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「Amazon ログイン&ペイメント」の導入方法など知っておくべき5つのポイント | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「Amazon ログイン&ペイメント」の導入や顧客情報の管理といった方法、Amazonが取得する情報の範囲などを解説

自社ECサイトで「Amazon.co.jp」のアカウント情報を使って配送先指定やクレジットカード決済などができる「Amazon ログイン&ペイメント」。注目が集まるこの新サービスを巡って、一部ネット上などで、間違った情報を含めてさまざまな憶測が流れているケースがあるという。「Amazon ログイン&ペイメント」の導入を検討している、もしくは興味を持っている企業・担当者に向けて、現段階での導入方法など押さえておくべき5つのポイントを解説する。

①「Amazon ログイン&ペイメント」を導入する方法は“現段階”で3通り

まず、「Amazon ログイン&ペイメント」を導入するには、このログインと決済の仕組みを自社ECサイトに組み込む必要があるが大前提。「パラメーターを使ってAmazonの指定するアドレスに移動する」といったことを含めて、「個人サイトでも導入できる簡単な仕組み」と勘違いしている事業者が多いようだ。

現段階(2015年5月現在)で導入する方法は以下の3通り。ちなみに、導入には事前にAmazonの審査に合格する必要がある。

フューチャーショップが開発を進めている「Amazon ログイン&ペイメント」を使ったECサイトの画面
「Amazon ログイン&ペイメント」を導入した「FutureShop2」内の表示イメージ(現在開発中のため、一部変更する場合あり)

1点目の「自社で開発」では、先行リリースされた「劇団四季」の四季、「出前館」の夢の街創造委員会が自社開発で導入している。Amazonから提供される「Amazon ログイン&ペイメント」の情報をもとに開発する必要がある。資金や開発リソースのある大企業などは、自社開発によって導入できる可能性がある

2点目は、フラクタがEC-CUBEベースで開発したブランドマネジメントシステム「FRACTA NODE(フラクタ・ノード)」で構築したECサイト上で利用することが可能資金や開発リソースのある大企業などは、自社開発によって導入できる可能性がある。日本初の導入支援パートナーとなっている。

3点目が、EC構築支援を手がけるフューチャーショップのECプラットフォーム「FutureShop2」を利用する方法。「FutureShop2」は1900店舗超のEC企業が利用しているプラットフォーム。「Amazon ログイン&ペイメント」を実装するECプラットフォームとしてはフューチャーショップが初めて

アマゾン ジャパンの鈴木保幸氏によると、「現在、プラットフォームで利用できるのはフューチャーショップさんだけ将来的に支援パートナーを増やしていく」と説明する(鈴木氏は、セラーサービス事業本部 事業開発部 Amazonログイン&ペイメント セールスマネージャー)。

アマゾン ジャパンの鈴木保幸氏(セラーサービス事業本部 事業開発部 Amazonログイン&ペイメント セールスマネージャー)
アマゾン ジャパンの鈴木保幸氏

自社でECのシステムを開発・販売しているベンダー企業がチェックしたいことは、フラクタのように提携する開発会社からの連携要請に関する門戸は閉ざされていないということ。問い合わせ窓口を用意しているので、開発に関する提携は広く受け付けるという。

開発提携、ECプラットフォーム含めて、連携先は将来的に増やしていく方針。アマゾン ジャパンの井野川拓也氏は「将来的には誰でも使えるような環境にしたい」(井野川氏は、セラーサービス事業本部 事業開発部 部長)と意欲を見せる。

「Amazon ログイン&ペイメント」の導入に関する関連記事はこちら

②商品の売れ行きなどの情報は、Amazonは取得しない

導入を検討したいというEC企業のなかでは不安材料として、「商品の売れ行きに関する情報がAmazonに伝わってしまうのではないか」(複数のEC事業者)という声があがっている。

この点に関し、井野川氏は否定。「Amazon ログイン&ペイメント」を実装するフューチャーショップに聞いてみると、「Amazonに渡るのは、決済に必要な売り上げ情報だけ。何が売れたのか、どんな商品が売れているのか、『Amazon ログイン&ペイメント』は把握することはできない仕組みになっている」(フューチャーショップ)と説明する。

米国企業のECサイトで「Amazon ログイン&ペイメント」を事例
米国企業のECサイトにおけるログイン&ペイメント機能を活用したイメージ

③導入店舗は配送先に関する情報、アドレスは自社で管理できる

「Amazon ログイン&ペイメント」はログインとペイメントの機能が搭載されているもので、まず、ログイン時に顧客の承諾を得てから、アドレスを導入店舗側に提供する意思を確認する。

つまり、「Amazon.co.jp」のIDとパスワード情報を使ってお客さんがログイン。その情報を外部企業(買い物をしている自社ECサイト)への提供をお客さんが許可することで、会員情報やアドレス帳に登録された届け先リストなどを自社サイトに呼び出す仕組みになっている。

こうした取り組みは「自社ECサイトに対するセンセーショナルなこと。外部企業にアドレスを公開するのはモールとしてはAmazonが初めて。Amazonのお客さまが自社ECサイトの顧客になる」と鈴木氏は説明している。

