顧客価値創出のためのデータ サイエンス戦略 | Google Analytics 日本版 公式ブログ

Google Analytics 日本版 公式ブログ - 2016年12月22日(木) 13:06
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完全な状態のオリジナル記事は 「顧客価値創出のためのデータ サイエンス戦略」 からご覧ください。
この記事は、Google アナリティクス ソリューション 英文ブログ記事 「Does Your Company Have a Data Science Strategy to Create Customer Value?」を元に構成しております。
Harvard Business Review のレポートで引用された最新の調査によると、今日のマーケティング リーダーにとって最大の課題のひとつは、分析に長けた人材を見つけることや採用することではなく、ありあまるデータから意味のあるインサイト(分析、知見)を抽出し、アクションとして具現化することです。

この調査では、マーケティング組織にはデータとその収集、蓄積、統合に使用する技術に熟知した分析のプロフェッショナルが必要であると結論付けています*1。これは当然のことでしょう。しかし、そこからさらに一歩踏み込んで、データ サイエンティスト以上にデータ サイエンスそのものを重視するべきだ、というのが専門家たちの提言です。つまり、すでに手にしているデータに対して的確な分析を行い、アクションへと進めることにもっと力を入れるべきだということです。分析なきデータからは、顧客にとっての価値は生まれてこないからです。

「データ サイエンティストは、データの管理や操作にきわめて長けた技術者です」と話すのは、ペンシルバニア大学ウォートン校のマーケティング学科で Frances and Pei-Yuan 冠教授を務め、『Customer Centricity: Focus on the Right Customers for Strategic Advantage』の著者としても知られる Peter Fader 氏です。「しかし、データ サイエンスの本質は、パターンを見出し、仮説を立て、検証し、結果に基づいてアクションを起こすことです。」


機械学習

そこで役立つのが機械学習です。大量のデータを咀嚼し、パターンや例外を発見することに長けた機械学習を利用すれば、分析をスピードアップして、分析チームの仕事の効果を高めることができます。

機械学習は、アルゴリズムを使った反復学習でデータを解釈する人工知能の一種であり、プログラミングによって具体的にどこをどう調べればいいのか指示されなくても、インサイトを発掘することができます。この特性によって大量のデータの解釈が効率化され、従来の分析ではすぐには見つけられない問題がいち早く特定されたり、想定することさえ難しいような疑問の答えが提示されたりします。インサイトをすばやく得られるため、入ってくるデータをより効率的に活用し、カスタマー ジャーニーの全体像を把握するのに役立ちます。

Accenture のマネージング パートナーを務める Conor McGovern 氏は次のように話しています。「規律あるアプローチによってビジネスの現場にデータ分析を組み込むことができなければ、最も効果的かつ魅力的な顧客体験は実現できません。望ましい成果を上げるためには、データ分析を他の情報源と同じように意思決定プロセスに組み込み、根付かせる必要があります。

「規律あるアプローチによってビジネスの現場にデータ分析を組み込むことができなければ、最も効果的かつ魅力的なカスタマー エクスペリエンスは実現できません。」—Conor McGovern 氏(Accenture 社マネージング パートナー)
Lenovo の事例: データの効果的な活用で顧客価値を生み出す
このようにターゲットを絞ったデータ サイエンスのアプローチは、あらゆる規模の企業の競争力を高めます。その優れた成功例のひとつと言えるのが、Lenovo の事例です。同社のマーケティング チームは、高度な技術や分析ツールの活用方法をマスターし、会社全体が顧客にもたらす価値の向上に貢献しました。

副社長兼グローバル e コマース担当ジェネラル マネージャーの Ajit Sivadasan 氏は、顧客データの急速な増加と、それを効果的に活用することの重要性に気付き、まずは指揮下の e コマース ユニット内に分析担当チームを設けました。現在、このチームは世界各国の 60 以上の情報源からの顧客データやマーケティング データを統合し、分析を行っています。データの統合と分析を通して Sivadasan 氏が気付いたのは、ロイヤルティの醸成につながる顧客満足度は、主に次の 3 つの要素で向上するということです。

  1. オンライン エクスペリエンスの質: Sivadasan 氏のチームは、商品情報の見つけやすさや、注文の状態について十分なフォローアップができているかどうかといった、重要な変数をトラッキングしています。
  2. コミットメントの遵守: たとえば、顧客に約束した納期を守れなかった回数などをチェックしています。
  3. 商品そのもののエクスペリエンス: ソーシャル メディアや顧客からの直接的なフィードバックを分析することで、e コマース チームは商品品質の改善を図っています。

データ分析で競争を制する
効果的なデータ分析戦略を推進するために、経営者はビジネス上の課題を明確に定義し、分析によって解決できる疑問を明らかにする必要があります。これを怠れば、せっかくのデータも組織全体を間違った方向に導く材料となりかねません。

たとえば、重要なユーザー層でコンバージョンが伸び悩んでおり、解決策を見つけなければならないとしましょう(よくあるケースです)。こういった場合に求められるのは、データを調べ、顧客や見込み顧客に的確な質問を投げかけ、考え得る解決策をテストによって比較し、顧客体験を最適化することです。迅速に手を打ち、競争を制するためには、分析結果をいかにすばやく得られるかが重要になります。

機械学習によってインサイトがすばやく抽出されることで、企業は入手したデータから戦略的なアクションを引き出し、成果につながりやすいインサイトに注目して意思決定の質を高めることができます。

INSEAD でマーケティング担当教授として教鞭を執る Joerg Niessing 氏は次のように語っています。「経営者が従来どおり戦略的な決定を下さなければならないことには変わりありません。市場の力学について理解し、競合他社の動向を把握して、会社としてどのような手を打つべきか決める必要があります。唯一の違いは、そういった判断の材料として役立つデータや分析が、従来よりもはるかに豊富になったことです。」


データ分析による顧客価値の創出について詳しくは、Harvard Business Review からインサイト センターの記事集「Measuring Marketing Insights: Turning Data Into Action」をダウンロードしてご確認いただけます。


この記事の初版は、HBR.orgスポンサー コンテンツとして 2016 年 8 月に公開されました。

*1 Harvard Business Review Analytic Services「Marketing in the Driver's Seat: Using Analytics to Create Customer Value」(2015 年)

投稿者:Karen Budell - Google アナリティクス 360 スイート担当コンテンツ マーケティング マネージャー
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