昨日行われた、ISM Spin-off #4 - Google Search Night。
第一回目のレポートではGary Illyes氏のKeynoteの模様をお伝えしました。
今回は第二部に行われたAMA (Ask me Anything)です。
モデレーターは海外SEO情報ブログの鈴木謙一さん
回答者にGoogleから、Gary Illyesさん、金谷武明さん、長山一石さん、小川安奈さんという超豪華メンバーです。
私も海外のSMXやPUBCONによく行くのですが、
これだけの人数のGooglerがAMAで回答してくれるというのはちょっとありません。
さて、今回はAMAの中から気になったトピックについて取り上げてみたいと思います。
急いでメモしていたため誤った内容あったらご指摘いただけると助かります。
なお、前回に引き続き当日実況していたTwitter(@kimuyan)もご覧いただけたら幸いです。
MFIでPCサイトのみを所有する場合の対応法について「変更はありません。モバイル版とパソコン版は同じです。」ってそんなわけないのでは?
[注]
https://developers.google.com/search/mobile-sites/mobile-first-indexing
この部分のことかと思います。
[長山さん]
MFIは、クロール&indexの話。
SP/PC双方のUserAgentでクロールした場合に同じものが返ってくるならそれはレスポンシブと同じなわけで、
PCサイトしかない場合には特別何かが変わるわけではない。
モバイルフレンドリーアルゴリズムによって、モバイルでは上位表示されにくいということとMFIの話は別。
MFIはクロール&indexの話で評価(アルゴリズム)の話ではない。
筆者注:”MFI"という事象においては何もしなくていいけど、スマホユーザーが増えてるんだからモバイルにも最適化しましょうよって話で良いと思います。
MFIにおいて「レスポンシブウェブデザイン」推奨から「動的な配信(ダイナミックサービング)」「別々のURL(セパレート)」もサポートするということに方針変更になったが、結局どれでもいいの?推奨をコロコロ変えないでほしい
[長山さん]
(推奨の)方針は変えていない。(ですね)誤解を生んでいるのなら申し訳ない。
3つの方式はMFIの構想における当初からサポートしている。
ただし、レスポンシブはさまざまな(metaとか構造化データとか動画とかetc…)設定のミスが起こりにくからおすすめ。
筆者注:昨年のPUBCONではGary氏がかなり強めにレスポンシブを推奨したので、むしろ3つ等しくサポートというところからレスポンシブの推し方が強くなったように筆者は感じます。むしろ。
MFIはランキングに影響を与えないというが、ベストプラクティスに完全に対応していない場合にMFI導入自体によるランキングの変動は本当に起こらないのか?
[Garyさん]
可能性はある。Garyが今日つけ麺をたべなかったことがランキングに影響を及ぼさないとは言い切れないでしょ。どんな可能性の否定できない。
筆者注:ベストプラクティスに対応しなければランクが変化する可能性は当然ありますよね。アメブロ(に限らず多くのブログサービスがそうですが)はPCのトップは概ね記事がいきなり表示されますが、SPは記事一覧要はリストが表示されます。これは「重要なコンテンツが一致している」とは言い難いと思いますので、正直どうなるかわからない部分もあると思います。一応、「Intentに応えられていれば問題ないだろう」とGoogleからもアドバイスをいただいていますが果たしてどうでしょうか??
また、ベストプラクティス通りに対応したとしてもクロール&indexの部分が再度行われたり、仕様が変わっているわけですから変化が起こらないことを否定するのは難しいよなあと思います。
MFIに移行したサイトにはSearch Consoleに通知が届くと言うが、それはもう始まっている?また、その通知は移行後どのくらいで届く?
[Garyさん]
通知は始まっている。
移行とほぼ同時に通知するようにしているが、MFI移行はクロールの時点で始まりそこからSearch ConsoleにMFI移行したことを送るまでのパイプラインの処理が多少かかる。
そのため移行して最短で数時間、最長で2,3日程度かかるものと思われる。
MFI移行できないサイトに移行不可の通知を送らないのか?何が原因で移行できないか指摘して欲しい。また、どうやって移行可能かどうかを判断しているのか?
[Garyさん,長山さん]
移行できない旨のメッセージを送る予定はない。ここ数ヶ月ブログポストなどでかなり情報を出してきたのでいったん様子見。
数年たってまだMFI Readyじゃないサイトが存在しているとかだったらまた考えるが・・・
移行可能かどうかは移行によってランクやトラフィックに影響が出ないことを考慮している。Classifierは存在している。
筆者注:MFI移行されないからランクが落ちるということはないはずなので「移行されない!」と焦る必要は今はないのではないかなと思います。MFI移行ボーナスポイントとかがもらないえるなら別ですがないようですし・・・
スマホではスクリーン領域が限られているため、すべてのコンテンツを表示させるとUXが低下する。
1:初期状態でコンテンツを非表示にする(隠す)のは構わないか?