ちなみに、Amazonはアカウント登録時にユーザーの属性情報を取得していない。そのため、導入企業に提供される情報は住所や名前など配送に必要な情報になる

④Amazonマーケットプレイス保証を適用

「Amazon ログイン&ペイメント」は、Amazon マーケットプレイス保証を適用。マーケットプレイスと同様に、Amazon側で各種手続きなどに対応する。

「Amazon ログイン&ペイメント」を通じた決済に関する問い合わせ業務はAmazonのカスタマーセンターが受け付ける。

「『Amazon ログイン&ペイメント』での決済に関する業務はAmazonが担うので、運用次第で導入店舗側は手間とコスト削減にもつなげることができるようになる」(鈴木氏)。

⑤気になる利用料金は

現在のところ、「Amazon ログイン&ペイメント」の決済手数料は非公開としている

たとえば、「FutureShop2」を利用する場合、プラットフォームのオプション機能として提供されるので、自社での開発コストは不要。コストとして発生するのは、「Amazon ログイン&ペイメント」の決済手数料。

◇◇◇

「Amazonログイン&ペイメント」に関する情報

ビジネスシーンに関する「Amazon ログイン&ペイメント」の紹介動画

消費者向けの「Amazon ログイン&ペイメント」の紹介動画

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単発記事
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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約8年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

「Amazon ログイン&ペイメント」ついに日本上陸 | 週間人気記事ランキング | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
2015年4月24日~5月14日に公開された記事の中から、アクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

アマゾンジャパンが5月11日に発表した「Amazon ログイン&ペイメント」が話題です。ユーザーにとっては初めて買い物するショップでも、会員登録せずに買い物ができるためハードルが下がります。さっそくフューチャーショップが実装を発表しました。広まりそうですね。

  1. 自社ECサイトでアマゾンのログイン&決済機能が使える「Amazon ログイン&ペイメント」をリリース、アマゾンジャパン

    2013年にアメリカでスタートし、2014年にはイギリス・ドイツ・インドでもサービス提供を始めており、日本は5か国目2015/5/11
  2. ほとんど知られていない「Amazon ログイン&ペイメント」導入の仕方とその詳細

    ECプラットフォームの「FutureShop2」を提供するフューチャーショップが「Amazon ログイン&ペイメント」を実装する2015/5/12
  3. ダメな広告代理店のカモにならないために、あなたに知っておいてほしいこと。

    売れるネット広告社の加藤 公一 レオ氏の著書をチラ見せ!2015/5/11
  4. 「楽天市場」の1~3月期流通額はマイナスに、前年同期比1.2%減の5079億円

    ヤフーショッピングに続き、楽天も2015年1~3月期の流通額がマイナスとなった2015/5/8
  5. 楽天が重点的に取り組む2015年の施策は「楽フェス」「楽天BOX」「クロスボーダー」の強化

    安心・安全の取り組みの一環として、ユーザー評価の高い店舗を検索結果の露出を増やす取り組みも進める2015/5/8
  6. 大阪府がECで消費喚起する事業を7月末に開始、サイト構築や運営など業務委託者の募集をスタート

    ネットやイベント催事販売などで、大阪産の名品を本来の価格よりも割安で購入できる事業を展開2015/4/28
  7. 上場したHameeの成長要因、ECのプラットフォーム化を進める理由を樋口社長に聞いてみた

    上場で調達した資金のうち、約3億円はECプラットフォーム事業に投資する2015/4/24
  8. 「Yahoo!ショッピング」の1~3月期の流通額、0.8%減の961億円に

    2014年の消費税増税特需の影響で、「eコマース革命」以降初めてのマイナス2015/5/7
  9. オムニチャネル時代に伸びている世界のメーカー・小売業者、2つの共通点

    店舗は「体験・経験の場」。小売業は「情報発信型企業」へ。2015/5/7
  10. 森下仁丹、機能性表示食品のサプリメントブランド「ヘルスエイド」を新たに立ち上げ

    4種類7商品の機能性表示食品を6月19日から、通販などで販売2015/5/11

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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勢いで会社を辞めてしまった俺。スイーツ通販で一発大逆転をねらうぜ! | スイーツ通販で目指せ大成功! | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago

運命の商材と出会ってしまった! ネットショップで大成功間違いなしだ!(連載第1回)

※マンガをクリックすると次のページに移動します。

登場人物

ヒロシ

竹田 ヒロシ
お調子者だけど努力家の30歳。

ユカリ

梅川 ユカリ
ヒロシの彼女。27歳。ヒロシとは大学時代に知り合った。

エイジ
松井 エイジ
ヒロシの高校の後輩。家業の和菓子屋「松井」を継いだばかり。
マモル

長山 マモル
ヒロシのよきアドバイザー。ネットショップのコンサルをしている。

ここからスタート ─こうして俺のネットショップ運営が始まった
ヒロシ:よーしまずは月商100万円を目指すぞぉー!
─ネットショップを始めて3か月が過ぎた 商品を出せばすぐに売れると考えていたが 現実は甘くはなかった
ヒロシ:ウソだろ… 3か月で売上ゼロだなんて…

次回は6月末公開予定

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スイーツ通販で目指せ大成功!
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北上 諭志, 長山 衛

LINEがフラッシュセール事業「LINE FLASH SALE」を開始、毎日1万点以上をラインナップ | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
曜日ごとにテーマを設定し、毎日1点以上の商品を追加して1週間限定で販売する

LINEは5月14日、無料通話・無料メールスマートフォンアプリ「LINE(ライン)」において、フラッシュセール事業「LINE FLASH SALE」を開始した。曜日ごとにテーマを設定し、毎日1点以上の商品を追加して1週間限定で販売するもの。消費者には販売開始前にプッシュ通知で知らせ、LINEアプリ上から購入できるようにした。

