
ニュースリリース・プレスリリース配信サービスを行っているニューズ・ツー・ユーでは、コンテンツマーケティングの導入支援・運用サービスを提供する株式会社イノーバと営業協力を締結し、同社が提供するコンテンツマーケティング支援ソフトウェア「Cloud CMO」をご利用の企業さまに「News2uリリース」の特別プランをご提供しています。
そこで今回、「コンテンツマーケティングとニュースリリース配信の相乗効果について」というテーマで、株式会社イノーバの亀山將氏とニューズ・ツー・ユーの朝火英樹が対談を行いました。
「Cloud CMO」は中小規模のコンテンツマーケティングに最適なツール
亀山(以下敬称略):当社が提供する「Cloud CMO」は、オウンドメディアやブログなどのコンテンツの制作と管理、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアへの投稿、メルマガ配信、アクセス解析、リード管理といったコンテンツマーケティングに必要な機能がひとつにまとまったオールインワン・マーケティングツールです。
自社のWebコンテンツを公開して、読んでくれた人たちの中から潜在顧客を抽出し、より興味を持ってくれた人たちにダウンロードコンテンツなどを提供してリードにつなげていく。さらにメルマガやセミナーなどを通して一層理解を深めてもらい、見込み度を高めていくという一連のインバウンド型のマーケティングをWebサイト上でスムーズに行えるよう独自開発したシステムです。
朝火:2014年9月に発表されたときにかなり話題になりましたね、中小規模の企業が手頃に使えるMA(マーケティングオートメーション)導入ツールとして。ちょうどその規模感のツールがありませんでしたから。
亀山:「Cloud CMO」は、マーケティング担当が1人から3人ぐらいの少人数でも運用できるということを念頭に開発しました。価格もライトプランなら月額19,800円からと手頃に設定していますし、Webマーケティングの取り組み自体行ったことがない方が「はじめてのマーケティングツール」としてでも簡単に運用できるのが特徴です。クラウド型のシステムなので、ログインしていただければすぐに使えますし、サーバ管理も保守も一切不要。コンテンツ制作はWordで文章が書ける方ならすぐにできますし、アクセス解析や効果測定、メルマガの一斉配信も簡単にできます。
リリースも企業コンテンツの延長線上にある

株式会社イノーバ マーケティング部マネージャー 亀山 將氏
朝火:「Cloud CMO」で初めてコンテンツマーケティングを行った企業の方々は、みなさんどういったところで効果を実感されているのでしょうか。
亀山:コンテンツを発信していると次第に自社サイトのアクセスが増えていき、そこでまず最初の効果を感じていただくことは多いと思います。「ニュースキュレーションで取り上げられたい」という意図で作ったコンテンツが実際にスマートニュースさんに取り上げられてアクセスが増えたケースなどもありますね。しかし、アクセス増自体がコンテンツマーケティングのゴールというケースは稀ですので、その先の問い合わせや資料ダウンロードなどによるリード獲得を目指してコンテンツを整備していきます。
イノーバではコンテンツマーケティングツールだけでなく、コンテンツ制作のサービスも行っていますが、コンテンツを作るときは最初に「このコンテンツはどういう人に読んでもらって、どのような態度変容を起こしてもらいたいか」という狙いを考えて、同時に発信するチャネルなどの「届け方」も考えます。
例えば、ソーシャルでバイラルを生みたい場合の記事タイトルと、SEO効果を狙うときの記事タイトルのつけ方は変わってきますよね。また、ターゲットユーザーによってコンテンツを見られるデバイスも意識する。そうした、いわゆるコンテンツディストリビューション(コンテンツの届け方)を考えたときに、ニュースリリースもその延長上にあるのではないかと思うのです。
コンテンツをメディア向けの切り口でリリース配信する
朝火:おっしゃる通りです。コンテンツマーケティングでは、コンテンツを公開しながら、同時に自社のソーシャルメディアアカウントでも情報を展開しますが、メディアなどを通してそこからさらに外側にリーチしたいときにニュースリリースという広報・PR的なアプローチが必要になってきます。「Cloud CMO」をお使いのみなさまにコンテンツマーケティングとニュースリリースを組み合わせたときの相乗効果を感じ取っていただきたいというのが、このたびのイノーバさんとの提携の狙いです。
亀山:マスメディアにニュースとして取り上げてもらう広報・PRの手法は何が優れているかというと、オウンドメディアに比べて圧倒的にリーチ力があります。マスメディアはものすごく大きな読者層の母体を持っていますし、中立で信頼力も高い。ソーシャルメディアもバズなどでブーストはかけてくれますが、その規模は主要マスメディアのほうが圧倒的に大きい。ですから、より大勢の人にメッセージを届けるためのニュースリリース配信は中小企業こそやらなければもったいないですし、ぜひやるべきだと思っています。
朝火:ネットPR全体の話では、一時期、企業はマスメディアを介さずオウンドメディアで直接エンドユーザーに情報を発信しましょうという動きが盛んでした。ですが、最近はWebメディアが育って影響力が大きくなったため、自社で直接情報発信をしつつ、Webメディアも視野に入れた新しいスタイルのメディアリレーションを行っていこうという方向に回帰してきています。リリースを書くときに、どう書いたら記者に取り上げてもらえるか、メディア担当者の琴線に触れるタイトルや画像、切り口とは? という話題がまた復活してきました。
イベントや調査レポートのリリースは社会性を加味するのがカギ

