ネットショップ担当者フォーラム

AmazonのAI活用法。最適な商品提案でアパレルのCVRアップ、返品率低下につなげる施策とは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2 years 1ヶ月 ago
Amazonがあげる、AIを活用して顧客の購買体験を向上させる4つの方法とは? それぞれを詳細に解説します

AmazonがAI(人工知能)を活用してアパレル商材のコンバージョン改善に取り組んでいます。取得した過去のデータを活用して顧客に適したサイズを適切にレコメンド、購入率の向上や返品率の低下につなげているようです。そして、Amazonマーケットプレイスで販売する小売事業者は、Amazonが提供するこれらの情報を利用し、アパレル商品の効率的な販売につなげています。

アパレル商品のコンバージョンをアップさせるAmazonのAI活用法

Amazonによると、特定のサイズを薦められた消費者はそのアパレル商材を購入する可能性が高くなり、返品率も低くなるということです。そのAmazonは、AIを使ってレコメンドし顧客の購買体験を向上させる4つの方法を紹介しています。

Amazonのファッション領域のコンピューター・ビジョン・機械学習担当ディレクターであるアプールヴ・チャウドリ氏は自社のコーポレートニュースのなかで、アパレル販売におけるAIの利用事例について詳しく説明。その事例では、AmazonをAIを活用した商品レコメンド、そして、どのデータポイントを使っているかを解説しています。

アプールヴ・チャウドリ氏はAIを活用したアパレル商品について事例を解説している(画像はAmazonのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
アプールヴ・チャウドリ氏はAIを活用したアパレル商品について事例を解説している(画像はAmazonのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

① 顧客にぴったりのサイズを薦めるレコメンド

AmazonはAIに内包される機械学習モデルを使い、消費者が過去に共有した他のデータから最もフィットしそうな衣料品のサイズをレコメンドします。

そのアルゴリズムは、似たようなサイズの服を購入し、服のフィット感について似たような好みを持つ消費者をグループ化するもの。特定アイテムの詳細、サイズ表、カスタマーレビューによる回収率、そのアイテムを購入した消費者に関するデータに基づいています。たとえば、オーバーサイズやスリムフィットなど、似たようなフィット感のアパレルアイテムもグループ化しています。

Amazonはそれらの情報を利用し、同じサイズの消費者が購入したデータに基づいてサイズに関するレコメンドを行います。このアルゴリズムは、サイズの変化にも適応することが可能。たとえば、子供服について、前の月に購入したサイズよりも大きいサイズをレコメンドするといったことなどです。

AmazonはAIを活用して子供の成長を予測したサイズ提案などを行っている
AmazonはAIを活用して子供の成長を予測したサイズ提案などを行っている

Amazonのフィット・レコメンデーション・ツールは、毎日何百万ものデータポイントを分析し、毎月数十億ものサイズのレコメンデーションを生成。このレコメンデーションによって、コンバージョンが向上しているそうです。

②カスタマーレビューの活用

チャウドリ氏によると、Amazonのサイズレコメンデーションは、カスタマーレビューも活用しているそうです。

AIはレビューに共通するテーマに基づき、それぞれの顧客に特化したレビューハイライトを作成。その顧客にお薦めのサイズを購入した他の顧客の情報を取り込み、フィット感についてのコメントをアピールします。

次に、サイズの正確さや伸縮性、体の特定の部位へのフィット感を考慮するため、レビューに基づいてサイズアップまたはサイズダウンを推奨します。

③AIによるサイズ表標準化ツール

さらにAmazonは、AIを使ってサイズ表を標準化するツールを展開しています。

大規模言語モデル(LLM)は、より正確で一貫性のあるサイズ表を作成できます。これは、複数のソースからサイズデータを収集し、重複する情報を削除して、読みやすくすることで実現しているのです。(チャウドリ氏)

LLMは、不足した情報や誤った情報を修正することもできます。Amazonはサイズ表全体の代わりに推奨サイズ情報だけを表示するなど、さまざまな形式をテスト。「これによって、最も関連性の高い情報を見つけやすくしています」(チャウドリ氏)

④サードパーティーにも提供

Amazonは、これらのAIフィッティングツールで収集したデータから得られるメリットの一部を、サードパーティーの販売者に提供しています。

「Fit Insightsツール」(LLMモデルを使用して、フィット感、スタイル、生地に関する顧客のフィードバックを抽出し、集約するAmazonのファション事業者向けツール)は、フィット感、スタイル、生地などのアパレルの特徴に関する顧客の反応を集約。返品データやカスタマーレビュー、サイズ表の間違いなどをインプットします。

Amazonで販売する小売事業者は、この情報にアクセスすることが可能。潜在顧客にサイズやフィット感に関する情報をより適切に伝えたり、返品を減らす目的で商品デザインの改良につなげたりするために活用できます。

AIは小売事業者の「魔法の杖」。各社がAI活用に注力

AIがアパレルの購入プロセスを改善し、返品を減らす可能性を検討しているのは、大手テクノロジー企業やEC事業者だけではありません。

Googleは2023年、消費者がAIモデルを使ってバーチャルに試着できるツールを発表しました。

Googleの発表当時、デジタル戦略コンサルティング会社BDOのマネージング・ディレクター兼クライアント・エグゼクティブであるロバート・ブラウン氏は、生成AIは、顧客データという点で小売事業者に「魔法の杖」を与えたと話しました。

AIを使って、消費者がサイズや好みに基づいてどのように購入するかのデータを収集し、レコメンドを行うことができれば、小売事業者は1to1の顧客体験を提供することができます。(ブラウン氏)

ブラウン氏はまた、「AIは消費者の好みやニーズに関する『膨大な』データを生成し、小売事業者はそれを将来のコンバージョンにつなげることができる」と説明。AmazonはAI技術を使って、顧客データを活用し、多くのアパレル商品の販売促進に成功している一方で、返品率の低下にもつなげています。AI技術による精度の高いレコメンデーションが寄与しているのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

旅行中に越境ECでの「旅アト購入」は35%。約半数が「旅行時に価格以外の理由で購入を諦めた経験あり」

2 years 1ヶ月 ago

BEENOSの連結子会社BeeCruiseが実施した「海外旅行および訪日旅行における消費行動と越境ECに関するアンケート」によると、越境ECによる旅アト・リピート購入経験は35.4%だった。調査対象は越境ECの海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」の顧客(米国、台湾、韓国、マレーシア、英国)749人。調査期間は2023年7月~8月。

49.4%が「ECサイト経由で知ったブランドの店舗を旅行時に訪問した経験あり」

ECサイトをきっかけに知った海外のブランドや販売店を、海外旅行時に実際に訪問したことがある割合は49.4%。SNSだけでなく、ECサイトを通じてブランドや商品の魅力に触れることが、旅マエの情報収集につながっている。

ECサイト経由で知った海外ブランドの販売店を海外旅行の際に実際に訪問した経験(回答数:733、出典:BeeCruise)
ECサイト経由で知った海外ブランドの販売店を海外旅行の際に実際に訪問した経験(回答数:733、出典:BeeCruise)

51.5%が値段以外の理由で旅行中の商品購入を断念

海外旅行中に「重い・大きい・その場で完成しない」など、値段以外の理由で商品購入を断念した経験がある割合は51.5%。具体的な商品として、テーブルやランプなどの家具、陶器やガラス製品、箱の大きなフィギュアや楽器などがあがった。

海外旅行中に値段以外の理由で商品購入を断念した経験(有効回答:741、出典:BeeCruise)
海外旅行中に値段以外の理由で商品購入を断念した経験(有効回答:741、出典:BeeCruise)

海外旅行中の買い物で困ったこと、上位は「大きさ」「重量」

「海外旅行中の買い物で困ったこと」の最多は「サイズが大きい」(57.1%)。「重量が重い」(46.3%)、「帰りの飛行機で重量オーバーになった」(44.2%)が続き、大きさや重さに関する課題が大きいことがわかった。

海外旅行中の買い物で困ったこと(有効回答:1594、複数回答、出典:BeeCruise)
海外旅行中の買い物で困ったこと(有効回答:1594、複数回答、出典:BeeCruise)

2022年6月以降に訪日したユーザーは43%、1年以内に訪日を予定しているユーザーは67%

条件付きでの外国人観光客の受け入れが再開した2022年6月以降に訪日したユーザーは43%だった。

2022年6月以降に訪日したユーザー(有効回答:745、複数回答、出典:BeeCruise)
2022年6月以降に訪日したユーザー(有効回答:745、出典:BeeCruise)

国別で見ると、1年以内に訪日を予定している国の最多は韓国(44%)で、次いで台湾(37%)だった。

国別の訪日ユーザー(出典:BeeCruise)
国別の訪日ユーザー(出典:BeeCruise)

さらに1年以内に訪日を予定しているユーザーは67%と過半数を超え、特にマレーシア、韓国、台湾ユーザーの訪日意向が高い。今後のさらなるインバウンド回復が期待できる結果となった。

1年以内に訪日を予定している国別ユーザー(出典:BeeCruise)
1年以内に訪日を予定している国別ユーザー(出典:BeeCruise)

訪日の目的は「買い物」が78.4%、「食文化を楽しむ」が76.2%

訪日旅行経験者に「日本の旅行の主な目的」を尋ねたところ、「買い物」(78.4%)、「食文化を楽しむ」(76.2%)が上位で、次いで「名所旧跡を見る」(69.7%)、「その国の生活に触れる」(65.8%)だった。

訪日の目的(有効回答:2191、複数回答、出典:BeeCruise)
訪日の目的(有効回答:2191、複数回答、出典:BeeCruise)

訪日時に購入したい人気ジャンルは、「ホビー」「エンタメ」「食品」

訪日した際に購入したい商品ジャンルは、「おもちゃ・ゲーム・アニメグッズ」などのホビー、「本・CD・DVD・エンタメ」などのエンタメ、「食品・飲料」が人気上位となった。

訪日した際に購入したい商品ジャンル(有効回答:2191、複数回答、出典:BeeCruise)
訪日した際に購入したい商品ジャンル(有効回答:2191、複数回答、出典:BeeCruise)

訪日時の買い物予算、「10万円以上」が最多

「訪日した際の買い物予算」についての質問では、「10万円以上」が最多の50.7%で、次いで「5~7.5万円未満」が15.9%だった。

訪日時の買い物予算(有効回答:706、出典:BeeCruise)
訪日時の買い物予算(有効回答:706、出典:BeeCruise)

訪日後の越境ECによる旅アト・リピート購入経験は35.4%

「訪日時に発見した商品や、購入した商品を帰国後に越境ECで購入した経験」について、35.4%が「ある」と回答。具体的には、食品、化粧品などの消耗品、書籍、カー用品、家電、アウトドア用品などの重さがありかさばる商品や、靴や服などがあがった。

訪日後に越境ECで購入した経験(有効回答:741、出典:BeeCruise)
訪日後に越境ECで購入した経験(有効回答:741、出典:BeeCruise)

旅アト・リピート購入経験がないユーザーのうち、43.7%が「利用意志あり」

上記の質問で「利用したことがない」と回答したユーザーに理由を聞いたところ、「その商品が越境ECで購入できるかわからなかった」(28.8%)、「欲しい商品が越境ECに対応していなかった」(14.9%)があがった。43.7%は旅アトの購入の意志があったものの、越境ECの対応状況によって購入が叶わなかったことがわかった。

越境ECで購入しなかった理由(有効回答:537、複数回答、出典:BeeCruise)
越境ECで購入しなかった理由(有効回答:537、複数回答、出典:BeeCruise)

アンケート結果について、BeeCruiseは次のようにコメントしている。

経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」によると、越境ECの市場規模は、2030年までに7兆9380億USドルに成長すると予想されている。訪日により実際に商品の魅力を感じた海外のお客さまに越境ECを活用した旅アト消費を促すことで、インバウンド消費を一過性のものにせず、最大化することが可能になる。一方で、越境ECに未対応であることや、対応していても実店舗からの導線が不十分なために、旅アト・リピート購入の機会を逃している実態が見えてきた。

調査概要

  • 調査名称:海外旅行および訪日旅行における消費行動と越境ECに関するアンケート
  • 調査実施期間:2023年7月~8月
  • 調査対象:海外向け購入サポートサービス「Buyee」の顧客:米国、台湾、韓国、マレーシア、英国
  • 調査人数:749人
  • 調査方法:オンラインアンケート
  • 調査主体:BEENOSグループ
大村 マリ

「futureshop」のフューチャーショップ、ECサイトで「au PAY(オンライン決済)」が利用できるサービス申し込み受付開始

2 years 1ヶ月 ago

SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップは、SBペイメントサービスのオンライン決済サービスを介して、スマホ決済サービス「au PAY(ネット支払い)」が利用できるオプションサービスの先行申し込み受付を1月17日から開始した。

新規開発不要で「au PAY(ネット支払)」を利用できる

「au PAY」は、ポイント・決済加盟店で利用できるスマホ決済サービス。実店舗でのバーコード決済、請求書払い、ECサイトなどのオンライン決済に対応している。

「au PAY(ネット支払い)」導入によって、「au PAY(ネット支払い)」の申し込み手続き、売上入金の窓口を一本化。導入前の手続き、導入後の精算処理といったバックヤード業務の負担軽減につなげられるという。

また、導入にあたって追加開発は不要。申し込み手続き完了後、管理画面で設定すると利用できるようになる。

futureshop フューチャーショップ au PAY スマホ決済サービス
「futureshop」利用ショップでの「au PAY」利用の流れ
(画像はフューチャーショップのサイトからキャプチャ)​​​

利用にはSBペイメントサービスの「オンライン決済サービス」の導入が必要。「futureshop(commerce creator(コマースクリエイター))」利用店舗のみが導入できる。2月から順次、SBペイメントサービスが決済環境を提供する。

「au PAY(ネット支払)」を3月31日(日)までに申し込みすると、「au PAY(ネット支払)」を導入した店舗は、「au PAY(ネット支払)」の月額費用が0円、利用時の決済手数料が特別料率として永年優遇されるキャンペーンに参加できる。

藤田遥

EC担当者はAIとどう向き合うべきか? EC領域におけるAIの可能性を解説

2 years 1ヶ月 ago
AI(人工知能)を活用したビジネス支援を手がけるAppier(エイピア)は、今後のAIの進化がECビジネスに与える影響を解説
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EC担当者にとってAIとはどんな存在だろうか。「売上分析のためのツール」「業務効率化に役立つ」「コンテンツ作りを生成AIに任せられそう」などと期待を寄せている経営者や担当者は少なくないだろう。一方、「将来の仕事を奪いかねない存在」と感じている声もあるかもしれない。

2012年よりAIを活用したマーケティング支援を手がけるAppier(エイピア) Groupの北村伊弘氏(Senior Marketing Manager)はAIについて、「蓄積したデータを施策にいかすための担い手」だと指摘する。日常業務に忙殺されがちなEC担当者にとってAIはどう役立つのか、そのヒントを語った。

デジタル化で遅れをとった日本企業。AIがあれば巻き返せる?!