「LINE FLASH SALE」は、ファッションや家電製品、コスメ用品など毎日1万点以上の商品ラインナップを用意するという。

輸入販売業者・メーカーから商品を委託された中間委託販売業者と連携。他の店舗やEC事業者へ在庫を卸す前に、一定期間「LINE FLASH SALE」分としてキープしてもらうことで、毎日1万点以上の品ぞろえの実現と優先販売できることが可能となった。

セールの予定は次の通り。

  • 月曜日 → メンズファッション
  • 火曜日 → 家電
  • 水曜日 → 有名ブランド
  • 木曜日 → レディースファッション
  • 金曜日 → 食品&飲料
  • 土曜日 → ホーム&ファミリー
  • 日曜日 → 大人ビューティー

LINEがフラッシュセール事業「LINE FLASH SALE」をスタート

「LINE FLASH SALE」のイメージ

セール画面はユーザーの閲覧回数が多い順に、商品の掲載順序がリアルタイムで入れ替わる。よく閲覧される商品は自動的により上位に掲載されるという。

「LINE FLASH SALE」では、リアルタイムな購買体験を実現するため、パートナーとの提携を行い、新たな受発注システムを構築しているとしている。

なお、LINEは商品の拡充をのため、提携パートナーを募集している。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

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ファッションECサイト「.st」でCVR20%向上。「Flipdesk」がレコメンド機能を追加 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「[.st]ドットエスティー」では、運用開始1週間で配信グループのコンバージョン率が約2倍に上がった

EC向け販促支援のSocket(ソケット)は5月11日、ユーザー行動に合わせた接客・販促が展開できるスマートフォン(スマホ)ECサイト向けサービス「Flipdesk(フリップデスク)」の新機能として、レコメンデーションツール「Flipdesk Recommendation」の提供を開始した。

「Flipdesk Recommendation」は、「この商品を見ている人は、他にこんな商品も見ています」といった一般的なレコメンドとは異なり、ユーザーの購入履歴をもとに、購入商品を活用したトータルコーディネートの写真と個別の着用商品をレコメンド表示する。購買意欲を喚起するもの。

先行導入した、アダストリアホールディングスが運営するアパレルのECサイト「[.st]ドットエスティー」では、運用開始1週間で配信グループのコンバージョン率が約2倍に上がったという。

アダストリアホールディングスは、クーポン表示やリアルタイムチャット接客といった通常機能の「Flipdesk」を活用するほか、コーディネートをレコメンドとして表示・提供している。レコメンド機能は購入された商品を活用したトータルコーディネートを、スタイリング、ポップアップ形式で訪問者のスマホに表示させる形式。

Socket(ソケット)が「Flipdesk(フリップデスク)」に追加したレコメンデーションツール「Flipdesk Recommendation」

「.st」での「Flipdesk Recommendation」の活用イメージ

「Flipdesk」は、スマホ向けECサイト上で接客体験を提供する販促プラットフォーム。コンバージョン率(CVR)が20%向上、顧客単価は35%増、離脱率が40%下がった事例もある。

導入実績は200社を超え、国内大手ECサイトから、日本に進出したばかりの外資系ECサイト、人材情報サイトなど、幅広いサイトで利用されている。ROI(投資対効果)が1000%を超えるサイトも多数出ているという。

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「再訪問→直帰は、おなじみさんが満足して帰った証拠」は言い訳なのか真実か、確かめよう(セグメント100選 第53回)

10 years 7ヶ月 ago
Web担当者Forumの2015/5/14の記事をどうぞ。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2015/05/14/19900

直帰訪問は、あまり「よくないもの」と評価されることが多いですが、「そのページだけで訪問目的を達成し、満足して帰った」という言い訳も可能です。ユーザーの閲覧状況をもう少し細かくセグメントすることで、本当のところをあぶりだせないでしょうか。

そんな場合に使ってみたいセグメントを紹介します。具体的なセグメントは下記です。
・リピーターの直帰セッション

関連リンク:
【Googleアナリティクス セグメント100選 コーナーの記事一覧
noreply@blogger.com (hiromi ibukuro)

楽天IT学校、2015年は47都道府県57校で開催 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
2014昨年の25校から倍以上に拡大、有力EC店舗も協力

楽天は5月12日、高校生を対象とした電子商取引授業「楽天IT学校」を2015年に開催する校数を、2014年の25校から倍以上となる57校で実施すると発表した。全国47都道府県で実施する。2015年1月に実施した「楽天IT学校甲子園」が盛り上がったことから、参加したいという高校、協力したいという地元のEC企業が増加。倍以上となる高校で実施することになった。

「楽天IT学校」は2008年から、起業家精神育成と地域活性化を目的に毎年実施している。主に商業高校の生徒を対象として、約1年にわたる出張授業形式で行い、楽天スタッフや地元の人気ショップの店長などが講師を勤める。

授業は、「楽天大学」の講座内容をアレンジした店舗運営ノウハウを授業形式で教えるもの。ホームページ作成による売り場の制作、商品プロデュース、職場訪問、ネットショップにおける販売戦略などを教授。授業の後半では、実際に楽天市場上で販売を行い、実践的に電子商取引を理解する機会を提供する。

来年1月に東京で実施する「楽天新春カンファレンス」内で、実際に実施した取り組みなどをプレゼンする大会(楽天IT学校甲子園)を開催。実際にネットショップを運営する出店者が審査員となり、最も優れた取り組みを行った高校を表彰する予定。

