を「気にし過ぎない」のではなく、ある意味「気にしない」ことが大切なのかもしれません。

SNS時代の感情コントロール方法とは?

「超タフな人でもメンタルをやられる」それでもSNSをやめられない人が知るべき"タモリの一貫した態度" | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/92269

「サービスばかりしていたら、自分がソンをしてしまうではないか」と思う人がいるかもしれませんが、大丈夫です、そういうことにはなりません。なぜかというと、サービスを受けた人は感謝しますので、こちらのサービス精神にきちんと報いてくれようとするからです。

「自分がソンをしているのではないか」。どうしてもこう思ってしまうこと、あるんですよね。

私の場合、仕事柄、お金にならない相談を受けることが多々あります。よくよく考えると、お金をいただくほどでもないケースがほとんどなのですが、どうしても自分が「サービスをした」という気持ちになってしまうんですよね。

まだまだ自分が成長しなければいけない部分ではあるのですが、「誰かの役に立てたから良かった」と思うようにしています。

つらいことがあったときや、腹の立つことがあったときには、だれでも悲しんだり、怒ったりするものです。

けれども、それは当事者として考えるからです。まるで「他人ごと」のように、一歩引いて客観的に第三者のような受け止め方をすると、そんなに感情も高ぶりません。そういう感情コントロールの方法があることを覚えておくとよいでしょう。

良くないことが重なると、疑心暗鬼になります。「もしかしたら他のところでも良くないことが起こっているのでは?」と思うし、「さらに良くないことが重なるのではないか」という気持ちになります。

でも、冷静に考えみればそう思っているのは自分だけで、世の中は今まで通り平穏に流れているんですよね。何も変わらない日常が過ぎていっている。

自分の頭のなかだけで妄想を膨らませ過ぎて、誤った判断をしないようにすることが肝心ですね。

要チェック記事

都民が驚愕「トライアル」買い物したら便利すぎた | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/863667

楽しそう! ただ、私はあまり量を買わないので、小型店の方が好きなんだよな。「トライアルGO」に期待!

SNS投稿がデビューのきっかけ! 現役農家が児童書作家になったワケとは?【新人作家インタビュー】 | note | ポプラ社 こどもの本編集部
https://note.com/poplar_jidousho/n/nbb9cad0fa23a

私の実姉も40歳を超えてからイラストを描き始めました。しかもなかなか上手い。作家の才能はあなたにも?

インフルエンサー・日本一新大久保に詳しいもーちぃさん Z世代を魅了する「新大久保」最新事情 | note | PROMOTION+B
https://note.com/promotionplusb/n/n1279e0b3b14b

時代ですよね。昔の新大久保は単に「怪しい街」でしたから。次の流行の街は確実にどこかに潜んでいます。

EC事業に「本気で取り組む価値」とは? ECを「新しいニーズの探索」と捉えると会社を進化させることができる | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13579

ECに取り組むために必要なところからデジタル化していく。実際のDX化はそうやって進める方が着実ではないでしょうか。

タカノフーズが「1000万円 納豆テスト」を実施したワケ | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2503/10/news097.html

いやいや、3つ目の「ベクトル」の問題、納豆関係なさすぎでしょ(笑)。内積の意味もわからないし(文系)

夜の歌舞伎町で人気「ショートケーキ専門店」 | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/862173

「夜パフェ」とか「生クリームだけ」とか、なんとなく昔は「やっちゃいけないこと」だと思っていたことが普通になっていますね。

今週の名言

2025年のEC市場を竹内謙礼さんが徹底予測!ネットショップ反撃のキーワードは「推し店」 | E-Commerce Magazine by futureshop
https://www.future-shop.jp/magazine/seminar-report-2025-ec-trend

SNSの情報発信を続けている人は、普段から「お客さまに喜んでもらうには何を伝えるべきか」を本気で考えています。本気でお客さまのことを考えているから、伝えたいことが溢れてきて、ネタが尽きることはありません。お客さまに対する愛情が強いからこそ、お客さまからも愛されます。SNSで成功するのは簡単ではありません。人生を賭けるくらいの覚悟がなければ「推し店」にはなれないでしょう(竹内さん)

いつになっても本質は変わらないと再確認した言葉。

継続することが大切であり、継続するためには熱意がなければいけないし、本気にならなくてはいけない、そして努力することも必要になる。必ずしも潤沢なリソースがあるわけではないなかで、人に知ってもらう、選んでもらうためにはそれ相応の「想像以上の」覚悟が必要である、ということですね。

商売に近道なんてない。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

石田 麻琴

専門ECサイトを拡大するワケは? 3年以内に100店舗運営めざすジェネレーションパスの戦略 | 通販新聞ダイジェスト

8ヶ月 2 週間 ago
1店舗を1人が運営する仕組みをとり、人材育成も兼ねる。1店舗あたりの1か月の売上高は500万円程度をめざす

ネット販売事業を手掛けているジェネレーションパスでは2024年より、商材ジャンル別に特化した専門性の高い自社ECサイトを相次いで開設するようになっている。すでに10サイトまで構築できており、今後、まずは100サイトまで拡大していく予定。

国内EC市場では専門型サイトが増加傾向

独身世帯の増加+「人とは違う商品を買いたい」志向が影響

同社によると、近年は日本のEC市場が「どうもアメリカ的になってきている」(岡本洋明社長)と見ており、これまで日本はEC市場におけるモール比率が海外と比べて非常に高かったが、今は若干、伸びが止まってきており、一方で、専門型のECが伸びているという。これはEC構築のプラットフォームが伸びているということに加えて、都内を中心に独身世帯が増加していることが影響。彼らの傾向として、「何か人とは違うちょっと変わった商品を買いたいと思っているところが関係していると思う」(同)とする。

少し変わった商品となると、専門性の高い店舗形態で購入したいという心理が働きやすく、その需要を受けて専門型ECが伸びていると見ている。

専門ECサイトを拡大するワケは? 3年以内に100店舗運営めざすジェネレーションパスの戦略
ジェネパの多店舗運営はUSP事業(Unique Stores Platform 事業)と呼んでいる。開発したオペレーションシステムを活用する事で店舗数の増加に伴う運用負荷を増やさず、ローコストで多店舗運営が可能になるという(画像はジェネパのIR資料から編集部が追加)