2:ABテストを行なった結果、PCで長いコンテンツが好まれるものもSPでは短いコンテンツが好まれることがわかったが、その場合ベストプラクティスと異なるがSPで短くして構わないか?
3:パンくずをJSON-LDの中だけでマークアップしていいか?
[Garyさん]
1:良い
2:本当に短いほうがユーザーのためになるならすれば良い
3:ガイドラインに従え
[謙一さん]
3:JSON-LDでマークアップして目立たないところに設置しておけば??
筆者注:コンテンツを表示しないことが本当にUX向上に役立つのかは個々のサイトでしっかり検証したほうが良いと思います。「もっと見る」を嫌うユーザーも一定数いますし、”作り手のロジック”になっていないかは注意が必要だなと。自戒の念を込めて。「2」は本当にそうなのか?というニュアンスが込められているような回答だった気もしますし。「3」についてもできることなら"使ってもらえる”パンくずを考えていきたいものですよね。難しいですが。
新Search Consoleの次の機能は?
[Garyさん]
知らない、分からない。
(ここで謙一さんから、「旧バージョンのほうにある機能が移行されるだけじゃなく、新しい機能も追加されますよね?」)
[長山さん]
うーん。どうなんですかねえ。
[謙一さん]
きっと載るはずです。
(インデックスカバレッジなどすでに載ってますね)
音声や画像、動画、位置情報など今後視野に入れている新たな検索手段について教えてほしい
[Garyさん]
テキストでも音声でも画像でもいろいろな入力方法があるが、Googleとしてはやること(目指すこと)は変わらない。
入力情報を分析し、コンピュータにわかりやすい形に変換して、いかなる入力方法であってユーザーにとって良い検索結果を返すことを目指している。
PCの検索結果のスニペットの文字数が増えて逆に見にくくなったが改善計画はあるか?モバイルとデスクトップのUIに差があるのではないか?
[Garyさん]
ユーザーの構成比を考えると今、(UIを含め)何かを改善するという場合にはモバイルエクスペリエンスを優先させている。
PCで文字数が増えているのは強調スニペットの補語になるようなことを考えて行なっているが、PCとSPでUI(UX?)が異なるということはないのではないか?
筆者注:ちょっとよく聞き取れませんでした。この部分しっかり聞けた方教えてください。実際に文字数は異なっていますがIntentに答えられるというユーザー体験に差はでないはずということなのかなあと思います・・。個人的にUIのテストを頻繁に行うGoogleのUI/UXへのこだわりはすごいと思います。
JSで隠さざるを得ないコンテンツがある場合、初期状態で隠されているコンテンツの重要度は下がるのか?
[長山さん]
(ソースコードに入っておらず)何かしらのアクションをした際にJSが実行されてはじめて表示されるコンテンツはそもそもないものとして扱われる
[Garyさん]
CSSで隠しているものに関して重要度は下がらない。あるかないかの問題。コードにあれば良い。
筆者注:一時PCは隠されているコンテンツの重要度下げてませんでしたっけ??SPだとよりCSSで隠すケースは増えると思いますが、”重要なもの”ははじめから表示させたほうが”将来的にも"安全なのではないかなあと思っています
JSによって生成されているコンテンツはもともとHTMLにある(プリレンダリングされている)コンテンツよりもindexに時間がかかるのか?
[長山さん]
かかる。プロセスが異なるので静的なものよりも時間がかかる。
hreflang設定でよく見られるミスは?
[Garyさん]
英語には日本語版への記述があるのに日本語版には英語版への記述がないなど。
hreflangは片思いではダメ、両思いにしないとダメ。
そのほか、存在しない言語コードや意図しない地域を使ってしまうなど。
コンテンツの信頼性が求められるようになってきた。どのドメインが発信している情報か見ているのでは?この方法の課題や改善点は?
[Garyさん]
基本的にはページレベルシグナルでランキングを行なっている。そのほうが細やかなランクづけができる。
ただしサイトやドメインのシグナルも存在しており、例えば出来たばかりのサイトでページが非常に少ないという場合にはドメインやサイトレベルで見ていくということもある。
信頼性の話はフェイクニュースの文脈ではグローバルレベルで出ている。(Googleはさほどフェイクニュースに問題があったわけではないが)フェイクニュース対策のプロジェクトとして、フェイクニュースをどう拡散しないようにするかという文脈で出てくる。日本だと医療系のところで出てくる。
[長山さん]
日本Specificでやりたかったのは医療系において、信頼性・正確性が高い情報を出すということだった。
筆者注:医療系キーワードは政府等の行政や公共機関、病院、製薬会社等中心の上位表示となりさらに(問題にもなりましたが)一部大手企業運営の情報コンテンツが出ているという傾向が強いことを考慮するとドメインやサイトから信頼性を判断するということは行われたのではないかと思っています
Wikipediaなどで実在情報は使っている?Wikipediaに情報があると上位表示されるように見られるが?
