“シェアしない”一人用ピザ「マイドミノ」が500万食超え。ヒット商品はどのようにして誕生したのか

発売からわずか34日で50万食を突破、ヒット商品誕生の背景にあったのは「ピザを取り巻くインサイト」への着目だった。
ドミノ・ピザの“お一人様用”ピザ「マイドミノ」が人気を集めている

ドミノ・ピザが2023年2月に発売した「マイドミノ」(月〜金限定16時まで699円〜、通常時990円〜)がヒットしている。700通り以上の組み合わせ(2024年5月現在)からメイン(ピザ、またはピザライスボウル)1品、サイド2品を選べる“お一人様”向けのピザセットで、月曜日〜金曜日の16時までは699円〜のキャンペーン価格で購入できる(2024年6月時点、今後終了の可能性あり)。

スポーツイベントや花見のタイミングで、お得な価格で購入できるキャンペーンを実施したことも功を奏し、2月13日の発売から34日で50万食を突破。発売からちょうど1年が経過した2024年2月28日には500万食を超えた。

マイドミノが生まれた背景には、「ピザを取り巻くインサイト」への着目があったというが、どのような狙いで開発されたのか。ドミノ・ピザ ジャパン 執行役員 コミュニケーション&コーポレートアフェアーズ部 部長 松原 歩氏に「ヒット商品が生まれた背景」を聞いた。

ドミノ・ピザ ジャパン 執行役員 コミュニケーション&コーポレートアフェアーズ部 部長 松原 歩氏

700通りから「自分好みのピザセット」を選べる

一人用のピザとして開発されたマイドミノは、ピザ、またはピザライスボウル(各11種類)から1品、サイド(全9種類)から2品を選び、自分好みのピザセットを作ることができる。組み合わせは700通り以上もあるという。

メイン1品とサイド2品を組み合わせて、自分好みのピザセットを作れる。写真はメインが「ドミノ・デラックス」、サイドが「ポテトフライ」「ジューシーからあげ」(提供:ドミノ・ピザ)
2021年に発売された「ピザライスボウル」も選べる。写真はメインが「ピザライスボウル ドミノ・デラックス」、サイドが「ポテトフライ」「ジューシーからあげ」(提供:ドミノ・ピザ)

ピザのサイズはSサイズよりも小さい1人用サイズ(直径18cm)で、4つにカットされている。メニューは固定となるが、ハーフ&ハーフも選べる。期間限定メニューがラインアップされることもあるそうだ。

月曜日〜金曜日の16時まではオトクな価格で提供されている(提供:ドミノ・ピザ)

月曜日〜金曜日のオープンから16時までの間は、699円〜のお手頃価格で購入できる。それ以外は持ち帰りが990円〜、デリバリーは1,310円〜となる。

発売開始から現在までの人気のメニューは以下となっている。

メイン

1位:ドミノ・デラックス
2位:マルゲリータ
3位:マヨじゃが

サイド

1位:ポテトフライ
2位:ジューシーからあげ
3位:骨付きフライドチキン

左から1位の「ドミノ・デラックス」、2位の「マルゲリータ」、3位の「マヨじゃが」(提供:ドミノ・ピザ)

ドミノ・デラックスは、日本での創業以来、長く愛されている王道メニューです。サイドは、1位のポテトフライと2位のジューシーからあげが圧倒的な人気を誇ります。からあげは、2023年5月にリニューアルを実施し、さらにおいしくなりました。鶏肉を二度揚げし、注文を受けてから店舗のオーブンでじっくり焼成することで、ジューシー感はそのままに衣のサクサク感がアップしています(松原氏)

「いつでも好きなピザを食べたい」ニーズから誕生

ヒット商品となったマイドミノは、どのようにして生まれたのか。松原氏は、「シェアして食べる」というピザの食事スタイルにまつわるインサイトに着目したという。

ピザは家族や友人などとシェアして食べるのが一般的で、“子どもが好きな味”や“みんなが好きな定番”を頼むことが多いと思います。そうすると、本当に食べたいものが食べられないことがあります。

また、『ピザを食べたいけれど、一人では食べきれないから頼めない』ということもあります。そこで、自分好みの一人用ピザとサイドを合わせてパーフェクトなセットを作ってもらおうと開発されたのが、マイドミノです(松原氏)

