国内で最も優先すべきリスクの1 位は「地震・風水害等、災害の発生」、2 位が「人材不足」

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2020年02月19日(水)
デロイト トーマツ グループ
・日本国内で企業が経験したクライシスは「自然災害関連」が最多 ・クライシス対応の成否の要因は、事前準備や外部専門家の有効活用 ・日本本社が考える海外のリスクとアジア拠点が考えるリスクに大きなギャップ ・アジア拠点の不正発見件数は引き続き増加、5割以上が管理職によるもの。けん制する仕組が必要


デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:永田 高士)は、企業のリスク及びクライシスに関する意識や取組みについて、日本の上場企業を対象とした「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」2019年版(以下、「日本版」という)と、アジアの日系企業に対して行った、「アジア進出日系企業におけるリスクマネジメントおよび不正の実態調査」2019年版(以下、「アジア版」という)の結果発表を行います。

主な調査結果
1. 国内で優先すべきリスクの1位は「地震・風水害等、災害の発生」、2位が「人材不足」

日本国内において最も優先して着手すべきリスクの種類は、引き続き「地震・風水害等、災害の発生」が43.4%で4年連続最多となりました。日本国内ではこれまでも数多くの自然災害が発生してきましたが、2019年は深刻な台風被害が相次いだこともあり、災害リスクに対する企業の意識が引き続き高いことが分かりました。また前回同様2位の「人材流出、人材獲得の困難による人材不足」(31.1%)の回答割合が増加する一方、「過労死・長時間労働等労務問題の発生」が前回7位からランキング圏外の11位まで低下しており、コンプライアンス対応を目的とした働き方改革が進むものの、引き続き人材不足に課題があることが示されました。(図表1)

2. 日本国内で企業が経験したクライシスは「自然災害関連」が最多
次に国内本社および国内子会社が2018年、2019年に経験したクライシスの種類を確認したところ、「自然災害関連」が共に最多となりました。1の最も優先して着手すべきリスクとして「地震・風水害等、災害の発生」が挙げられる背景には、過去に自然災害関連のクライシスを経験していたことがうかがえます。(図表2)

3. クライシス対応の成否の要因は、事前準備や外部専門家の有効活用
過去にクライシスを経験した198社を対象に、クライシス発生時の対処ステージ(初動対応~事態沈静化)までの成功要因を3つまでの選択形式で聞いたところ、最も多かったのは「トップのリーダーシップ、トップダウンでの迅速な意思決定がなされた」(54.0%)、つづいて「クライシス発生に備えた事前の組織の枠組みができていた」と「情報収集・伝達ルートと収集情報の分析・判断のルールが整備されていた」(ともに42.4%)でした。また、クライシス対応の失敗要因は前回に引き続き「クライシス発生に備えた事前の準備ができていなかった」(37.9%)が最も多く挙げられました。このことから、クライシスに対する態勢基盤が整備されており、それをベースにしたリーダーの指導力発揮により初動対処が奏功することが分かります。また、失敗要因に「外部専門家を活用しなかった、または有効に活用できなかった」(19.7%)を挙げる回答割合が前回の結果から大幅増となり、外部人材活用の重要性も示されました。

4. 日本本社が考える海外のリスクとアジア拠点が考えるリスクに大きなギャップ
日本本社が考える海外拠点において優先して着手が必要な上位3リスクが「法令遵守違反」(21.5%)、「子会社に対するガバナンス不全」(19.4%)、「製品/サービスの品質チェック体制の不備」(18.7%)となっているのに対し、アジア拠点が考える優先して着手が必要な上位3リスクは、「市場における価格競争」(34.6%)、「法令遵守違反」(25.8%)、「人材流出、人材獲得の困難による人材不足」(24.8%)となっています。日本本社は、価格競争や人材不足を海外拠点の上位リスクとは考えておらずギャップが生じており、拠点別のリスクの適切な把握に課題が見えました。(図表3)

5. アジア拠点の不正発見件数は引き続き増加、5割以上が管理職によるもの。けん制する仕組が必要
アジア拠点の不正について確認したところ、46.6%の企業が「不正顕在化またはその懸念あり」と回答しており、2018年の38.9%から増加しています。これらは不正関連リスクに関する意識向上や、体制整備等により「不正の見える化」が進んだ結果と想定されます。一方で不正の5割以上が高い承認権限を持つ管理職以上によるもので、これらをけん制する内部統制、内部監査の実施が必要と言えます。

次に、不正が発生した部署に関しては、「営業部」が47.6%と最多となり、続いて「購買部」(36.2%)、「製造部」(25.6%)となり、取引先との接触の多い部署での不正が多いことが分かります。また、前回と比較し、営業部における不正が顕著となったのは、リスクとして挙げられた市場競争の激化が関連すると想定されます。不正の内容については、「不正支出」(56.2%)や「賄賂」(43.8%)に加え、「情報の不正利用、不正な報告」(25.9%)が前回の10.7%から割合が急増し、重要な資産である情報の統制を整備する必要性が示されました。

調査概要
<日本版>

2019年10月~11月に、デロイト トーマツ グループが日本の上場企業約3,500社を対象にアンケート形式で調査を実施し、有効回答数は389社となりました。詳細な調査結果は「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査 2019年版」(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20200219.html)を参照ください。なお、本調査における「リスクマネジメント」と「クライシスマネジメント」の用語については、以下のとおり定義しています。

○リスクマネジメント:
企業の事業目的を阻害する事象が発生しないように防止する、その影響を最小限にとどめるべく移転する、または一定範囲までは許容するなど、リスクに対して予め備え、体制・対策を整えること

○クライシスマネジメント:
どんなに発生しないよう備えても、時としてリスクは顕在化し、企業に重大な影響を与えるクライシスは発生し得ることを前提に、発生時の負の影響・損害(レピュテーションの毀損含む)を最小限に抑えるための事前の準備、発生時の迅速な対処、そしてクライシス発生前の状態への回復という一連の対応を図ること




※本調査ならびに本ニュースリリース中の数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計値が100%にならないことがあります。

<アジア版>
2019年9月~10月に、デロイト トーマツ グループがアジア地域(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ミャンマー、中国、台湾およびインド)に進出している日本企業の子会社に対し、各地域にあるDeloitteのRisk AdvisoryおよびJapanese Services Group (JSG)の協力を得て調査を実施し、有効回答数は602件となりました。詳細な調査結果は「アジア進出日系企業におけるリスクマネジメントおよび不正の実態調査2019年版」(https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20200219.html)を参照ください。なお、本調査における「リスクマネジメント」の用語については、日本版と同様に定義しています。




※本調査ならびに本ニュースリリース中の数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計値が100%にならないことがあります。
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