「楽天IT学校は高校生が早めに社会と接することができるいい機会だと考えており、さらに力を入れることにした。今回、初めて47都道府県すべてで実施できるようになったことで、より多くの人に参加してもらえるようになり、楽天IT学校甲子園も盛大になると思う」(広報)としている。

楽天IT学校実施校と講師として参加する店舗名

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オリジナル記事:楽天IT学校、2015年は47都道府県57校で開催 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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組織・業務、人材、情報セキュリティー。オム二チャネル時代の日本企業の課題とは? | 消費から体験へ。オムニチャネル時代を生き抜くために | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
鍵は「安心・安全な製品・サービス」「消費者への経験価値の提供」「ITとマーケティング」。

日本企業の課題

消費財メーカーや小売企業は、消費市場が迎えつつある転換点にどのように対応していけばよいのでしょうか。私たちは、以上で見てきたような消費市場の変化に鑑みて、これからの競争優位の源泉として、

  1. 安心・安全な製品・サービス
  2. 消費者への経験価値の提供
  3. ITとマーケティング

の融合の三つが重要な成功要因となると考えています。

消費財・小売企業共通の成功要因
1安心安全な商品サービス→「安心・安全」を訴求できる製品・商品の開発 ECを安心して利用できる仕組み(例:エスクロー、個人認証技術)
2消費者への経験価値の提供→製品開発、購買経験、ふれあいなど、経験価値の再定義
3ITとマーケティングの融合→消費者行動観察による顧客関係の再構築 CIOとCMOの連携による最適資源配分 サプライチェーンマネジメント

安心・安全な製品・サービスの提供にあたっては、製品レビュー・評価の充実や、企業や製品のブランド力の強化、大手チェーンやECを活用することによる企業や製品に対する信頼性の確保などが考えらえます。また、消費者がECを安心して利用できる仕組みとして、個人間取引でのエスクローサービスや電子決済の個人認証(生体認証、指紋認証など)の強化も必要となります。

消費者への経験価値の提供としては、いかに消費者の「経験価値」「帰属意識」「参画意識」に訴求したブランディングやマーケティング、製品開発活動ができるかが鍵となります。実店舗やソーシャル・ネットワーキング・サービスなどを通じて「人の触れ合い」という価値を提供することも重要なテーマです。

ITとマーケティングの融合に関しては、顧客関係の再構築(消費者行動観察によるカスタマーエンゲージメントの強化)のために、データ予測・分析力を社内に蓄積する必要があります。また、CIOとCMOが連携することで、最適なIT投資配分(従来型とECチャネル間の投資配分など)を実現することが重要な経営課題です。

さらに、サプライチェーンマネジメントの面から、メーカー倉庫・物流拠点・店舗・顧客を結ぶネットワーク構築や、異業態間での在庫情報の共有、ラストワンマイルの構築などにより、チャネル横断的な低コスト・最短のサプライチェーンを構築することが必要です。

こうした中、特に日本企業が取り組むべき課題として、私たちは以下の6つが重要と考えています。まず、組織・業務の観点から、新時代への対応として重要なのは、

①デジタル・モバイルに明るいCMOの設置
②従来型チャネルとECチャネルを超えた、組織設計やサプライチェーン最適化、業績評価制度構築

の2点です。また、人材の育成・確保も重要で、

③接客対応向上のための従業員教育
④データアナリストの育成・獲得

の2点が今後の差別化にとっては重要となります。そしてこれらを支える基盤として、

⑤個人情報保護の業界標準の確立
⑥サイバーセキュリティリスクへの対応

といった情報セキュリティの確保も優先課題です。

なお、これらの多くは、テクノロジーを軸にしていることが注目されます。モバイルテクノロジーの進化に素早く反応し、急速に変化している消費者の心を捉えるためには、メーカーや小売企業も、進化したテクノロジーを取り込み、新たな価値を提供することが不可欠となっているのです。

オム二チャネル時代の日本企業の主な課題

組織・業務

1. デジタルモバイルに明るいCMOの設置
2. 従来型/ECチャネル横断的な組織、サプライチェーン最適化と業績評価制度

人材

3. 接客対応向上のための従業員教育
4. データアナリストの育成・獲得

情報セキュリティ

5. 個人情報保護の業界標準の確立
6. サイバーセキュリティリスクへの対応

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消費から体験へ。オムニチャネル時代を生き抜くために
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新日本有限責任監査法人 消費財セクター

スマホコマースで成功するための近道はネイティブアプリの視点でUI/UXを考えること | スマホ・アプリコマース時代のマーケティング戦略 | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
オーディエンス(ユーザー)をデバイス横断で管理し、デバイス毎のUX戦略を取ることが重要

昨今、PC/ブラウザ中心で活躍していたEC各社が、アプリ市場に続々参入してきていますが、今回はその背景と実態について、ご紹介致します。

ECサイトは、約50%がスマートフォンでの購入の時代へ

代表的なECサイトである「ZOZOTOWN」と「楽天市場」の決算資料を見てみます。

スマートフォン経由での購入が増加し、直近では約50%がスマホ経由での購入となっています。現状のトレンドを踏まえると、2016年には60~70%まで増えるのでは?と推測できます。

特に、若年層はスマホの利用者が多いので、その世代が消費を担う時代が来る頃には、スマホ経由でのシェアは圧倒的になっているでしょう。

EC・小売業種がアプリ市場へ続々参入

どのような企業がスマートフォンアプリ市場に参入してきているか、Google Playの無料ショッピングカテゴリのランキング上位約50位を抽出し(2015年4月時点)、調べてみました。