現在は「第4次AIブーム」とも言われ、メディアで「AI」の2文字を見ない日はないほどだ。北村氏は「今まさに日本企業は大きな変革のタイミングを迎えているのではないか」と語る。

一般に日本企業はビジネスのデジタル化で遅れをとってきたと言われている。要因として、デジタルに詳しい人材の不足、「どこから手を付けていいかわからない」というノウハウの不足、組織や文化の問題などが考えられるが、これをAIが変えるかもしれない

非エンジニアがAIに触れる機会も増えており、欧米諸国からの遅れを取り戻す好機ではないか。(北村氏)

Appier Group Senior Marketing Manager 北村伊弘氏
Appier Group Senior Marketing Manager 北村伊弘氏

AIの核となるのはデータだ。人の力や書類ベースでは到底管理しきれない量のデータを蓄積し、学習することによってAIは進化していく。ECやマーケティングの世界で言えば、顧客の属性情報や行動履歴が、AIの高精度化に必要なデータにあたる。となれば、マーケティング領域においてAIの導入が進むのは必然だろう。

企業が顧客データに着目し始めて20年以上

ただAIの動向とは無関係に、顧客データを蓄積・活用していくという考えは1999年頃から、メールマガジンを送るというマーケティング手法として使用されてきた。通販業界ではそれ以前に、ダイレクトマーケティングとしてカタログ通販、DM送付などで活用されてきた。

それが2010年代以降、いわゆる「ビッグデータ」の概念が浸透するにつれ、位置付けや捉え方が変わっていった。2013年頃にはCDP(カスタマーデータプラットフォーム)、2014年頃にはMA (マーケティングオートメーション) などのテクノロジーが登場。これらは顧客に関わるデータがあってこその製品であり、こうした技術の発展がマーケティングとAIの関係を近付けたと言える。

ダイレクトマーケティング、メールマーケティングに端を発する顧客データ蓄積・活用の歴史がスタートしてから数十年が経過した。ただし、データをどのように活用するかで、いまだに多くの企業が苦戦しているのもまた確かだと北村氏は指摘する。

バルク配信かMAか

たとえば、50万人の会員を抱えるECサイトで週1回、すべての会員にメールを送ったとすると月の延べ受信者数は200万人。メールの開封率が10%だとすると20万人がメールを閲覧し、そのうち5%にあたる1万人が反応、実際に商品を購入したのはその1%にあたる100人というのが、よくあるパターンだ。こうした大規模配信は「バルク配信」と呼ばれ、定着している。

一方、顧客の属性やWebサイトの閲覧履歴などを加味して、メールの送信数を抑えながら反応率や購入率を高めようとするMAの発想。50万人全員に4回送信するのではなく、「買う可能性が高そうな顧客」を絞り込んで1回だけ送信する。その100人にだけ伝わるコンテンツを用意することにより、閲覧率70%、反応率30%、最終的な購入率10%を達成することも夢ではないだろう。

メールマガジンを顧客全員に配信するか、ターゲティング配信するか
メールマガジンを顧客全員に配信するか、ターゲティング配信するか ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

だがこの例でいうと、前者の「バルク配信」と比べて、MAの成功率は10倍だが、購入者の絶対数は2人に過ぎない。反応率や購入率では劣るバルク送信だが、購入者の絶対数は100人になるため、結果的には売上貢献度が高い、という話になってしまう。

MAで「バルク配信」並みの売り上げを確保しようとすると、購入者数が50分の1なのだから、50回分のMAのシナリオが必要になる。しかも施策は中長期的に打ち続けなければならず、担当者の負担が大きくなるのは自明だ。

「バルク配信」を維持しながらMAも並行してやっていくことになると、お客さまから見ると届くメールの数だけ増え、しかも興味のないものばかりという状況になってしまう。これでは、エンゲージメントと呼ばれるレベルの顧客関係を構築できたとは言えない。(北村氏)

施策が増えれば負担も増える

メールマーケティングの定番としては、会員登録直後に送るウェルカムメール、ショッピングカートに未決済商品が残っている場合のカゴ落ちフォロー、誕生日などに合わせたアニバーサリー施策などがある。

施策はどんどん増えていく
施策はどんどん増えていく ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

だが、これらだけをやり続けても効果はいずれ減少してしまう。顧客の需要をメールやLINEで喚起するためには、なんらかの方策を考え続けなければならない。しかも、新施策を実行するなら、既存施策とのバランスを考えた調整作業まで必要になってくる。

AIがもたらす効果とは? その4つのパターン

データを集めても、手間が多く、アイデアの量に限界があって使いこなせない。これがデジタルマーケティングの根本的な課題であり、それを克服するための存在がAIだというのが北村氏の主張である。

データは集められるようになった。それを手間なく活用するための手段がAI
データは集められるようになった。それを手有効に活用するための手段がAI ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

北村氏は、マーケティング現場におけるAI導入の効能として、4つのパターンを紹介した。

1.作業の効率化

以下の図はいわゆるカスタマージャーニーだ。顧客との接点を想定しながら、どのようなメディアを通じてWebサイトに誘導し、会員登録を実行してもらうか、そして最終的にどう購入につなげていくのか。方策をフローチャート状にまとめている。

AIが生成するシナリオの一例 ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

ただ、実際にMAツールなどで運用するとなると、サイト訪問直後、会員登録前、決済前などの各シーン別に設定やシナリオへの落とし込み作業が発生する。もちろん設定が完了しても、有効に機能しているかの検証が欠かせないし、何より、これだけの準備をこなしても、油断すれば単純な「バルク配信」よりも効率が悪いという状況になりかねない。

AIは、こういったシナリオ作成を最小限の指示だけでほぼ自動的に実行してくれる。しかも、それまでの蓄積データに基づき、効率的なパラメータ設定が行われるケースも珍しくない。

同様に、集めたデータをさまざまな軸で分析したいとき、レポートを自動で作ることもAIの得意分野だ。言うまでもなく、データの集計は非常に面倒な作業だ。「レポートを見て課題を発見することが重要なのに、レポートを作っただけで力尽きてしまう事態に陥りがち」と北村氏も漏らすように、マーケターにもたらす利益は大きい。

レポート生成もAIで
レポート生成もAIで ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

また、実際に送るメールの文面、オファー内容の生成も、生成AIの事例からもわかるように効果的になってきた。Appierの製品では、テーマ、文章のトーン、字数、言語(英語や中国語など計8言語から選定)などを設定するだけで、適切な文章が生成できる

メールやメッセージにおけるオファー文生成の例 ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

2.新たなターゲットの発見

台湾のある生命保険会社では、休眠状態になっている顧客の活性化施策をめざしていたが、ここでAIを活用した。顧客の属性や行動情報のなかからAIが最適なキーワードを見つけ出し、これをタグとして付与する。この会社では、タグの付与状況で投資志向、健康志向というように顧客をセグメント化し、再リーチに役立てているという。

多くの企業は顧客データを持っているが、それは基本属性、利用しているデバイス、Webの閲覧状況程度である場合が多い。AIはそれらの情報とリアルタイム行動情報から「このユーザーならば○○に興味があるだろう」と類推してくれるため、より広範な施策への発展が期待できる。

基本情報をベースに、関心・興味をAIで類推する
基本情報をベースに、関心・興味をAIで類推する ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

3.アプローチの精度の向上

国内10都市で宿泊施設を展開するホテルモントレでは、全顧客に一律の内容のメールを送っていた体制を一新。顧客のサイト上の行動に基づいて、発信内容のパーソナライズ化を推進した。

もちろん、背後では会員データとサイト内行動データの紐付けも行った。重要なのは手間を抑えながらデータを活用すること。統合したデータをAIで分析・予測できるようにし、具体的には「価格感度スコア」を各ユーザーに付与し、管理しているという。

このスコアにより、たとえば「価格に対してシビアな客には低価格プランを案内する」「価格にこだわらない客には、別のトピックを案内する」といった運用が可能になった。

顧客情報から「価格感度スコア」を推定し、それをもとにオファーの頻度や出し方を調整
顧客情報から「価格感度スコア」を推定し、それをもとにオファーの頻度や出し方を調整 ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

4.パーソナライズの最適化

あるベトナムのファッションブランドでは、レコメンデーションの最適化にAIを活用した。メールマガジン上のレコメンデーションと、Webサイト上のレコメンデーションは、同じように見えて実はそのロジックを変えているケースが多い。しかし、どれが本当に効果的なのかを割り出すには膨大な労力がかかる。

この事例では、異なるレコメンデーションロジックのABテストと、結果に基づいた調整をAIが自動で行った。これを人力で行うのは、メールの配信件数などを考慮すると到底現実的ではない。AIだからこそ成し得る施策だ。

どのレコメンデーションロジックが適切か判断するために、AIが自動テストを行ってくれる
どのレコメンデーションロジックが適切か判断するために、AIが自動テストを行ってくれる ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

AIで変わるのは企業か顧客か、それとも両方か?

Appierは2012年に台湾で設立されたAIネイティブ企業だ。各種マーケティングソリューションを AI x SaaSベースで提供するのが事業の軸であり、その製品には、ここまで紹介してきたようなAI機能が数多く組み込まれている。

「AIネイティブ」を標榜するのは、創業者で現CEOのChih-Han Yu(チハン・ユー)氏が創業前にスタンフォード大学、ハーバード大学時代に長らくAI研究に携わっていたことが大きく影響しているという。なお法人として、東証プライム市場への株式上場もすでに果たしている。

AppierのAI関連製品群
AppierのAI関連製品群 ©Appier Group, Inc. All rights reserved.

AIはまだまだ新しい技術であり、人によって捉え方はさまざまだろう。北村氏は「単純作業や人間がやるには難しい作業をサポートしてくれるのがAI」と説明する。

レポートを作ることが目的ではなく、作ったレポートを分析し、施策を編み出し、売上アップへとつなげることが目的だ。よって面倒な部分はAIに任せ、人間はすべき業務に集中する。ちまたでは「AIの普及によって人間の仕事が奪われる」ともささやかれるが、マーケターについてはAIと人間の共存が現実的ではないか、と北村氏は語る。

そして注意すべきは、AIの登場によって、顧客の行動もまた変わりうるということだ。かつてWebの登場が情報発信の在り方を変え、検索エンジンでの表示順位がECの売り上げを左右する時代となった。これはEC運営者側だけでなく、購買者側も含めて買い物の常識が変わったことを意味する。

企業もAIに対して早いうちからトライしていくことで、もし顧客の行動がAIによって変わっていっても、先読み的に対応できる可能性が高まるのではないか。(北村氏)

企業と消費者、双方の行動がAIによって根本的に変わるかもしれない。そんな未来への備えとして、今からAIの活用を真剣に考えてほしいと北村氏は呼び掛けている。

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森田 秀一

HameeがBtoB-ECのマーケットプレイス事業に参入、子会社NEが卸売・仕入れ販売の「encer mall」のβ版をリリース

2 years 1ヶ月 ago

Hamee(ハミィ)がBtoB-ECのマーケットプレイス事業に参入する。

100%子会社で「ネクストエンジン」の開発・販売などを手がけるNE(エヌイー)が1月15日、卸売り・仕入れ取引のオンラインマーケットプレイス「encer mall(エンサーモール)」のβ版をリリースした。

「encer mall」のβ版(画像は編集部がキャプチャ)

「encer mall」のβ版では、卸売り・仕入れ取引に必要な、注文管理、在庫管理、ブランドページ、メッセージ機能の提供を開始。利用者の意見を反映して機能を拡充していく。NEが提供しているネットショップ管理システム「ネクストエンジン」との連携機能強化も計画している。

なお、「encer mall」の開発チームにはHameeで卸売経験を持つメンバーが参画。「卸売・仕入れ販売が、もっとこうあるべきだ」と感じていたアイディアを多く反映しているという。

「商品の円滑な仕入れが実現できずに機会損失が多く発生している」「自社開発商品の卸販売に興味がある」といった「ネクストエンジン」ユーザーのニーズを踏まえ、オンラインマーケットプレイス事業への参入を決定。2023年に事前申し込みを開始した。

すでに400社を超えるサプライヤーやバイヤーからの申し込みがあり、「ネクストエンジン」ユーザーからも多数の申し込みがあるという。

「encer mall」は卸売りと仕入れの効率的なデジタル活用を支援。ECサイト運営と卸売りに関する付加価値のある情報を提供していくとしている。

松原 沙甫

イケアがポップアップストアを全国7か所に開設、総合的にアプローチするオムニチャネル化施策とは?