10店舗を運営。1か月の売り上げは500万円に近づく

ほかにも同社が専門型のECを作る理由として、「我々の顧客は消費者でもあるが、一番は取引先のメーカーでもある。すべてではないが、取引先の中には専門サイトで販売するのであれば商品を提供してみたいというところが出てきている」(同)という。大量販売に対応できるような規模のメーカーなどとは対照的に、コンスタントに地道に販売ができることを望むような規模の企業の場合、かえって専門サイトを活用する方が都合が良いという場合もあるということだろう。

今のところ、1店舗当たりの売り上げについて、まずは月500万円程度売れれば成功という考え方であるため、現状の10店舗は順調にその数字に近づいてきているようだ。「これがある程度いけるようになると、100店舗を出せる。1店舗当たり年間で6000万円の売り上げとなるので、100店舗になれば60億円の売り上げになる」(同)とした。

専門ECサイトを拡大するワケは? 3年以内に100店舗運営めざすジェネレーションパスの戦略
USP事業は専門店型EC事業で、1つひとつの店舗売上は年間6000万円を目標としてスタート(画像はジェネパのIR資料から編集部が追加)

めざすは3年以内に100店舗。将来的には1000店舗へ

主力商材はギフト、インテリア

現状、展開している専門型ECの内容としては、ギフトやインテリアなどがある。中でも特に調子が良いのは「DigKag(ディグカグ)」(画像)という家具を深掘りしたサイト。

同サイトについては、今のモールなどのトレンドとは逆行していて、大型家具を専門にしているという。爆発的に売れているというわけではないものの、コンスタントに毎月数百万円以上の売り上げが取れるようになっているようで、「ここは、何千点もの商品を載せるのではなく、限られた商品数だけを載せているので、買う側からすると選びやすくなる」(岡本社長)とその利点を語った。

ジェネレーションパスが展開する専門型ECサイトの1つ「DigKag」
ジェネレーションパスが展開する専門型ECサイトの1つ「DigKag」

仕入先とのコミュニケーションを通じ商品選定

また、掲載する商品を選ぶ際のルールとして大事にしていることでは、仕入先のメーカーと密にコミュニケーションをとって決めていることを挙げる。一例として、ある仕入れ先のメーカーでは、職人たちが売れる商品ばかり作っていても面白くないと感じていることがあるという。「その話を聞いてから、売れないとしても何らかのニーズが獲得できるような大きい家具を集めてやってみないかという話になった。メーカーからするとそうした面で気遣ってくれていると感じてもらえたのでは」(同)とした。

1店舗につき1人が担当。人材育成の一環で

また、運営に関して、今は1店舗に1人がそれぞれ付いている状態。これは社員教育の一環で行っている面もあり、非常に勉強になるという。

ECはスタートした際は全て自分で行うが、規模が大きくなると、仕入れやマーケティングなど業務がいくつかに分かれていき、全体を知るという人が少なくなってくる。それが小さい規模の店舗だと、仕入れや広告の出し方など色々と1人でやっていくことになるため、運営者が自分で考えるようになっていく効果があると見ている。

他社ECの運営代行も視野

なお、今後の目標としては、今、同社で取り扱っている300万点以上の商品をより細かくしていくということが1つある。加えて、メーカーや実店舗といった取引先のECを運営代行する形で展開する考え方もあるとする。「もし、自社ECをやっているがあまり上手くいっていないというのであれば、当社で集客など実績値をベースに話をしていきたい」(同)とした。

専門型ECの拡大にむけた人材選びの構想

そのほか、今後の展開として、専門店の自社ECを3年以内に100店舗まで広げていきそれが達成できた際には、さらに1000店舗まで増やすことができると見ている。

「100店舗を1000店舗にすることは実はそこまで難しいことではない。受発注やカスタマー対応など裏側の仕組みはすべてこちらで持っているので、たとえば定年退職した人や副業でやりたい人などに店舗を運営してもらうこともあるかもしれない」(同)とした。

実務に当たってはどのような商品を取り扱うのかや、店舗設計、テキスト制作といった部分だけになり、社内にたくさん商品があることから、新しく取引先を開拓する手間もかからないとする。

子育てをしている人など、外に働きに出ていくのは大変だが、実は子供向けの商品など、どのようなものが支持されているのか気づきを持っている」(同)と説明。集客については同社がサポートしながら、運営していく形となるため、そこまでは難しくないと考えており、これから専門型ECを徐々に拡大させていく考え

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

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通販新聞

EC利用で最も注目するのは「値段」で6割。信頼性は約12%、口コミ・レビューは11.4%、送料・配送スピードは6.2%

8ヶ月 2 週間 ago

インターネットリサーチなどのNEXERとバリューテクノロジーが実施した「ECサイトでの買い物」に関する調査結果によると、ECサイトの利用で最も注目するのは「値段」で6割超。「信頼性」が11.7%、「口コミ・レビュー」が11.4%、「送料・配送スピード」が6.2%で続いた。

調査対象は事前調査で「ECサイトを普段から利用している」と回答した全国の男女753人。調査期間は2025年3月5日〜10日。

値段を重視する最多

ECサイトで買い物をする際、注目しているポイントを複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「値段」で89.5%、「送料・配送スピード」が56.6%。続いて、「口コミ・レビュー」が50.1%、「商品の探しやすさ」が42.0%、「ECサイトの信頼性」が41.4%となった。

ECサイトで買い物をする際、注目しているポイント(複数回答可)
ECサイトで買い物をする際、注目しているポイント(複数回答)

複数選択したなかから最も注目しているポイント1つを聞いたところ、「値段」が62.4%と最多。続いて「ECサイトの信頼性」が11.7%、「口コミ・レビュー」が11.4%、「送料・配送スピード」が6.2%だった。

ECサイトで買い物をする際、もっとも注目しているポイント
ECサイトで買い物をする際、もっとも注目しているポイント

選択した項目ごとに「もっとも注目している理由」を詳しく聞いてみたところ、次のような回答が得られた。

値段に注目する理由

値段に関しては「どんなものがくるかわからないから。(20代・女性)」「一番安いものを買いたいから。(20代・男性)」「失敗しても安かったら、諦めがつく。(30代・女性)」「ECサイトなら複数の店舗間で価格を比較しやすいから。(40代・女性)」という回答があがった。

「送料・配送スピード」に注目する理由

「送料・配送スピード」に注目する理由は、「極力お金がかからない方がいいから。(20代・女性)」「いつ受け取ればよいか準備がいるから。(30代・女性)」「タイムリーに欲しいケースが多いため。(40代・男性)」「近くにあまり店がないので、注文して早めに届くのは嬉しい。(40代・女性)」など。