大きく3つに分類できるます。1つ目は先行的にネイティブアプリファースト戦略を取っている企業群(メルカリ、Frill、LINEモールなど)。

2つ目はPC/ブラウザ市場を主戦場にしていて、クロスデバイス戦略を取るAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの企業群。

3つ目は、アプリを1つの重要なチャネルとして捉え、オムニチャネル戦略を取っているオフライン市場の小売業(ヤマダ電機、洋服の青山、ノジマ、東急ハンズ、ヨドバシカメラ、ビックカメラ)となります。

「世界でモバイルアプリの利用率が年々増加しているなか、伸張率が一番高かったカテゴリは、2012年:ゲーム、2013年:メッセージングアプリ、2014年:ショッピングアプリとなり、アプリの汎用性が広がり、市民権を得てきた」と第1回目の連載で記載しましたが、まさに、ネイティブアプリを重要なチャネルの1つとして、認識してきた証拠と言えるでしょう。

アクティブ率を測る為、主要アプリのレビュー数を比較

Google play無料ショッピングカテゴリのランキング上位(Amazon、メルカリ、楽天市場、Yahoo!ショッピング)の4アプリを比較してみます。通常、インストール数で比較するかと思われるでしょう。インストール数はプロモーションを増やせば、拡大することが可能です。重要なのは、「ユーザーがアクティブであるか否か?」という指標で、Google Playのレビュー数を比較することにより、「ユーザーがどのくらいアクティブに利用しているか?」を、おおよそ比較できます。

当社の保有するデータを活用し、この方法で調べてみました。比較期間は、2015年1月〜4月までの4か月間になります。

レビュー数だけの比較となりますが、クロスデバイス戦略を取るAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングと比べ、スマートフォンファースト戦略を取るメルカリのレビュー数が圧倒的。アクティブなユーザーを保有しているアプリ=「活性化しているアプリ」である事が明白となりました。

実際、メルカリ社が発表した1300万DL突破、月間流通総額30億円想定、売れた商品のうち約20%が1時間以内に取引成立、平均滞在時間43分など、驚愕の数字もうなずけます(参考記事)。

デバイスごとに見せ方を調整することが必要に

PC/ブラウザ視点でネイティブアプリを開発するのと、ネイティブアプリ視点での開発は大きく異なるため、スマートフォン特有のUX(ユーザーエクスペリエンス)が重要となります

たとえば、利用するユーザー、目的、場所、時間、ユーザー行動導線、スクリーンの大きさ、UI/UX、プロモーション戦略などを、PCとネイティブアプリで比較してみても、明らかに別物で、違いは明白です。

メルカリ社に関しては、ネイティブアプリファースト戦略を取ることで、アプリ特有のUXおよび、戦略に絞り込み、成功している代表例と言えるでしょう。

すでにEC事業を展開している企業は、企業特有のIDでしっかりオーディエンス(ユーザー)をデバイス横断で管理した上で、デバイス毎のUX戦略を取る必要があります。

これからEC業界に新規参入する企業であれば、成長市場であるネイティブアプリにフォーカスした戦略を取ることが、成功の近道となると思います。

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スマホ・アプリコマース時代のマーケティング戦略
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杉崎 健史

株式会社メタップス

(株)サイバー・コミュニケーションズを経て、(株)アサツー・ディケィにて、大手クライアントのオンラインオフラインのマーケティング戦略を推進。

(株)デジタルガレージでは、Technorati,Twitter,LinkedIn,Kiipを含む10数社の海外スタートアップ企業とのアライアンス/ローカライズ/ビジネスディベロップメント/マネタイズの日本事業責任者を経て、現在、(株)メタップスにて、事業統括部 Data Alliance戦略チーム 部長として、データマネタイズ及びアライアンス責任者として従事。

杉崎 健史

【ブログ読者へのご連絡】明日(5/15)のブログ更新はお休みします

10 years 7ヶ月 ago

5月12〜14日に米ラスベガスで開催される「Conversion Conference Las Vegas 2015」に参加してくるので、明日以降の今週のブログ更新をお休みします。

- 【ブログ読者へのご連絡】明日(5/15)のブログ更新はお休みします -

Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

【海外SEO】鈴木謙一

外部の構築システムやモールと「メイクリピーター」が連携可能に、GMOメイクショップ | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
複数ショップで発生した注文データから、顧客・売上分析、マーケティング施策を行うことができるようになる

ショッピングカート提供のGMOメイクショップは5月13日、購入頻度や購入金額などをもとに顧客をセグメントし、ターゲットごとに効果的なメール配信ができる「MakeRepeater(メイクリピーター)」と、14社のECサイト構築サービスでと連携した。複数のショップを運営しているEC企業も「メイクリピーター」を使って各ショップで発生した注文データの管理から、顧客・売上分析、マーケティング施策を行うことができるようになる。

「メイクリピーター」は注文データを自動で読み込み、購入回数、購入金額、購入時期の3つのデータを軸に分析。顧客を10種類にセグメント分けし、顧客のロイヤリティを可視化する「ランク分析」、顧客数や売上の推移を可視化する「推移分析」、顧客セグメントごとの売上比率やその推移を表す「ランク別売上推移」など、5つの分析レポートを自動作成するシステム。