[長山さん]
CTRと同じで因果と相関は違うということで良いと思う。
信頼性が高いサイトの共通点としてWikipediaに情報があるということだけでないか?
筆者注:ここは難しいなあと思います。相関が強くなっている姿を目指しても悪くはないのではないかなと。。
meta keywordタグをGoogleは無視しているが公式ドキュメントとして提供しているか?ドキュメントが見つからず上司が説得できず無駄な時間がかかっている
(ここでGoogleの4人が揉め始めた??実際は別の話をしていたらしいが・・・)
[長山さん]
あったと思う。少なくともMatt Cuttsが動画を作っていた。
※その後、金谷さんから補足ツイートがあり
https://support.google.com/webmasters/answer/79812?hl=ja
こちらにあるということです。
rel=“canonical”で指定していても正規ページとしてみなされないケースがある。それはどういうとき?また正規化のシグナルとしては何を使っている?
[長山さん]
わかりやすい例でいうと、多くの人がcanonicalの向け先を(ガイドラインをコピペして)sample.comにしていたときは無視した(苦笑
あとは、httpsとhttp両方があってcanonicalがhttpの場合はhttpsが優先されるだろう。
基本的には検索から来るならどれが良いのか?シンプルなURLであるか?とかリダイレクトがないか?などでも判断している。
(謙一さんから正規化に使っているシグナルくらい教えて!というプッシュ)
[長山さん]
canonical,sitemap,リダイレクト,ディレクトリ階層やパラメータ階層などURLのシンプルさ,https,リンクも関係がないとは言えない
検索マーケッターがAMPに取り組む際のアドバイスがあれば教えてほしい。AMPを導入したくなる情報はないか?
[安奈さん]
アリババのEコマースや台湾のヤフーオークションがAMPページのみで作られているのでぜひ見てほしい!
AMPストーリーはワシントンポストやCNNで採用されている。
参考URL: https://japan.cnet.com/article/35114656/
Speed Updateの影響は?
[Garyさん]
めっちゃ遅いというページは影響を受ける。めっちゃ遅くなければ影響は受けない。
筆者注:そもそも速度改善はSpeed Updateのためにやるべきものではないと思います。表示に4秒程度しかからないならSpeed Updateの影響を受けないとしても50%程度の人が離脱してしまう可能性があるわけですし・・・
Speed Updateの評価は4G回線?3G回線?あるいはユーザーの環境や地域に応じて変化するの?
[長山さん]
速度改善に取り組むなら、どういうユーザーが対象かを考えていれば良い。
(日本は回線が速くてほとんど4Gだがという前提とうけて)日本は本当に早いのか?Garyは日本にきてモバイルネットワークが遅すぎると言っていつもイライラしている。
[安奈さん]
例えば地下鉄内で回線速度を測ると3Gの理論値と変わらない場合もしばしばある。
速度改善が目的なのであれば、developer tool等でCPUや回線を非力なものにしてみれば良い。
PageSpeed InsightsのUnavailableはなぜ出るのか?どうすれば良いか?
[安奈さん]
単純にデータが足りていないので待つしかない。
[金谷さん]
出てこないと言われて調べたら出ていたことがあったので、しっかりデータは溜めてきている。
検索結果に表示されている日付が間違っているのはどう直せば良いのか?
[Garyさん]
日付はページ内のどこかの数値を持ってきているはずなので、そこを消すか変えるかするのが手っ取り早い。
日付抽出のプログラムにおける問題はGoogle側も把握しており改善する予定だが簡単にfixするものではない。
GoogleのSEOに関する公式情報が検索で探しにくい
[金谷さん]
ごめんなさいとしか・・・
でもGoogleが出てこないということで検索順位を操作していない、フェアであることが分かると思う。リンクも買ってないってことが(笑
[長山さん]
次回のインハウスSEOは金谷さんはインハウスSEO担当者として、向こう側に座ってくださいね。
ということで、新しい情報があったというわけではないと思いますが、疑問に思っていたところ、少しあやふやに覚えていたところが随分整理しやすかったのではないでしょうか?
ここでGoogleの方が話したことは、言ってみれば現在のGoogleの事象だと思います。すべてが、by designeかどうかはわかりません。
SEOをやる身としては事象を見て対処することも必要ですが、by desingeかどうか考えてあるべき論で考えることも必要ですね。
なお、この後Google Dance Tokyoで発表があったとおり、改めて長山さんが日本の検索から卒業されることが発表されました。
長きにわたり日本、日本語の検索を良いものにして頂きありがとうございました。
また、Google、Googleの検索とウェブマスター、SEO屋との関係構築にもご尽力いただいたことは我々として感謝しても感謝しつくせません。
直接的には関わりはなくなってしまうかもしれませんが、これからも遠くから日本の検索、ウェブマスター、SEO屋を見守っていただければと思います。
本当にありがとうございました。
最後に、ISM運営の皆様、本当にお疲れ様でした、ありがとうございました。