「口コミ・レビュー」に注目する理由

「口コミ・レビュー」に注目する理由は「いくら信頼できるサイトだからといっても商品によって安全かどうかや品質がよいかなど変わるので、口コミはとても大事な判断材料。(20代・男性)」「実物を見てないのでなるべくレビューを確認する。(30代・女性)」「不良品を買いたくないから。(40代・女性)」「実際に使った人の感想は気になるので。(40代・女性)」などだった。

「商品の探しやすさ」に注目する理由

「商品の探しやすさ」に注目する理由は、「欲しいものをすぐに見つけたいから。(30代・女性)」「目的の商品にたどり着くまでに時間がかかるのは、かなりのストレスになるため。(40代・男性)」といった回答があがった。

「ECサイトの信頼性」に注目する理由

「ECサイトの信頼性」に注目する理由は、「偽物が届くかもしれない。(20代・女性)」、「詐欺に遭わないため。(20代・男性)」、「個人情報が抜かれないか心配なので、信頼できるECサイトか事前に調べてから利用することにしているから。(30代・女性)」など。

ECサイトが使いづらさを理由に約3割が離脱

ECサイトが使いづらいと感じて買い物をやめたことがあるかを聞いたところ、「ある」は27.9%、「ない」は72.1%という結果だった。

「ある」と回答した人からは、「使いにくいから。(20代・女性)」「レビューがサクラっぽい。(20代・女性)」「検索しても欲しいものが見つからない。(30代・女性)」「商品がわかりづらい。(30代・男性)」「決済がわかりにくい。(30代・女性)」といった理由があげられた。

ECサイトが使いづらいと感じて買い物をやめたことがあるか
ECサイトが使いづらいと感じて買い物をやめたことがあるか

買い物をやめた理由がどのように改善されたら買い物すると思うかを聞いたところ、「レビューに偽りがない。(20代・女性)」「詳しい説明がある。(30代・男性)」「お買い物ガイドなど画像付きで説明があると分かりやすい。(30代・女性)」「使いやすくする、クーポンをだす。(30代・女性)」「送料無料のわかりやすい表示。(40代・女性)」といった意見が見られた。

調査概要

  • 調査方法:インターネットでのアンケート
  • 調査期間:2025年3月5日〜10日
  • 調査対象者:事前調査で「ECサイトを普段から利用している」と回答した全国の男女753人
大嶋 喜子

「お客さまを起点に考え、信頼を構築していく」という考え方が成長の源泉。「Amazon Pay」新責任者の長尾氏に聞く

8ヶ月 2 週間 ago
Amazon Pay事業部 ジャパンカントリーディレクター 長尾ジョナサン氏へのインタビュー
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日本でのサービスローンチから2025年に10周年を迎える「Amazon Pay」の責任者に新たに着任した長尾ジョナサン氏(Amazon Pay事業部 ジャパンカントリーディレクター)。アプリストアやセラーサービス事業を経験した後、アマゾンジャパンを一度離れ、そして2024年、「Amazon Pay」の責任者としてアマゾンジャパンへ戻ってきた。そんな長尾氏を編集部が取材した。インタビューから、ECビジネスに通じる「顧客志向」の考え方、「Amazon Pay」の進化の理由などが見えてきた。

Amazon Pay事業部の責任者に就いたジャパン カントリーディレクターの長尾ジョナサン氏

デザイナー、MBA取得、そしてテック業界へ

――ユニークなキャリアをお持ちだと聞きました。経歴について教えてください。

長尾氏:米国の大学で建築を専攻し、卒業後に来日しました。まずクリエイティブデザイナーとして会社勤めをし、広告やマーケティング、コーポレートアイデンティティーなどのデザインを手がけてきました。そして、米国のテック業界に身を置いたのは2006年、Microsoftに入社してからです。その次にアマゾンジャパンへ入社してアプリストアやセラーサービス事業を経験。その後、GoogleのAndroid事業のリーダー職を経てから、再びアマゾンジャパンに戻ってきました。

――デザイナーとして活躍していた長尾氏が、なぜテック業界に興味を持ち、専念するようになったのでしょうか?

長尾氏:デザイナーとして会社勤務をしていた時期にMBAを取得しました。そのコースのプログラム最終日に、客員講師として特別授業を開いたアメリカ海軍の士官から「卒業後、あなたの人生で何に貢献しますか?」と問われたのです。しかし、そのときの私はうまく回答できませんでした。しばらく熟考した結果、「デザインでも人を楽しませることはできるけれども、もっと深い意味で社会に貢献したい」と考えるようになったのです。AmazonがQOL(クオリティオブライフ)に貢献するミッションを掲げているように、当時はテクノロジー領域の各社が人々の健康や教育などに寄与するための投資を強め始めていた頃で、私自身の社会貢献に対する熱意と重なり、テック業界で働こうと決めました。

Amazon Pay事業部の責任者に就いたジャパン カントリーディレクターの長尾ジョナサン氏
Amazon Pay事業部の責任者に就いたジャパンカントリーディレクターの長尾ジョナサン氏

「社会に貢献する人生を」の思いで「Amazon Pay」事業に参画

――再びAmazonに戻り、「Amazon Pay」事業に携わることになった理由を教えてください。

長尾氏:フィンテックは現在、国民や政治、経済にとってとても重要な領域であることは明らかです。なかでもAmazonは、日本の地域経済の成長に向けて投資を続ける有数の企業。日本にもっとバリューを提供しながら社会貢献できるのではないかと考え、「Amazon Pay」事業に参画することにしました。

Amazonは創業時から「To Be Earth's Most Customer-Centric Company(地球上で最もお客さまを大切にする企業)」を企業理念として掲げており、常にどの判断がお客さまに喜ばれるかというお客さま目線を大切にし、ビジネスを推進しています。

「Amazon Pay」はAmazonと同じ支払いフローを提供することで購入者さまの利便性が向上し、ECビジネスを運営している販売事業者さまのビジネス成長にも寄与できることから、2015年5月に日本でサービスを開始しました。それ以来、決済サービスの視点から販売事業者さまのECビジネスの成長をサポートしてきました。

「決済」という機能で捉えると、一般的には「お金を支払う」代行のように想像されるでしょう。しかし、「Amazon Pay」は「Amazon.co.jp」での支払いと変わらない買い物体験をAmazon以外の販売事業者さまに提供し、購入者さまの利便性を向上させています。加えて、「Amazon Pay」を導入したECサイトでは購入者さまにとって慣れ親しんだ決済フローで買い物しやすい環境になるため、コンバージョン率の向上や新規顧客の獲得も期待できるなど、販売事業者さまへ「決済機能」だけではないメリットも提供しています。

サービスを開始してから約10年で、「Amazon Pay」の導入数は2万社以上、10万サイト以上に達しました。オンラインビジネスが今後も成長していくなかで、「利便性」「簡易性」「安心感」は引き続き求められる大きな要素になるでしょう。その実現に尽力しながら社会に貢献していきたいと考えています。

「Amazon Pay」進化の源泉は「リーダーシップ・プリンシプル」の考え

――「地球上で最もお客さまを大切にする企業」の理念を創業時から一貫して掲げているAmazonと、社会貢献という自身のビジョンを貫く長尾さんには、大きな共通点があるように思います。Amazonで働くことを今、どのように感じていますか?