シナリオに沿ってあらかじめメール文面を作成・セットしておくだけで、顧客のセグメントごとにステップメールを無制限で自動配信できる。EC企業からも好評なシステムで、2014年9月のリリースから半年で、導入800店舗を超えている。

連携するECサイト構築システムは「EC-CUBE」やフューチャーショップの「FutureShop2」、Eストアーの「ショップサーブ」のほか、コマース21やecbeingといった大型店舗向けのECサイト構築パッケージにも対応。また、楽天市場やYahoo!ショッピング、アマゾンにも対応する予定としている。

顧客データは店舗ごとにまとめることが可能。たとえば、Aという人が楽天店、アマゾン店、メイクショップ店でそれぞれ購入した場合でも、それぞれ別のユーザーとして登録されることになる。

「まとめてしまうと、どこから購入されているかが見づらくなるほか、まとめてほしいというニーズも今のところから店舗から出ていない。今後、まとめてほしいというニーズあれば検討したい」(プロモーション戦略室)としている。

料金は受注件数に応じた料金体系で、月額1万円から。自動多店舗連携オプションの費用として月額1万円が必要となる。

メイクリピーターと連携する14サービス

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オリジナル記事:外部の構築システムやモールと「メイクリピーター」が連携可能に、GMOメイクショップ | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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担当編集者のコメント: 

記事にも書いたように、現状ではそれぞれの店舗で別ユーザーとして登録される仕組みとなっているが、今後、これが統一できるようになると、EC企業にとっては革新的なサービスとなりうる。

特にEC企業にとってニーズが高いのが、モールのユーザーを自社サイトに誘導することだろう。現状では、様々な制限があり、モールから自社サイトに誘導することはしにくくなっている。だが、メイクリピーターで同一ユーザーと認識できるようになれば、例えば、モール店でAという商品を購入したので、Aという商品を購入し多人におすすめの商品をメールでお知らせし、自社サイトに誘導することも可能になる。

楽天では4月からメールの配信がすべて有料化されているため、さらにこうしたニーズは高いものと考えられる。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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収益力を上げるブランドの再構築方法を、2ケタ成長の営業増益を続けるオルビスに学ぶ | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

10 years 7ヶ月 ago
「ポイント制」の導入など顧客との関係再構築や基盤整備に一定のめどをつけ、営業利益はここ数年、2ケタ成長を維持

オルビス全体で海外を含め、5年以内をめどに700億円の規模を目指したいと考えている」。オルビスのブランド再構築が新たなフェーズを迎えている。2007年以降、革新性あるブランドへの回帰を目指し、ブランド再構築を推進。顧客との結びつきを変え、収益性の向上を図ってきた。だが、昨年末に陣頭指揮を執っていた町田恒雄前社長が急逝。主に組織改革を担ってきた阿部新体制のもと新たな局面を迎えている。

営業利益、5年以内に150億目指す

オルビスの業績推移
オルビスの業績推移

これまでのブランド再構築の柱は2つある。「商品価値の向上」と「コミュニケーションの変革」だ。

「商品価値の向上」では昨年2月、これを象徴する新スキンケア「ORBIS=U(オルビスユー)」を発売。“肌に優しい”だけのイメージからの脱却を図り、より“効果感”を追求した。「コミュニケーションの変革」では、「割引価格表示」を廃止。ロイヤリティの高い顧客への特典を厚くする「ポイント制度」も導入した

一方で事業基盤の整備も進めた。製造を担うポーラ化成工業が、国内の製造拠点を集約したことに伴い、オルビスでも主力以外の商品の外部委託を強化し、原価率の低減に着手。現在、外注比率は10%前後に達しており、今後、約700SKUある商品数も顧客との関係性を見つつ、絞り込みを検討する。

海外も昨年8月、苦戦する韓国市場から撤退。13年に進出したシンガポールを中心に今後、マレーシア、インドネシアへの進出を計画する。

顧客との関係再構築や基盤整備に一定のめどをつけたことで、営業利益はここ数年、2ケタ成長を維持ロイヤリティの高い顧客への特典を厚くする「ポイント制度」も導入したしており、今後、さらなる収益性の良化を目指す。

売り上げは、国内で年間3~5%の成長率を維持。海外は20~30%の成長率を目標に、3年以内に30億円の規模を目指す。営業利益は5年以内に150億円の達成を見据える。少子高齢化で国内の化粧品市場がシュリンクする中、いかにして達成するか

「オルビスユー」売上高46億円に

一つは、商品価値のさらなる向上に挑む。

創業来、オルビスは“オイルカット”を切り口に「アクアフォース」や、ニキビケアの「クリア」など今のオルビスを支える主力商品を開発、事業をけん引してきた。が、いつしか強力な商品を企画する力は弱まり、既存商品のリニューアルに依存するようになっていた。“革新性”が薄れていたわけだいつしか強力な商品を企画する力は弱まり、既存商品のリニューアルに依存するよう少子高齢化で国内の化粧品市場がシュリンクする中、いかにして達成するかになっていた。“革新性”が薄れていたわけだ。

その意味で、「オルビスユー」の開発は、外部に向け革新性あるブランドであることを発信すると共に、今のオルビスを支える社員自らが一から新シリーズを開発するという社内の意識改革を進める意義もあった。

「オルビスユー」の前期売上高は約46億円。年間約40億円を売る「アクアフォース」を抜き、トップブランドに成長している。ただ、阿部社長は「何か一つの商品だけでブランドイメージががらりと変えるのは難しい。一つの成功の次に二の矢、三の矢がうまくいって初めて外からの見え方も変わってくる」と、攻めの姿勢を崩さない。その中で“二の矢”として放つのが今年3月に発売した「新クリア」になる。目指すのは、ニキビケア化粧品が宿命的に抱える“顧客継続性”の課題から脱することだ。

