東京商工リサーチ(TSR)は、企業の「退職代行」に関するアンケート調査を実施した。2024年1月以降の利用状況や、企業側の対応、採用への影響などをまとめている。
「退職代行」による退職があった企業は8.7%、最多は「宿泊業」
調査によると、2024年1月以降に「退職代行」を利用した退職者がいた企業は全体の8.7%だった。内訳は「正社員のみ」が6.4%で最も多く、「正社員・非正規社員」が1.5%、「非正規社員のみ」が0.7%だった。規模別では大企業が21.3%、中小企業が7.8%で、大企業が中小企業の2.7倍にのぼった。

業種別で見ると、退職代行による退職が最も多かったのは「宿泊業」の24.1%だった。次いで警備会社などの「その他の事業サービス業」が19.4%で続き、対面業務やシフト勤務が多い業種で比較的高い傾向が見られた。
退職代行は「利用歴が分かった場合採用しない・慎重になる」が7割超
続いて、弁護士や労働組合以外の退職代行業者から連絡があった場合の対応を聞くと、「業者を間に挟んで、従業員との退職手続きを進める」が41.3%で最多だった。一方、「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」も30.4%にのぼり、慎重な姿勢を示す企業が増えていることがわかった。
「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」とした企業を産業別に見ると、「不動産業」が38.9%で最も高く、「運輸業」が34.3%、「建設業」が34.2%と続いた。
また、求職者の退職代行の利用歴が採用にどう影響するかを聞くと、「利用歴が分かった場合、採用に慎重になる」が49.3%で最多だった。「利用歴が分かった場合、採用しない」も26.0%あり、「影響しない」は23.7%にとどまった。
事件後も「非弁行為に触れる可能性のある通知」が3割にのぼる
2026年2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。事件以降、退職代行業者からの連絡にどのような変化があったかを聞くと、「連絡が多くないので比較できない」に次いで、「特に変化はない」が37.7%となった。
退職代行業者からの通知内容を見ると、「退職意思の取次のみ」が66.6%だった。一方で、「未払い賃金や残業代請求」「退職日に関する調整」などの非弁行為に触れる可能性が含まれる通知を受けた企業も多く、30.4%に達した。
調査概要
- 【調査期間】2026年3月31日~4月7日
- 【有効回答数】6,425社
- 【調査方法】インターネットで企業向けアンケート調査