長尾氏:デザイナーだった頃もエンドユーザーのことを考えて仕事をしていました。再びAmazonに入社し、周りのスタッフや会社の姿勢にはあらためて驚かされています。Amazonではスタッフ全員が自主的に行動するために、「Leadership Principles(リーダーシップ・プリンシプル)」(Amazonの考えるリーダーシップ理論で、16の原則から構成されている)の考え方を大切にしており、それが現場に浸透しているからです。どんな業務や活動においても、これほどまでに会社の考え方が浸透しているのは、私の経験上ほかにないですね。

「Leadership Principles」の最初の項目にある“Customer Obsession(何よりもお客さまを中心に考える)”も、言葉だけではなく活動の隅々まで浸透していると感じます。

メールのやり取りも会議でも常に「Leadership Principles」の考え方が皆の根底にあり、事あるごとに「これは本当に“Earn Trust(注意深く耳を傾け、率直に話し、誰にでも敬意をもって接する。そしてチームを最高水準のものと比較し、高みをめざす)”に沿っているか?」などとディスカッションするのです。

Amazonの「Leadership Principles

ただ、メンバー同士で意見が異なることも当然あります。そのときは、“Have Backbone; Disagree and Commit(同意できない場合には敬意をもって異議を唱えなければならない。いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組む)”の考えのもと、有効な議論をします。このカルチャーは、間違いなく私がAmazonに戻るモチベーションの1つとなりました。

「Customer Obsession」「Earn Trust」「Have Backbone; Disagree and Commit」

全事業者が使っていないからこそ改善の余地がありチャンスがある

――「Amazon Pay」がこれまで多くの便利な機能を追加し、「決済だけではなくマーケティングツールだ」と販売事業者から声があがるようなことも、“Customer Obsession”を思う気持ちが販売事業者に届いているからだと感じます。

長尾氏:そうですね。サービスを開始した翌年の2016年には自動払い(Auto Pay)を実装し、2020年には「Amazonギフトカード」を使った決済を実現しました。続けて、2022年にはあと払い(ペイディ)を追加したほか、「Amazon.co.jp」での「今すぐ買う」と同じ機能の「Buy Now」を実装しています。こういった機能は、販売事業者さまやお客さまの声をもとに開発・追加実装してきたもので、まさに「Leadership Principles」の“Customer Obsession”を体現していると言えます。

――長尾さんは、フィンテック領域における「Amazon Pay」の現状をどのように分析し、今後にどのような期待を寄せていますか?

長尾氏:お客さまや販売事業者さまのニーズに対して、まだ完璧に対応できているわけではないと捉えています。まずは、より良いサービスエクスペリエンスや利便性を、さらに生み出していく必要があるでしょう。

「Amazon Pay」は現在、特にECでの導入・利用が普及しており、販売事業者さまと購入いただくお客さまの双方からさまざまなポイントで利便性が評価されていますが、Amazonのすべてのお客さまが「Amazon Pay」を利用している状況ではありません。ただ、それは1つのチャンスでもあります。

――「Amazon Pay」はまだまだ進化を遂げていく可能性があるということですね。

長尾氏:はい、まだまだ進化を遂げていくでしょう。ただ、「フィンテック」や「ペイメント」の世界はとても幅広いため、Amazon以外の企業がサービスを展開できる余地は十分あるのと同時に、1社だけですべての人のニーズに対応することは難しい。Amazon Pay事業部は、一番ふさわしい領域にフォーカスしていけば、これからの日本の経済や消費の発展に貢献することができるだろうと考えています。

Amazon Pay事業部の責任者に就いたジャパン カントリーディレクターの長尾ジョナサン氏

何年先も「お客さまを中心に考え、信頼を構築していく」が私たちの不変のゴール

――多くの販売事業者が手数料の差で導入を判断する傾向がある一方で、「決済を軸としながら、マーケティングにも役立つ」という「Amazon Pay」独自の機能性が導入の決め手になっていると感じています。これまでの10年間を振り返った長尾さんの所感をお聞かせください。

長尾氏:「Amazon Pay」を導入した販売事業者さまはいろいろなベネフィットを実現しているので、マーケティングバリューは提供できているはずです。特に中小規模の企業さまからは、「Amazonブランドで信頼性を高めることができた」という声が増えています。

創業者のジェフ・ベゾスや現CEOのアンディ・ジャシーも、「Trust(信頼)がなければいけない」と口にしています。「Leadership Principles」の中身はどれも大事ですが、特に“Customer Obsession”と“Earn Trust”の考え方は欠かせません。どのようなサービスを提供するにしても、消費者とAmazonの間だけでなく、消費者と販売事業者さまの間の信頼をどう構築していくのかを前提にしなければ価値がないと「Amazon Pay」は考えてきました。この姿勢は今後も変わることはありません。

――この先の10年、どのようなビジョンを描いているかお教えください。

長尾氏:最近では生成AIが世間をにぎわせています。今後はAIがビジネスの推進速度に大きく影響していくと仮定すると、「Amazon Pay」の機能の内容、機能追加の速度が変わってくるかもしれませんね。ただ、テクノロジーの進化のスピードが加速度的に増しているので、10年後のサービスの将来像は誰も断言できないでしょう。

「Amazon Pay」にとって重要なのはこれまでと同様、購入者さまとAmazon、購入者さまと販売事業者さまの間の信頼関係の構築であり、この先もずっとそれが私たちのゴールであるということです。金融領域のサービスはパーソナルな事業なので、信頼性のないサービスに将来性はありません。イノベーションを創出するにも、信頼を保たないと土台が崩れてしまいます。ネット通販も同様のことが言えるでしょう。日本に合わせた我々の変化も大事ですが、“Customer Obsession”の考え方を守りながらサービスをより良くしていくことが、今後の成長に重要なことだと考えています。