2 years 1ヶ月 ago

イケアの日本法人であるイケア・ジャパンは2~3月にかけて、全国7か所(大阪府、神奈川県、兵庫県、大分県、宮城県、山梨県、愛知県)に期間限定でIKEAポップアップストアをオープンする。

“総合的にアプローチするオムニチャネル化”を加速する一環として、IKEAポップアップストアを展開。IKEAポップアップストアで販売する商品は、IKEAオンラインストアやIKEAアプリ、イケア店舗でも販売する。

イケア・ジャパンは、イケアストア(大型店舗)10店舗、シティショップ(都心型店舗)3店舗、カスタマーサポートセンター、ECサイト(IKEAオンラインストア)、IKEAアプリのほか、国内各地で商品受け取りセンターを拡大。IKEAポップアップストアを開設することで、顧客とのタッチポイントを増やす。

イケアはそれぞれのタッチポイントをつなぎ、総合的にアプローチするオムニチャネル化を推進する。なお、IKEAポップストアは2017年から現在まで、日本全国に20以上を展開している。

イケアは、大型店舗、都市型店舗、カスタマーサポートセンター、ECサイト、アプリ、商品受け取りセンター、そしてポップストアというタッチポイントをつなぎ、総合的にアプローチするオムニチャネル化を推進している
IKEAポップアップストアのイメージ

オープンする7つのIKEAポップアップストアでは、イケアが展開する約9500商品のなかから、イケアコワーカー(従業員)が薦めるデザイン、機能性、サステナビリティー、高品質を兼ね備えた商品を手ごろな価格で販売する。

新生活を迎える時期に役立つ収納やキッチン用品、生活雑貨、空間を彩るインテリア雑貨など、暮らしを快適にする商品やソリューションを用意する。

松原 沙甫

顧客理解を深めてファン作り+売上UPを実現するには? 定量データだけに頼らないマーケティング施策を解説

2 years 1ヶ月 ago
「メルカート」「ReviCo」「SechstantCDP」「SechstantCRM」などを提供するエートゥジェイが口コミの意外な活用法を解説
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効率的なデータ活用のために注目される「CDP」。しかし、エートゥジェイの飯澤満育氏は「CDPだけで顧客を捉えることには思わぬ落とし穴がある」と指摘し、対策として口コミの活用が有効だと言う。「定量」と「定性」を融合したハイブリッドなマーケティング活動について、実用的な手法を解説した。

CDPでの定量データ分析に加え、口コミを活用するべき理由

顧客の属性や行動データを統合・分析する基盤として注目を集める「CDP(Customer Data Platform/カスタマー・データ・プラットフォーム)」。デジタルマーケティングにおける魔法の杖のように思われがちだが、エートゥジェイの飯澤満育氏はこう指摘する。

CDPだけでなく定性情報も交えてハイブリッドに顧客を捉えることが大切であり、CDPには落とし穴が潜んでいることも認識すべき。(飯澤氏)

エートゥジェイ 代表取締役社長 飯澤満育氏
エートゥジェイ 代表取締役社長 飯澤満育氏

CDPの落とし穴とは、

  1. Whyが見えない
  2. 施策となるコンテンツの「ネタ」は提供してくれない
  3. 見つけにくいファクトと課題

この3点の解決策として飯澤氏は「口コミの活用が有効」と説明。口コミを活用することによって、顧客の解像度を上げ、どのような施策を行うと効果があるかが明らかになるという。

CDPは定量的なデータを使うのに対し、口コミは定性的で性質が異なる。定性的な口コミを活用すれば、たとえば「この商品は美味しかったけれど袋が開けにくかった」というような、定量化しにくい情報やファクトを見つけ出せる。定性と定量の両面からアプローチすることで顧客の解像度を上げると、当然ながら打ち手の確度は高まるという。

CDPと口コミではアプローチが異なる
CDPと口コミではアプローチが異なる

CDPだけ活用したマーケティング施策の落とし穴

しかし、実際にエートゥジェイが支援する現場でも、解像度を高めたつもりで打ち手に失敗するという事例が起きているという。その原因として、CDPやCRMなどのツールを多用し、分析した気になって施策を考えている状況が見えてきた。

もちろんCDPやCRMなどの活用が悪いわけではない。しかし、なぜ顧客をよく知るためのCDPがちぐはぐな施策を生み出してしまうのか。その解決策を考える上で、EC事業者の実際のマーケティング活動のフローを知っておくことが必要だという。

一般的には、まず「顧客を知り、課題を見つける」というフェーズから始まり、顧客理解のためにCDPやBIを活用、アイデアの立案と意思決定を行い、コンテンツを考え、制作実行フェーズでCRMやMAを活用するという流れだ。そして、実行した施策の結果が再びCDPに反映され、さらに改善されていくことが理想だろう。

顧客理解のためのCDP活用のフロー
顧客理解のためのCDP活用のフロー

CDPからCRMにつなぎ込む部分を細かく見ると、CDPには会員データや注文データ、商品データ、GAデータ、販促データ、予算・経費などのデータが集められ、加工され、ダッシュボードなどで可視化されている。それをデータ連携してCRM活用しながらシナリオ設定や配信設定を行い、広告やメール、SNSなどの各チャネルを通じて顧客へと提供されていく。

データ活用のイメージ
データ活用のイメージ

CDP活用は目的を明確にするところから

データ活用やCRMの重要性はわかっても、何をすればいいかわからない企業は多いという。しかし、取り組みが進むうちに「会員からの売り上げがほしいからCDPでどうにかしたい」「ノウハウやリソースがないのでデータ活用の支援をしてほしい」といった相談が増えてくるという。

また、施策実施の意思決定スピードアップや施策の優先順位向上などを意図した「経営層を説得するために、数字としての武器がほしい」という相談も多い。

そこで、エートゥジェイではCDP活用を進める際に、まずは経営層や現場でCDP導入の目的を明確にすることから始めているという。

「CDPを導入すればなんとかなる」という考え方では決してうまくいかない。「これを解決するためにCDPを入れよう」という明らかな目的意識を持って取り組むことが大切。(飯澤氏)

データ活用の進め方
データ活用の進め方

そして次に、上図の②のようにダッシュボードの作成や既存のExcelレポートのBI化などの作業を行い、顧客・事業の理解、CRMの課題把握や目的設定などを実施し(③初期分析)、その後、KPIのダッシュボードの作成を行っていく(④CRM戦略・策定、KPIの選定など目標設定)。

③の初期分析で導き出した結果としてよく見受けられるのが、下記の(1)〜(3)のような分析結果だ。分析に基づいて施策を決める手法だが、それは良い施策とは言えない。なぜなのか、飯澤氏はそれぞれについて解説した。

分析結果(1)店舗が強い

「新規の多くは店舗で獲得しており、店舗で新規獲得した会員の半数以上は2回目購入まで至っている」という分析結果が出た場合、「店舗出店を強化しよう」と決定する。

しかし、なぜ店舗が強いのか、なぜ店舗で獲得した会員が2回目購入をするのか、その「Why」がわかっていない。そのため「店舗出店を強化する」といっても、ユーザー体験向上のためにどのような施策を用意すれば良いかわからないため、有効な出店ができない可能性がある。

分析結果(2)休眠顧客にはメルマガが有効

休眠顧客へのクーポンメルマガの効果が高いことがわかると、「休眠顧客へのメルマガ配信の頻度を上げよう」と決定する。

しかし、休眠顧客にはメルマガが打ち手としてよいとわかっても、内容としてどのような情報が良いのか、「コンテンツのネタ」として何が適しているのかまではわからない。むやみにクーポン施策を打つだけではマイナスになる可能性もある。

分析結果(3)売れている商品は固定化している

サイトで強く押している商品Aが一番売れているということから「商品Aについてもっと広告費をかけよう」と決定する。

しかし、もともとプロモーション費用が大きいので売れているだけという可能性もある。他にもっと売れる商品(=見つけられないファクト)に気付けていない可能性がある

定量&定性によるハイブリッドなデータ活用の成功事例

このような落とし穴を経験と勘で埋めていくのが今までの一般的なアプローチだが、エートゥジェイでも数多くの失敗を経験してきたという。だからこそ、落とし穴をより精度高く埋めていく方法として、「口コミの活用」という結論を見出した。定量のCDPと定性の口コミによるハイブリッドなデータ活用とは、いったいどのように行うのか。

なお、定性情報には、口コミ以外にもアンケート結果、インタビュー、問い合わせ情報、店舗スタッフからのヒアリングなども含まれる。そのなかで特に口コミの活用を推奨する理由として、飯澤氏は「データとして取り扱いやすく、各商品からブランドまで横断して情報を獲得でき、さまざまなマーケット施策に活用できる」ことをあげる。そして、それぞれ前述の3つのケースで、口コミを活用した分析と施策について紹介した。

1.「Why」が見えていない→「店舗で新規獲得が多い理由」を口コミから探す

ある化粧品ブランドで、「サンプルやアドバイスを提供してくれたスタッフの人がすごく親切だった」「スタッフの人が私の肌タイプに合った製品を提案してくれてサンプルも持ち帰れた」という口コミに着目し、提案力とサンプルが店舗での新規獲得につながっているという仮説を立てた。そこで、店舗での無料カウンセリングやサンプリングをメルマガで告知し、その後でクーポン施策を実施することにした。

2.「コンテンツのネタ」まではわからない→口コミをコンテンツとして活用する

エートゥジェイのグループ会社が開発・提供するレビュー収集活用ツール「ReviCo(レビコ)」で、顧客が書いたレビューを収集し、その言葉や表現をメルマガやLPなどさまざまな場面でコンテンツとして活用した。

レビューをメルマガのコンテンツとして活用した事例
レビューをメルマガのコンテンツとして活用した事例

3.「見つけられないファクト」に気付けない→口コミから自社の強みを知る

あるメーカーでは自社のコーヒーメーカーについて、本格的なコーヒーが自宅で入れられることが強みだと考えていた。しかし、レビューでは「赤ちゃんが寝ていても大丈夫なほど静か」といったコメントが寄せられ、静音性への評価が高いことに気付くことができた。そこで商品説明やキャッチコピーなどで、静音性を訴求する内容に変更した。

定量分析では製品の品質に対する評価が見えず、過去データを使った分析のため新たなニーズも拾えない。さらに自社データを分析しているので、競合製品との比較評価もわからない。

そこで、口コミのなかから満足度が高いものをピックアップすることで、関連製品のアップセル、クロスセルを狙った施策、小売店へのアプローチ、カテゴリに特化した製品開発への注力といった打ち手が見えてくる。(飯澤氏)

マーケティング活動のフローで顧客理解の精度が上がり、施策の確度を高められる
マーケティング活動のフローで顧客理解の精度が上がり、施策の確度を高められる

飯澤氏は「CDPと口コミによるハイブリッドなデータ活用は、施策の見える化と効果の最大化だけではない。DXやEX、CXに対してより良い効果を生み出す」と話し、エートゥジェイによるCDP×CRMの全体像を提示した。そのなかで、同社では「メルカート」「ReviCo」「SechstantCDP」「SechstantCRM」などのツールを提供している。「ぜひハイブリッドなマーケティング活動の推進に役立てていただければ」と語った。

エートゥジェイが提供するツールでCDPと口コミを活用したハイブリッドなマーケティング活動を実現
エートゥジェイが提供するツールでCDPと口コミを活用したハイブリッドなマーケティング活動を実現
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伊藤真美

売れるネット広告社がEC特化のM&A仲介事業に進出。100%子会社「売れるD2C業界M&A社」を新設

2 years 1ヶ月 ago

売れるネット広告社は、100%子会社「株式会社売れるD2C業界M&A社」を2月1日に設立し、D2C(ネット通販)業界に特化したM&A仲介事業に乗り出す。

売れるネット広告社 D2C EC M&A 売れるD2C業界M&A社

EC業界のM&A仲介事業に参入する理由は、「売上拡大の見込みはあるものの資金不足が理由でD2C(ネット通販)事業からの撤退を検討している」「売上がある一定の水準から頭打ちになっている」「後継者不在で悩んでいる」といった課題を解決するため。

M&A仲介事業では、D2C(ネット通販)企業だけでなく、広告代理店やコンサルティング会社もターゲットとする。創業以来10年以上EC業界に携わってきたネットワークと知見を生かし、業界の発展につながるマッチングの実現をめざす。

売れるD2C業界M&A社が仲介事業を行う売り手と買い手の一例
売れるD2C業界M&A社が仲介事業を行う売り手と買い手の一例
売れるD2C業界M&A社が掲げる企業理念と行動指針
売れるD2C業界M&A社が掲げる企業理念と行動指針

売れるD2C業界M&A社の代表取締役社長CEOの就任する予定の佐藤精一氏は次のようにコメントを発表している。

「D2C(ネット通販)事業の売り上げが伸び悩んでいる会社が、外部のリソースや知見を活用することにより売り上げを伸ばしていく」「売れる可能性を秘めた素晴らしい商品を持っているものの、資金が足りず事業撤退せざるを得ない会社が、資金力がある会社のもとで事業を存続させ売り上げを拡大していく」など、M&Aを活用すれば会社の未来の選択肢の幅を広げることができます。M&Aは会社を成長させていく上での手段の1つなのです。

売れるD2C業界M&A社は、事業を通じて少しでも倒産や事業撤退という最悪の事態に陥る会社をなくし、D2C(ネット通販)業界全体の活性化につなげられるよう邁進してまいります。(佐藤氏)

売れるD2C業界M&A社 代表取締役社長CEO 佐藤精一氏
売れるD2C業界M&A社の代表取締役社長CEOに就任する予定の佐藤精一氏

売れるD2C業界M&A社の概要

  • 商号:株式会社売れるD2C業界M&A社
  • 所在地:東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場20階
  • 代表者:佐藤精一氏(代表取締役社長CEO)
  • 事業内容:M&A仲介事業
  • 資本金:1000万円
  • 設立年月:2024年2月1日
  • 決算期:7月
高野 真維

【2024年のEC業界予測】景況感は「厳しい」。押さえておきたい“警戒ポイント”と対策まとめ | 竹内謙礼の一筆啓上

2 years 1ヶ月 ago
2024年のEC業界はどうなる? 消費者の「コト消費」が進む一方で、「モノ消費」のかげりに懸念も。竹内謙礼氏が市況感から成功のポイントまで徹底解説する(連載第28回)

ネット業界の予測を立てる仕事をスタートして、今年で17年目になる。経済予測から各業界の消費トレンド、Eコマースの動向などを中心に100ページに及ぶレポートを毎年制作している。今回、2024年のEコマース業界の展望についてまとめてみたので、次年度のネットショップの経営計画の参考にしてもらいたい。

2024年の景況感は暗雲

2024年のEコマースの景況感は「厳しい」の一言に尽きる。ネガティブな予測になった理由は「巣ごもり消費の反動」が大きく影響しているからである。2023年はコロナが収束し、旅行や外出などの「コト消費」が活況となった。一方、その反動で商品を買う「モノ消費」は反動で鈍化し、この流れが2024年も続くというのが私の見立てである。