松原氏は「マイドミノを通じてピザを食べる機会を増やしてほしい」と話した

近年は少子高齢化や共働き、ライフスタイルの多様化などにより、一人で食事をする「個食」が増加傾向にある。そんな時代背景もあり、誰かと食卓を囲むときも、一人で食事をするときも、遠慮せずに好きなものを食べたいというニーズを満たせる商品として、マイドミノを設計したそうだ。

マイドミノは、オフィスでのランチや会議や研修のケータリングでも好評とのこと(提供:ドミノ・ピザ)

当社では、1枚で4種類の味が楽しめる『クワトロ・ピザ』というシリーズがあり、こちらも人気です。一方で、『気づいたら食べたい種類がなくなっていた』ということもあります。たとえば、スポーツ観戦に熱中していたらピザの残りを気にしていられませんよね(笑)。マイドミノなら、そういった心配もありません(松原氏)

さらに、人が集まるイベント時など「機会食」のイメージが強いピザを、日常的に食べてほしい思いもあると松原氏。

日本人にとってピザは、やや特別感のある食事かもしれません。誰かとシェアしながら、ワイワイ食べるイメージがありますが、それを“ちょっとした楽しみ”や“プチご褒美”のような日常の感覚に変えていけたらという思いもあります(松原氏)

スポーツイベントや花見に合わせたキャンペーンも好調

マイドミノを広めるにあたり、ドミノ・ピザでは、スポーツイベントや花見のタイミングに合わせてキャンペーンを実施しており、これが注文増につながっているという。

たとえば「ラグビーワールドカップ」や「WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)」のタイミングに実施したキャンペーンでは、試合の開催期間に合わせて割引価格でマイドミノを販売。また、花見の時期には10個で最大8,900円お得になるセット販売のキャンペーンを展開した。

2023年9月のキャンペーン「チャチャチャで888(パチパチパチ)円」応援セールは、ラグビーワールドカップに合わせて実施(提供:ドミノ・ピザ)
2024年春には「幹事さんお助け!『マイドミノ』お花見セット」と題して、複数注文でお得になるキャンペーンを実施(提供:ドミノ・ピザ)

キャンペーンを打ったタイミングには、販売数がグッと伸びる傾向があります。スポーツやお花見といったワイワイと楽しむイベントとピザは特に相性がいいのだろうと思います(松原氏)

こうしたキャンペーンの効果もあってか、マイドミノは他の新商品と比較して早いペースで売上が伸びているという。たとえば、2021年5月に発売開始したピザライスボウルは発売5ヵ月で100万食を達成したが、マイドミノは発売約4ヵ月で150万食を超えた。

リピーター率や新規購入者数も他の商品より高い傾向があり、これまでとは異なる顧客層へのアプローチや、これまで食べたことがない種類のピザを食べる機会の提供につながっているそうだ。

おひとり様サイズで手頃な価格ですので、お試し買いのようなニーズも満たせているのかなと。まずはマイドミノで頼んでみて、おいしかったらみんなで集まるときにも頼むなど選択肢を広げられていると思います(松原氏)

目指すのは「機会食」から「日常食」へのシフト

発売から1年以上が経過した現在も、マイドミノは順調に販売数が伸びている。この結果から、「一人で好きなピザを食べたいニーズ」が十分にあることがわかる。一方で、ピザを「機会食」から「日常食」に変えていくには、さらなる工夫が求められるようだ。

日常の当たり前の選択肢として、ピザを浸透させたいという

ピザは人と人とをつなげ、会話がはずむ楽しい食事だと思います。その楽しさを時々ではなく、日常的に取り入れてもらうことは当社の今後の挑戦です(松原氏)

筆者が試食した「炭火焼チキテリ&炭火焼ビーフ」「ジューシーからあげ」「エッグタルト」のマイドミノ(筆者撮影)

実際にマイドミノを食べてみると、サイドも含めて自分の好きなメニューをセットにできるのは満足度が高かった。持ち帰りなら1,000円前後なので、普段のランチの選択肢になるかもしれない。日常食としてピザを浸透させるにあたり、マイドミノがその一端を担うことはありそうだ。

 

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

今日の用語

SCAT
社会調査などにおける質的調査データなどの分析手法の1つ。インタビューなどによって ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]