Amazon Pay事業部の責任者に就いたジャパン カントリーディレクターの長尾ジョナサン氏

※Amazon、Amazon Payおよび関連するすべてのロゴは、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です

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朝比美帆
吉田 浩章

「基本給20%引き上げ」のベースアップ、シュッピンが新卒初任給の改定・正社員を対象に実施

8ヶ月 2 週間 ago

ECでカメラ専門店、腕時計専門店などを展開するシュッピンは正社員全員を対象に「基本給20%引き上げ」のベースアップを実施する。

新卒初任給を改定し、正社員の基本給について4月16日から一律20%引き上げる。対象は新卒・中途含む正社員全員。

シュッピンは本社および各専門店舗を東京都内に構えていることから、従業員の多くが都心部および近郊に居住しているという。昨今の物価上昇や生活コストの増加を踏まえ、従業員が安心して働ける環境の整備が不可欠であると判断したため、ベースアップを決めた。

シュッピンはECサイトや店舗の運営に加え、テクノロジーやAIを活用した顧客向けのサービス創造や業務効率化につながる仕組みを生み出してきたという。今回のベースアップにもつながっているとしている。

ベースアップの概要

  • 対象:正社員全員(新卒・中途含む)
  • 実施内容:基本給の一律20%引き上げ(2万9000円アップ)、および勤務手当のレンジ幅変更
  • 実施時期:2025年4月16日から適用

新卒初任給改定の概要

  • 対象:2025年4月入社予定の新卒社員から
  • 実施内容:月給30万5000円
  • 実施時期:2025年4月16日より適用

シュッピンの新卒初任給のこれまでの推移は、2021年4月入社が22万円、2022年4月入社・2023年4月入社・2024年4月入社がいずれも27万1000円となっている。なお、2022年4月入社より、営業部配属の場合は営業手当1万円を追加している。

高野 真維

工具通販のビルディ、「アジア太平洋地域の急成長企業ランキング Top500」に3年連続選出

8ヶ月 2 週間 ago

建設現場で必要な工具のネット通販を手がけるビルディは、日本経済新聞社傘下の英国出版社Financial Times社とドイツのStatista社が共同で調査した「アジア太平洋地域の急成長企業ランキング(FT ranking: Asia-Pacific High-Growth Companies 2025)」において、小売部門で10位、日本国内部門では3位に、3年連続で選出されたと発表した。

「アジア太平洋地域の急成長企業ランキング」は、アジア太平洋地域を対象に企業の売上成長率を集計し、トップ500社をランキングした調査レポート。ビルディは、アジア太平洋地域で総合497位(国内で90位)、アジア太平洋地域の小売部門で10位(国内で3位)にランクインした。

ビルディは「プロの現場を応援する」をサービス理念として、プロユーザーに特化した自社ECサイト「bildy.jp」のEC事業を展開。プロのための電動工具・ツールのWebメディア「ビルディマガジン」の運営を通じて、情報を発信しながら商品を販売している。

現在は“第3の創業期”と位置付け、プロ用電動工具グローバルブランド「DCK(ディーシーケー)」製品の日本総販売代理、プライベートブランド「ビルディ」の展開にも注力している。

物流拠点は東西2拠点。豊富な在庫と迅速な納品、アフターサービスがプロユーザーの支持を集め、2005年のサービス開始以来成長を続けているという。2030年には売上高100億円をめざしている。

宮本和弥

森永製菓の通販事業、1つのIDでECなど複数のデジタルサービスを利用できる共通ID「MORINAGA ID」をスタート

8ヶ月 2 週間 ago

森永製菓は3月24日、複数のオンラインサービスの共通ID「MORINAGA ID」をスタートする。複数展開するオンラインサービスを1IDで利用できるようになる。

菓子や健康食品・化粧品などを扱うECサイト「森永ダイレクトストア」、菓子の情報サイト「エンゼルPLUS」で共通ID「MORINAGA ID」を導入する。

導入以降は1つのIDとパスワードで両サイトにログインできるようになる。各サービスの連携や相互利用促進を図っていく。将来的にはグループが提供するそのほかのD2Cやデジタルサービスにも「MORINAGA ID」を導入し、サービス間の連携強化を行う予定としている。

森永製菓の通販事業、1つのIDでECなど複数のデジタルサービスを利用できる共通ID「MORINAGA ID」をスタート
まずは「森永ダイレクトストア」と「エンゼルPLUS」で1ID利用が可能に

森永製菓の通販事業は2004年に開始。通販事業を運営するダイレクトマーケティング事業部では、2021年4月にCXM(カスタマーエクスペリエンスマネジメント)推進室を新設し、顧客の満足度向上や体験価値を高める取り組みをしてきた。共通IDの導入はその一環。

鳥栖 剛

「返品送料保険」の累計販売件数が2か月で10万件突破、アワードで「第11回少額短期保険大賞」を受賞

8ヶ月 2 週間 ago

MSプラスワン少額短期保険は、「返品送料保険」の累計販売件数が、販売開始から2か月で10万件を突破したと発表した。

MSプラスワン少額短期保険は、「返品送料保険」の累計販売件数が、販売開始から2か月で10万件を突破したと発表した
「返品送料保険」の累計契約数の推移

「返品送料保険」はネットショッピングで購入した商品を、「サイズが合わない」「想像と違った」など自己都合の理由で返品する際の返品送料を補償するサービス。2024年12月からLINEヤフーの提供するECサイト「Yahoo!ショッピング」で、サイト組込み型保険として提供を開始した。

MSプラスワン少額短期保険が実施した加入者アンケート((対象数3000人/回答数115人))によると、「この保険があるからこのECサイトで物品を購入した」と答えた回答者は69.5%、「返品送料保険を家族や友人に薦めたい」という回答割合は57.7%に達した。「返品送料保険」の存在がネットショッピングの利用に安心感を与えているという。

なお、「返品送料保険」は3月7日、一般社団法人日本少額短期保険協会主催の「第11回少額短期保険大賞」で「もっとも少額短期保険らしい」商品として大賞を受賞した

宮本和弥

フューチャーショップ、LTV最大化支援サービス「LTVブーストパック」と連携

8ヶ月 2 週間 ago

SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップは、ライフェックスが提供するLTV最大化支援サービス「LTVブーストパック」と「futureshop」の連携を始めた。