「モノ消費」回復はもう少し先になりそう

経済産業省が発表した2022年のEコマース業界の国内物販の市場規模は14兆円、増減率は5.3%となったが、コロナ禍の2020年の増減率21.7%と比較すると、明らかに巣ごもり消費の反動で買い控えが起きていることがわかる。2019年の8.09%と比較しても増減率は低く、コロナ前の成長の勢いには戻っていないことが伺える。

2022年Eコマース業界の国内物販市場規模(画像は経済産業省発表の「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」の結果とりまとめから編集部がキャプチャ)
2022年Eコマース業界の国内物販市場規模(画像は経済産業省発表の「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」の結果とりまとめから編集部がキャプチャ)

今回、コロナによる巣ごもり消費が2~3年あったことを考えれば、旅行や外食などの「コト消費」の活況は、あと1~2年は続くことが予想される。その反動を受けてネットショップなどの「モノ消費」が回復するのには、もう少し時間がかかることから、2024年は「厳しい」という予測を立てた次第である。

“衝動買い”がEC売上減に影響

Eコマースの市場の成長が鈍化したもうひとつの理由に、消費者が買い物にメリハリをつけはじめたことがあげられる。給与が思うように上がらず、物価だけが上昇し、「絶対に買う商品」と「買わなくてもいい商品」をふるいにかけたことで、衝動買いが起きにくくなったことが、ネットショップの売り上げを鈍らせた要因だと思われる。

たとえば、電車を待っている間や就寝前に、ぼんやりと「楽天市場」やAmazonのサイトを見て、欲しい商品を見つけてワンクリックで買ってしまった――というようなネットのウイドウショッピングが減ってしまったことをイメージすれば、Eコマースの消費が落ち込んでいる事情が理解できるのではないだろうか。

従来通りにECで衝動買いする人は減ると予測
従来通りにECで衝動買いする人は減ると予測

振り返れば2000年以降、ネットショップは急成長を遂げてきたが、その要因はEコマースという市場自体が、デフレと相性の良い販売方法だったことがあげられる。検索をかければ一番安い商品をすぐに見つけることができて、スクロールとワンクリックだけで商品を買わせることができるのは、消費者の衝動買いを引き起こしやすい利点があった。

高単価商品は実店舗優勢

しかし、インフレに局面が変わると、「高くて良いもの」を売るのには非対面のネットショップではお客との接触機会が少なく、無名の商品だと付加価値が伝わりにくくなってしまう。一方、実店舗では商品を直接触ることができて、スタッフの熱量のあるトークを直に聞くことができるので、高くて良い商品は売りやすくなる。

また、コロナ前までは「やや安い」商品でも売れていたが、財布の紐が引き締められると「圧倒的に安い」商品にお客が集中するようになる。「安く買う」が死活問題になるのだから、中途半端な安さのネットショップでは買わなくなる。そうなると、最安値のセール販売に強い資本力のあるネットショップが強くなり、その他大勢の“フツーの価格で売っているネットショップ”は、コロナ前のような売り上げの急成長が望めなくなってしまっているのが、現状だと思われる。

Eコマース業界はデフレ社会だからこそ、急成長できた市場であり、インフレにゲームチェンジした今、しばらくは低成長な市場が続くことが予想される。

連休が多い2024年。ECよりも実店舗派が増加

2024年は3連休が多いことも、ネットショップにとって大きな足かせになる。2023年は3連休が「7回」に対して、2024年は「11回」もある。コロナのリベンジ消費の影響で、この3連休に旅行や外食、実店舗でのショッピングなどにお金を使う人は増えて、一方で、ネットショップの消費が鈍ることが予想される。

2024年は「コト消費」がますます進みそうだ
2024年は「コト消費」がますます進みそうだ

数年前まで、連休の多さと消費の停滞にはほとんど関連性はなかった。しかし、近年はお客が消費にメリハリをつけはじめた影響で、ゴールデンウィーク前後に消費が鈍ったり、お盆休み明けから9月にかけてネットショップの売り上げが落ちたり、長期休暇の前後には露骨に買い控えが発生するようになった。

家電EC、寝具EC、食品ECは特に厳しくなりそう

巣ごもり消費の反動で、ただでさえモノが売れない2024年に、3連休が11回も発生することは、Eコマースにとっては“最悪のタイミング”と言ってもいいだろう。もちろん、外出が増えれば、アパレルや化粧品などは好調に売れると思われる。しかし、家電や寝具、食品などの巣ごもりで売れていた商品に関しては、例年よりも売り上げは厳しくなると予想している。

2024年のEC動向で警戒すべきは「2月」「12月」

5月まで消費鈍化低迷の恐れ

1年を通して警戒が必要なのは「2月」である。2月は営業日数が少ないことに加えて、年末年始の長期休暇の影響を受けて、どこの業界でも消費が鈍い月となる。2024年は閏(うるう)年なので、1日営業日は多くなるものの、一方で、3連休が2回もあることから、コト消費は活況になる分、モノ消費は相当な打撃を受けると予想している。

その影響を受けて2月から3月にかけての新生活関連の消費も鈍くなり、場合によっては5月の連休明けまで消費の鈍化が続くことも考えられる。

特に2月14日のバレンタインデーは前後が3連休に挟まれる形になるため、例年よりも売り上げが鈍くなると予想する。コロナ禍以降、義理チョコの需要が急激に落ちていることから、バレンタイン商戦に力を入れるネットショップは、商品力のアップはもちろんのこと、早期割引のキャンペーンや特典を付けて、例年よりもお得感を強調した販促施策を展開し、対前年比の売り上げを維持したいところである。

9連休は「コト消費」が顕著になりそう

もう1つ警戒すべき月は「12月」である。少し気の早い話だが、2024年から2025年にかけての年末年始は曜日の並びがよく「9連休」となる。その時期になると、景気も多少上向いていることが予想されることから、海外旅行にリベンジする消費者は少なくないと予想する。クリスマスのギフト品やケーキを買うお金を節約し、年末年始の旅行や外食などの「コト消費」にお金を使うことを計画している人が増えれば、その影響で、12月は例年よりもネットショップの買い控えが発生する可能性は十分に考えられる。

「ブラックフライデー」のタイミングにも要注意

この時期のもうひとつのタイミングの悪い話をすれば、2024年のブラックフライデーは11月29日の金曜日と「月末」にあたる。つまり、「ボーナス商戦」と「クリスマス商戦」と「ブラックフライデー」がトリプルで重なってボーダレス化することで、年末商戦が安売りの一辺倒になってしまう可能性が高いといえる。

昨今のAmazonはセールを活用した販促に力を入れており、2024年の11月から12月にかけて発生する“トリプルセール”に、全力でテレビCMやネット広告を投下すると思われる。場合によっては、実店舗とネットショップの年末商戦の売り上げをAmazonが総取りするぐらいの勢いでセールを仕掛けてくる可能性は十分に考えらえる。

Amazonへの出品対策や広告運用に力を入れているネットショップであれば、千載一遇の大チャンスになるが、商品力に乏しく、思うように広告に投資することができない小規模のネットショップは、例年よりも厳しい年末商戦になることが考えられる。

打開策としては、1年かけてリピート客をしっかり囲い込むことである。SNSや動画による情報発信に力を入れて、商品の価値を理解したファンを作る仕組みを構築することが、足腰の強いネットショップの構築につながっていく。

ほかにも知っておきたい! 2024年の警戒ポイント

他にもEコマースの業界においての2024年の厳しい予測を紹介したい。

①ネットショップの増加

コロナ禍で非対面の販売方法が注目されて、ネットショップを開業する企業が急増。たとえば、「楽天市場」の2019年12月末の出店数は4万9887店だったが、2023年3月末時点では5万7079店まで増加、店舗数が約15%も増えた

コロナ前まではネットショップが増えても、それ以上にEコマースの市場が拡大していたので、多くのネットショップが恩恵を受けることができた。しかし、2024年はお客の奪い合いが激化し、広告の反応が鈍くなったり、商品ページのコンバージョンが落ちたりするネットショップが増えると予想する。

②高機能化したレコメンドの影響

検索エンジンやネットショップのモールのレコメンド機能が向上。お客が「欲しい」と思った商品を、ピンポイントで検索結果の上位に表示させることができるようになった。

半面、お客が検索窓にキーワードを入力したり、検索結果をスクロールして商品を探したりする機会が減り、小規模のネットショップに“おこぼれ”が回りにくくなっている

このような背景から、2024年は「売れているネットショップ」がより売れるようになり、「売れていないネットショップ」はさらに売れなくなるという二極化が加速していくことが予想される。

③人件費の高騰

大手企業のEコマース事業への参入が相次いだことで、WebディレクターやWebデザイナーの転職が活発化している。今後、ネットショップの人材不足や人件費の高騰は不可避であり、特に地方都市のネットショップの人件費はいまだに低いことから、今後は大手企業への引き抜きが増えることが予想される。

コロナ禍でオンラインによる在宅業務が可能になったことで、ネットショップの優秀な人材が都心部の大手企業に集中することが考えられる。

④「楽天市場」のSKUの影響

「楽天市場」のネットショップのコストアップは、ある程度、覚悟しておいたほうがいいかもしれない。ユーザーにとって買い物がしやすくなる「SKUプロジェクト」の導入に伴い、商品の管理や登録がより厳密になり、業務が煩雑になることが予想される。

「安売り」「広告投下」だけでは生き残れない

また、商品の組み合わせやアップセルが客単価アップにつながることから、自社のネットショップを俯瞰(ふかん)で見られる優秀なWebマーケッターの確保が急務と言える。

今までセール時に安売りをして、広告を投下するだけの単純なマーケティング戦略で売り上げを作ってきたネットショップは淘汰(とうた)されることが予想される。加えて、2024年6月より、翌日配達で対応すると配送認定ラベルが付与される優遇措置を開始されることから、「楽天スーパーロジスティクス(RLS)」に商品を預けることが、楽天内の検索結果で優位性が保たれるようになることが予想される。

「楽天市場」、RLS活用はコストアップに注意

RLSの活用によって、送料は安価に抑えられるものの、自社倉庫からRLSへの出荷の回転数を上げる必要があるため、取り扱う商品によっては、送料や商品管理のコストアップにつながるネットショップが出てくることが予想される。

⑤広告費の高騰

ネットショップの増加に伴い、少ない広告枠の取り合いが発生し、広告費が例年以上に高騰することは避けられないだろう。XやInstagram、TikTokやYouTubeなど、SNSや動画の媒体が増えたことで、ネットショップ側もまんべんなく広告を投下しなくてはいけなくなったことも、広告費の増加の要因となっている。

また、動画広告の枠が増えていることから、バナーやサムネイルを作るよりも制作コストが上がっているため、今後は広告費以上に製作費のコストアップを強いられるネットショップが増えていくと予想する。

2024年、勝ち馬に乗るためのポイント

ここまでお先真っ暗な予測ばかり述べてきたが、事前に対応策をしっかり講じ、先手を打てば小さなネットショップでも勝ち目のある1年になる。むしろ、厳しい2024年に踏ん張ることができれば、この先、5年、10年は安定成長が見込めるネットショップになり、事業を拡大させていくチャンスをつかむことができる。

商品改善の成功事例「ダメ出しの殿堂」

2024年の最も効果的な対策は、徹底した商品力アップである。既存の商品の常識を疑い、新商品として生まれ変わらせる事例は、コロナ禍より増えている。そのなかでも注目されているのが、既存商品のユーザーに厳しいダメ出しをしてもらい、徹底して商品の改善をおこなうケースである。

たとえば、PB商品の売り上げを伸ばしているドン・ホーテの場合、ユーザーが自由に書き込める「ダメ出しの殿堂」を用意し、そこに寄せられた意見を取り入れて、商品力のアップに取り組んでいる。

ドン・ホーテがWeb上に設置している「ダメ出しの殿堂」(画像はドン・ホーテのサイトから編集部がキャプチャ)
ドン・ホーテがWeb上に設置している「ダメ出しの殿堂」(画像はドン・ホーテのサイトから編集部がキャプチャ)

また、ハードウエアブランドのアンカーは、Amazonのヘビーユーザーに新商品を無料で送り、レビューを書いてもらえる「Amazon Vine先取りプログラム」を活用。商品の改善点を徹底的に掘り起こし、「4」以上の評価が安定してつけられるようになったタイミングで、広告の投資を行って売り上げを伸ばしている。

このように、商品を社内スタッフだけで改善していくのではなく、お客を巻き込んで商品力に磨きをかけることが、物価高でもお客に選ばれる商品となる。

利益アップのための自社商品強化が加速

商品力の強化と同時に、利益率を高めることも重要である。先述したように、今後のネットショップは広告費と人件費が高騰することから、利益率の低い商品ではネット販売で利益を出すことが難しくなる。仕入れ商品や型番商品は、より安い販売価格の商品が求められることから、価格競争力のないネットショップは今まで以上に淘汰されていくことになる。

相場よりも安い価格で、なおかつ高い利益率を確保するためには、自社のオリジナル商品を販売する必要がある。昨今のEコマース業界のD2Cのネットショップ全盛の流れは、さらに加速していくと予想する。

商品力アップの秘訣① 動画映え

2024年の商品力には、「動画映え」することも、売れる商品の条件のひとつとしてあげられる。ネット業界全体に動画コンテンツが増えているため、動画で付加価値が伝えられない商品は、売ること自体が難しくなってきている。XやInstagram、YouTubeなどSNSも動画が主流になっていることから、動画と相性の良い商品を設計することが、ネットで売れる商品開発には必要不可欠になりつつある。

「この商品をどうやって動画で紹介するのか?」ではなく、「動画で紹介して売れそうな商品にするためには、何を作ればいいのか?」という逆算で商品開発ができなければ、インスタグラマーやティックトッカーに紹介してもらえる商品にはならない。

商品力アップの秘訣② 商品ページのクオリティ向上

商品ページのクオリティアップにも力を入れたいところである。モールの場合、セール時に広告を投下し、販売数を伸ばして検索結果の上位を確保、その後、安定して売れ続けることによってアルゴリズムから高い評価を受けて、さらに検索結果の上位をキープし続けることが、最近のネットショップの売上アップの王道の売り方になっている。

しかし、仮に広告を投下して検索結果の上位を獲得できたとしても、商品ページのクオリティが低ければ、すぐに売れなくなってしまい、検索結果が下落してしまう。つまり、モール内で売り上げを作るためには、セール時の広告投資に加えて、商品ページのクオリティの高さが、安定した売り上げの確保に必要不可欠になっている。