従来のニキビケアは“できたら治す”という「対症療法」の域を出ず、加えて競合他社や、ニキビの“治療”を促す皮膚科クリニックの台頭で競争環境も激化している。

「新クリア」は、世界的に著名な学会で最優秀賞を受賞した研究論文の「ニキビは女性特有のホルモンバランスの乱れで周期的にできる」という知見を応用。ニキビができにくい肌環境を整えるという通常のスキンケアとしても価値ある「日常使い」を売りにするとともに、“効果感”も担保。技術的裏打ちのある商品の相次ぐ投入で、“肌に優しい”だけのイメージから脱却する。スキンケア領域のユーザーを取り込むことで間口を広げ、年間20億円ほどの売り上げを25~30億円に伸ばす。

一方、依然として40代以降の女性層に向けて展開するシリーズのテコ入れは課題として残る。“卒業ブランド”として離脱するこれら中高齢層と長いレンジで関係を築いていく。

不得手なマスマーケ、店舗で補う

もう一つが、企業ブランドの強化だ。

オルビスがこれまで頑なにこだわり、強みにしてきたのが“ダイレクトマーケティング”への特化だ。ファンケル、ディーエイチシー(DHC)という御三家の中で唯一、流通戦略を展開せず、テレビCMなどマス広告にも消極的。それゆえ、周囲から聞こえてくる評価の一つに「マスマーケティングが不得手」というものがあった。

ダイレクトに特化するがゆえ、知名度では前2社の後塵を拝している印象が強く、「再生知名率(化粧品会社と聞いて思い浮かぶ社名の回答)」も15%弱(自社調べ)。「認知の『量』ではなく『質』を重視する」(阿部社長)とは言うものの、やや低いと分析する。そもそも、マス広告展開するブランドは、それだけでメジャーで、顧客にある種の安心感も与える。

それでもこだわるのは、「ダイレクトだからこそ、お客様にどういう形を提供できるか、常に直接考えることができる」(同)ため。今後もそのスタンスは崩さない。ただ、この点を店舗事業の強化で補う。

年間5店舗純増120店舗体制に

2000年にスタートした店舗事業は、09年に100店舗体制を構築。以降、108店前後を適正な数と捉え、年間2~3店舗を出店するものの、採算性をみてスクラップアンドビルドを行ってきた。

対するファンケルは165店(昨年12月末時点、健食の専門店である「ファンケルヘルスハウス」を除く)、DHCは200超の直営店を展開。店舗の売れ筋が化粧品であることを踏まえると、化粧品事業の規模が同等のこれら企業に比して少ない。

だが、ブランド再構築の中では、その一環として顧客への“メッセージ性”を強化。昨年1月には、これまでポーラ化成工業で容器デザインなどを行うデザインチームを各事業会社に編入、マーケット寄りに移した。商品やカタログにおけるブランドの世界観や統一感を横串で見るほか、店舗もVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)戦略()の転換や販売員の接客力強化に取り組んでいる。現在、既存店の売上高は前年比5%増と堅調に推移する。

オルビスの改装前の店舗
改装前の店舗
オルビスの改装後の店舗
改装後の店舗

※改装前の店舗㊤と改装後の店舗㊦。以前は入口から見て主力スキンケアが顧客から遠く、柱の影に隠れていた。改装後は顧客の導線を意識。どこからも主力スキンケアが見え、要所にポスターやロゴを配置しブランド認知を図る

これを受け、今後は年間5店舗の出店を計画。可能な限り純増とし、3年後に120店舗体制の構築を視野に入れる。店舗事業の強化で流通戦略の不実施からくる企業ブランドの弱さを補っていく。

◇◇◇

【阿部嘉文社長に聞く】ブランド再構築の評価は

オルビスはいかにブランド再構築に取り組んだのか。商品価値の向上など外から窺えるこれら改革と併せ、進めたのが従業員の意識改革や企業風土の醸成だ。ブランド再構築のこれまでの評価と、その原動力を生んだ組織改革の取り組みを阿部社長に聞いた。

――ブランド再構築の必要性はどこにあった。

「問題はオイルカットというこれまでにない切り口で商品を作り、革新性を売りにしてきたのに、いつの間にかそれが無くなっていたことだ」

――町田前社長とどう役割を分担したのか。

「町田が主に商品戦略やプロモーション、私が組織改革を担当した。お客様から見えるイノベーションを作るのは、従業員のチャレンジ精神や企業風土の醸成など内部のイノベーション。ビジュアルやロゴは後からでも変えられる。ブランドの重要性に気づけば、仕事のやり方も変わり、お客様からの見え方も変わる

――革新性を生むため組織を活性化することは難しい問題だと思う。どう取り組んだ。

「これまでのオルビスは、ポーラからの出向者が経営陣を占めていた。そこは若い会社であり、マネジメントの主体をポーラが補っていた面があった。ポーラから役員がくれば“今度は何をするのか”という雰囲気も正直あったと思うし、オルビスを好きで入ってきた社員の夢が叶わない体制は良くない。やはりオルビスはオルビスの生え抜きの人材がきちんと運営し、将来トップに立つことがあるべき姿。着任後、人心の面からも組織を見直し、今ではオルビス出身の社員が経営の中核を占めている※執行役員以上では、12年1月に6人中3人が、今年1月に7人中4人がオルビス出身者になっている)

