国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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ランドが語る「クリックとアトリビューション、その先のデジタルマーケティング」

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グーグル検索SEO情報②

ランドが語る「クリックとアトリビューション、その先のデジタルマーケティング」
ゼロクリック時代のブランド戦略 (SparkToro) 海外情報

デジタルマーケティングの権威であるランド・フィッシュキン氏が、クリックとアトリビューションの終焉を主張している。

次のような手法に大きく依存していた従来のデジタルマーケティング手法が時代遅れになりつつあるというのだ:

  • クリックの追跡
  • 特定のマーケティング活動へのコンバージョンのアトリビューション

この変化にはいくつかの要因がある。次のようなものだ:

  • ゼロクリックコンテンツの台頭 ―― ソーシャルメディアサイトや検索エンジンなどのプラットフォームでは、ユーザーをプラットフォーム上に留まらせるコンテンツを優先する傾向が強まっており、ユーザーが外部リンクをクリックする可能性が低くなっている。

  • プライバシーへの懸念と規制 ―― ユーザーのプライバシー保護への関心の高まりに加えて、AppleのCookie変更やGDPRなどの規制により、ウェブ全体でユーザー行動を追跡することが難しくなっており、アトリビューションが正確に判断しづらくなっている。

  • モバイルとアプリの優位性 ―― モバイルデバイスやアプリの普及はアトリビューションをさらに複雑にしており、アプリ内でのユーザーアクティビティの多くは簡単に追跡できない

フィッシュキン氏は、クリックとアトリビューションの衰退により次のような変化が起きると指摘する:

20世紀を彷彿とさせるマーケティング戦略への回帰が必要である。

これからは、オーディエンスを理解し、適切なチャネルを通じて適切なタイミングでリーチすることに焦点を当てる必要がある。そして、完全に頼ることはできないとしても、ブランド認知度を高め、消費者の行動に影響を与える戦術に投資することの重要性もフィッシュキン氏は強調する。

関係構築とインフルエンサーとのエンゲージメント、関連コミュニティでの強力なプレゼンスの構築に焦点を当てることにより、大幅な成長を達成したブランドの成功事例としてアクエレッロが挙げられている。

※筆者補足: アクエレッロ(Acquerello)はイタリア産のリゾット用のお米を販売する会社

フィッシュキン氏の主張の主要なポイントを簡潔にまとめると、次のようなものだ:

  • クリックとアトリビューションに依存する従来のデジタルマーケティング手法は、もはや効果的ではない

  • ゼロクリックコンテンツの台頭、プライバシーへの懸念、モバイルの優位性が、この変化の一因となっている

  • マーケティング担当者は、オーディエンスを理解し、適切なチャネルを通じてリーチすることに重点を置く、より包括的なアプローチを採用する必要がある

  • アクエレッロの成功は、ブランドの成長に貢献する戦術に投資することの有効性を実証している

  • マーケティングの未来は、「関係構築」「インフルエンサーとのエンゲージメント」「関連コミュニティでの強力なプレゼンスの構築」にある

SEOに限らず、1つの集客方法に大きく依存しているビジネスにとって示唆に富んだ考察だ。さすがフィッシュキン氏というべきか。詳細は元記事で確認してほしい。長い英語記事なので、翻訳ツールや生成AIを利用するといい。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

Googleトレンドを使いこなすために知っておきたい基礎知識
データ収集の仕組みと基本的な使い方 (Google Search Central on YouTube) 海外情報

Googleトレンドの上手な使い方を解説する動画シリーズの本編が始まった。前回 紹介編を紹介したもので、解説するのはグーグルのダニエル・ワイズバーグ氏だ。

本編第1回のメインテーマは、Googleトレンドがデータを収集する仕組みと基本的な使い方だ。主要な内容は次のとおり:

  • Googleトレンドは、グーグル検索のクエリデータを元に、匿名化・集約・分類したランダムサンプルを提供する

  • 表示データは、「ユーザーのプライバシーを保護するため」「理解しやすくするため」の意図で処理されている

  • Googleトレンドに検索キーワードを入力すると、そのキーワードが時間の経過とともにどのようにトレンドになっているかを確認できる

  • 日付範囲をカスタマイズしたり、分析したいプロパティや製品を選択したり(ウェブ検索、画像検索、YouTube検索など)できる

  • 「トピック」とは、そのエンティティに関連する検索語句のグループ。これには、正確な用語だけでなく、スペルミスや同義語も含まれる

  • Googleトレンドで提供されるデータは、検索ボリュームの絶対数ではない。したがって、特定のキーワードが何回検索されたかを正確に知ることはできない

  • データは、0~100の範囲の「検索関心度」という指標に簡略化されている。これにより、Googleユーザーのプライバシーを尊重しつつ、比較が容易になる

要点を列挙したが、全体を視聴すると理解が深まる。動画には日本語字幕が付いているし、6分ほどの動画なのでサクッと見終わるはずだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