株式会社ニューズ・ツー・ユー マーケティングコミュニケーション部 マネージャー 朝火英樹
亀山:コンテンツ作りもリリースを書くのも、「誰のどういった情報ニーズに、いかに応えるか。その結果どのように行動してもらいたいか」を考えるという本質は同じで、リリースの場合、ターゲットとしているメディアの記者さんがどういうニュースを探していて、どんなことにバリューを感じて載せようと思ってくれるのかを考えて書きますよね。そのように相手側の視点から逆引きして、どこにどういうメッセージを送ればいいか考えるということでは、やはりリリースを書くこともコンテンツの延長線上にあると思います。発信するコアメッセージは同じなわけですし。
朝火:企業が発信するコンテンツを、切り口を変えてリリース発信するというのは当社でもおすすめしている手法のひとつです。
亀山:例えば、我々はよく他企業との共催セミナーを開催して、そこからブログやメルマガなど複数のコンテンツ化を行います。2016年2月にもグノシーさんとの共催セミナーを行うのですが、リリースでは単に「セミナーを開催します!」と告知するのではなく、なぜ我々がグノシーと一緒にセミナーをやるのか、それによって参加者にどんないいことがあるのか、両社の掛け合わせによってどういった価値が生み出されるのか、ということをメインストーリーとして伝える内容ならば、メディアに向けてリリース配信する意義は大いにあると思います。
また、自社で行った調査レポートといった一次情報によるコンテンツを作ったときは、調査に対してこういうファクト(事実)がありました、こういうファインディング(発見)がありましたという内容をメディア向けにまとめてリリースで配信するのも、費用対効果が高く非常に有効だと思います。
朝火:自社のデータを元にした調査分析や、ユーザー調査、業界の動向リサーチといったオリジナルソースの情報は非常に価値が高いですからね。ユーザー調査は、ある特定のジャンルに興味関心を持った人に対象が絞られていますから、メディアにも「面白い」と思ってもらえることが多いようです。
亀山:自社の商品やサービスについて書いたブログ記事を更新しました、という情報をリリースで配信しても世間の人々には響きにくい。社会性があって、世の中の人々にとって知るといいことがある内容であれば、メディアにリリースを配信するPRの手段はフィットすると思います。
サポート体制が充実。はじめての人にこそぜひ試して欲しい
朝火:イノーバさんが初めてコンテンツマーケティングに取り組むお客さまのためにコンテンツ制作サポートを行われているように、我々も初めてニュースリリースを配信する企業のために、オウンドメディアのコンテンツからどのような情報をリリースにしたらいいかというネタの掘り起こしや、リリースの書き方のノウハウ、テンプレートの提供などのサポートをさせていただいておりますので、これまでリリース配信をしたことがない企業の方にもぜひお試しいただければと思います。
マーケティング発想と広報・PR発想の融合が情報発信の面白みを生む
亀山:広報とマーケティングは積極的にコミュニケーションを取って協力したほうが絶対にお得ですし、専任の広報がいなくてもマーケティングコミュニケーションツールのひとつとしてプレスリリースを活用するのはいい方法だと思います。特に、我々のようなベンチャー企業や、中堅・中小企業にはマーケティングと広報を兼任しなければならない人たちが大勢いると思います。そういう方々の手助けになる連携であれば、非常に意義があると思います。
朝火:Webを使ったPR活動においては、実はマーケティング視点がとても重要です。企業のブランディングとリード獲得施策はどんどん重なり始めていて、PR活動をリード獲得やロイヤルカスタマーの育成にも活かそうと考える企業が増えている。マーケティング発想と広報・PR発想が重なると、よりダイナミックな情報発信ができて面白みが生まれてくると思います。

今回は株式会社イノーバ様のオフィスをお借りし、対談を行いました。ご協力ありがとうございました。
<プロフィール>亀山 將(カメヤマ マサシ)氏
株式会社イノーバ マーケティング 部マネージャー/コンテンツマーケティングエバンジェリスト
米国ニューヨークで経営学を、スイス/英国でホスピタリティマネジメントとマーケティングを修める。帰国後、イベントマーケティング支援会社にて企業向けMICEイベント企画制作、マーケティング支援等に従事。非営利団体を含む各種新規事業の立ち上げ支援などを経て、株式会社イノーバに参画。コンテンツマーケティングの認知度向上に尽力。著書『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』(インプレス)
朝火 英樹(アサヒ ヒデキ)
株式会社ニューズ・ツー・ユー マーケティング コミュニケーション部 マネージャー
NEC、ソフトバンクモバイルを経て、2014年9月 ニューズ・ツー・ユーに参画。事業主側でWebマーケティングを推進してきた経験を活かし、現在、ニューズ・ツー・ユーにてネットPR(News2uリリース)を軸とした自社メディアによるマーケティング コミュニケーションの仕組みづくりを推進中。『デジタルPR実践入門 完全版』(月刊『広報会議』MASTER SERIES編、宣伝会議)に寄稿。