「LTVブーストパック」は、EC事業の現状分析から自社ブランドのイメージに適したCRM施策を設計し、実行の支援・代行・コスト最適化までをワンストップで支援するサービス。
今回の連携で、「futureshop」または「futureshop omni-channel」を利用するEC事業者は、「LTVブーストパック」の活用によりライフェックスの知見と実績を生かしたCRM施策を導入し、LTVの向上を実現できるという。

「LTVブーストパック」の主な機能・特長

  • 400社以上の支援実績から、データ分析による課題抽出とCRM施策設計
    DtoC・EC事業者を中心に400社以上の支援実績があるライフェックス。豊富なデータ分析ノウハウと実績を生かし、売上向上に直結するCRM施策を提供する。
  • 制作や運用代行までワンストップで対応可能
    分析を元にしたブランド整理、課題や目的設定からCRM施策設計に加えて、設計した施策を実行するための制作リソースが社内にない場合も、ライフェックスがディレクションから制作代行・運用代行まで実施する。
  • 導入済みシステムの活用支援など、コストの最適化も支援
    EC事業者がすでに導入しているシステムを有効活用し、コストを抑えながら最適な運用を実現。全体の運用コストや固定費の見直しも実施し、既存のリソースを最大限活用できる体制を整えることで、効果的かつ持続可能な運用を支援する。
宮本和弥

ソーシャルメディア広告費が1兆円を突破

8ヶ月 2 週間 ago

CARTA COMMUNICATIONS、電通、電通デジタル、セプテーニが共同で「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表。ソーシャルメディア広告費は前年比113.1%の1兆1,008億円となり、初めて1兆円を超えた。ビデオ広告費は前年比123.0%の8,439億円で、インターネット広告媒体費の広告種別としては最も高い成長率であり、ディスプレイ広告費を超えた。2025年のインターネット広告媒体費は、前年比109.7%の3兆2,472億円と予測している。

2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2025/0312-010858.html

noreply@blogger.com (Kenji)

ホームセンターのDCM、テーブルウェア専門ECサイト「TABLESTYLE」をオープン

8ヶ月 2 週間 ago

全国でホームセンター事業を展開するDCMは3月17日、食テーブルクロスを中心としたテーブルウェアの専門ECサイト「TABLESTYLE(テーブルスタイル)」をオープンした。

近年、顧客のニーズが多様化し、ECサイトにおいても総合型だけでなく特定の商品カテゴリーに特化したサイトを利用する人が増えているという。こうした顧客ニーズに対応し、利便性を向上させるため「TABLESTYLE」を立ち上げることにした。

「TABLESTYLE」が中心に扱うテーブルクロスについて、社内アンケートで約6割が使用していないという結果となったという。理由として多かったのは「必要ない」ではなく、「好みのデザインや機能、サイズが見つからない」という声。そこで「TABLESTYLE」は、北欧テイスあトやエスニック・アニマル・キャラクターなど、さまざまなデザインを扱うほか、リバーシブル・熱に強い仕様など、機能性のある商品も取りそろえる。

全国でホームセンター事業を展開するDCMは3月17日、食テーブルクロスを中心としたテーブルウェアの専門ECサイト「TABLESTYLE(テーブルスタイル)」をオープンした
サンプルのイメージ

多くの商品はセミオーダーカット(長さ10cm単位)が可能。ユーザーに使用イメージを持ってもらうために、画像を豊富に掲載しているという。また、一部の商品にはサンプル(色、質感確認用の約10cm角。色・柄を合わせて5枚まで注文可能。送料、手数料として枚数を問わず一律200円)も用意している。

なお、ECサイトはECプラットフォーム「Shopify」で構築・運用している。

宮本和弥

ファーストリテイリングの情報システムに不正アクセス、「ユニクロ」「ジーユー」のECサイトは個人情報の漏えいなし

8ヶ月 2 週間 ago

ファーストリテイリングは3月18日、管理する情報システムが第三者による不正アクセスを受け、個人情報の一部が漏えいした恐れがあることが発覚したと発表した。

漏えいした恐れのある個人情報はファーストリテイリングの従業員や取引先従業員の情報。「ユニクロ」「ジーユー」のECや店舗を利用した顧客の個人情報の漏えいはないとしている。

不正アクセスに関するお知らせ(画像はファストリのWebサイトから編集部がキャプチャ)

2018~2024年の従業員情報など漏えいか

ファーストリテイリングによると2024年9月13日に不正アクセスを検知し、該当システムの通信経路の遮断やシステム稼働停止などを実行。第三者機関による調査を実施した。

調査の結果、システムで取り扱っていた取引先従業員と同社従業員の一部の個人情報が漏えいした恐れがあることが判明した。システムに関する委託先事業者のネットワークの設定変更時に不備があったことが直接的な原因と見られるとしている。

漏えいした恐れのある個人情報は次の通り。

  • 2018年1月から2021年5月の間に、ファーストリテイリングと取引のあった事業者の従業員情報(氏名、社名、電話番号、メールアドレス)
  • 2023年4月から2024年9月の間に、ユニクロまたはジーユー店舗に在籍していた従業員情報(氏名、会社貸与のメールアドレス、従業員番号)
  • 2018年5月から2023年9月の間に、ファーストリテイリング本部に在籍していた従業員情報(氏名、社名、所属部署、会社貸与の電話番号、会社貸与のメールアドレス、従業員番号)

2024年9月の発生から公表までに時間を要したことについてファーストリテイリングは、「調査によって、本事案の影響範囲を確定するまでに時間を要した」と説明。今回の事故について、すでに個人情報保護委員会などの関係各機関と連携し、必要な対応を進めているという。

あわせて連絡先が確認できた個人情報の漏えいの恐れがある対象者には、順次電子メールで連絡。ファーストリテイリングでは「今回の事態を重く受け止め、セキュリティ体制の改善、および情報システムの監視強化を含む再発防止に努める。今後、同様の事象が発生しないよう、より一層のセキュリティ強化と安全性の確保に努める」とコメントしている。

鳥栖 剛

ECに取り組むことで会社のDXを促進できる! いつもアンテナを張って会社の動きを変える「新しいニーズ」に気づけるようにしよう | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

8ヶ月 2 週間 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載14回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝える14回目の連載も「EC事業に本気で取り組む価値」をテーマに解説します。

ここをクリックで連載の目次を表示
強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

新たなニーズに気づいた企業の動きはどう変わった?