このように、商品ページのクオリティが低いと、投資した広告費を回収できなくなってしまうため、利益を確保すること自体が、難しくなってしまう。そのような事情から、社内でWebページを制作できるスタッフを抱えて、そのうえで、ページのブラッシュアップをタイムリーに行える社内体制を整えることが、これからのネットショップ運営には求められる。

マーケティング施策はOMOに活路。コスト減に効果も

2024年のマーケティング施策としては、OMO戦略に注目が集まる。OMOとはOnline Merges with Offlineの略で、ネットとリアルの垣根をなくし、すべてのツールを使って顧客体験を最大化させる施策のことである。

ネット広告からのコスト圧縮にも効果

ネットショップが実店舗から集客したり、その逆のやり方で商品を売ったりすることは、数年前から行われているネット販促の手法のひとつではあった。ニッチな売り方のため、Eコマースの業界では、王道の販促とは言いにくいところもあったが、ネットの広告費の高騰と店舗同士の競争が激化したことで、コロナ禍以降、実店舗から集客したほうが、ネット広告よりも顧客コストが安価になっているケースが目立ち始めている

たとえば、東京都渋谷区のレイヤードミヤシタパーク内でEC事業者が期間限定で出店できるリアル店舗「ザ・ストア」では、月平均の顧客獲得単価が、ネットによる顧客獲得単価を大きく下回るネットショップが続出したという。

また、雨具の企画・販売を手がけるカジメイクも、新宿マルイ本館に商品を展示する「売らない店」に1年間出店し、自社サイトへの登録者を5割増やし、ネットでは5000円前後でしか売れなかった雨具が、実店舗での試着で軽さを実感したことから、7000円前後の商品も売れるようになったという。

実店舗展開もしているカジメイク(画像はカジメイクのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
実店舗展開もしているカジメイク(画像はカジメイクのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)

店舗とECの両軸で囲い込む事業者が増加中

最近ではSNSやGoogleビジネスプロフィールから実店舗に誘導し、スタッフの接客力で顧客との距離を縮めてLINEに登録。その後、TikToKやライブコマースを通じて、商品やネットショップに対してお客の熱量を上げて、実店舗とネットショップの両方で、定期的に商品を購入してもらう手法を取り入れるネットショップが増えている。

Eコマース市場がパワーゲーム化しつつあるなか、年々、中小規模のネットショップが売り上げを作ることが難しくなってきている。そのようななかで、顧客獲得コストを抑えて、なおかつファン客を作る仕組みとして、OMO戦略の注目度は高まっていくと予想する。

2024年は「商品力」「売り方」の工夫で商機あり

このように、2024年は厳しい年になることが予想されるものの、商品力と売り方を工夫すればまだまだ売り上げを伸ばすチャンスはある。コロナが明けてからEコマースのトレンドも大きく変わり、マーケティングをこねくり回す手法から、リアルとネットを融合させたお客との“接近戦”が主流になりつつある。

折しも2024年は3連休が多いことから、お客とのリアルの場で距離を縮めるチャンスは例年よりも多いと言える。従来のネットショップの売り方にとらわれるのか、それとも、他社が真似できないような売り方にチャレンジするのかは、経営者の判断に委ねられる1年になる。

経営計画で最も大切なことは、「予測を当てる」ことではなく「計画を立てる」ことである。その計画を実行することで、予測が当たった時には自分のビジネススキルに自信を持ち、一方で、予測が外れた時は、いち早く経営計画を軌道修正することが、変化の激しいEコマース業界で生き残るための大切な術となる。

予測ではなく「計画を立てる」経営が肝心と言える
予測ではなく「計画を立てる」経営が肝心と言える

自分の業界のことを何も予想せず、行き当たりばったりの経営をするほどリスクが高いことはなく、不確定なことが増える昨今の社会情勢を考えると、なおさらネットショップ運営には「予測力」が問われるのではないかと思っている。

私が17年間販売を続けている「予測カレンダー」では、Eコマース業界の他にも、SEOやショート動画の最新情報を100ページ以上のレポートでまとめているので、興味のある人はぜひご一読してもらいたい。

竹内謙礼氏の「2024年 売れる販促企画・キャッチコピー予測カレンダー」

【筆者からのお知らせ】

ネット通販、人材教育、企画立案、キャッチコピーのつけ方等、斬新な切り口で「ナマのノウハウ」をメールマガジンでお届けしています!

筆者出版情報

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この連載の筆者 竹内謙礼氏の著書が技術評論社から発売されました。小さなお店・中小企業でもできる、手間がかからない、人手がかからない、続けられそうな取り組みを考える64の視点と103の事例を集大成。SDGsに取り組むための64の視点と104の事例をまとめています。

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2 years 1ヶ月 ago
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Web担当者Forum

ジョイックスコーポレーションが公式通販サイト「The DUFFER of ST.GEORGE」に「ZETA SEARCH」を導入

2 years 1ヶ月 ago

ジョイックスコーポレーションは、公式通販サイト「The DUFFER of ST.GEORGE」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

テーマに沿ったコーディネート表示などを実装

ジョイックスコーポレーションが運営する公式通販サイト「The DUFFER of ST.GEORGE」では、「やんちゃ」「まがいもの」などの意味を持つ単語“DUFFER”からインスピレーションを受けたメンズアパレル商品を展開している。

「今着たいカーディガンコーデ」「今どきのミリタリースタイル」などのテーマに沿って、サイト内の商品を組み合わせたコーディネートを一覧で表示。これにより、サイト内でのセレンディピティの創出、商品の合わせ買いによるクロスセルが期待できるという。

ジョイックスコーポレーション The DUFFER of ST.GEORGE ZETA ZETA SEARCH サイト内の商品を組み合わせたコーディネートを一覧表示
コーディネートを一覧で表示し、クロスセルをサポートする

また、「ジャケット」「ポロシャツ」など各アイテムのカテゴリー内で「色」「サイズ」「価格」の複数項目を組み合わせた絞り込み検索を実装。ユーザーがスムーズに目的の商品に辿り着き、商品が見つからないことによるサイト離脱防止につなげる。

ジョイックスコーポレーション The DUFFER of ST.GEORGE ZETA ZETA SEARCH 複数項目による絞り込み検索を実装
複数項目による絞り込み検索を実装

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「人手不足倒産」が過去最高、「人材の確保が事業継続を左右する時代が迫っている」

2 years 1ヶ月 ago

帝国データバンクが実施した「人手不足倒産の動向調査」によると、2023年の人手不足倒産は累計で前年比86.0%増の260件となり過去最高を更新した。

2023年の人手不足倒産のうち、建設業は同167.6%増の91件、物流業は同95.0%増の39件。両業界で累計260件のうち半数の130件を占めている。

「アフターコロナ」により経済活動が徐々に本格化し、人手不足は再び重大な経営リスクとして顕在化。2023年4月の人手不足倒産は月次ベースで過去最多の30件となり、8月以降は5か月連続で20件以上の人手不足倒産を記録した。

人手不足倒産の年間推移と業種別割合 帝国データバンク調査
人手不足倒産の年間推移と業種別割合

2023年の人手不足倒産で全体の半数を占めた建設業と物流業は、2024年4月に時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」が懸念される業種。また、団塊の世代が後期高齢者に到達する「2025年問題」が控えるなど労働力人口の高齢化が進むなか、人材確保がこれまで以上に事業継続を左右する状況が迫っている。

帝国データバンクが実施した2024年における景気見通しに関する調査では、トップにあげられた「原油・素材価格(の上昇)」(59.0%)に続き、「人手不足」が40.5%で続いている。

さらに、正社員の人手不足を感じている企業は2023年12月時点で53.1%となり、2020年4月からのコロナ禍以降、最も高くなっている。

正社員の人手不足を感じている企業の割合
人手不足を感じている企業の割合の推移

 

松原 沙甫

2024年は「Yahoo!ショッピング」が復活する!? 3つの観点から予想【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

2 years 1ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2024年1月8日~1月14日のニュース

2024年の「Yahoo!ショッピング」は、「LYPプレミアム」会員活性化、不適切店舗対策、独自の「売り」明確化を戦略とするはずです。伸びてきたタイミングで波に乗れるように準備しておきましょう。

LINEとYahoo!の統合メリットを生かせるかがポイント

2024年Yahoo!ショッピングの展望 | アルド
https://www.aldo-system.jp/blog/yahoo-shop-kaizen/2024yahoo/

2024年のYahoo!ショッピングは、2023年の規模まで戻ると予想します。
そして、Yahoo!ショッピングが2024年に成長するには大きく3点が必要になりそうです。

前提として、2023年はキャンペーンなどの縮小で「Yahoo!ショッピング」で売れない問題がありましたが、年末にかけて少し戻ってきた感じがあります。その流れで2024年は復活するだろうと考えている記事がありましたので紹介します。

1点目は、LYPプレミアム会員の活性化です。元のヤフープレミアム会員はLINEとの統合によりLYPプレミアム会員に移行していきますが、弊社の観測では自分がLYPプレミアム会員になったことに気づいていない会員がかなりの数に上ると思われます。

「LYP」が何のことなのかわからないから移行していない人は多そうですね。英語3文字ってわからないものが多いですから。ベタな感じで「ラインヤフー会員」などにすればわかりやすかったかも。いずれにしても、潜在顧客がいるのでそこの活性化ができれば売れてくるのは間違いないです。

2点目に、不適切な運営を行っている店舗への対策です。楽天市場は悪いレビューが付いたら店舗に確認したり、違反点数制度で運営に問題のある店舗への対策を5年前から強化していますが、Yahoo!ショッピングでは店舗数の多さもあり、対策しきれていません。

不正対策としては「原則1社1店舗(https://netkeizai.com/articles/detail/9025)」を検討しているというニュースがありました。楽天も品質問題にはかなり力を入れて取り組んだ結果、今は安心して買うことができるモールというイメージになっています。EC関連は詐欺も多いので「安心」は売り上げを伸ばすために重要な要素です。

3点目に、もっとも重要なことは、Yahoo!ショッピングならではの「売り」が明確になっていないことです。楽天は楽天経済圏というわかりやすい仕組みを作りましたが、Yahoo!ショッピングもLINEやPayPayとのシナジー効果を出せるか、今年は問われることになりそうです。

ここはLINEとYahoo!が合併する最大のメリットですから早くやりたいはずです。プライバシーやデータの扱いでゴタゴタしましたが、そこも落ち着いてきたようなので2024年は巻き返してくるはず。関連記事を紹介します。

2024年ネット広告で注目のトレンドワード10個を滝井が厳選! 広告運用者が知っておきたいことまとめ | キーワードマーケティング
https://www.kwm.co.jp/blog/2024-happens/

大きな動きとして、LINE における「LINE Search(Web 検索)」が「Yahoo! 検索」に飛ぶようになり、月間の検索数が大幅に増加しています。
(中略)
今回の統合でメディアやコマース、Fintech、メッセンジャー、AI、通信などの領域で幅広くユーザーのファーストパーティデータを使えるようになりました。その結果、一社だけでは太刀打ちできなかった Google や Meta にも対抗できそうな雰囲気を感じさせます。

2023年に準備が整ったと考えるべきでしょう。売れる場所には人もお金も集まりますので、その状況になれば一気に伸びてきそうですね。cookie問題に端を発するファーストパーティーデータに関しても急には集まらないので、既に持っているところが強いです。

今回の話は「どうなるか?」ではなく「いつなのか?」という問題なので、チャンスをつかむ準備をしておきましょうね。

関連記事
検索連動型ショッピング広告の提供開始 | LINEヤフー for Business
https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20231204/

今週の要チェック記事

【ECモールに聞く!2024年の戦略】『楽天市場』松村亮氏「売り場、物流が進化、AI活用も強化」 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/10526

楽天は2023年からの動きを継続。大きな動きはないですが確実に進めています。

「楽天」「Amazon」「ヤフー」出店者から寄せられた相談件数は2000件超。「デジタルプラットフォーム取引相談窓口」の運用状況+改善事例を経産省担当者に聞いてみた | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11696

すべての出店者が満足する対応は難しいですし、違反する店舗も多いでしょうから、モール側の言い分も聞いてみたいところです。

驚きの安さで話題の「Temu」も!節約系Webサービスを比較調査。どんな人が使っている? | マナミル
https://manamina.valuesccg.com/articles/3028

中国格安EC「Temu」、ChatGPTを超えて23年に英国で最も注目された検索ワードに | 36Kr Japan
https://36kr.jp/270001/

「Temu」関連で2記事。どんどん拡大しているので2024年も注目です。

リテールメディア広告市場は2023年に3625億円、2027年は9322億円に拡大 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11780

リテールメディアは話題になってくるはずなので、どんなものなのか、どうすればいいのかを正しく理解しましょう。中途半端に導入するとEC自体も落ちてしまうかもしれません。

接客がよろしくなくても人気な理由【no.2136】 | ECマーケティング人財育成(ECMJ)
https://www.ecmj.co.jp/no2136/

根っこは商品やサービス。それがあっての販促です。

軽貨物の「安全管理者」選任を義務化 | カーゴニュース
https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/4566

配送品質を上げていこうという動き。配送側は大変かもしれませんが必要な取り組みですね。

今週の名言

「成人式には不適切な衣装」をなぜ作り続けたのか…「北九州の恥」と呼ばれたド派手衣装を生んだ店主のプロ意識 「衣装代未払い事件」を乗り越えられた理由 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/77478

成人式のニュースを見ているといかにもヤンキー。悪いことをしている怖い人のように見えるかもしれません。でも彼らは10代の後半くらいから、本気で成人式に出ることを目標に、真面目に、一生懸命働いている子がほとんどです。大げさと思うかもしれませんが、成人式が一生に一度の晴れの舞台なんです。好きな衣装を着て喜んでほしいし、彼らの夢を叶えてあげたい。その思いだけです

商売ってこうした純粋な思いから始まって、その思いから売り上げも生まれてきますよね。みなさんもこうした純粋な気持ちを思い出しては?

