ソニーにみる評判へのダメージ・イギリス編 | ネットPR.JP

ネットPR.JP - 2011年6月2日(木) 09:40
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ニューズ・ツー・ユーでは、海外の PR 業界の動向を知るために、 PR Week という雑誌を海外から購読しています。
PR Week には米国版と英国版があるのですが、今回は英国版で、わたしがちょっと気になった記事を紹介します。



Reputation Survey: Sony - Sony's Reputation Damaged By Breach


その記事とは、ソニーの件です。先日、プレイステーションネットワーク (PSN) で、なにものか知りませんが外部侵入者によるらしい大規模な情報流出事件が報道されました。驚いたのは、全世界規模、7000万件という数字だけでなく、安全のためとはいえ、PSN のサービス提供を長期間停止したことです。PSN は単にゲームやビデオをダウンロードしたりするだけでなく、さまざまなオンラインサービスを提供していて、プレイステーション3 (PS3) で遊ぶ上では欠かせないものなのですが、それがとまってしまうと、PS3 でまともに遊べなくなってしまいます。事実、ゲームが好きなわたしの知り合いもかなり困っていました。これだけ止めてしまうと、ユーザーがいなくなってしまうのではないか、と思いました。実際のところはどうなんしょう。


こういう危機状況下は、広報の人にとっては、うれしくないですが、実は活躍の場でもあります。みなさんだったらどうしますか? こういう事態が起きたときに、世の中の人達がどう感じているかが分からないと、どんどん泥沼に陥ってしまう可能性すらあります。PR Week では、OnePoll という調査会社と2000人からなるパネルで調査した最新結果が掲載されていました。なんともタイムリーですね。


興味をひいたのは、62%の人が、この事件を切っ掛けにして、Wii や Xbox など、他のプラットフォームに移ることには否定的な意見を出していたことです。なぜなのか。この理由が利いていまして「このような情報流出は、どんな会社でも起こりうることだから」とのこと。それはそうですね。ダメージに直面しても、次の行動のリスクをきちんと評価しているわけです。


このことから学べるとすると、リスクのきちんとした理解こそは、ユーザーをつなぎとめる鍵になりうるのではないでしょうか。パニックにならないで冷静に考える人が一定量いることがサーベイの結果で伺い知れますし、そういう人との平時におけるコミュニケーション、そしてリスクの周知こそ、危機、そしてその後のコミュニケーションや信頼の回復に重要だと思いました。


日本ではとかくリスクはゼロとか、ありえないこと、不可能なことを考えてしまいがちで、それが進んで神話化し、正常なリスク・コミュニケーションの妨げになっていると思います。リスクを正しく伝えるコミュニケーションを心掛けたいです。ちなみに、今回の評判のダメージという意味では、レスポンスの悪さを挙げる人が78%と一番多く、みんなの一番の関心は「いつゲームができるようになるのか」でした。
5月27日、ようやく復旧のリリースも出ました。段階的に復旧をすすめるようですので、これからの取り組みも注視していきたいと思います。




PlayStation®Network・Qriocity™(キュリオシティ)の一部サービス
日本およびアジアの国・地域でも再開



(ひらただいじ)
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