そのSEOを施策した理由は何? SEOは最優先の理由ではない!?
SEOは最後の理由であるべき (Pedro Dias on X) 海外情報

元グーグル社員のペドロ・ディアス氏のXでの投稿を紹介する:

  • JavaScriptフレームワークを選ぶ理由もあれば、選ばない理由もある
  • サブドメインを選ぶ理由もあれば、ディレクトリを選ぶ理由もある
  • 画像にaltテキストを含める理由もあれば、含めない理由もある
  • リンクを<a>アンカーにする理由もあれば、そうしない理由もある
  • meta robotsでのnoindexの代わりにrobots.txtでのdisallowを使う理由もあれば、その逆の理由もある

何かを実行する多くの理由は、必ずしもSEOから始まるわけではない。実際、多くの場合、SEOは何かを実行する最後の理由であるべきだ。

ディアス氏のアドバイスからどのようなことをあなたは感じ取っただろうか? 筆者は、ウェブサイト運営において次のように考えておくべきだと感じた:

  • SEOが唯一の要因ではない
  • SEOを常に最優先に考えるべきではない
  • 画一的ではなく自分の状況に合わせた選択、優先付けが必要
★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

2024年7月のグーグル検索オフィスアワー: areaタグ内のURLの扱い方、MFIにおけるcanonical設定、ページ非表示のコンテンツの評価ほか
今回もややコンパクト (#Google検索オフィスアワー on YouTube) 国内情報

2024年7月のグーグル検索オフィスアワーがYouTubeに公開された。あんな氏が回答した質問は次のとおりだ:

  • area タグ内の URL の扱い方(4:41
  • MFI における canonical 設定(5:56
  • サイトがハッキングされた際の対応(8:06
  • 新しく追加された画像メタデータ(12:18
  • ページ非表示のコンテンツの評価(13:57
  • 指名検索の CTR の増減の要因を知りたい(15:47

タイムスタンプはその場所から再生が始まるようにリンクしてある。気になる質問の回答だけでもチェックしておこう。

質問数が少なくコンパクトなので全体を視聴しても20分足らずだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

2024年7月の英語版グーグルSEOオフィスアワー: CMS の移行と hreflang、GoogleOtherクローラーとは?、商品リッチリザルトが消えた、他
ボリュームたっぷりのQ&A (Google SEO Office hours) 海外情報

2024年7月の英語版グーグルSEOオフィスアワーの日本語文字起こしが公開された。グーグルのジョン・ミューラー氏とゲイリー・イリース氏が回答した質問は次のとおりだ:

  1. Google では段階的な CMS の移行と hreflang をどのように処理しますか?

  2. GoogleOther によるクロールで対応している検索以外の機能にはどのようなものがありますか?

  3. サイトの商品が Google 検索のリッチリザルト スニペットから消えたのはなぜですか?

  4. ユーザーが韓国語で Google 検索を行う場合、com.kr ドメインと .com ドメインのどちらの方がよいですか?

  5. 商品ポートフォリオを大幅に拡張した場合、SEO のパフォーマンスにはどのような影響がありますか?

  6. Google の検索結果から古いページを削除するにはどうすればよいですか?

  7. 「ページのインデックス登録」レポートのインデックス登録エラーをすべて削除するにはどうすればよいですか?

  8. status.search.google.com/summary への API リンクを取得することは可能ですか?

  9. Google Search Console で商品スニペットの数を増やすにはどうすればよいですか?

  10. Google Search Console で数多くのサイトを管理しています。インデックス登録は無制限にリクエストできますか?

  11. 単語の混同により、ウェブサイトの検索結果での表示に影響が出ています。この SEO の問題を解決する方法を教えてください。

  12. Google に対してテキスト部分を無視するよう伝える、HTML マークアップまたはタグはありますか?

  13. 構造化データのレシピスキーマは料理以外のレシピにも使えますか?

  14. Google チームは以前のドメインの SEO ランキングを新しいドメインに移行できますか?

  15. 私のサイトの SEO 最適化がアクティブに行われているかを確認するにはどうすればよいですか?

  16. Google の検索エンジンに対して noindex タグを実行するにはどうすればよいですか?

  17. 数多くの不完全な商品コンフィギュレーターのバリエーションがあるサイトで、バリエーション商品の構造化データを使用できますか?

  18. Google スパイダーはウェブページに埋め込まれた RSS フィードのリンクをクロールしますか?

  19. サイトの SEO のためにロゴを更新しましたが、Google ではまだ変更されていません。なぜですか?

  20. 見出しの順番に関する SEO スターター ガイドの記述は正しいですか?

  21. GSC でドメインの確認に使用した Google アカウントは、新しい Google サイトの所有者と一致している必要がありますか?

  22. URL のクロールまたはインデックス登録をブロックすると、外部リンクと内部リンクのリンクパワーが無効になりますか?

  23. サイトマップ ファイルはどのようにまとめればよいですか?

全部で23個ある。日本語のオフィスアワーと違って英語版は盛りだくさんだ。世界中のウェブ担当者から質問が集まるからだろう。気になる質問の回答をチェックしよう。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • ホントにSEOを極めたい人だけ

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