――革新性を追求する中、それを実行できる社員とそうでない社員がいたと思う。人事面の評価はどう変えたのか。

「評価者側として大きく変えたことは一つ。表面的な部分のみを捉えたマイナス評点をしないことだ。減点主義では、誰もチャレンジしようと思わないし、商品は革新性のない無難なものになる。革新をもたらそうと思えば顧客からさまざまな反応があるが、チャレンジ精神を重視した

――これまでのブランド再構築の評価は。

「リニューアル商品しか作ってこなかった数年の状況を打破し、『オルビスユー』という全く新しいラインを出し、ヒットさせることができたのは一つの成果。ただ、まだ途上にある」

――課題はどこに残す。

「スピード感だ。ブランド再構築といっても一つの商品でイメージを変えるのは難しい。成功が続くことで初めてお客様からの見え方も変わる。従業員にも自信が生まれ、意識が変わる

――昨年導入したポイント制度の評価は。

「『ボリュームディスカウント』が一つの柱という意識は非常に強く、止めることで売り上げが下がる不安から反対論は根強かった。だが、ロイヤリティの高い顧客といかに結びつくか、思想面を含めて議論を重ねた」

――現状の評価は。

「購入履歴の浅い顧客への魅力づけをどう行うかが課題だ。また、現状はほとんど割引の代わりのポイントになっている。制度の狙いは“コミュニケーションツール”として活かすこと。楽しさを提供できる制度にどう変えるか課題になる」

――マス広告をあまり活用せず、流通戦略も展開していない。理由は。

「ダイレクトセリングだからこそお客様に提供できる価値を直接伝えることができる。やみくもな売り上げの成長だけを追求することは考えていない。長く使い続けてくれるお客様を着実に増やし、着実な成長、収益性の確保を図る

――企業ブランド確立の点では、マス広告展開していないことがマイナスに働くのではないか。

「ブランドの認知そのものは低く、何をやっている会社か分からないという弱さはある。その点は顧客とのコミュニケーションの中で理解してもらう努力は必要だと考えている。その意味で店舗事業の強化がこの点を補うことにもなる」

――店舗の収益性が改善した要因は。

「一つは販売員の接客力が向上したこと。店舗には販売ノルマはなく、顧客満足を高めることを基本に、各店のトークマニュアルは日々改善されている。これを自主的に行えるようになった成果が出始めだ。もう一つは、ブランド再構築の中でお客様への“メッセージ性”を強化した。今までは『誠実さ』『お客様目線』を重視するあまり、積極的な接客は“積極的に声をかけることがクレームにならないか”など、ある面で非常に控えめになっていた。伝えるべきはきちんと伝えることが大事だろうと考え接客するようになった結果、既存店舗の効率が着実に向上し、成果につながった」

――マニュアルは店舗間で共有できている。

「その点はまだ課題になっている部分もあるが、各店の取り組みが全体の底上げにつながっている」

オルビスの阿部嘉文社長
阿部嘉文社長
◇◇◇

『新社長の横顔』──人を“活かす”力に注目

ブランド再構築をけん引した町田恒雄前社長の急逝を受け、新社長に就いた。経歴では、ポーラの経営企画室長やホールディングスの総合企画室長を経験。ポーラの訪販の現場、オルビス創業期のメンバーとして、販売第一線で陣頭指揮を執ってきた町田前社長と比べると、受け答えに洗練された印象はあるものの、管理畑との印象が強い。

だが、40代半ばまでポーラの販売会社を経験した。学んだのは、“本部機能の重要性”。「本部で長く机に座っていると数字の計算に陥り、現場の苦労を忘れる。本部が施策を間違えば、販売現場は機能しない」と話す。

2005年から約2年間はポーラのコールセンター所長を務めた。特にクレーム対応は、顧客心理の理解につなげるため、夜まで会話内容を読み込むこともあったという。当時、メール対応の機能が弱く、クレームの種類に合わせて返信のひな形を作った。しかし、「定型文で返すこと自体に気持ちが感じられない」と顧客に叱られ、顧客と会社の考えのギャップを学んだ。

オルビスでは、町田前社長がマーケティングやMDを、阿部社長が経営管理や組織改編など内部管理を担った。「偉そうに言えば二人三脚」という口ぶりは控えめで、強力なリーダーシップを発揮するイメージはない。

だが、取材中、幾度となくオルビスで店舗や通販を担う人材が育ちつつあることに言及。自らはブランド再構築の要となる社員の意識改革に力を注いだ。現在、経営陣はオルビス社員が中核を占め、2トップ体制からチーム制に移行した。今後、オルビス社員の手によるオルビスをつくれるか、阿部社長の人を活かす力が試される。

 

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
オルビス 売上高700億円へ "革新性"二の矢、三の矢で挑む(2015/05/01)

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2015年ソーシャルメディアマーケティングの7つのトレンド — YouTube、Facebook動画、ポッドキャスト etc. #SMMW15

10 years 7ヶ月 ago

Social Medaia Maketing World 2015での基調講演のレポート。スピーカーは、カンファレンスの主催者(Social Media Examiner)の創設者・CEOのMichael Stelzner(マイケル・シュテルツナー)氏。2015年のソーシャルメディアマーケティング業界のトレンドが、プレゼンテーションのテーマ。YouTubeやFacebook、ポッドキャストなどの7つトレンドが見られる。

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Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

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