ネッタヌネッタヌ

石田さん、こんにちは!

石田

ネッタヌ君、こんにちは~。早速だけど、前回のコラムでお願いした宿題、考えてみた?

ネッタヌネッタヌ

う~ん、う~ん……。石田さん、宿題って何でしたっけ?

石田

(おやおや、予想通りだな)小中学校向けの教材を販売している会社がEC事業をスタートして、卒業シーズンに使う商品Aを販売した。小中学校からの注文のなかに少年スポーツクラブの「卒団式」の注文が入っていることに気づいた。

ネッタヌネッタヌ

あーーー! 思い出してきました。「『卒団式』のニーズを発見したことで、どのように会社の動きが変化したか?」そんな宿題でしたよね。

石田

当たり~。で、考えてきたの?

ネッタヌネッタヌ

忘れました……。

石田

じゃあ、一緒に考えていこう!

ネッタヌネッタヌ

石田さんって、優しい~。

ニーズに気づくためには「アンテナを張る」ことが重要!

石田

前回も話した通り、少年スポーツクラブからの注文のような「自分たちが今まで想定していなかった注文」があったとき、その「新しいニーズ」の可能性を見逃しちゃいけない

ネッタヌネッタヌ

まだ自分たちが気づいていない「新しいニーズ」の可能性があるわけですよね。

石田

いつだって、新しい可能性はお客さまが教えてくれるからね。

ECのマーケティングで重要なのは「情報管理」であり、日々の情報からどのような仮説を立て、次の改善施策につなげていくか、なんだ。まあ、実際はどのビジネスでも「情報管理」の重要性は一緒だよね。変化の早い時代だから。

ネッタヌネッタヌ

今回の場合は、「卒団式」というニーズに気づくことができた。実は過去にも「卒団式」らしい注文が入っていたとしても、「なんで注文がきたのだろう?」ってアンテナを張っていないと、見逃しちゃいますよね。

石田

まさに、その「アンテナを張る」ってことが大事だよね。「卒団式」のニーズに気づき、そして過去にも「卒団式」らしき注文があった。この事実から、どんな仮説が立てられると思う?

ネッタヌネッタヌ

普通に考えると……「もっと『卒団式』の需要があるんじゃないか?」って考えますよね。

石田

その通り!! ECサイトで「卒団式」のために商品Aを購入している少年スポーツクラブはごくごく一部で、実は世の中に需要が溢れているんじゃないかって考えられるよね。

ちなみに経済産業省のデータによると、令和3年度のスポーツ少年団数は2万8582団体だったらしい。

ネッタヌネッタヌ

おお! 公的なデータまで石田さんが持ち出してきた! そう考えると需要はまだまだありそうですよね。

石田

そうなると、マーケティングの動きはどう変化すると思う?

ネッタヌネッタヌ

う~、あ、わかった! 自分たちから少年スポーツクラブにアプローチできるようになるのか!

石田

そうなんだ。需要がわかれば、自分たちからそのニーズにアプローチできるようになる。

これまで商品Aについて、「小中学校」や「卒業」関連のキーワードでネット広告をかけていたところに、「スポーツクラブ」や「卒団式」関連のキーワードを加えることができる。

ネッタヌネッタヌ

会社自体が閑散期ならば、少年スポーツクラブに直接営業に行くこともできますよね!

石田

うん、実際に営業メンバーはその営業活動を考え始めた。

既存事業である小中学校の教材の卸には商圏の制限があるけれど、少年スポーツクラブであればエリアの制限はないからね。

ネッタヌネッタヌ

もしかして、小中学校に直接行って飛び込み営業をしたとか?

石田

まあ、それも1つの手ではあるんだけれど、飛び込み営業は遠方には行けないじゃない。時間もお金もかかる。だから、連絡を取ってサンプルを送った。「もしよければ『卒団式』に使っていただけませんか?」と。

ネッタヌネッタヌ

あーそうか。少年スポーツクラブのホームページや、ホームページがなくてもX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを開設しているところも多いですもんね。ネットを窓口に営業アプローチができますね。

EC内製化 ニーズに対して能動的なアプローチを行うようにする
ニーズに対して能動的なアプローチを行うようにする

新しい可能性はお客さまが教えてくれる

石田

ECという「受動的」にお客さまから注文をいただくだけではなく、「能動的」にお客さまにアプローチをするようになったわけだけど、ここでまた新しいニーズを得た。

ネッタヌネッタヌ

少年スポーツクラブのお客さまから、ですか?

石田

そう。いつだって、新しい可能性はお客さまが教えてくれる。お客さまから商品Aに「野球のボールのワッペンを付けられないか?」という要望があったんだ。

ネッタヌネッタヌ

つまり、「少年野球」のスポーツクラブの「卒団式」だったわけですね。

石田

今までのお客さまは小中学校の卒業に使う商品Aを「卒団式」に使っていた。でも、今回は「『卒団式』用の商品を作ってほしい」そんな要望がきたんだよね。

ネッタヌネッタヌ

わかった。「『卒団式』専用の商品企画」という新しいニーズに気づいたんですね。

石田

そうなんだよ。やっぱり少年スポーツクラブの皆さんは自分たちの競技に合った商品が欲しかったわけだ。

野球だけじゃなくて、サッカー、ミニバス(バスケットボール)、水泳、テニス――いろいろな少年スポーツクラブがあるよね。

ネッタヌネッタヌ

それぞれで使うスポーツ用品をワッペンにしたら、よりお客さまのニーズに応えられそう!

石田

あとは、少年スポーツクラブのマークをワッペンにしたりしたら、よりお客さまが喜んでくれそうだよね。

「卒団式」専用の商品企画をすることで、もしかしたらこれまで商品Aでの購入を控えていたお客さまの購入も期待できるかもしれない。

ネッタヌネッタヌ

専用の商品企画をすることで、商品単価を上げられそうですし、利益率も高くできそうですなぁ(悪い顔)

石田

ま、まあ、利益とはお客さまに提供した付加価値の表れだからね……良いんじゃないかな。

EC内製化 ニーズからさらに新しい商品企画の可能性に気づこう
ニーズからさらに新しい商品企画の可能性に気づこう

ECに取り組む=会社のDX化につながる

石田

少年スポーツクラブに能動的にアプローチし、少年スポーツクラブ専用の商品企画をする。そしてまた、専用の商品をもって少年スポーツクラブに能動的な提案をする。会社全体の動きが変わってきたわけだ。

ネッタヌネッタヌ

EC運営が会社全体の動きを変えていっているわけですね。

石田

EC運営から発見したニーズを、会社全体の戦略につなげているんだよね。ECに本気で取り組む価値、あるでしょ?

