このページは、外部サイト
Inside AdWords Blog-Japan の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「
調査から明らかになったマルチスクリーン ユーザー解体新書(後編)」 からご覧ください。
Posted by 多田 翼 / マーケティングリサーチ マネージャー
今、多くの人がパソコンだけではなくスマートフォンも持つようになっています。ますます進むマルチデバイス環境下で、人々はどのような情報行動を取っているのでしょうか?
Google では、ユーザーのメディア情報行動を明らかにする「マルチスクリーン調査」を実施しました。前編に引き続き、調査結果をご紹介します。
前編は
こちら■テレビを視聴しながらのマルチスクリーン利用前編では、マルチスクリーン ユーザーをメディア行動から 5 つのグループに分類し、様々なデータからわかった特徴をご紹介しました。5 つのグループは以下の通りです(詳細は
前編をご確認ください)。
次に進めた分析では、テレビの視聴中にパソコンやスマートフォンをどのように使っているかを明らかにしました。
マルチスクリーン ユーザーがテレビを見ている総時間のうち、パソコン(インターネット)またはスマートフォンを同時に利用しているマルチスクリーン時間は 24% ということがわかりました。
つまり、60 分のテレビ番組を見ている場合、14 - 15 分くらいはテレビと同時に他のスクリーンも利用していることになります。パソコンとスマートフォンを個別に見ると、パソコン利用はテレビ視聴時間の 13%、スマートフォン利用は 12% でした。
では、このマルチスクリーン利用中にユーザーは何をしているのでしょうか?
テレビ視聴中のマルチスクリーン利用時間のうち、パソコンでは 14% がポータルや検索、18% がメール / SNS のサイトを利用していることがわかりました。スマートフォンのアプリでは 43% がブラウザやポータル/検索、33% がメール / SNS でした。
テレビ番組視聴中のマルチスクリーン行動の事例として、今年 6 月 4 日に行なわれたサッカー W 杯アジア最終予選の日本 vs オーストラリア戦を見てみました。
この試合は後半でオーストラリアに先制点を許したものの、ロスタイムに本田選手が PK を決めて 1 - 1 の同点に。ホームで日本が初の W 杯出場を決めた試合です。多くの人がある部分は集中して見る、ある部分は散漫に見るという両方が存在するであろう番組として分析対象にピックアップしました。
ハーフタイム後の後半において、試合内容が盛り上がると検索サイトやメール/ SNS 利用のマルチスクリーン行動が増えていたことが確認できました。さらに、オーストラリアが何かやった時には検索が増え、日本が何かやった時にはシェアが増える傾向が見られました。
5 つのグループ別に見ると、特に「探索ナルシスト」と「社交的ハンター」で活発でした。探索ナルシストは、サッカーの試合をテレビで受動的に見るのではなく、目的を持った態度で、わからなければ調べ、おもしろければ伝えるという 1 つのイベントとして楽しんでいる様子がうかがえます。
社交的ハンターは、テレビを見る時間は全体では長くはないですが、見ている時はそれを娯楽ではなく情報として捉え、シェアしようとするモチベーションが高いからだと思われます。このようにマルチスクリーン行動でもグループごとに特徴があり意味も違うのです。
■生活者を理解する最後に、今回実施したマルチスクリーン調査からわかったことのまとめです。
- マルチデバイス環境は進み、情報行動の多様性をより強めることになる。マルチスクリーン ユーザーが一様に同じ情報行動を取るわけでない
- メディア接触行動ではそれぞれ特徴のある 5 つのグループに分類できた。パソコンが普及してテレビが見られなくなった、モバイルが普及してパソコンが使われなくなった、というような単純なトレードオフは見られない
- 5 つのグループは性別年代のデモグラによって分離されるものではなく、情報に対する考え方、性格、社会的役割などが複合的に入り混じった結果と考えられる
以上を受けて、マルチスクリーン ユーザーへのマーケティング、特にコミュニケーションのアプローチはどう考えればよいでしょうか?
例えば、5 つのグループのうち、「探索ナルシスト」は納得するまで調べるなど情報に対して目的を持った態度が見られます。彼ら / 彼女らにアプローチをするには、オウンドメディアの整備が欠かせないでしょう。ネットワークづくりが好きで情報発信も積極的な「社交的ハンター」に対しては、オンラインの SNS で情報を提供することで、自発的な情報発信が期待できます。
これらは一例にすぎませんが、広告やメディアプランなどのコミュニケーションのためには、生活者の行動をより正確に観察するということが重要です。生活者を理解し、その上で、自分たちのメッセージとして何を伝えるか、なぜそれを伝えるのか。伝えたい生活者のメディア接触、情報行動に合ったマーケティングやクリエイティブ / メディアプランニングが必要なのです。
自社ブランドのターゲットが、例えば、女性の F1 層( 20 - 34 歳)であっても、その中にはテレビを好んで見る人たちもいれば、スマートフォンを中心に情報接触をしている人たちがいます。両方を使う人もいます。SNS で情報発信をするのが好きな人もいれば、検索をし積極的に情報を取りにいく人もいます。
メディアを介して自社のブランドを知ってもらい、使ってもらい、好きになってもらう。マルチデバイス環境が進むことで生活者のメディア環境は多様化していますが、だからこそ、生活者を理解した上でのマーケティング活動は今後も欠かせないのです。