筆者出版情報

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【バナーやSNSのPR効果】4割超が「クリックして利用・購入したことがある」と回答

2 years 1ヶ月 ago

インターネットリサーチなどのNEXERとWeb広告支援事業などのCREXiAが共同で実施した「バナーやSNSのPR」に関するアンケート調査によると、43.5%のユーザーが「バナーやSNSのPRが気になってクリック」して商品やサービスを利用・購入したことがあると回答した。

そのユーザーの8割超が購入・利用に「満足した」と答えており、バナーやSNSのPRは顧客獲得に有効なきっかけになっているようだ。

半数超がクリックした経験あり

Webで見かけるバナーやSNSのPRが気になってクリックした経験を聞いた質問では、52.3%が「ある」と回答した。

バナーや、SNSのPRで気になってクリックしたことがあるかどうか
バナーや、SNSのPRで気になってクリックしたことがあるかどうか

クリックしたバナーやSNSのPRの内容を聞いたところ、次のような回答が得られた。

  • 健康食品や化粧品のお試しの案内(30代・女性)
  • 漫画広告(20代・男性)
  • ダイエット関係の商品(50代・女性)
  • 借金減額(40代・男性)
  • 洋服と「何%OFF」の表記の組み合わせ(40代・女性)
  • 「こんな人はすぐクリック」など、身体的に気になる事から誘導されるもの(50代・男性)

クリックした人のうち4割超が、サービスを実際に利用・購入

「バナーやSNSのPRが気になってクリックしたことがある」と回答したユーザーの商品およびサービスの購入・利用経験を聞いたところ、クリックしたユーザーのうち43.5%が「ある」と回答した。

バナーや、SNSのPRでクリックしたものを購入・利用したことがあるかどうか
バナーや、SNSのPRでクリックしたものを購入・利用したことがあるかどうか

購入・利用した商品やサービスは次のような回答があった。

  • 「ゲームや漫画などのサービス」/その商品に他には出せない魅力があったから(10代・男性)
  • 「自分の悩みに合った化粧品」/悩みが解決しそうだった(50代・女性)
  • 「自分が欲しかったジャンルの商品」/知らなかった商品を知ることができてほしくなった(50代・男性)
  • 「ゲームアプリや、洋服、アクセサリーなどの通販」/自分の好みに合っていた。信用できそうだと思った(20代・女性)
  • 「飲食店の新商品の情報」/新しい商品との出会いだから(40代・男性)
  • 「コスメ」/わざわざ探して買うのが面倒だった(40代・女性)

商品やサービスの購入・利用後、8割超が「満足した」

バナーやSNSのPRなどに引かれて商品やサービスを購入・利用した際の満足度を聞いた質問には84.8%が「満足した」と回答した(「とても満足した」「やや満足した」の合計)。

バナーやSNSのPRをきっかけにクリックして購入した商品・サービスの満足度
バナーやSNSのPRをきっかけにクリックして購入した商品・サービスの満足度

「とても満足した」理由

  • 自分で探して買いに行く手間が省けたから(40代・女性)
  • たまたまその情報を知ってお得に買い物できたのでラッキーだったと思ったから(50代・女性)
  • 期待を裏切らない内容のゲームだったから(20代・男性)

「やや満足した」理由

  • すぐには買わずに細かいところを調べて納得できた上で買うので、失敗はほぼない(30代・男性)
  • 満足できる商品だったから(40代・女性)
  • そもそも興味ないものはクリックもしないから(60代・男性)

「やや不満だった」理由

  • イメージを超えなかったから(30代・男性)
◇◇◇

「バナーやSNSのPRに関するアンケート」調査概要

  • 調査機関:「日本トレンドリサーチ」(NEXERのインターネットリサーチ事業が展開するトレンド調査・市場調査サービス)
  • 調査手法:インターネットでのアンケート
  • 集計対象者:事前調査で「Webマーケティングに関する業務経験がある」と回答した全国の男女
  • 集計対象人数:1000サンプル
  • 調査期間:2023年12月31日~2024年1月9日
高野 真維

ネット宅配クリーニングの先駆者「ヨシハラシステムズ」のトップが明かす! 「せんたく便」の新規 顧客獲得や売上拡大の鍵となった施策とは?

2 years 1ヶ月 ago
ヨシハラシステムズが運営するネット宅配クリーニング「せんたく便」のこれまでの軌跡やビジネスの特徴、事業拡大を後押しした施策についてトップが明かす
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クリーニング分野でいち早くIT化を進め、宅配クリーニング事業の先駆者的存在であるヨシハラシステムズ。ヤマト運輸との協業で全国の消費者に宅配クリーニング「せんたく便」を展開。自社開発した宅配クリーニングシステムを同業他社向けに外販するなど、“ネットを通じたクリーニング”の裾野拡大も進めている。宅配クリーニングで商圏を拡大し、新たな需要を創造する業界のパイオニアであるヨシハラシステムズの𠮷原保代表取締役にインタビューした。

ヨシハラシステムズ 𠮷原保代表取締役
ヨシハラシステムズ 𠮷原保代表取締役

滋賀県彦根市で「御用聞きスタイル」からクリーニング業を開始

ヨシハラシステムズが滋賀県彦根市でクリーニング業を始めたのは1959年。現社長である𠮷原保氏の父、𠮷原重雄氏が創業。現社長の𠮷原保氏は20代前半に一度は𠮷原重雄氏のもとで働くも、その後は起業。モバイル関連の事業を手がけた後、2008年に会社を継いだ当時の状況を𠮷原氏は次のように振り返る。

会社を継いだ直後の2008年9月にリーマンショックがありました。当時は、会社の資金繰りは健全とは言えず、社員が育っていないため会社が組織として成り立っていませんでした。会社の建て直しには、組織改革を進めると同時に、収益拡大のための出店店舗の拡大が必要な状況でした。(𠮷原氏)

「大きな資金をかけずに売り上げを伸ばす方法はないか?」。IT企業を経営した𠮷原氏の頭に浮かんだのが、Webによる集客だった。

全国でも先駆けとなる宅配クリーニングの「せんたく便」をローンチ

当時、クリーニング店がネットで集客する事例はなかったものの、「Amazon.co.jp」などのショッピングサイトが台頭し、「ネットでモノが売れる環境ができつつあった」(𠮷原氏)。「これは事業として成り立つ」と判断した𠮷原氏は2009年1月、宅配クリーニングの「せんたく便」をローンチする。

𠮷原氏が得意とするITの知見と経験、先代から引き継いだクリーニング業を掛け合わせた「せんたく便」。インターネットもしくは電話を通じて申し込みを受け付け、衣類を消費者から受け取って、自社の工場でクリーニング。そして、消費者にクリーニングした衣類を返送するという、消費者が店舗に赴く必要がなく完結する仕組みだ。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング
宅配クリーニングの「せんたく便」

受注から出荷までの商品管理のシステムを自社で開発

「せんたく便」では現在、デリバリー部分をヤマト運輸が担っているが、開始当初は両社間でシステムが連携されていなかったため、手書きのFAXでヤマト運輸に集荷を依頼する必要があったことから事務スタッフの作業負荷が大きかった。

通常のECビジネスであれば受注データを基に、商品を倉庫から出荷して納品すれば終わりですが、クリーニングは受注が発生し、衣類を回収してからがスタートになります。一般的なECビジネスとは異なり、消費者とのやり取りがかなり複雑になるため、1アイテムごとの商品管理が重要になり、その分システムも複雑になります。(𠮷原氏)

ヤマト運輸が集荷した衣類は「せんたく便」の工場に入荷され、さらにクリーニング後に出荷してヤマト運輸が宅配。ヤマト運輸と「せんたく便」との間で「管理番号」をデータで連携、1つの荷物に共通番号を使っている。その結果、両社の間で荷物の受け取り・受け渡し、管理などをスムーズに行える仕組みを構築したという。

こうした複雑な業務フローをシステム化するために、𠮷原氏は自社でショッピングカート、受注管理、WMS(倉庫管理システム)を開発。受注から出荷までの商品管理のシステム化を実現した。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング ヤマト運輸とデータ連係し、1つの荷物に共通番号を使用
ヤマト運輸とデータ連携し、1つの荷物に共通番号を使う

「クレジットカード番号を入力したくない」を解決するため「AmazonPay」を導入

順調に業容を拡大しているように見える「せんたく便」だが、消費者の利便性といった面で課題を抱えていた。

自社ブランドの知名度の低さもあり、クレジットカード決済よりも代金引換(コレクト)やあと払いを選択されることが多かった。「クレジットカード番号を入力したくない」といった顧客ニーズにも応えたかったのです。(𠮷原氏)

こうした課題に対して新たに加えた決済手段が、Amazon が提供するID決済サービス「Amazon Pay」だった。𠮷原氏によると、他の決済手段も検討したが、「『Amazon Pay』であれば、配送先住所情報も容易に取得できるのが利点だと考えた」と言う。2021年1月に「Amazon Pay」を導入。これにより、「オンライン決済の利用が進みました」(𠮷原氏)

現在、「Amazon Pay」の利用割合は全体の3割程度、新規顧客に絞ってみると「Amazon Pay」の利用率は4割程度に上るという。

新規のお客さまはAmazonアカウントを使って登録することが多いです。新規獲得や販促という面で一定程度、寄与しています。(𠮷原氏)

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング Amazon Pay 決算手段の拡大
決済手段の選択では「Amazon Pay」をメインに設置しているため視認性が高い

Amazonアカウントに登録されている情報の鮮度が大きなメリット

「Amazon Pay」が課題解決につながったという𠮷原氏は、導入メリットをこう感じている。「お客さまの住所情報の確かさです」

衣類を引き取り、クリーニング後に届けるというビジネスモデルのため、消費者の住所情報の正確さは必要不可欠だ。「Amazon Pay」は「Amazonアカウント」に登録されている情報を使用するため、「Amazon Pay」経由の決済は正確な住所情報が設定されていることが配送のトラブル削減につながっている

また、消費者にとっては個人情報入力の手間を削減でき、店側にとっては情報入力の一手間という心理的ハードルを下げられることで、売り上げの拡大が期待できる点も魅力と説明。「『Amazon Pay』を導入してからは、代金引換の利用が減ってコスト削減にもつながりました」と𠮷原氏は言う。

ヨシハラシステムズ 𠮷原保代表取締役 Amazon Pay導入効果が高いと評価
𠮷原氏は「Amazon Pay」の導入効果は高いと評価している

2回目以降の消費者が使う紙の申込書でも「Amazon Pay」を活用

「せんたく便」では、初回利用時に紙の申込書を同封している。これは、2回目以降の利用時に、申込書をクリーニングした衣類に同封すれば注文が完結するという申込方法。注文時の手間を省いてリピートを促すための仕組みだ。

この紙の申込書では決済方法も選択できるのが大きな特徴。「Amazon Pay」を選択した場合、「せんたく便」から消費者にメールが届き、リンクをクリックすると「Amazon Pay」で決済できるという。

「せんたく便」に再びアクセスしてもらうというフローではなく、紙ベースで注文できるこの仕組みを採用したのは消費者の利便性を重視したため。紙ベースの申込書に、最短2クリックで決済を完了できる「Amazon Pay」を採用したことで、利便性がさらに向上したという。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング 申込書 決済手段を選択できる
消費者に届く申込書。赤枠が決済手段を選ぶ欄

「決済手段や決済金額を変更したい」に対応できる「Amazon Pay」の機能

物販のECビジネスでは、商品購入手続き時にオーソリを行いクレジットカードの利用枠を確保し、商品出荷時に指定売上処理を行うことが一般的。一方、「せんたく便」のようなビジネスモデルでは、クリーニングした後の出荷時に売上処理をするため、注文から決済までのリードタイムが長い

加えて、たとえば「20点パック」を消費者が選んだものの、実際に送り届けてきた点数が「超過していた」「大きく下回っていた」というケースも多々発生する。点数オーバーであれば超過料金が発生、下回っていればお得なコースに変更した方が良い。通常の物販ECとは異なる買い物フローが存在するため、「決済手段や決済金額を後から変更したい」というニーズが発生する。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング せんたく便での決済処理パターン例
「せんたく便」は、商品注文後に集荷、クリーニングした後の出荷時に売上処理をするため、注文から決済までのリードタイムが長い

そんな顧客ニーズに対応しているのが、「Amazon Pay」の「今すぐ支払う」機能だ。「今すぐ支払う」機能は通常の「Amazon Pay」機能とは異なり、注文確認画面を挟まずに「Amazon Pay」が管理する専用画面からスムーズに支払い方法の変更を行うことができる機能であり、申込金額から最終的な請求金額が変更となった場合にも、柔軟に対応できる点が消費者に支持されている。

𠮷原氏は「従来は基本的に決済手段を変更できないようにしていました。現在は『今すぐ支払う』機能を使い、注文後の決済手段や金額の変更に対応できるようにしています」と言う。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング Amazon Pay 今すぐ支払う機能
「決済手段や決済金額を後から変更したい」というニーズに対応する「今すぐ支払う」機能搭載ページ(https://www.sentakubin.co.jp/flow_amazon/#s3

「Amazon Pay」の還元プログラム活用で売上効果を実感

ヨシハラシステムズが売上アップの施策の一環で活用しているのが「Amazon Pay」のギフトカード還元プログラム。

「Amazon Pay」では、「Amazon Pay」の支払いに「Amazonギフトカード」を使った場合、ギフトカードでの支払い金額の「最大1.0%分」をギフトカードで還元するという消費者にとってお得なプログラムがある。このお得なプログラムを、ECサイト上で簡単に告知できる仕組みも用意されている。それが、「Amazon Pay バナープログラム」だ。

このバナープログラムでは、ECサイトに掲載する「Amazon Pay」の還元プログラム告知バナーについて、画像を貼り付けるのではなく、指定のURLでバナーを参照することにより、キャンペーンバナーの内容が適時自動的に切り替わるという仕組みを採用している。事業者は一度の導入対応だけで運用の手間なく、最新・最適なバナーを表示させることが可能となる。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング Amazon Pay バナープログラムの利用方法
バナープログラムの利用方法(https://pay.amazon.co.jp/how-it-works/web-mobile/gcbp

事業者側には消費者に還元する費用の負担などは一切なく活用でき、最新のキャンペーンバナーを「Amazon Pay」側が切り替えるため都度バナーを切り替えるなどの運用面の負担もなく、消費者にお得なキャンペーンの機会をもれなく知らせることもできる。