ネッタヌネッタヌ

ECというものをもう少し小さく考えていました。

石田

ECのマーケティングを展開するためには、マーケティングデータの取得や集計、分析の土台が必要になる。そのためには自社のシステムやデータベースを見直さなきゃいけないし、場合によっては書類のデータ化から必要になるかもしれない。また、社内で情報の流れをスムーズにするための組織体制の変更もポイントになってくるよね。

そして、一番重要なことだ。ECのみならず、インターネットやデータ、システムの知識がある「デジタル人材(組織・チーム)」を育てなければいけない

ネッタヌネッタヌ

あ、石田さんが「EC事業に本気で取り組む価値」として言いたいことがわかった! ECに取り組むことで、「会社をデジタル化していきましょう」ってことなんだ!

石田

ネッタヌ君、よくわかったね! 単に「EC=売り上げ」ではなく、「EC=会社のデジタル化(DX化)」なんだ。EC事業を「基軸」として、会社を変えていくことができるわけなんだ。

ネッタヌネッタヌ

なんか、ネッタヌの視野も広がりました。

石田

ECって面白いでしょ。

EC事業を進めながら会社をデジタル化させることができる。EC事業を進めながらだから、必ず成果に「必要な」デジタル化を施すことができる。多くの企業にありがちな、成果のために「本当に必要なのか」わからないままツールやシステムを導入することはない。目的として成果に目が向いている限りはね。

ネッタヌネッタヌ

うん。ECって面白い!

石田

ちなみにだけど、先の小中学校の教材を販売している会社。「卒団式」の他にも、次の新しいニーズに気づくことができた。

ネッタヌネッタヌ

え? なんだろう。

石田

ヒントは小学生や中学生の多くが通っているところ。スポーツよりも多いんじゃないかな。何だと思う?

ネッタヌネッタヌ

わかった。塾だ。学習塾!

石田

学習塾もさ、中学受験・高校受験が終わった後に、卒塾式的なものがあるんだよ。ここに何か提案できないか。そこに目を付けたわけだ。

ネッタヌネッタヌ

なるほどー! でもこれって、「卒団式」の可能性に目を付けなかったら行きつかなかったことですよね。

石田

日常のちょっとしたことに「なぜ?」と疑問を持つこと。ちょっとしたことで未来は変わるんだよ。フッ

ネッタヌネッタヌ

石田さん、俳優みたい!

石田

次回も名言、期待してね。

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石田 麻琴

三陽商会、OMOを強化。店舗受け取りなどできる婦人服ブランドの複合型ショップ「SANYO Style STORE」を都内初オープン

8ヶ月 2 週間 ago

三陽商会は3月19日、店舗受け取りなどができる婦人服ブランドの複合型ショップ「SANYO Style STORE(サンヨー・スタイルストア)」を大丸東京店に新規オープンした。「SANYO Style STORE」は2023年3月に1号店をオープンして以来、全国で9店舗目となり都内では初出店。

三陽商会、OMOを強化。店舗受け取りなどできる婦人服ブランドの複合型ショップ「SANYO Style STORE」を都内初オープン
「SANYO Style STORE」大丸東京店

「SANYO Style STORE」は、アッパーミドル層向けの婦人服ブランド「AMACA(アマカ)」「EVEX by KRIZIA(エヴェックス バイ クリツィア)」「TO BE CHIC(トゥー ビー シック)」「TRANS WORK(トランスワーク)」の4ブランド(店舗によっては3ブランド)を展開するストア。季節ごとに各ブランドの主力商品を集約し、ブランドの垣根を超えた商品とコーディネートを提案している。

ブランド単独の店舗とは差別化した品ぞろえを展開。消費者はワンストップショッピングよる利便性向上、ショップ側は顧客の多様なニーズへ効率的に対応できるのがメリットとなる。

店舗およびECサイトの在庫を指定の店舗に取り寄せ、試着後に購入できるOMOサービス「TRY&PICK(トライ&ピック)」も展開。出店する百貨店など同一館内では取り扱いのない三陽商会のブランドでも取り寄せに対応する。「TRY&PICK」は2023年からサービスを開始し、OMOサービスの要としてECと店舗の連携を強化、店舗とECの在庫を柔軟に活用している。

三陽商会、OMOを強化。店舗受け取りなどできる婦人服ブランドの複合型ショップ「SANYO Style STORE」を都内初オープン
店舗およびECサイトの在庫を指定の店舗に取り寄せ、試着のうえ購入が可能

今後「SANYO Style STORE」では、都市部の百貨店への出店と並行しながら百貨店以外の販路も含めた地方への出店も計画。2027年度に全国20店舗の展開をめざす。2025年度は、3月に阪神梅田本店、4月に松坂屋名古屋店と天満屋福山店をオープンする予定。

そのほか「SANYO Style STORE」では、サステナブルの取り組みも強化。補修受付カウンターを設置し長期着用を推進している。三陽商会が製造・販売した衣類の補修を有料で受け付ける窓口を店舗に設置し、補修など長期着用をサポート。不用になった衣類の回収も手がける。

三陽商会が製造した衣料品・バッグなどの一部雑貨製品を回収し、衣料・雑貨のリユース品ブランド「RE:SANYO」に活用するなどリユース・リサイクルへつなげている。

また、FSC認証ハンガーや床材に再生素材を使用し、環境に配慮した店舗作りも進めている。FSC認証とは、責任ある森林管理を世界に広めることを目的として設立された非営利団体であるForest Stewardship Council(森林管理協議会)が制定している認証制度。FSCマークは、適切に管理された木材が使われていることを表しており、ハンガーは塗装を最小限にした。三陽商会ではFSC認証ハンガーを全ブランド共通とすることでブランド毎のハンガーを使用した場合と比べて必要数を減らし、資源使用の削減をめざしている。

三陽商会、OMOを強化。店舗受け取りなどできる婦人服ブランドの複合型ショップ「SANYO Style STORE」を都内初オープン
補修カウンター(写真左)と衣類回収ボックス(写真中央)を設ける。店内のハンガーはFSC認証のものを使用(写真右)
鳥栖 剛

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