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング Amazon Pay バナープログラムを活用
「Amazon Pay」のバナープログラムを活用。Amazon Payが現在実施しているキャンペーンのバナーが自動で表示される(2023年10月時点)

このバナープログラムを活用して、さまざまな場所に「Amazon Pay」のバナーを設置しています。お得なキャンペーン情報が告知できるのはもちろん、「Amazon Pay」で決済ができるということをアピールし、Amazonの信頼感や安心安全な決済というイメージも訴求できると思います。売り上げへの効果を強く感じているため、バナーは継続して使っています。(𠮷原氏)

せんたく便 ヨシハラシステムズ 宅配クリーニング クリーニングした衣類を出荷するスタッフ
クリーニングした衣類を出荷するスタッフ
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松鹿舎(奥田 晃介)

Amazonの「販売事業者アワード2023」でBEAMS、タンスのゲン、世田谷自然食品など10部門150社の事業者が受賞

2 years 1ヶ月 ago

アマゾンジャパンは「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」を発表し、合計10部門に150社の販売事業者を選出した。顧客満足度や売り上げ、Amazonが提供する各種サービスの活用度などを指標としている。

「最優秀賞」には、前年も同賞を受賞した「AnkerDirect(アンカーダイレクト)」「BEAMS」のほか、マットレス・枕販売の「GOKUMIN(ゴクミン)日本メーカ直営店」、プロテイン販売の「REYS(レイズ)【公式オンラインストア】」を選んだ。

最優秀賞はアンカー、ゴクミン、ビームス、レイズ

「家電&オフィス用品」「ライフ&レジャー」「消費財」「ファッション」の4ジャンルで最も成功した販売事業者を選んだ「最優秀賞」の受賞店次の通り。

  • モバイル充電ブランドを展開する「AnkerDirect」
  • アパレル販売の「BEAMS」
  • マットレス・枕販売の「GOKUMIN日本メーカ直営店」
  • プロテイン販売の「REYS【公式オンラインストア】」
最優秀賞の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」特設サイトから編集部がキャプチャ)
最優秀賞の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」特設サイトから編集部がキャプチャ)

「最優秀賞」のほかには、「カテゴリー賞」「Day One賞」「FBA賞」「B2B賞」「海外販売賞」「Prime Try Before You Buy賞」「Amazon サービス活用賞」「ご当地の魅力 発信賞」「タイムセール賞」を選出。「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」の特設サイトでは、受賞した販売事業者と、それぞれのコメントを発表している。

「カテゴリー賞」は、最優秀賞の4ジャンルを、家電・カメラ・AV機器、食品・飲料・酒、アパレルなど、より細かく分類した11部門において、特に成功した販売事業者に贈る賞。カテゴリー賞における各部門の受賞店は次の通り。

カテゴリー賞

  • アパレル部門
    • 「ミキハウスホットビスケッツ」
  • インテリア部門
    • 「タンスのゲン」
  • おもちゃ・ベビー部門
    • 「ケラッタ」
  • 家電・カメラ・AV機器部門
    • 「にこスマ」 (伊藤忠商事グループ)
  • キッチン部門
    • 「Vesync(ウィーシンク) JP」
  • 食品・飲料・お酒部門
    • 「松屋フーズ」
  • シューズ・バッグ・ファッション小物部門
    • 「L.L.Bean(エルエルビーン)」
  • スポーツ・アウトドア・カー用品部門
    • 「ながら洗車」
  • パスコン・オフィス用品部門
    • 「サンワサプライ」
  • ヘルス・ビューティ部門
    • 「[公式]【BOTANIST/SALONIA/YOLU メーカーオフィシャルサイト】アンドハビット」
  • ホーム部門
    • 「LOWYA(ロウヤ)」

Day One賞

過去1年以内にAmazonで販売を開始し、初年度から、顧客満足度・品揃え・売り上げなどの観点で最も活躍した販売事業者に贈る賞。受賞店は次の通り。

  • アパレル販売の「【公式】osharewalker(オシャレウォーカー)」
  • オーディオ機器の「JBL公式ストア」
  • 「世田谷自然食品 公式ストア」
  • 「花つきギフト専門店ブルーミー(bloomee)」
  • ストレージ機器の「Monster Storage(モンスターストレージ)公式ストア」
「Day One賞」の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」特設サイトから編集部がキャプチャ)
「Day One賞」の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」特設サイトから編集部がキャプチャ)

FBA賞

顧客満足度や売り上げなどを評価項目に、商品の在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用して事業を急成長させている販売事業者に贈る賞。受賞店はプロテイン販売の「X-PLOSION(エクスプロージョン)【公式オンラインストア】」と、「日清食品公式ストア」。

B2B賞

法人および個人事業主の顧客向けのEC「Amazonビジネス」を利用し、B2Bビジネスにおいて事業を成長させている販売事業者に贈る賞。受賞店は、アズワンが運営する科学機器・産業機器の「A1 ショップ」。

海外販売賞

米国のAmazon.comなど世界のAmazonで販売を行い、日本から世界に事業を拡大している販売事業者に贈る賞。受賞店はオーディオ機器販売の「PIONEER Store(パイオニアストア)」。

Prime Try Before You Buy賞

Amazonプライム会員の顧客を対象とした購入前に試着可能なサービス「Prime Try Before You Buy」を活用し、顧客満足度を向上しながら事業を成長させているファッション関連の販売事業者に贈る賞。受賞店は靴販売の「SESTO(セスト)」。

Amazonサービス活用賞

Amazonでの販売だけではなく、法人・個人事業主向けのEC「Amazonビジネス」や決済サービス「Amazon Pay」、Amazon Web Services(AWS)が提供する「クラウド・コンピューティング・サービス」などを活用し、事業を拡大している販売事業者に贈る賞。受賞店はジュエリー販売の「シアーズ」。

ご当地の魅力 発信賞

地場に根付いたご当地の魅力ある商品を、Amazonを通じて日本全国の顧客に届けている中小規模の販売事業者に贈る賞。受賞店は次の通り。

  • 「まぐろ処一条」(福島県)
  • 「ねむりっち」(栃木県)
  • 「ハブラシランド」 (大阪府)
  • 「KOBE LETTUCE(神戸レタス)」 (兵庫県)
  • 「柿茶本舗」 (香川県)
「ご当地の魅力 発信賞」の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」特設サイトから編集部がキャプチャ)
「ご当地の魅力 発信賞」の受賞店舗(画像は「Amazon.co.jp 販売事業者アワード2023」特設サイトから編集部がキャプチャ)

タイムセール賞

Amazonで開催している「プライムデー」「プライム感謝祭」「ブラックフライデー」「タイムセール祭り」などのセールイベントにて、積極的に参加され、品揃え・売り上げなどの観点で活躍した販売事業者に贈る賞。受賞店は「アイリスオーヤマ公式ショップ」ほか多数。合計119店舗を選出した。

高野 真維

ヤマト運輸が宅急便の料金を一部値上げへ。「180サイズ」「200サイズ」「クール宅急便」など4月から

2 years 1ヶ月 ago

ヤマト運輸は2024年4月1日、宅急便の届出運賃・料金を改定する。対象は宅急便の180サイズと200サイズ、クール宅急便、ゴルフ宅急便。運賃改定率2%という。

対象の宅急便を関東から中国・四国向けに現金で決済した場合、180サイズは現行の3870円から4090円に、200サイズは4530円から5190円に値上げとなる。

ヤマト運輸は2024年4月1日、宅急便の届出運賃・料金を改定する。対象は宅急便の180サイズと200サイズ、クール宅急便、ゴルフ宅急便。運賃改定率2%
宅急便の改定サイズと料金

クール宅急便は60サイズ、80サイズ、100サイズ、120サイズが対象。宅急便運賃に付加料金を加えて設定しているクール宅急便の料金は、付加料金が値上げ対象。60サイズは220円から275円、80サイズは220円から330円、100サイズは330円から440円、120サイズは660円から715円。

ヤマト運輸は2024年4月1日、宅急便の届出運賃・料金を改定する。対象は宅急便の180サイズと200サイズ、クール宅急便、ゴルフ宅急便。運賃改定率2%
クール宅急便の改定サイズと料金

ゴルフ宅急便について、ゴルフのキャディバッグは宅急便140サイズ(上限)を適用していたが、宅急便サイズでの査定を廃止、キャディバッグ規格へ変更する。関東から関東向けに現金で決済した場合、現行の2190円から2510円へ変更する。

ヤマト運輸は2024年4月1日、宅急便の届出運賃・料金を改定する。対象は宅急便の180サイズと200サイズ、クール宅急便、ゴルフ宅急便。運賃改定率2%
キャディバッグの改定料金

ヤマト運輸によると、引き続き外部コストの上昇が見込まれるものの、物価上昇に落ち着きが見られることなどを踏まえて宅急便の運賃見直しは一部にとどめたという。

今回の運賃改定は消費者向けで、「個人のお客さまへの影響を最小限にした」(ヤマト運輸)。取扱数量の約9割を占める法人向けついては、「これまでの改定状況を踏まえながら、引き続き、契約内容の適正化に向け協議していく」(ヤマト運輸)としている。

ヤマト運輸は2023年、約6年ぶりに届出運賃などを改定。外部環境の変化による影響を適時適切に運賃などへ反映させるため、運賃料金を運輸局に提出する届出運賃などは今後、年度ごとに見直す方針を表明していた。

佐川急便も4月に値上げを一足先に表明

佐川急便は2023年10月、「飛脚宅配便」を2024年4月に平均7%程度値上げすることを発表している。

「飛脚宅配便」のほか、「飛脚特定信書便」は平均5%程度、「飛脚クール便付加料金」(対象は140サイズ・30㎏のみ)は220円、「飛脚国際宅配便」は平均6%程度値上げ。運賃改定は2023年4月に続き2年連続。

運賃改定後の「飛脚宅配便」料金は、東京・関西間において3辺の合計が60cm以内の場合、現行の970円が1040円(税込)に。「飛脚クール便付加料金」は現行付加料金1100円が1320円(同)となる。

届け出運賃の改定は、持続可能な物流インフラの維持と宅配便サービスの品質向上が目的。

瀧川 正実

飛ぶように売れる「パーソナライズ枕」ヒットの秘訣。まくら社長に聞くヒット商品開発の背景 | 通販新聞ダイジェスト

2 years 1ヶ月 ago
まくらのヒット商品「パーソナライズ枕」の開発背景に迫る。オンライン診断で顧客1人ひとりに合う枕を提案できる点が反響を呼んでいる

まくらでは、オンライン上で睡眠や枕に関する18問の質問に答えることで、70万通りのなかから自分に合った最適な枕を提案・作成できるパーソナライズ枕「THE PILLOW(ザ ピロー)」(価格は2万7500円)を7月から販売している。

コロナ禍で過去最高の業績。ヒットの秘訣とは?

同社の河元智行社長は、商品開発に至る経緯について「コロナ禍を受けてECは絶好調。特に枕に関しては、在宅時間が増えたことなどから眠れない人が増えたこともあって売れに売れ、売上高と利益は過去最高を記録した。

ただ、その一方で葛藤が生じるようになった」と話す。いくら儲かっても、仕入れ商品を売っているだけなら、仮に会社が無くなったとしても代わりに枕を売る会社はいくらでもある。オリジナル商品も扱っているものの、「すぐに真似をされてしまう」のが悩みだったという。

1人ひとりに合う枕で不眠解決に寄与

「『枕難民をゼロにする』という会社としてのミッションを掲げているのに、不眠など睡眠に関する課題を解決するためのアプローチができていない。何とかしなければ、という危機感があった」(河元社長)。

社会問題になっている不眠。良く眠れないことで、生活習慣病への罹患リスクが上がったり、仕事の生産性が低下したり、さらにはヒューマンエラーにもとづく事故等を招く恐れもある。また、不眠が続くとうつ病などの心の病を招いたり、最悪の場合自殺に至ったりすることもあり、コロナ禍においてこうした状況がさらに悪化しているのが実情だ。

「不眠に悩む人が最初に考えるのは、枕を変えること。つまり、枕は睡眠に関する問題の一丁目一番地にある商材なので、当社が1人ひとりに合う枕を当社が提供できれば、不眠に悩む人を減らせるかもしれない。最近は企業の社会的意義を示す『パーパス』という言葉が良く使われているが、『不眠を解決することで1人でも多く大切な命を救う』というパーパスが生まれ、そこに向かって本気で取り組むべく動き出した」(同)。

「枕選び」がはかどる仕組みを提供

では、顧客に合う枕とはどういったものか。同社では約400の枕を販売しているが、どの枕が自分に合うかはネットではわからないし、実店舗でも選ぶのは難しい。ある程度の日数、実際に使ってみなければ「寝心地」は判断できないからだ。

「そう考えたときに、当社の強みは『枕を売っていること』ではなく『枕選びのためのデータを蓄積していること』と気づいた。20年間枕のECを手掛けてきたことで枕選びのノウハウが蓄積され、『どんな枕が合うか』を提案できる力を持っている点こそが強み」。

もちろん、知識を持った人が「枕ソムリエ」として全ての顧客に枕を提案するのが理想だが、現実的ではない。行き着いたのは「枕選びの自動化」だ。枕選びのソムリエをイメージし、それをAI化させた「PilloBO」を開発し、既製品の枕の提案ではなく、カスタムメイドやオーダーメイドの枕をオンラインの診断で提案する仕組みを構築した。

「PilloBO」によるオンライン診断(画像は「PilloBO」による診断ページから編集部がキャプチャして追加)
「PilloBO」によるオンライン診断(画像は「PilloBO」による診断ページから編集部がキャプチャして追加)

まず、消費者はオンライン上で枕診断を行う。睡眠や枕に関する18問の簡単な質問に答えるだけで、AIが対象者の体型やBMI値のほか、睡眠リズムや寝姿勢、枕の好みなどを推測し、枕カルテを作成。カルテをもとに、70万通りの中から最適な枕を生成する。「THE PILLOW」は7つのポケット(独立した部屋)に分かれた7ポケット構造の枕となっており、1つひとつのポケットが独立して、枕素材の出し入れや調節ができるようになっている。

ヒットしているパーソナライズ枕「THE PILLOW」(画像は「THE PILLOW」のブランドサイトから編集部がキャプチャ)
ヒットしているパーソナライズ枕(画像は「THE PILLOW」のブランドサイトから編集部がキャプチャ)

枕診断によって、AIがポケットごとに最適な枕素材、最適な枕素材の容量を1グラム単位で計算。対象者に最適な枕の高さ、枕の硬さ、枕の形状を自動提案してくれる仕組みだ。「販売後の枕が『合う』『合わない』というデータをフィードバックする。データが集まれば集まるほど、枕が合う可能性も高くなってくる」。

注力するアフターフォローの取り組み

サブスクは解約無制限

枕は「好み」が関わる部分が非常に大きい商材。重要になってくるのは販売後のアフターフォローだ。

河元社長は「『枕が合わなかったときの責任は誰にあるか』ということへの考え方が180度変わった。今までも合わない枕の返品は受け付けていたが、あくまでも『お客さま都合』であり、期間も20日間。しかし『THE PILLOW』は『AIがあなたに合う提案する』という商品なので、合わなかった場合の責任は全て当社にある」と話す。

カスタマーサポートに「THE PILLOW」が合わないという問い合わせがあった場合、必ず「大変申し訳ございませんでした」と謝罪するようにした。さらには、返品を受け付ける期間も撤廃。同商品は、月額1480円で使えるサブスクプランも設けている。こうしたサブスクは「最低利用期間」を設けていることが多いが、解約に関する制限を設けていない

サブスクプランを展開(画像は「THE PILLOW」のブランドサイトから編集部がキャプチャ)
サブスクプランを展開(画像は「THE PILLOW」のブランドサイトから編集部がキャプチャ)

河元社長は「当社は絶対的に合う枕を提供し続けなくてはいけないし、テクノロジーとデータの蓄積で返品率は改善ができると思っている。なので、『枕が合わない場合は当社が全て責任を持つ』ことを徹底していく」と決意を語る。

返品も無期限対応

とはいえ、購入してからどれだけ経過していても返品を受け付けるというのは、これまでのECの常識では考えられないサービスだ。河元社長も「顧客から返品の相談があって『申し訳ありませんでした』と切り出すことに抵抗があったのは確か。社内の文化を変える必要があった」と語る。しかも、まず顧客への返金を行い、商品を返すのはその後でも良いのだという。「言うなれば『性善説』。ようやくこうした姿勢が社内にも浸透してきた」。

「THE PILLOW」は、7つのポケットに入れる素材の容量で高さや硬さなどを調節できる。「仮に最初は合わなかったとしても、素材の増減でその人にとって寝心地の良い枕にすることができる。当社としては絶対に合わせられる自信があるので、顧客ときちんと向き合うことで、枕を売るだけで終わりにするのではなく、販売した後の顧客との関係性をどうやって築いていくかを重視している」(河元社長)。

「なぜ合わないのか」を追求

そのため、重要になってくるのは「なぜ合わないのか」「寝心地の悪さを感じる原因は何か」をつきとめることだ。「寝る姿勢もあるし、敷布団の影響を受けることもあるので、睡眠時の環境を詳しく聞くことにしている。実は最初の枕診断では聞いていない部分なので、たとえば『子供と一緒に寝ている』という人の場合、寝返りが制限されることで枕が合わなくなることもある」。

枕診断の項目を増やしすぎると離脱率が増える恐れがあるため、質問はある程度絞っているという。「質問が不足していた部分は口頭で聞き取り、きちんとデータとして残すことで、同じ理由で返品する人を出さないようにしていきたい」。

自社サイトと楽天市場店で取り扱っているが、通常の購入よりもサブスクを利用するユーザーが多い。気になる返品率については「通常の商品より高いのは確かだが、想定した数字よりも低いし、減ってきている」という。

BtoBや海外販路にも意欲

今後はBtoBにも注力する。たとえば、保険会社のページに診断の仕組みを導入してもらい、「THE PILLOW」が売れた場合は売り上げの数%をバックする、といったアフィリエイトだ、他にも、寝具販売店や接骨院、整体院で枕診断をしてもらうビジネスも考えているという。

さらには海外販売も計画。「中国・台湾に関しては、診断の仕組みを中国語で提供し、現地の人の診断データをもとに日本で枕を作り、中国・台湾に送るという仕組みを考えている」。中国や台湾の人は日本人と寝る姿勢が似ているため作りやすいほか、「日本人の職人がオーダーメイドで枕を作る」ことに付加価値を感じる人が多いという。

ヨーロッパでの展開も計画しており、まずドイツからスタートする。寝る姿勢が日本人とは異なることや、枕の素材がドイツでは使いにくいことなどから、診断の仕組みや枕のポケット部分だけを提供する形を考えている。

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通販新聞

ECのマーケティングとは? 「売り上げを伸ばす」ってどういうこと? EC事業の内製化に大切なポイントを解説! | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

2 years 1ヶ月 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載1回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

この連載では、EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。1回目は「マーケティングとは」「売り上げを伸ばすとはどういうことか」をテーマに解説します。

強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座
  1. ECのマーケティングとは? 「売り上げを伸ばす」ってどういうこと? EC事業の内製化に大切なポイントを解説!

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

EC業務の内製化をめざそう!

ネッタヌネッタヌ

いよいよこの連載が始まりましたね、石田さん。

石田麻琴(以下、石田)

ネッタヌ君、いよいよ始まったよ。これからよろしくね。

ネッタヌネッタヌ

さて、今回のテーマはどうしましょう。わかりやすいテーマがいいと思うのですが。

石田

じゃあ、シンプルに「ECにおける『売り上げを伸ばす』とは、どういうことなのか?」ここから話していこうか。

ネッタヌネッタヌ

ネッ担読者のみなさんが大好きな「売り上げ」の話ですね!

石田

ネッタヌ君! 余計なことは言わないの!

「売り上げを伸ばす」ってどういうこと?

ネッタヌネッタヌ

「ネットショップ担当者フォーラム」の読者アンケートでも多いのが、「どうしたらECの売り上げが伸びるのか」です。

石田

企業のみなさんがEC事業をやる目的として重要なのは「売り上げと利益を伸ばす」ことだから、もちろんニーズは高くなるよね。

まずは「ECにおける『売り上げを伸ばす』とは、どういうことなのか?」をシンプルに考えてみようか。「売り上げが伸びる」状態って、大きく分けて2つしかないのだけれど、ネッタヌ君はなんだかわかる?

ネッタヌネッタヌ

うーん。1つは「セッション数を上げること」、もう1つは「コンバージョン率(CVR)を上げること」ですよね。ネッタヌだって勉強しているんですから!

石田

正しいと言えば正しいんだけれども、「セッション数」や「コンバージョン率(CVR)」といった言葉を使うのを一旦止めてみようか。

EC事業の内製化というのは「判断の内製化」なんだよね。そのためには、EC事業を行う経営者そしてEC担当者が、ECのマーケティングについて「腹落ち」していることが大切なんだ。この「腹落ち」がポイントだから、あまり横文字から入っていきたくない。「腹落ち」しにくいからね。

EC事業の内製化 人材育成 ECのマーケティングとは
「ECのマーケティング」とは

「売上が上がる」=「新しい顧客が増える」「既存顧客がより購入してくれる」こと

ネッタヌネッタヌ

「セッション数」と言う人もいれば、「アクセス数」って言う人もいるから、どこか認識がブレちゃいますね……。

石田

そう。セッション数もアクセス数もほぼ同義なんだけど、言葉にとらわれるとブレる可能性があるでしょう。

じゃあ、「売り上げが伸びる」の2つの状態ってどんな状態だと思う?

ネッタヌネッタヌ

1つはネットショップでたくさん商品が売れている状態。もう1つは、ネットショップにたくさん人が集まっている状態でしょうか。

石田

うん、いい感じだよ。正解。

ちなみに僕は「売り上げが伸びる」2つの状態について、1つ目は「新しいお客さまが増える」、2つ目は「今のお客さまがもっと購入してくれる」。この言葉で2つの状態を表現しているよ。

ネッタヌネッタヌ

「新しいお客さまが増える」「今のお客さまがもっと購入してくれる」ことで売り上げが伸びる……と。

石田

そう。前者はまさにネッタヌ君が「たくさんネットショップに人が集まっている状態」と表現してくれたところだね。

「セッションを増やす」「アクセスを増やす」「トラフィックを増やす」――EC業界ではこうした表現をすることが多いと思うけれど、「新しいお客さまが増える」という言葉ならこれらをまとめて表現できるからね。「腹落ち」しやすいでしょう。

EC事業の内製化 人材育成 売り上げが伸びるとは、新しい顧客が増えることと既存顧客がより購入すること
「売り上げが伸びる」とは、「新しい顧客が増えること」と「既存顧客がより購入してくれること」

「新しい顧客を増やす」ために大切なことを知ろう

石田

それじゃあ、この2つの状態をもう少し掘り下げようか。まず「新しいお客さまが増えて、購入してくれる状態」を作るには、どんなアプローチがあると思う?

ネッタヌネッタヌ

うーん、新しいお客さまを増やすとなると、買いやすい商品を準備しておくのは大前提として……。リスティング広告とか? あとはInstagramの活用とか?

石田

うん、間違ってはいない。ただ、ちょっと具体的な手段に寄りすぎているかな。
「新しいお客さまを増やす」ことは、いわゆる「集客・認知拡大」の部分だと思うんだけれど、ここはEC事業においていくつかのパターンしかない。

ネッタヌネッタヌ

いくつかのパターン? リスティング広告もアフィリエイト広告もリターゲティング広告も、たっっっっくさんあると思いますけど……。

石田

ネッタヌ君が言ったリスティング広告、アフィリエイト広告、リターゲティング広告は「インターネット広告」という集客・認知拡大の手段に大別される。もっと言えば「お金を使って『集客・認知拡大』をする方法」だね。

ネッタヌネッタヌ

確かに「インターネット広告」でひとくくりにできますね。じゃあ、Instagram、X(旧Twitter)、Facebookの活用も「SNS」でひとくくりってことですよね?

石田

そのとおり。「新しいお客さまを増やす」方法を考えるとき、「インターネット広告」「SNS」「リアル送客」というように、ロジックツリーの形式でパターンを整理できていることが大切なんだ。極端に言えば、EC経営者もEC担当者も「リターゲティング広告」なんて広告名は知らなくていい。

EC事業の内製化 人材育成 新しい顧客を増やす方法を考える ロジックツリー形式でパターンを整理する
ロジックツリーの形式でパターンを整理することが大切
ネッタヌネッタヌ

知らなくてもいいの?

石田

知っているに越したことはないけれど、知らなくていい。だって、細かい広告の違いは専門知識がある人に聞けばいいじゃない。「ChatGPT」に聞けばすぐ答えてくれるよ。テクノロジーの進化で、毎年のように新しい広告が出るんだから、広告名なんて知っておく必要はない。インターネット広告の「原理原則」だけを知っていれば十分だよ。だって、EC経営者とEC担当者のマストな仕事は「成果判断」なんだから。

ネッタヌネッタヌ

じゃあ、インターネット広告の「原理原則」を教えてください!

石田

それは次回以降、タイミングがきたら!

ネッタヌネッタヌ

えー!

まとめ

石田

最後に今回のコラムを少しまとめるね。

まず、EC事業を内製化するためには「腹落ち」することが大切。そして、シンプルに考えることがポイント。「売り上げが伸びる」状態として、2つの状態を紹介しました。

「新しいお客さまを増やす」方法を考えるとき、まずロジックツリーの形式でパターンを考えること。「判断の内製化」を強化するためには、この因数分解が大切だね。ここは次回以降に出てくる「データ活用」でも詳しく説明していきます!

ふー……ひとまず今回はこんな感じかな?

ネッタヌネッタヌ

次回もお楽しみに!

石田

ネッタヌ君が言うな!笑

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

X(旧Twitter)も運営しています。こちらもあわせてご覧下さい。

石田 麻琴

【2024年EC大予測】AI、値上げ、物流問題+2023年EC流通額の速報値などをECのプロ・専門家が語るセミナー(1/19開催)

2 years 1ヶ月 ago

一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は、「2024年EC業界どうなる?」をテーマにしたセミナーを1月19日に開催する。

セミナー「2024年EC業界どうなる?」の詳細はこちら

原価高騰、円安、そして物流問題など立ち向かう課題が山積みの2024年。ECを実施している企業は今年1年をどう予測し、対策を進めればいいのか。セミナーでは、こうした課題を解決するためのヒントを提供する。

なお、セミナーはオンライン配信とリアルのハイブリッド形式。1部はオンライン配信とリアル、2部はリアルのみ。オンライン参加の場合は参加費無料で、リアル参加の場合は7000円(懇親会費込み)。セミナー修了後、懇親会を行う。

一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は、「2024年EC業界どうなる?」をテーマにしたセミナーを1月19日に開催する

セミナーに参加すると学べること

  • 2023年のEC流通総額や伸び率
  • AIの加速
  • 値上げの影響
  • 2024年のEC業界やOMO

第1部は、過去に経産省のEC調査報告書の作成に携わった専門家(デジタルコマース総合研究所 代表取締役本谷知彦氏)による2023年のEC市場速報値+それを踏まえた対策、ECのプロによるAIや値上げなどを踏まえたEC業界大予測など。

第2部は「Eコマース大予測 超過激編」と題して、JECCICA代表理事の川連一豊氏が、AIの加速、値上げの影響、ECの大分裂、秘密の数字など2024年の業界を予測する。

開催概要

  • 開催日時:2024年1月19日(金)17時から21時まで(19時から懇親会)
  • 開催内容:1部はオンライン配信とリアルのハイブリッド方式(ZOOM参加は無料)、2部はリアル開催のみ
  • 開催場所:オンラインはZoom、リアル開催は東京都千代田区飯田橋 4-8-6 日産ビル4階 4階大会議室A–Natuluck飯田橋東口駅前店
  • 参加料金:第1部のZoom参加は無料、第1部と第2部のリアル参加は7000円
  • 主催:一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会
  • 詳細と申し込みhttps://jeccica.jp/jeccica_seminar20240119/
瀧川 正実
確認済み
1 時間 11 分 ago
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